平成17年12月16日
厚生労働省

アルフレッサ ホールディングス株式会社及び明祥株式会社の
産業活力再生特別措置法に基づく事業再構築計画の認定について


.認定計画の概要
 アルフレッサ ホールディングス(株)(以下「HD社」という。)及び明祥(株)(以下「明祥」という。)から平成17年12月7日付けで提出された「事業再構築計画」について、産業活力再生特別措置法第3条第6項の規定に基づき審査した結果、同法第2条第2項第1号に規定する事業の構造の変更及び同条第2項第2号に規定する事業革新を行う者として、同法で定める認定要件を満たすと認められたため、本日付けで認定を行った。
 医薬品の全国的な流通網構築を図るアルフレッサグループの持株会社であるHD社は、同グループにとって営業体制が充分に整備されていない北陸地方における強固な販売力や流通網を持っている明祥を、株式交換により完全子会社化し、より充実した医薬品の供給体制とサービスの提供体制の確立を図るものである。
 また、株式交換に伴う新株の発行により、HD社は増資する。

 今回の計画により、HD社は、(1)簡易株式交換及び(2)登録免許税の軽減の支援措置を期待している。

.事業再構築の実施時期
 開始時期 平成17年12月 〜 終了時期 平成20年3月

.申請者の概要
 名称アルフレッサ ホールディングス株式会社
 本店所在地東京都千代田区大手町一丁目1番3号
 代表者代表取締役社長 横井 太
 資本金38億72百万円

 名称明祥株式会社
 本店所在地石川県金沢市無量寺町ハ1番地
 代表者代表取締役社長 石黒 傳六
 資本金3億95百万円


本件に関する問い合わせ先
厚生労働省医政局経済課
担当:猪股、山本
電話:03-5253-1111
(内線2530、2531)



参考】産業活力再生特別措置法の概要
 企業(事業者)が、産業活力再生特別措置法に基づき事業計画(事業再構築計画、他3計画)を作成し、その事業計画が一定の基準を満たし、当該事業計画に係る事業を所管する大臣の認定を受けると、税制上の特例、商法上の手続の簡素化、財政・金融上の優遇を受けることができる。

(1) 事業計画の種類
事業再構築計画
既存企業が中核事業への「選択と集中」を通じ、企業全体の生産性の向上を図る計画(自力再生)
共同事業再編計画過剰供給事業において、複数事業者が共同で事業集約、縮小・廃止を通じ事業の効率性向上を図る計画
経営資源再活用計画既存企業において有効に活用されていない経営資源を活用して、当該事業分野の効率性向上を図る計画
事業革新設備導入計画思い切った設備投資の促進により、国内に生産性が高く、競争力のある産業を確保するための計画

(2) 支援措置
(ア) 税制上の特例
登録免許税の軽減
会社設立の場合、通常増加資本金額の0.7% → 0.15%等
事業革新設備の特別償却
特別償却率


事業再構築計画30%
共同事業再編計画40%
経営資源再活用計画30%
事業革新設備導入計画24%
共同現物出資時の譲渡益課税の繰延
       等

(イ) 商法上の特例
○検査役調査の免除…現物出資、事後設立及び財産引受を行う場合、その出資財産等に対する検査役又は弁護士等第三者の行う調査は不要(取締役による調査で足りる)。
簡易組織再編の特例
営業譲渡、合併、分割、株式交換等の組織再編に必要な株主総会の特別決議は不要(取締役会決議のみで可)。
 ・条件1…相手方の規模が1/5以下
 ・条件2…2/3以上の議決権を保有している子会社がグループ内で行う組織再編成
○合併対価の柔軟…金銭を対価とした合併、吸収分割、株式交換
減資関連手続の簡素化…
資本等の減少と同時に減少額を上回る増資を行う場合に必要な株主総会特別決議は不要(取締役会決議のみで可)。また債権者保護手続のうち、個別催告も不要
資本の減少と同時に株式併合を行う場合で株主に影響が無い場合、株主総会特別決議は不要(取締役会決議のみで可)。
       等

