プレスリリース
平成18年5月1日

厚生労働省
農林水産省


コーデックス委員会食品添加物・汚染物質部会での食品中のカドミウムの国際基準値検討結果について


 4月24〜28日にオランダ(ハーグ)で開催された第38回コーデックス委員会食品添加物・汚染物質部会において、食品中のカドミウムの国際基準値案が議論された。日本からは、厚生労働省及び農林水産省等が出席した。
 検討結果の概要及び今後の予定は以下のとおり。

 検討結果

 カドミウムの国際基準値については、以下をコーデックス委員会総会に諮ることが合意された(別紙参照)。

 (1)  精米については、現行案(0.4mg/kg)を国際基準値として最終採択すること(ステップ8)
 (2)  海産二枚貝(カキ及びホタテガイを除く)及び頭足類(内臓を除去したもの)については、現行案(1.0mg/kg)を2mg/kgに修正した上で国際基準値として最終採択すること(ステップ8)


 今後の予定

(1)  コーデックス委員会総会は、本年7月にジュネーブで開催予定。
(2)  厚生労働省及び農林水産省は、引き続き、国際基準を巡る議論に積極的に関与していくこととしている。国内的には、食品安全委員会においてリスク評価を行うとともに、両省は必要なリスク管理のあり方について検討していくこととしている。


 厚生労働省HP「食品安全情報」(食品に含まれるカドミウムについて):
  https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/cadmium/index.html
 農林水産省HP「食品中のカドミウムに関する情報」:
  http://www.maff.go.jp/www/counsil/counsil_cont/kanbou/nouson_seisaku.htm


問い合わせ先

 厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課
  課長  伏見 環 (内線 2481)
  課長補佐  松岡 輝昌 (内線 2484)
  TEL. 03−5253−1111(代表)
03−3595−2341(直通)

 当資料のホームページ掲載先URL
 https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/update.html

 農林水産省消費・安全局農産安全管理課
  課長  嘉多山 茂 (内線 3100)
  課長補佐  瀬川 雅裕 (内線 3126)
  TEL. 03−3502−8111(代表)
03−3502−5968(直通)

 当資料のホームページ掲載先URL
 http://www.maff.go.jp/www/press/press.html



(別紙)

今回合意されたカドミウムの基準値案

食品群 基準値案
(mg/kg)
ステップ注) 備考
精米 0.4 8  
海産二枚貝 2 8 カキ、ホタテガイを除く
頭足類 2 8 内臓を除去したもの


















注) ステップ(コーデックス規格作成の手続き)について

 コーデックス規格(カドミウムの場合は最大基準値)の作成手続きは、以下に示す8つの段階から構成されている。

ステップ1   総会が規格作成を決定
ステップ2 事務局が規格原案の手配
ステップ3 提案された規格原案について各国のコメントを要請
ステップ4 部会が規格原案を検討
ステップ5 規格原案について各国のコメントを要請。そのコメントに基づき、総会が規格原案の採択を検討
ステップ6 規格案について各国のコメントを要請
ステップ7 部会が規格案を検討
ステップ8 規格案について各国のコメントを要請。そのコメントに基づき、総会が規格案を検討し、コーデックス規格として採択




















(参考)既にコーデックス委員会で採択されたカドミウムの国際基準値

食品群 基準値
(mg/kg)
備考
穀類(そばを除く) 0.1 小麦、米を除く
ふすま、胚芽を除く
小麦 0.2  
根菜、茎菜 0.1 セロリアック、ばれいしょを除く
ばれいしょ 0.1 皮を剥いたもの
豆類 0.1 大豆(乾燥したもの)を除く
葉菜 0.2  
その他の野菜
(鱗茎類、アブラナ科野菜、ウリ科果菜、その他果菜)
0.05 食用キノコ、トマトを除く
 「アブラナ科野菜」のうち、葉菜で結球しないものについては「葉菜」に含まれる。



(参考)これまでの経緯

 国際的な食品規格設定の場であるコーデックス委員会(国際食品規格委員会)において、食品中のカドミウムの基準値が検討されている。

 平成10年3月に開催された第30回コーデックス委員会食品添加物・汚染物質部会において、予備的な原案が提案され、これ以降審議が続けられている。

 平成16年7月に開催された第27回コーデックス委員会総会において、(1)精米については原案(0.4mg/kg)でステップ3とし、部会でさらに検討する、(2)小麦、野菜などについてはステップ5で予備採択し、ステップ6に進めて引き続き検討することが合意された。

 平成17年2月に開催されたFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)は、コーデックス委員会で当時国際基準値が検討されていた各品目について、基準値案とその上下の値を設定した場合の影響等について議論し、その結果、いずれの値が基準値として設定されたとしても、総カドミウム摂取量、すなわち、人の健康上のリスクの差はごくわずかしかないと結論した。

 平成17年7月に開催された第28回コーデックス委員会総会では、(1)小麦、野菜などについては基準値案をステップ8で最終採択すること、(2)精米と「海産二枚貝(カキ、ホタテを除く)」及び「頭足類(内臓を除去したもの)」については、原案(精米は0.4mg/kg、海産二枚貝及び頭足類は1.0mg/kg)をそれぞれステップ5で予備採択し、これらをステップ6に進めて部会で引き続き検討することが合意された。

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