国土交通省と同時配布
 平成18年6月29日
《照会先》
・厚生労働省健康局生活衛生課
山田、佐野 (代表03-5253-1111)
(内線2433・2439)(直通3595-2301)
・国土交通省総合政策局観光地域振興課
高橋、吉原 (代表03-5253-8111)
(内線27212・27213)(直通5253-8326)


産業活力再生特別措置法に基づく「事業再構築計画」の認定について


 厚生労働省及び国土交通省は、産業活力再生特別措置法に基づき、株式会社ロイヤルホテルから提出された「事業再構築計画」を認定した。

 認定制度の概要
 産業活力再生特別措置法は、我が国に存する経営資源の効率的な活用を通じて生産性の向上を実現するため、事業者が実施する事業再構築を円滑化するための措置等及び新事業の開拓を支援するための措置を講じ、我が国産業の再生を速やかに実現することを目的としている。
 同法に基づき、事業者が事業計画(当該事例においては、「事業再構築計画」)を作成し、主務大臣(その事業を所管する大臣として厚生労働大臣及び国土交通大臣)の認定を受けた場合に、登録免許税の軽減などの税制の特例、商法の特例(手続の簡素化)等の利用が可能となる制度である。

 認定企業の概要
 (1) 企業名等
 株式会社ロイヤルホテル
 (大阪市北区中之島5丁目3番68号 代表取締役社長 佃 孝之)
 (2) 事業計画の種類及び概要
 事業計画の種類:「事業再構築計画」
 事業計画の概要
 株式会社ロイヤルホテルは、森トラスト株式会社との資本・業務提携及び株式会社三井住友銀行によるデット・エクイティ・スワップを受けることにより、過剰な有利子負債を削減し、財務体質を強化する。
 また、経営基盤を強化する方策としては、独自の概念を持った客室の改装等の設備投資を行い、新たな商品プランを提供するとともに、ホテル管理システムの導入等により、収益力及び集客力の向上を図ることとしている。

 ○株式会社ロイヤルホテルの概要
   所在地大阪市北区中之島5丁目3番68号
   代表者代表取締役社長 佃 孝之
   設立日昭和10年1月
   資本金3,080百万円
   事業内容ホテル施設の経営等



様式第三

認定事業再構築計画の内容の公表


1 認定した年月日  平成18年6月28日

2 認定事業者名  株式会社ロイヤルホテル

 認定事業再構築計画の目標
 (1) 事業再構築に係る事業の目標
 株式会社ロイヤルホテルは、子会社13社及び関連会社2社で構成され、運営受託も含め14ホテルを経営する他、ホテルに附帯する各種事業及び、ホテル外でのレストラン等の営業を行っている。いわゆるバブル景気の時期に計画した新規ホテルとして、合計7ホテルを相次いで開業したが、その設備資金を借入金にて賄ったこともあり、バブル景気の崩壊とともに赤字経営が続き、結果としてグループ全体で過大な債務を負うこととなった。
 株式会社ロイヤルホテルは、事態改善のため、旧経営陣を刷新し、不採算事業見直しや人員削減をはじめとする経費削減のリストラを実施した。平成11年1月に独自の「経営改善計画」を策定し、平成13年2月にはさらに「事業構造改革計画」を策定するなど、計画に基づき着実に経営改善に取り組んできたところであり、計画期間中、売上高では計画値を下回ったものの、経常利益ベースでは人件費削減をはじめとする経費削減の措置が奏功し計画値を達成することができた。
 しかし、これらの改革期間中、設備投資の抑制・人件費の大幅削減が続いたことで、施設の老朽化及び優秀な人材の確保等に影響を及ぼすこととなり、十分な競争力を発揮できない状態に陥ったこと、また、有利子負債圧縮も十分に進捗しておらず、過去の過剰な設備投資による過剰債務が問題となった。
 株式会社ロイヤルホテルは、森トラスト株式会社との資本・業務提携並びに株式会社三井住友銀行によるデット・エクイティ・スワップの実施等により、過剰な有利子負債を削減することにより、財務体質を強化し、施設面では競合他社との差別化を図るため宴会場・サロンの改装、独自の概念を持った客室への改装等、集中的に設備投資を行うことにより収益力の向上を図ることにしている。
 さらに、運営面においても、森トラスト株式会社との業務提携による(1)森トラストグループの会員制リゾート施設運営ノウハウと株式会社ロイヤルホテルのシティホテル運営ノウハウの融合(2)人材交流による組織体制強化、人材育成を図っていくことで株式会社ロイヤルホテルの企業価値を高め、経営基盤の強化を図ることとしている。