(ウ) 政策金融措置
日本政策金融銀行による支援措置(低利融資制度等)
産業基盤整備基金による支援措置(事業革新設備を導入する際の債務保証等)
中小公庫、国民公庫、商工中金による低利融資
       等



様式第三

認定事業再構築計画の内容の公表


1.認定した年月日  平成17年12月16日

2.認定事業者名  アルフレッサ ホールディングス株式会社、明祥株式会社

.認定事業再構築計画の目標
(1)事業再構築に係る事業の目標
 医薬品業界におきましては、高齢化の進展に伴う医療費抑制策の実施や、国立病院機構等の医薬品一括共同購入の実施、また、医薬品卸の広域化に伴う競争の激化により、厳しい業界環境となっています。特に、医薬品の一括共同購入の動きは、医薬品の全国的な供給体制を持つことが入札参加の条件となっているため、地域卸にとっては重要な経営課題となっており、医薬品卸のグループ化や企業統合などの再編を加速化させています。
 こうしたなか、アルフレッサ ホールディングス株式会社(以下「HD社」という。)と明祥株式会社(以下「明祥」という。)は、より充実した医薬品の供給体制とサービスの提供体制を確立するため、平成18年4月1日を予定として、明祥をHD社の完全子会社とする株式交換を実施することといたしました。

(2)生産性の向上を示す数値目標
 生産性の向上としては、平成20年3月期には平成18年3月期に比べて、有形固定資産回転率(売上高/有形固定資産の帳簿価額)を約12.8%向上させることを目標としております。

.認定事業再構築計画の内容
(1) 事業再構築に係る事業の内容
(1) 中核的事業
 医薬品、診断薬及び医療機器卸売事業(以下「医薬品等卸売事業」という。)

(2) 選定理由
 HD社は純粋持株会社として、医薬品、医療用検査試薬、医療機器・用具等の卸販売および製造販売ならびに輸出入を行う子会社の管理等を行っており、現在、傘下に医薬品等卸売事業を営むアルフレッサ株式会社、四国アルフレッサ株式会社及び成和産業株式会社、医薬品等製造事業を営むアルフレッサ ファーマ株式会社、SPD事業を営むアルフレッサ ピップトウキョウ株式会社の合計5社があります。以上5社を含むの連結売上高のうち、医薬品等卸売事業は90%以上を占めており、同事業はアルフレッサグループとしての収益の柱であるため今計画においても中核事業として位置付けました。

(3) 事業再構築に係る事業の内容
 HD社は、経営資源の有効かつ効率的な活用を図り、アルフレッサグループとして更なる企業価値向上を目指すため、明祥と株式交換を行うことといたしました。
 平成18年4月1日付けで商法第352条に基づく株式交換を行い、HD社は明祥を完全子会社とし、これに伴う新株の発行により増資するものであります。

事業の構造の変更:株式交換及びこれに伴う増資)
 アルフレッサグループは、医薬品の流通網を全国に拡大するため、友好的な企業との資本提携や業務提携を行っております。そうしたなか、HD社及びアルフレッサ(株)と明祥は平成16年10月に業務提携契約書を締結し、卸機能の向上と業務コストの省力化による経営の健全化及び将来の発展的な協力体制について協議を重ねてまいりました。明祥は、アルフレッサグループにとって営業体制が十分に整備されていない北陸地方において強固な販売力や流通網を持っており、全国的な販売・流通網を目指しているアルフレッサグループにとって、明祥と経営統合し、グループとして北陸地方においても強固な販売・流通網を確立することが最善の選択肢であると判断し、株式交換を行い同社を完全子会社とすることと致しました。

 株式交換期日平成18年4月1日(予定)
 株式交換比率1:3(予定)
 発行する株式数2,370,000株(予定)

 増加する資本金2億37百万円(予定)
 増資後の資本金41億10百万円(予定)
 増資の方法株式交換に伴う新株の発行
 増資予定日平成18年4月1日(予定)

【完全親会社】
 名称アルフレッサ ホールディングス株式会社
 本店所在地東京都千代田区大手町一丁目1番3号
 代表者代表取締役社長 横井 太
 設立平成15年9月29日
 資本金38億72百万円

