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労働基準局安全衛生部
化学物質対策課長 | 古川 祐二 |
化学物質情報管理官 | 永野 和則 |
電話 | 03-3502-6756 03-5253-1111 |
内線5515, 5516
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石綿製品の全面禁止に向けた石綿代替化等検討会報告書について
アスベスト製品については、「アスベスト含有製品について、遅くとも平成20年までに全面禁止を達成するため代替化を促進するとともに、全面禁止の前倒しも含め、さらに早期の代替化を検討する。」(アスベスト問題への当面の対応(平成17年7月29日 アスベスト問題に関する関係閣僚による会合))との方針等を踏まえ、平成17年8月25日、「石綿製品の全面禁止に向けた石綿代替化等検討会」(座長:平野敏右千葉科学大学学長)を設置し、まだ製造・使用等が禁止されていないアスベスト製品の代替可能性等について検討を行ってきました。
今般、本検討会の報告書が取りまとめられたため、別添1
(表紙〜14ページ(PDF:476KB)
15〜27ページ(PDF:473KB)
28〜40ページ(PDF:464KB))
のとおり公表します。
本報告書では、
(1 | )アスベスト製品の製造等を禁止する。 |
(2 | )新設の設備についてはアスベスト製品の使用を認めない。 |
(3 | )ただし、国民の安全の確保上、国内の既存の化学工業施設、鉄鋼業施設、非鉄金属製造業施設の設備の接合部分に用いられるガスケット又はパッキンであって、温度、圧力等の条件が一定以上のもの等については、例外的に製造等を認める。(ポジティブリスト化) |
とされています。
厚生労働省においては、本報告書を踏まえ、既にアクションプログラムの手続を開始したところであり、今後、同アクションプログラム及びWTO通報等の手続を経て、労働安全衛生法施行令の改正を行い、平成18年度中に施行することとしています。
また、本日付けで関係事業主団体等に対し、別添2(PDF:218KB)のとおり、ポジティブリストに掲げられた製品を除きアスベスト製品の製造・使用等を法令の整備を待つまでもなく、可能な限り速やかに中止すること等を要請しました。
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〔石綿製品の全面禁止に向けた石綿代替化等検討会の概要〕
1 | 参集者(五十音順)
| 相澤 好治 | 北里大学医学部教授 |
| 池田 浩治 | 東京農工大学工学部機械システム工学科助教授 |
| 関根 和喜 | 横浜国立大学物質エネルギー安全工学コース教授 |
| 田中 英彦 | 独立行政法人物質・材料研究機構物質研究所ディレクター |
| 辻 裕一 | 東京電機大学理工学部知能機械工学科助教授 |
○ | 平野 敏右 | 千葉科学大学学長 《座長》 |
| 本間 健資 | 独立行政法人産業医学総合研究所企画調整部長 |
| 本山 建雄 | 独立行政法人産業安全研究所物理工学安全研究グループ部長 |
| 森崎 繁 | 社団法人産業安全技術協会会長 |
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2 | 開催経過
第1回 平成17年8月25日(木)
・ | アスベスト製品の規制に関するこれまでの経緯等について |
・ | 今後の検討方針等について |
第2回 平成17年9月26日(月)
・ | アスベストの全面禁止に係る基本的考え方の確認 |
・ | ユーザー団体等ヒアリング |
第3回 平成17年10月24日(月)
第4回 平成17年11月9日(水)
第5回 平成17年11月21日(月)
第6回 平成17年12月12日(月)
第7回 平成17年12月26日(月)
・ | 製品毎の代替化可能性について検討・整理 |
・ | 検討会報告書案の検討 |
第8回 平成18年1月18日(水)
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〔報告書概要〕
1 | アスベストの全面禁止に向けた基本的考え方
(1 | )アスベスト製品の製造等を禁止することとする。 |
(2 | )新規の設備等については、設計・仕様を非アスベスト製品の使用を前提に行えば可能なので使用を認めないこととする。
ただし、既存の設備等に使用されているアスベスト製品については、そのほとんどについて代替品が開発されつつあるものの、国民の安全の確保上、使用条件等個々の状況に応じて実証試験の必要性があるものもあり、例外的に禁止の除外がやむを得ない設備、条件、製品について列記する。(ポジティブリスト化)。 |
