プレスリリース

平成20年 1月22日
厚 生 労 働 省
農 林 水 産 省

第31回コーデックス連絡協議会の概要

平成20年1月18日(金曜日)に、第31回コーデックス連絡協議会を開催しました。主な質疑応答事項及び意見は下記のとおりです。

本協議会では、まず、第1回抗菌剤耐性に関する特別部会、第39回食品衛生部会、第29回栄養・特殊用途食品部会及び第16回食品輸出入検査・認証制度部会についての報告を行い、それに対する質疑応答及び意見交換がなされました。次に、今後開催が予定されている第8回乳・乳製品部会、第8回ナチュラルミネラルウォーター部会、第29回魚類・水産製品部会及び第1回急速冷凍食品の加工及び取扱いに関する特別部会について、その概要、検討議題等の説明を行い、それに対する質疑応答及び意見交換がなされました。

1. コーデックス委員会の活動状況について

(1)  第1回抗菌剤耐性に関する特別部会

・人以外に対する抗菌剤の使用に起因する抗菌剤耐性による人の健康被害の具体的事例の有無について問われ、我が国においては確認された事例はないと回答した。

・本部会の議論に参画するに当たり、今後、国内の各種研究機関、大学等の専門家の知見をどのように活用していくのかと問われ、FAO/WHOあるいはOIE等他の国際機関における抗菌剤耐性の議論において、国内の専門家の知見が活かされていくこととなると回答した。

(2)  第39回食品衛生部会

・妥当性確認に関するガイドライン(議題5)における「妥当性確認」、「モニタリング」及び「検証」の関係はどのようなものかと問われ、ある管理措置があらかじめ期待した効果を上げているか確認するための一連のステップである旨回答した。また、妥当性確認の手法として国内で確立されたものはあるのかと問われ、新たな基準等を定める場合は何らかの形でその妥当性を確認していると回答した。ISO22000についての議論はなされたのかと問われ、特段の議論はされなかった旨回答した。

・ブロイラー中のカンピロバクター及びサルモネラ属菌の管理のためのガイドライン(議題7)について、対象がブロイラー中心でいいのか、廃鶏は含まれなくてもよいのかと問われ、対象はブロイラー以外に拡げつつも、まず、データが多く存在するブロイラーについてガイドラインを作成し、ブロイラー以外の鶏肉については付属文書とすることとしている、と回答した。

・海産食品に関する衛生実施規範(議題9)における海産食品とはどの程度までの加工品を含むのか、水産食品とは違うのかと問われ、ビブリオ属ということから主として海にいる生物に対する衛生実施規範になるが、どの程度の加工品を対象にしていくかは今後の検討によると回答した。

・微生物学的リスク管理で使われる専門用語は馴染みのない言葉が多いため、説明を加えてもらい、それらについて勉強する場があるとよいとの意見が出た。

(3)  第29回栄養・特殊用途食品部会

・栄養強調表示ガイドラインでの食物繊維含有量(議題3)について、WHOが科学的根拠に関する文献を提出したことにより、また議論の方向性が見えなくなったと考えてよいのかと問われ、部会の議場においての印象としてはその通りであり、WHOが提出した文献の内容に対する反論はなく、内容についての説明を求める発言が多かった旨回答した。

・栄養・特殊用途食品部会によるリスク分析の原則(議題7)の中で、栄養食品の効果と悪影響の両方を考慮すべきであるとの意見が出、それらを考慮していくと回答した。

(4)  第16回食品輸出入検査・認証制度部会

・部会での議論と関連し、プライベートスタンダードの遵守が途上国に対して求められているということがあるようだが、この件についてコーデックス委員会における取組はどうなっているのかと問われ、国以外の民間が取引規格として安全基準を輸出国に求めるプライベートスタンダードについては、コーデックスでも地域調整部会において議題となったが、特に反応はなかった。また、執行委員会でも、引き続きWTO/SPS委員会の議論を注視することになったと説明した。