【完全子会社】
 名称明祥株式会社
 本店所在地石川県金沢市無量寺町ハ1番地
 代表者代表取締役社長  石黒 傳六
 設立昭和38年12月19日
 資本金3億95百万

事業革新)
 近年、バイオテクノロジーを駆使した遺伝子治療やゲノム創薬などの先進医療により、医療に対する期待がますます高まっています。また、人びとの健康への意識の高まりから、健康食品やサプリメントなどの予防的な商品に対する需要も増加しており、人びとの健康に関するニーズが多様化しております。こうした状況のなか、医療機関や調剤薬局においては、患者や消費者の多様化するニーズに応えるべく、従来のサービスに止まらず、介護関連サービスなど新たなサービスの展開が求められています。同時に、経営状況の健全化が求められるなどサービス向上と効率化が必要とされています。
 こうした医療機関や調剤薬局の経営環境を背景に、医薬品卸には、単なる医薬品の流通に止まらず、医療機関や調剤薬局をトータル的にサポートするパートナーとしての役割が求められており、アルフレッサグループでは、そうした状況にいち早く対応すべく新たなサービスを展開しております。具体的には、病院内の物品の購入から物流・消費までの管理を一元的に行い医療機関をサポートするSPD事業、様々な媒体を通して医薬品情報の提供を行う事業などを展開しております。
 また、このたび調剤薬局に対し、在庫管理を支援するシステムの提供を開始します。このサービスは、需要予測による最適発注数量の自動算出、店舗内・グループ店舗内の在庫照会やEOS発注を実現することにより、在庫不足による品切れの解消や不良在庫の減少、薬剤師の在庫管理に対する労務負担の軽減など調剤薬局の運営や経営をサポートするものです。この在庫管理システムにより、医薬分業の進展に伴い拡大する調剤薬局市場において、他社との差別化を実現し、シェアの拡大を図るものです。
 今後も、より高度化、多様化するニーズに対応すべく、医療機関や調剤薬局をサポートするサービスの開発に努めてまいります。
 具体的な数値基準としては、平成18年3月期から平成20年3月期までのHD社連結売上高の伸び率が、当該役務に係る業種の売上高の伸び率の実績を14.1%上回る売上高を目指します。

(2) 事業再構築を行う場所
 アルフレッサ ホールディングス株式会社
 本店所在地 東京都千代田区大手町一丁目1番3号

 アルフレッサ株式会社
 本店所在地 東京都千代田区内神田一丁目12番1号

 アルフレッサ ファーマ株式会社
 本店所在地 大阪市中央区石町二丁目2番9号

 アルフレッサ ピップトウキョウ株式会社
 本店所在地 東京都墨田区菊川二丁目23番12号

 四国アルフレッサ株式会社
 本店所在地 香川県高松市亀井町4番地2

 成和産業株式会社
 本店所在地 広島市西区商工センター一丁目2番19号

 明祥株式会社
 本店所在地 石川県金沢市無量寺町ハ1番地

(3) 関係事業者
 アルフレッサ株式会社
 アルフレッサ ファーマ株式会社
 四国アルフレッサ株式会社
 成和産業株式会社
  これらの事業者は、HD社が発行済み株式総数の100.0%を保有しているため、関係事業者に該当する。

 アルフレッサ ピップトウキョウ株式会社
  HD社が発行済み株式総数の51.0%を保有しているため、関係事業者に該当する。

(4) 事業再構築を実施するための措置の内容
 別表のとおり

(5) 事業再構築の実施時期
 事業再構築の開始時期及び終了時期
  開始時期:平成17年12月
  終了時期:平成20年3月

(6) 事業再構築に伴う労務に関する事項
(1)事業再構築の開始時期の従業員数
 アルフレッサ ホールディングス(株)  20名
 アルフレッサ(株)  4,921名
 アルフレッサ ファーマ(株)  620名
 四国アルフレッサ(株)  443名
 成和産業(株)  738名
 アルフレッサ ピップトウキョウ(株)  190名
 明祥(株)  458名

