平成18年4月14日
厚生労働省
経済産業省
カネボウ株式会社他5社に対する産業活力再生特別措置法に基づく
事業再構築計画の認定について
カネボウ株式会社他5社から提出された「事業再構築計画」について、平成18年4月14日付けで認定を行いました。
この計画において、カネボウ株式会社及び関係会社5社は、カネボウ株式会社の本社機能をカネボウ・トリニティ・ホールディングス株式会社に移管した上で、ホームプロダクツ事業をカネボウホームプロダクツ株式会社に、薬品事業をカネボウ製薬株式会社にそれぞれ営業譲渡し、事業部制から独立会社制に移行することで、ホームプロダクツ、薬品の各事業を収益単位として効果的な経営管理を行います。これにより、製販一体の機動的な事業運営を実現した上で、ファンドのノウハウ等を活用して、マーケティング戦略の実施、広告宣伝・販売促進の見直し等の施策により、一層の収益力の向上を図ることとしています。 |
1 |
.事業再構築計画の認定
カネボウ及び関係会社5社から平成18年4月6日付けで提出された「事業再構築計画」について、産業活力再生特別措置法第3条第6項の規定に基づき審査した結果、同法第2条第2項第1号に規定する事業の構造の変更を行う者として、同法で定める認定要件を満たすと認められるため、平成18年4月14日付けで「事業再構築計画」の認定を行いました。
なお、今回の認定により、簡易営業譲渡の特例及び不動産取得税の軽減の支援措置を受けることが可能となります。
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2 |
.事業再構築計画の実施時期
開始時期: |
平成18年4月〜終了時期:平成20年3月 |
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3 |
.申請者の概要
名称 |
:カネボウ株式会社 |
資本金 |
:35,100百万円 |
代表者 |
:小森 哲郎 |
本社所在地 |
:東京都墨田区墨田五丁目17番4号
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名称 |
:カネボウ・トリニティ・ホールディングス株式会社 |
資本金 |
:9,905百万円 |
代表者 |
:五木田 律子 |
本社所在地 |
:東京都千代田区紀尾井町4番5号
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名称 |
:カネボウホームプロダクツ株式会社 |
資本金 |
:10百万円 |
代表者 |
:野田 努 |
本社所在地 |
:東京都千代田区紀尾井町4番5号
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名称 |
:カネボウ製薬株式会社 |
資本金 |
:10百万円 |
代表者 |
:野田 努 |
本社所在地 |
:東京都千代田区紀尾井町4番5号
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名称 |
:カネボウホームプロダクツ販売株式会社 |
資本金 |
:50百万円 |
代表者 |
:岩倉 昌弘 |
本社所在地 |
:東京都港区海岸三丁目20番20号
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名称 |
:カネボウ薬品株式会社 |
資本金 |
:460百万円 |
代表者 |
:大西 重樹 |
本社所在地 |
:東京都港区海岸三丁目20番20号 |
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認定計画の内容に関すること>
厚生労働省医政局経済課 担当 猪股、金子
電話: |
03−5253−1111(内線2530,2531) |
経済産業省製造産業局生物化学産業課 担当 本道、浅田、櫻木
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< |
産業再生法全般(法の趣旨、支援措置等)に関すること>
経済産業省経済産業政策局産業再生課 担当 萩原、矢野
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平成18年4月14日
カネボウ株式会社他5社の事業再構築計画のポイント
カネボウ(株)の本社機能をカネボウ・トリニティ・ホールディングス(株)に移管した上で、ホームプロダクツ事業をカネボウホームプロダクツ(株)に、薬品事業をカネボウ製薬(株)にそれぞれ営業譲渡し、事業部制から完全独立会社制へ移行することで、ホームプロダクツ、薬品の各事業を収益単位として効果的な経営管理を行います。これにより、製販一体の機動的な事業運営を実現した上で、ファンドのノウハウ等を活用して、マーケティング戦略の実施、広告宣伝・販売促進の見直し等の施策により、一層の収益力の向上を図ります。
【生産性の向上】
【財務内容の健全性】
・ |
有利子負債/キャッシュフロー 10倍以内 |
・ |
経常収支比率 100%以上 |
【従業員の推移】
・ |
1,409人→981人(428名減)(新規採用54名) |
・ |
出向441名、転籍1,223名。解雇の予定はなし。 |
【計画の実施期間】
様式第三
認定事業再構築計画の内容の公表
2.認定事業者名 |
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カネボウ株式会社、カネボウ・トリニティ・ホールディングス株式会社、
