厚生労働省発表

平成20年5月30日



雇用均等・児童家庭局雇用均等政策課

課          長安藤 よし子
均等業務指導室長大地 直美
中央機会均等指導官元木 賀子
電話03-5253-1111(内線7842、7844)
夜間直通03-3595-3272

第23回男女雇用機会均等月間について
〜 女性のプラスは企業のプラス 〜
DO! ポジティブ・アクション!!

1 第23回男女雇用機会均等月間

(資料1,2)


厚生労働省では、男女雇用機会均等法(以下「均等法」という。)の公布日(昭和60年6月1日)を記念して、昭和61年以降毎年6月を「男女雇用機会均等月間」と定め、職場における男女均等について労使を始め社会一般の認識と理解を深めているところである。

第23回にあたる本年は、労使を始め社会一般に対する均等法の一層の周知徹底、ポジティブ・アクション(男女労働者間に事実上生じている格差の解消に向けた企業の自主的な取組)の趣旨及び内容の正しい理解の促進を目標として、「〜女性のプラスは企業のプラス〜 DO!ポジティブ・アクション!!」をテーマに実施する。

2 ポジティブ・アクション実践研修の開催

(資料3)


男女労働者間に事実上生じている格差を解消するため、厚生労働省では、企業におけるポジティブ・アクションの取組を推進しており、今年度においても、企業の人事労務担当者を対象に、ポジティブ・アクションの理解を深め、具体的取組を進めるための研修を全国各地で開催する。(委託事業)

3 男女雇用機会均等法施行状況 〜 改正法施行1年目の状況 〜

< 労働局長による個別紛争解決援助が前年度の3倍超に >

(1)都道府県労働局雇用均等室への相談

◆ 均等法に関する相談は引き続き増加し、約2万9千件。

◆ 女性労働者からの相談が増加しているが、男性労働者からの相談も約800件。

◆ セクシュアルハラスメントに関するものが最多。次いで、母性健康管理、婚姻、妊娠・出産等を理由とした不利益取扱いに関するものが多い。

○ 平成19年度に、労働局雇用均等室に寄せられた均等法に関する相談は、29,110件であり、引き続き増加している。(図1)(表2)

○ 事業主からの相談は、改正法施行(平成19年4月)を控えて改正内容の問い合わせが急増した前年度の10,839件をやや下回ったが、引き続き9,910件と全体の約1/3を占めている。

女性労働者からの相談は12,184件と、前年度の9,281件を上回り、約3割増となった。

これは、性差別の禁止の範囲拡大や、個別紛争解決援助の範囲が拡充したこと等によるものと考えられる。

また、男性労働者からの相談も788件あった。(図1)(表1)

図1 相談件数の推移

○ 内容をみると、最も多いのはセクシュアルハラスメント(法第11条)に関するもので15,799件と、全体の半分以上を占めている。次いで母性健康管理(法第12、13条)に関するもの、婚姻、妊娠・出産等を理由とした不利益取扱い(法第9条)に関するものがそれぞれ1割強を占めている。(図2)

婚姻、妊娠・出産等を理由とした不利益取扱い(法第9条)については、3,600件の相談があったが、このうち9割を超える3,420件は妊娠・出産等を理由としたものであり、これは、改正前は妊娠・出産等を理由とする解雇のみが禁止されていたものが、改正後は解雇以外の不利益取扱いも禁止されたことを反映したものと考えられる。

○ 相談内容について相談者の属性別にみると、男女労働者及び事業主のいずれも、セクシュアルハラスメント(法第11条)が最も多く、次いで、女性労働者は婚姻、妊娠・出産等を理由とした不利益取扱い(法第9条)、男性労働者は募集・採用(法第5条)、事業主は母性健康管理(法第12、13条)となっている。(表1)