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2 | アスベスト製品禁止除外品リスト(ポジティブリスト)
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製品名 |
用途・条件 |
1 |
ジョイントシートガスケット |
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国内の既存の化学工業の用に供する施設の設備の接合部分に使用されるもので100℃以上の温度の流体を取り扱う部分に使用されるもの |
国内の既存の鉄鋼業の用に供する施設の設備の接合部分に使用されるもので、250℃以上の高炉ガス、コークス炉ガスを取扱う部分に使用されるもの |
国内の既存の鉄鋼業の用に供する施設又は非鉄金属製造業の用に供する施設の設備の接合部分に使用されるもので、450℃以上の硫酸ガス、亜硫酸ガスを取扱う部分に使用されるもの |
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国内の既存の化学工業の用に供する施設の設備の接合部分に使用されるもので径1500 mm以上の大きさのもの |
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国内の既存の化学工業の用に供する施設の設備の接合部分に使用されるもので3MPa以上の圧力の流体を取り扱う部分に使用されるもの |
2 |
うず巻き形ガスケット |
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国内の既存の化学工業の用に供する施設の設備の接合部分に使用されるもので400℃以上の温度の流体を取り扱う部分に使用されるもの |
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国内の既存の化学工業の用に供する施設の設備の接合部分に使用されるもので300℃以上の温度の腐食性の高い流体(pH2以下又はpH11.5以上のもの、溶融金属ナトリウム、黄りん、又は赤りん)、浸透性の高い流体(塩素ガス、塩化水素ガス、フッ素ガス、フッ化水素ガス、又はヨウ素ガス)、酸化性の流体(硝酸、亜硝酸、濃硫酸、クロム酸又はそれぞれの塩)を取り扱う部分に使用されるもの |
3 |
メタルジャケット形ガスケット |
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国内の既存の鉄鋼業の用に供する施設の設備の接合部分に使用されるもので1000℃以上の高炉送風用熱風を取扱う部分に使用されるもの |
4 |
グランドパッキン |
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国内の既存の化学工業の用に供する施設の設備の接合部分に使用されるもので400℃以上の温度の流体を取り扱う部分に使用されるもの |
国内の既存の鉄鋼業の用に供する施設の設備の接合部分に使用されるもので500℃以上の転炉、コークス炉ガスを取扱う部分に使用されるもの |
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国内の既存の化学工業の用に供する施設の設備の接合部分に使用されるもので300℃以上の温度の酸化性の流体(硝酸、亜硝酸、濃硫酸、クロム酸又はそれぞれの塩)を取り扱う部分に使用されるもの |
5 |
ロケットモータ用断熱材 |
国内において製造されるミサイルに使用されるもの |
6 |
潜水艦用ジョイントシートガスケット及びグランドパッキン |
国内において製造される潜水艦に使用されるもの |
7 |
原材料 |
1〜6の製品の原料又は材料として使用されるもの |
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3 | 代替困難製品の代替化の促進
(1 | )代替品メーカーは、計画的、速やかに非アスベスト製品の開発等を進め、非アスベスト製品の生産・供給体制の整備に努めること。 |
(2 | )アスベスト製品ユーザーは、代替製品の実証試験等を行い、代替可能と判断されたものから速やかに定期改修等の時期を捉え、非アスベスト製品に交換を行う必要がある。また、実証試験において、なお代替が困難とされる部位については、施設・設備等の設計等の変更を検討することにより、代替化の促進に努めること。 |
(3 | )国は、代替可能なアスベスト製品の禁止措置のための法令の整備を行うとともに、代替が完了するまでの間のアスベストばく露防止のための指導、代替化のための技術的な相談窓口の設置、アスベスト製品のユーザーにおける代替化のフォローアップ等を行う。 |
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