別紙3 |
長野県における障害者委託訓練の活用事例
<事例(1)>
これまで就労の経験が全くなく、一人暮らしで生活保護を受けながら作業所に通っていた知的障害をもつAさんは、いきなりの実践訓練は困難が予想されたが、まじめな性格で意欲的でもあることから、実践能力習得訓練コースで訓練を開始した。
最初、食品科(食品製造業・食品の衛生・品質の確保に関する事項、弁当箱の洗浄、冷凍食品の袋詰め等)を2か月受講し、バス通勤の実習を一日も休むことなく熱心に行い、技能の習得は不十分ではあったが、時間を守るなどの社会人としての基本ルールを身に付けることができた。
2回目の訓練の製造科(一般機械器具製造業・機械器具のプレス、バリ取り、検査など)においては、最初の訓練で社会人としての基本ができていたことから、訓練委託先において、遅刻や休みのない誠実な勤務態度や、人生に対する前向きな姿勢が評価され、就職に結びついた。
<事例(2)>
養護学校を今春卒業したBさんは、3月末から実践能力習得訓練コースの配膳スタッフ養成科(きのこ料理及び土産販売)の訓練を開始した。訓練は食堂部の配膳、片付け、清掃及び売店のしいたけ袋詰め、値段付け、チラシ入れ込みなどで、3か月の訓練で配膳、片付け等の作業手順はほぼ問題なくこなせるようになった。
その結果、訓練委託先の企業から本人のスキルアップと勤労意欲を評価していただき、トライアル雇用へ移行し、現在もハローワークの指導を受けながらジョブコーチ支援を含めた定着支援を実施している。
<事例(3)>
精神障害をもつCさんは、デイサービス施設において、施設内清掃、リネン業務の実践訓練を実施し、正規雇用を目指した。訓練内容は、清掃技術の向上、リネンサービスのスキルアップのみならず、施設職員や利用者との関わり方やあいさつ、言葉遣い、身だしなみ、報告など日常業務で施設にとって欠くことのできない働き手となることを目標とした実践的なものであった。この結果、訓練修了後には就職に結びつき、現在はいきいきと働いている。
<事例(4)>
授産施設に入所していた知的障害をもつDさんは、3か月にわたる施設清掃の現場を活用した障害者委託訓練を受講し、訓練の委託先である特別養護老人ホームの清掃作業員として就職し、毎日バスを乗り継いで通勤している。
Dさんは、この訓練を通じて働くことへの自信を深め、就職を機にグループホームに入所し、携帯電話も自分で買いメールを活用するなど、自立した生活を送っている。今は実家への週末の帰宅と着る物のおしゃれを楽しみに、充実した生活をしている。
<事例(5)>
1級の身体障害をもつEさんは、システムアドミニストレーター初級資格の取得及びプログラミング技術の習得によって、在宅での就労を目指すe−ラーニングコースのシスアド実務科を受講した。このコースは、Webカメラを使用し、講師との対面学習方式を採用し、受講生のモチベーションの維持、受講生相互間の連帯感の構築、講師による受講生の習熟度の掌握と効果的な職業訓練の推進を図るもので、前期3か月、後期3か月の訓練を実施した。
その結果、Eさんは講師を勤めていた会社の正規社員として採用され、現在、平成19年度のe−ラーニングコースの講師を務めている。
(長野県の事例についてのお問合せ先) 長野県商工部雇用・人材育成課 技能振興係長 小野 恵嗣 中澤 尚子 電 話 026-232-0111(内線2992) 夜間直通 026-235-7199 |