図2 相談内容の内訳

表1 相談者別相談内容の内訳 (件)
  女性労働者 男性労働者 事業主 その他 合計
第5条関係
(募集・採用)
123
(1.0%)
171
(21.7%)
566
(5.7%)
731
(11.7%)
1,591
(5.5%)
第6条関係
(配置・昇進・降格・教育訓練等)
316
(2.6%)
28
(3.6%)
445
(4.5%)
285
(4.6%)
1,074
(3.7%)
第7条関係
(間接差別)
11
(0.1%)
11
(1.4%)
285
(2.9%)
155
(2.5%)
462
(1.6%)
第9条関係
(婚姻、妊娠・出産等を理由とした不利益取扱い)
1,771
(14.5%)
6
(0.8%)
1,126
(11.4%)
697
(11.2%)
3,600
(12.4%)
第11条関係
(セクシュアルハラスメント)
8,169
(67.0%)
517
(65.6%)
4,163
(42.0%)
2,950
(47.4%)
15,799
(54.3%)
第12条、13条関係
(母性健康管理)
943
(7.7%)
2
(0.3%)
2,168
(21.9%)
595
(9.6%)
3,708
(12.7%)
第14条関係
(ポジティブ・アクション)
18
(0.1%)
3
(0.4%)
177
(1.8%)
140
(2.2%)
338
(1.2%)
その他 833
(6.8%)
50
(6.3%)
980
(9.9%)
675
(10.8%)
2,538
(8.7%)
合計 12,184
(100.0%)
788
(100.0%)
9,910
(100.0%)
6,228
(100.0%)
29,110
(100.0%)
表2 相談件数の推移 (件)
旧均等法 17年度 18年度 現均等法 19年度
第5条関係
(募集・採用)
1,755 2,000 第5条関係
(募集・採用)
1,591
第6条関係
(配置・昇進・教育訓練)
549 790 第6条第1号関係
(配置・昇進・降格・教育訓練)
651
第6条第3号関係
(職種・雇用形態の変更)
106
第7条関係
(福利厚生)
124 143 第6条第2号関係
(福利厚生)
138
第8条関係
(定年・退職・解雇)
1,495 2,081 第6条第4号関係
(退職勧奨・定年・解雇・労働契約の更新)
179
第9条関係
(婚姻、妊娠・出産等を理由とした不利益取扱い)
3,600
第21条関係
(セクシュアルハラスメント)
7,894 11,102 第11条関係
(セクシュアルハラスメント)
15,799
第22、23条関係
(母性健康管理)
4,573 5,011 第12、13条関係
(母性健康管理)
3,708
第20条関係
(ポジティブ・アクション)
373 456 第14条関係
(ポジティブ・アクション)
338
      第7条関係
(間接差別)
462
その他 2,961 5,101 その他 2,538
合 計 19,724 26,684 合 計 29,110

(2)個別紛争解決の援助

[1] 都道府県労働局長による紛争解決の援助(法第17条)

◆ 個別紛争解決援助制度の申立受理件数が大幅に増加し、546件。

◆ 申立は、男性労働者、事業主からも。

◆ セクシュアルハラスメントと婚姻、妊娠・出産等を理由とした不利益取扱いに関する事案が全体の9割以上を占める。

◆ 援助を終了した事案の約8割が解決。

(資料4「都道府県労働局長による個別紛争解決の援助事例」参照)

○ 平成19年度に新たになされた法第17条に基づく個別紛争解決援助の申立件数は546件で、前年度の166件の3.3倍と大幅に増加した。(図3)(表3)

○ 女性労働者からの申立が529件と大部分を占めるが、男性労働者から12件、事業主から5件の申立があった。

○ 内容をみると、改正法により新しく援助の対象となったセクシュアルハラスメント(法第11条)が300件と最も多く、全体の半分以上を占め、次いで、婚姻、妊娠・出産等を理由とした不利益取扱い(法第9条関係)が210件で約4割と、この2事項で9割以上を占めている。(図4)

特に、妊娠・出産等を理由とした不利益取扱いについては、208件の申出があり、妊娠・出産等を理由とした解雇のみを禁止していた前年度の136件と比較して約1.5倍に増加した。これは、解雇に係る事案が引き続き増加しているのに加え、法改正により解雇以外の不利益取扱いが援助の対象となったことを反映しているものと考えられる。 (表4)

○ 平成19年度中に援助を終了した事案507件(前年度から引き続いて援助を行ったものを含む。)のうち、約8割に当たる394件が、都道府県労働局長が助言・指導・勧告を行った結果、解決をみている。 