・意図的な食品汚染の防止に関するガイダンスの作成(議題9)が提案された背景を問われ、部会の議場において特に説明がなかったので、次回以降聴取する旨回答した。

(5)  第8回乳・乳製品部会

・複合発酵乳飲料の定義(議題4a)において、複合発酵乳飲料とは日本において何というグループになるのか、また、発酵乳の最小含有量が50%ではないのはなぜかと問われ、日本においては乳等省令(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令)の中で複合発酵乳に対応するものとして乳酸菌飲料があり、省令が制定される以前から市場に出回っているものに合わせて規定された歴史がある旨回答した。

・プロセスチーズの規格(議題4b)について、原料中のチーズの割合が最大となるように主張する政府の方針を支持するとの意見が出た。

・有意な測定誤差が存在する際の乳製品のサンプリング計画(議題6)の議論の趣旨は何かと問われ、分析・サンプリング法部会においてサンプリングの一般ガイドラインが作成されたが、乳製品についてはそのガイドラインを適用できないという検討結果の報告があり、検討することとなった旨回答した。

(6)  第8回ナチュラルミネラルウォーター部会

・WHO飲料水質ガイドラインと、日本における水道水の規格との関係はどうなっているのかと問われ、日本の水道水の基準はWHOのガイドラインを参照していると回答した。

・微生物に関する事項についての議論はこれまでなかったのかと問われたが、ナチュラルミネラルウォーターの考え方は、「水を汲み出したままの状態であるべき」というものであるため、微生物についても加熱殺菌などはしていけないことになっている旨回答した。

・食品安全委員会において評価中の化学物質についても今回の議論の対象となっているが、どのように対応するのかと問われ、日本における基準を引き合いに出すことはできないが、WHOに提出されている科学的データを考慮して対応したい旨回答した。

・温めたミネラルウォーターが販売されているが、温度条件はコーデックス規格の対象となるのかと問われ、コーデックス規格では認められた処理・取扱いの中に加熱は含まれていない旨回答した。

(7)  第29回魚類・水産製品部会

・くん製魚規格(議題9)において液くんに用いる食品添加物は、規格内で規定すべきとの意見が出た。また、提案されているヒスタミン上限値は適切かと問われ、ヒスタミンの基準はこれまでも魚肉100g中20mgであり、今回の提案では同じ上限値である旨回答した。

・冷凍と急速冷凍との違いは何かと問われ、急速冷凍とは、食品の細胞に大きな氷の結晶ができて組織を破壊することを防ぎ、品質を保持するため、短時間で−18℃まで品温を下げることであり、冷凍は、単に凍結する意味のことであると回答した。

・キャビア規格(議題5)の策定は、最終段階なのかと問われ、「キャビア」とは何かという定義についてまだ合意が得られていない状況であり、妥協点が見出せない限り前進するとは考えにくい旨回答した。

2.その他

・日本語版コーデックス規格(5規格)を作成し、ホームページで公開した旨を報告した。

http://www.maff.go.jp/sogo_shokuryo/codex/index.html から、「日本語版コーデックス規格」をクリックしてください。)

・コーデックス委員会の予算は厳しいと聞いているが、昨年12月に開催された執行委員会において、その点については何か議論はなされたのかと問われ、いくつかの予算調達メカニズムが検討された旨、及び最近のドル安ユーロ高の影響が大きいにもかかわらず実質ゼロ成長と保護されているとの説明がFAO/WHOからなされた旨報告した。

お問い合わせ先

厚生労働省食品安全部企画情報課国際食品室
国際食品室長 池田 千絵子
担当:福島(電話:03-5253-1111 内線2407)
農林水産省消費・安全局国際基準課
国際基準課長 小川 良介
担当:宮廻(みやざこ)(電話:03-3502-8111 内線4471)
((直)03-3502-8732)

当資料のホームページ掲載URL
http://www.maff.go.jp/j/press/


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