カネボウホームプロダクツ株式会社、カネボウ製薬株式会社、
カネボウホームプロダクツ販売株式会社、カネボウ薬品株式会社 |
3 |
.認定事業再構築計画の目標
(1 |
) 事業再構築に係る事業の目標
カネボウ株式会社(以下、「カネボウ」という)及びその関係会社は、株式会社産業再生機構(以下、「機構」という)の支援を得て、事業性があり今後の収益基盤となることが高く見込まれるホームプロダクツ事業、薬品事業を中核的事業(以下、「コア事業」という。)として経営資源配分の最適化を図ることで収益力を向上するため、事業ポートフォリオの再編を行ってきた。これにより、カネボウ再生の基礎を固めることができたものの、コア事業はそれぞれ激しい競合が続く厳しい事業環境にあり、将来の発展のためには、事業構造の見直しを含む収益性の改善や事業強化策を実施することが急務となっている。
今般、機構の支援を離れ、新たに、アドバンテッジパートナーズ有限責任事業組合、株式会社MKSパートナーズ、ユニゾン・キャピタル株式会社がアドバイスを行う国内外のファンド(以下、「ファンド」という)の支援を得て、限られた経営資源を効率的に活用しながら、ホームプロダクツ事業及び薬品事業の更なる事業価値の向上と、ファッション・合繊等のカネボウグループとしては営まないとした事業(以下、「ノンコア事業」という)の整理の完結に取り組んでいく。具体的には、これらファンドの戦略立案、オペレーション、経営管理等のノウハウを活用し、カネボウの本社機能を、ファンドが出資するカネボウ・トリニティ・ホールディングス株式会社(以下、「KTH」という)に移管した上で、ホームプロダクツ事業を、ファンドの100%子会社であるカネボウホームプロダクツ株式会社(以下、「カネボウホームプロダクツ」という)に、薬品事業をファンドの100%子会社であるカネボウ製薬株式会社(以下、「カネボウ製薬」という)にそれぞれ営業譲渡し、事業部制から完全独立会社制へ移行することで、各事業を収益単位として効果的な経営管理を行う。これにより製販一体の機動的な事業運営を実現した上で、ブランド価値の向上に資するマーケティング戦略の実施、広告宣伝と販売促進の見直し、新製品開発等の施策により一層の収益力の向上を図る。
なお、カネボウグループにおいては、本事業再構築計画において中核的事業としたこれらの事業の他、食品事業のうち、菓子(フリスク等)や粉末部門など、今後コアビジネスになる可能性の高い事業があるが、これらの関係会社を主体として別に産業活力再生特別措置法の申請を行い、事業の再構築を実施している。
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(2 |
) 生産性の向上を示す数値目標
生産性の向上としては、平成19年度には平成16年度に比べて、従業員一人当たり付加価値を123%向上させることを目標とする。 |
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4 |
.認定事業再構築の内容
(1 |
) 事業再構築に係る事業の内容
(1) |
中核的事業
ホームプロダクツ事業、薬品事業
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(2) |
選定理由
<ホームプロダクツ事業>
同事業はトイレタリー商品の製造・販売を行っている。トイレタリー市場において、当社が参入しているビューティケア領域(ヘアケア、スキンケア等)では、当社は上位の地位を占めている。今後、現在の収益基盤をベースに、ブランドマネジメントの徹底、営業体制の見直し、間接部門の合理化等の経営改革を行うことによって、安定的な収益基盤となると見込まれる。
<薬品事業>
同事業は、一般ユーザー向け一般用医薬品と医療機関向け医療用医薬品の製造・販売を行っている。漢方薬を得意領域としており、一般用漢方薬市場ではシェア第1位、医療用漢方薬市場ではシェア第2位の地位を築いている。漢方薬の大手メーカーとして原料調達・生産技術・商品開発・販売の各機能で優位な立場にある。この経営資源の有効活用により安定的な収益基盤となると見込まれる。
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(3) |
事業再構築に係る事業の内容
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( |
事業の構造の変更:営業譲渡)
ファンドが出資するKTHをグループの中枢と位置付け、コア事業・ノンコア事業を明確に分離して事業運営を行うとする方針の下、現在カネボウの事業部として行っているホームプロダクツ事業、薬品事業については、それぞれファンドの100%子会社であるカネボウホームプロダクツ、カネボウ製薬に営業譲渡し、独立した事業形態で運営する。カネボウの子会社であり、ホームプロダクツ事業、薬品事業の販売機能を担っていたカネボウホームプロダクツ販売株式会社、カネボウ薬品株式会社は、本営業譲渡に伴い、それぞれカネボウホームプロダクツ、カネボウ製薬の子会社となる。これにより、各事業を収益単位として効果的な経営管理を図る。
【営業譲渡】
・ |
営業譲渡をする会社
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・ |
営業を譲り受ける会社
譲渡資産: |
生産施設並びに運転資本他、ホームプロダクツ事業の運営に必要な資産並びに負債一式 |
譲渡資産: |
生産施設並びに運転資本他、薬品事業の運営に必要な資産並びに負債一式 |
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・ |