図3 都道府県労働局長による紛争解決の援助申立受理件数の推移
表3 紛争解決の援助申立受理件数の推移 (件)
旧均等法 17年度 18年度 現均等法 19年度
第5条関係
(募集・採用)
4 7 第5条関係
(募集・採用)
5
第6条関係
(配置・昇進・教育訓練)
6 13 第6条第1号関係
(配置・昇進・降格・教育訓練)
8
第6条第3号関係
(職種・雇用形態の変更)
4
第7条関係
(福利厚生)
0 0 第6条第2号関係
(福利厚生)
1
第8条関係
(定年・退職・解雇)
131 146 第6条第4号関係
(退職勧奨・定年・解雇・労働契約の更新)
4
第9条関係
(婚姻、妊娠・出産等を理由とした不利益取扱い)
210
第21条関係
(セクシュアルハラスメント)
第11条関係
(セクシュアルハラスメント)
300
第22、23条関係
(母性健康管理)
第12、13条関係
(母性健康管理)
14
      第7条関係
(間接差別)
0
合 計 141 166 合 計 546

図4 紛争解決援助内容の内訳

表4 第9条関係(婚姻、妊娠・出産等を理由とした不利益取扱い)の内訳

事 項 件 数
退職の定め 0
婚姻解雇 2
妊娠・出産等を理由とした不利益取扱い 208
合 計 210

[2] 機会均等調停会議による調停(法第18条)

調停申請受理件数も大幅に増加し、62件。

改正法により新しく調停の対象となったセクシュアルハラスメントについての事案が最多。

(資料5「機会均等調停会議による調停事例」参照)

○ 平成19年度に新たになされた調停申請受理件数は62件で、前年度の5件から大幅に増加し、このうち56件が調停を開始した。

○ 女性労働者からの申請が59件と大部分を占めるが、男性労働者から1件、事業主から2件の申請があった。

○ 内容をみると、セクシュアルハラスメントに関するもの(法第11条)が53件と最も多く、全体の約8割を占めている。(図5)

また、配置・昇進や退職・解雇等の差別に関する事案についても、昨年度の5件から9件に増加している。(表5)

○  調停の実施結果をみると、調停が開始された56件のうち調停案の受諾勧告を行ったものが31件で、その9割近い27件が調停案を双方受諾し、解決に至っている。

図5 調停申請内容の内訳

表5 調停申請件数の推移 (件)
旧均等法 17年度 18年度 現均等法 19年度
第6条関係
(配置・昇進・教育訓練)
3 0 第6条第1号関係
(配置・昇進・降格・教育訓練)
4
第6条第3号関係
(職種・雇用形態の変更)
0
第7条関係
(福利厚生)
0 0 第6条第2号関係
(福利厚生)
0
第8条関係
(定年・退職・解雇)
1 5 第6条第4号関係
(退職勧奨・定年・解雇・労働契約の更新)
1
第9条関係
(婚姻、妊娠・出産等を理由とした不利益取扱い)
4
第21条関係
(セクシュアルハラスメント)
第11条関係
(セクシュアルハラスメント)
53
第22、23条関係
(母性健康管理)
第12、13条関係
(母性健康管理)
0
      第7条関係
(間接差別)
0
合 計 4 5 合 計 62

(3)都道府県労働局雇用均等室における指導

是正指導件数は、約1万5千件。

○ 平成19年度は、4,956事業場を対象に報告徴収を実施し、このうち何らかの均等法違反のあった4,547事業場に対し、15,069件の是正指導を行った。(表6)

○ 指導事項としては、セクシュアルハラスメントの防止対策に係る指導が最も多く、続いて母性健康管理関係となっている。(表6)

○ 指導の結果をみると、9割以上にあたる13,975件が年度内に是正されている。

表6 是正指導の内容

事  項 件 数
第5条関係
(募集採用)
257
第6条第1号関係
(配置・昇進・降格・教育訓練)
151
第6条第2号関係
(福利厚生)
47
第6条第3号関係
(職種・雇用形態の変更)
6
第6条第4号関係
(退職勧奨・定年・解雇・労働契約の更新)
3
第7条関係
(間接差別)
5
第9条第1項関係
(退職の定め)
2
第9条第2項関係
(婚姻解雇)
0
第9条第3項関係
(妊娠等解雇・不利益)
26
第11条関係
(セクシュアルハラスメント)
9,854
第12条、13条関係
(母性健康管理)
4,675
その他 43
合 計 15,069

添付資料1 第23回男女雇用機会均等月間実施要綱(PDF:46KB)

添付資料2 第23回男女雇用機会均等月間周知用ポスターデザイン(PDF:1320KB)

添付資料3 ポジティブ・アクション実践研修開催日時・場所一覧(PDF:37KB)

添付資料4 都道府県労働局長による個別紛争解決の援助事例(PDF:128KB)

添付資料5 機会均等調停会議による調停事例(PDF:128KB)

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