平成19年11月13日

(照会先)

社会・援護局地域福祉課

担当 島村・天野

電話 03−5253−1111(内線2858・2855)

夜間 03−3595−2615


「平成19年ホームレスの実態に関する全国調査
(生活実態調査)」の分析結果 (概要)

◇ 分析の視点

○調査対象者を野宿期間や支援制度の利用状況によってタイプ分けして分析

◇ 結果の要約

○野宿経験タイプ別の分布

・長期層   49%(今回の野宿が4年以上)

・新規参入層 33%(今回の野宿が4年未満で、初めての野宿も4年未満)

・再流入層  18%(今回の野宿が4年未満で、初めての野宿が4年以上前)

○年齢階層

・55〜64歳、65歳以上の割合が増えており、全体として高齢化。

・長期層では55〜64歳の割合の増加が大きく、新規参入層では45歳未満と65歳以上の割合が増えている。

○職業経験

・長期層、再流入層は建設技能従事者、建設作業従事者の割合が高い。

・新規参入層ではこのほか、サービス、販売、運輸・通信などの職種の割合が高くなっている。

○路上生活での仕事の状況

・「路上で収入を伴う仕事をしている」と答えた者の割合は、長期層で80%、再流入層で68%、新規参入層で60%となっている。

・仕事の種類は廃品回収の割合が最も高い。

○支援制度利用タイプ別の分布

a制度利用なしタイプ …………… 34% A 制度利用なし型          (34%)
bその他の支援利用タイプ ……… 21%
c巡回相談員利用タイプ ………… 28%
(その他の支援の利用も含まれる)



B 巡回相談・その他支援のみ活用型

(49%)

dシェルター利用タイプ ………… 9%
(その他の支援,巡回相談員の利用も含まれる)
e自立支援センター利用タイプ … 9%
(その他の支援,巡回相談員,シェルターの利用も含まれる)




C 自立支援センター等活用型(再路上型)

(18%)

○野宿経験タイプ別の支援制度利用状況

・再流入層は、「C自立支援センター等活用型」の割合が高い。

○センターを利用した後に路上に戻った者のセンター退所理由

・「規則違反・自主退所・無断退所」による退所(40.4%)

・「期限到来」による退所             (23.5%)

・就労による退所                  (18.0%)

○生活保護は、全体の4分の1が利用経験があり、その5割以上は入院に際した利用となっている。

○今後の希望

・「きちんと就職して働きたい」とする者の割合が最も高いが、前回調査の49.7%から37.0%に減少。

→ 野宿経験タイプ別では、新規参入層で51%、再流入層で42%、長期層で27%となっている。

・「今のままでいい」とする者の割合は13.1%から18.3%に増加。

→ 野宿経験タイプ別では、新規参入層で9%、再流入層で17%、長期層で25%となっている。

○求職活動

・年齢階層が低くなるほど、「求職活動をしている」、「今後求職活動をする予定である」とする者の割合は高い。

○就職するために望む支援

・いずれの年齢階層、野宿経験タイプ、支援制度利用タイプにおいても、「住所を設定する必要があるのでアパートがほしい」とする者の割合が最も高い。

・次いで「就職の際の身元保証の援助」、「自分たちにあった仕事先の開拓」とする割合が高い。

○自立支援センターの認知度

・年齢階層が低くなるほど、センターの存在を知っている割合(認知度)が高い。

・再流入層は、認知度、利用度が高い。

◇ まとめ

○ 前回調査に比べ、全体としてホームレス数は減少しているが、地域によっては増加しているところもあり、ホームレス対策の検討にあたってはこれらの地域差に留意する必要がある。

○ 今回調査では、新たにホームレスとなる新規参入層の割合が減少し、路上に長く留まる長期層や路上と屋根のある場所を行き来する再流入層の割合が増加していること等が確認された。
 今後の対策については、これら3つの野宿経験タイプの特徴に留意しながら、きめ細かく検討を行う必要がある。

○ 支援制度の利用度合いから現行の支援制度利用の問題点を検証すると、次の3つの課題が考えられる。

・第一は、A制度利用なし型への支援をどうするか。

・第二は、最も割合の高い、B巡回相談・その他支援のみ活用型への支援をどうするか。

・第三は、支援制度を活用して、一旦、路上から脱却したC自立支援センター等活用型(再路上型)の「再路上化」の原因や解決策をどうするか。

○ ホームレスが就職するために望む支援については、「住所を設定する必要があるのでアパートがほしい」、次いで「就職の際の身元保証の援助」、「自分たちにあった仕事先の開拓」とする者の割合が高い。
 従来の自立支援に加え、多様なメニューの可能性を検討していくことが効果ある支援に結びついていくものと考えられる。


「19年ホームレスの実態に関する全国調査
(生活実態調査)」の分析結果

はじめに(PDF:106KB)

1.分析の視点と結果の要約(PDF:356KB)

2.野宿経験タイプから見たホームレスの変容(PDF:283KB)

3.野宿経験タイプの特徴(PDF:294KB)

4.ホームレス支援制度利用タイプの特徴(PDF:468KB)

5.今後の希望と就職活動(PDF:375KB)

6.まとめ(PDF:67KB)

参考資料

1 調査票(PDF:373KB)

2 単純集計表(PDF:507KB)

3 クロス集計表(PDF:3996KB)


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