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(2 |
) 事業再構築を行う場所の住所
東京都墨田区墨田五丁目17番4号
カネボウ株式会社
東京都千代田区紀尾井町4番5号
カネボウ・トリニティ・ホールディングス株式会社
東京都千代田区紀尾井町4番5号
カネボウホームプロダクツ株式会社
東京都千代田区紀尾井町4番5号
カネボウ製薬株式会社
東京都港区海岸三丁目20番20号
カネボウホームプロダクツ販売株式会社
東京都港区海岸三丁目20番20号
カネボウ薬品株式会社
東京都千代田区紀尾井町4番5号
トリニティ・インベストメント株式会社
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(3 |
) 関係事業者
トリニティ・インベストメント株式会社
KTHがトリニティ・インベストメント株式会社の発行済株式総数の100%を保有しており、関係事業者に該当する。
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(4 |
) 事業再構築を実施するための措置の内容
別表のとおり
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(5 |
) 事業再構築の開始時期及び終了時期
開始時期: |
平成18年4月 |
終了時期: |
平成20年3月 |
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(6 |
) 事業再構築に伴う労務に関する事項
(1) |
事業再構築の開始時期の従業員数
カネボウ(株) |
792名 |
カネボウ・トリニティ・ホールディングス(株) |
0名 |
カネボウホームプロダクツ(株) |
0名 |
カネボウ製薬(株) |
0名 |
カネボウホームプロダクツ販売(株) |
203名 |
カネボウ薬品(株) |
414名 |
トリニティ・インベストメント(株) |
0名 |
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(2) |
事業再構築の終了時期の従業員数
カネボウ(株) |
3名 |
カネボウ・トリニティ・ホールディングス(株) |
60名 |
カネボウホームプロダクツ(株) |
138名 |
カネボウ製薬(株) |
116名 |
カネボウホームプロダクツ販売(株) |
216名 |
カネボウ薬品(株) |
448名 |
トリニティ・インベストメント(株) |
0名 |
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(3) |
事業再構築に充てる予定の従業員数
カネボウ(株) |
3名 |
カネボウ・トリニティ・ホールディングス(株) |
60名 |
カネボウホームプロダクツ(株) |
138名 |
カネボウ製薬(株) |
116名 |
カネボウホームプロダクツ販売(株) |
216名 |
カネボウ薬品(株) |
448名 |
トリニティ・インベストメント(株) |
0名 |
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(4) |
(3)中、新規に採用される従業員数
54名
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(5) |
事業再構築に伴い出向または解雇される従業員数
出向予定人員数 |
441名 |
転籍予定人員数 |
1,223名 |
解雇予定人員数 |
0名 |
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(7 |
) その他
該当なし |
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別表
事業再構築の措置の内容
措置事項 |
実施する措置の内容及びその実施する時期 |
期待する支援措置 |
事業の構造の変更 |
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営業又は事業に必要な資産の譲受けによる中核的事業の開始、拡大又は能率の向上 |
カネボウのホームプロダクツ事業をカネボウホームプロダクツに、薬品事業をカネボウ製薬に営業譲渡する。
<営業を譲渡する会社>
<営業を譲受ける会社>
(ホームプロダクツ事業)
(5) |
譲受ける資産の内容:生産施設並びに運転資本他、ホームプロダクツ事業の運営に必要な資産並びに負債一式 |
(薬品事業)
(5) |
譲受ける資産の内容:生産施設並びに運転資本他、薬品事業の運営に必要な資産並びに負債一式 |
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※ カネボウ(株)は、カネボウ・トリニティ・ホールディングス(株)の商法第352条第1項に規定する完全子会社であるトリニティ・インベストメント(株)がその総株主の議決権の82.95%を保有しており、特定関係事業者に該当する。 |
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法第12条の3第2項(簡易営業譲渡に関する特例)
地方税法第11条の4(認定事業再構築計画等に基づき行う不動産譲受の不動産取得税の税率の軽減) |
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