 (2) 生産性及び財務内容の健全性の向上を示す数値目標
(1) 生産性向上基準について
 本事業再生計画の実施により、3年経過後の決算期である平成21年3月期には自己資本当期純利益率を51.0%ポイント向上させることを目標とする。

(2) 財務健全性向上基準について
 本事業再生計画の実施により、3年経過後の決算期である平成21年3月期には有利子負債をキャッシュフローの9.9倍とすることとしており、平成21年度における経常収入は、経常支出を上回る(経常収支比率は109%)予定である。

 事業再構築の内容
 (1) 事業再構築に係る事業の内容
(1) 中核的事業
 ホテル事業

(2) 選定理由
 中核ホテルのリーガロイヤルホテル(大阪)は、昭和10年の開業以来、関西系のホテルの中核として伝統と格式を保ち、国内外VIPの宿泊も多く、毎年約7万人の外国人が宿泊利用していることから、関西の国際玄関窓口として重要な役割を担っている。規模においても、客室約1千室を保有し、その施設の利用は年間婚礼約1千件、年間宴会約5千件を数えている。また、隣接する大阪国際会議場へのケータリング、同会議場内のレストランの運営、宴会についても一手に引き受けている。
 グループの他ホテルも大阪と同様に高水準のサービスを提供しており、各地域の中核ホテルとして高い評価を得ている。
 株式会社ロイヤルホテルは、増資及びデット・エクイティ・スワップによる債務圧縮を実施することにより、設備投資資金を確保し、積極的な新規設備投資を行うことにより、外資系ホテルの参入で競争が激化するホテル業界においても収益力を確保できることからホテル事業を中核事業として位置付けている。

(3) 事業再構築に係る事業の内容
 事業の構造変更
 株式会社ロイヤルホテルは、森トラスト株式会社に対し、第三者割当増資150億円実施し、資本提携を行うと同時に同社との間で「業務提携」を行うこととしている。
 増資資金150億円の内100億円は借入金返済、50億円は収益体質強化のための戦略的設備投資資金に充当することとしている。
 また、同時にメイン銀行である株式会社三井住友銀行のデット・エクイティ・スワップ実施により優先株式の引受による払込金150億円を同行からの借入金返済に充当することとしている。

 事業革新
 株式会社ロイヤルホテルは、事業革新に当たり設備投資を行う。大阪では、ホテルの一部を日本の自然を主題にした客室として整備し、「ナチュラルコンフォートタワーズ宿泊プラン」と称した商品プランを提供する。大阪以外のホテルでは、高級客室専用階を設置し、それを「エグゼクティブフロアプラン」と称する商品プランとして提供するなど、多種類の商品プランを提供することとしている。
 また、経営管理面においては、グループ全体に「ホテル管理システム」を導入し、顧客管理(イールドマネジメント)の強化による宿泊単価・稼働率の改善を図ることとしている。
 さらに、東南アジアを中心としたインバウンドの受け入れについては実績のあるところであるが、今後、特に大阪においては大阪国際会議場に隣接しているという立地条件も活かして、欧米からの受け入れ態勢を強化し、グループ全体で、外国人宿泊者数を平成21年3月期において、平成18年3月期対比7.9%(15,610名)の増加を計画している。
 これらの「事業革新」施策により増加する売上高は、平成21年3月期における連結売上高の1.16%とすることが目標である。

 (2) 事業再構築を行う場所
 株式会社ロイヤルホテル本社及びリーガロイヤルホテル 大阪市北区中之島5丁目3番68号
 リーガロイヤルホテル京都 京都市下京区東堀川通り塩小路下る松明町1番地
 リーガロイヤルホテル東京 東京都新宿区戸塚町1−104−19
 株式会社リーガロイヤルホテル広島 広島市中区基町6−78
 株式会社リーガロイヤルホテル小倉 福岡県北九州市小倉北区浅野2−14−2
 株式会社リーガロイヤルホテル新居浜 愛媛県新居浜市前田町6番9号

 (3) 事業再構築を実施するための措置の内容
 別表のとおり

 (4) 事業再構築の実施時期
 事業再構築の開始時期及び終了時期
  開始時期 : 平成18年7月
  終了時期 : 平成21年3月

 事業再構築に伴う労務に関する事項
 (1)事業再構築の開始時期の従業員数(平成18年3月末)  3,017名
 (2)事業再構築の終了時期の従業員数(平成21年3月末)  3,017名
 (3)事業再構築に充てる予定の従業員数  2,517名
 (4)(3)中、新規に採用される従業員数  676名
 (5)事業再構築に伴い出向または解雇される従業員数  0名



別表

事業再構築の措置の内容

事業再構築の措置の内容の表

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