合計  7,390名
 (注)アルフレッサ ホールディングス(株)の20名は、アルフレッサ(株)からの出向社員であります。

(2)事業再構築の終了時期の従業員数(平成20年3月)
 アルフレッサ ホールディングス(株)  20名程度
 アルフレッサ(株)  4,483名程度
 アルフレッサ ファーマ(株)  629名程度
 四国アルフレッサ(株)  435名程度
 成和産業(株)  664名程度
 アルフレッサ ピップトウキョウ(株)  316名程度
 明祥(株)  444名程度

合計  6,991名程度

(3)事業再構築に充てる予定の従業員数
 アルフレッサ ホールディングス(株)  20名程度
 アルフレッサ(株)  4,483名程度
 アルフレッサ ファーマ(株)  629名程度
 四国アルフレッサ(株)  435名程度
 成和産業(株)  664名程度
 アルフレッサ ピップトウキョウ(株)  316名程度
 明祥(株)  444名程度

合計  6,991名程度

(4)(3)中、新規に採用される従業員数
 アルフレッサ ホールディングス(株)  0名
 アルフレッサ(株)  100名程度
 アルフレッサ ファーマ(株)  35名程度
 四国アルフレッサ(株)  0名
 成和産業(株)  19名程度
 アルフレッサ ピップトウキョウ(株)  73名程度
 明祥(株)  35名程度

合計  262名程度

(5)事業再構築に伴い出向または解雇される従業員数
 出向予定人員数 なし
 転籍予定人員数 なし
 解雇予定人員数 なし



別表

事業再構築の措置の内容
 
措置事項 実施する措置の内容及びその実施する時期 期待する支援措置
事業の構造の変更    
  株式交換による中核的事業の開始、拡大又は能率の向上  平成18年4月1日に、アルフレッサ ホールディングス(株)は、商法第352条に基づく株式交換を行い、明祥(株)を完全子会社とするものであります。

(1)完全親会社となる会社
名称アルフレッサ ホールディングス株式会社
住所東京都千代田区大手町一丁目1番3号
代表者代表取締役社長 横井 太
設立日平成15年9月29日
資本金38億72百万

(2)完全子会社となる会社
名称明祥株式会社
住所石川県金沢市無量寺町ハ1番地
代表者代表取締役社長 石黒 傳六
設立日昭和38年12月19日
資本金3億95百万円

(3)株式交換期日
平成18年4月1日(予定)

(4)株式交換比率
1:3(予定)
法第12条の4
(簡易株式交換に関する特例)
資本の相当程度の増加による中核的事業の開始、拡大又は能率の向上  平成18年4月1日付けで商法第352条に基づく株式交換を行い、アルフレッサ ホールディングス(株)は明祥(株)を完全子会社とし、これに伴う新株の発行により増資するものであります。

(1)増加前資本38億72百万円
(2)増加する額2億37百万円(予定)
(3)増資の方法株式交換に伴う新株の発行
(4)増資の時期平成18年4月1日(予定)
租税特別措置法
第80条の2
(認定事業再構築計画等に基づき行う登記の税率の軽減)
事業革新    
  第2条第2項第2号ハ  近年、バイオテクノロジーを駆使した遺伝子治療やゲノム創薬などの先進医療により医療に対する期待がますます高まっています。また、人びとの健康への意識の高まりから、健康食品やサプリメントなどの予防的な商品に対する需要も増加しており、人びとの健康に関するニーズが多様化しております。こうした状況のなか、医療機関や調剤薬局においては、患者や消費者の多様化するニーズに応えるべく、従来のサービスに止まらず、介護関連サービスなど新たなサービスの展開が求められています。同時に、経営状況の健全化が求められるなどサービス向上と効率化が必要とされています。
 こうした医療機関や調剤薬局の経営環境を背景に、医薬品卸には、単なる医薬品の流通に止まらず、医療機関や調剤薬局をトータル的にサポートするパートナーとしての役割が求められており、アルフレッサグループでは、そうした状況にいち早く対応すべく新たなサービスを展開しております。具体的には、病院内の物品の購入から物流・消費までの管理を一元的に行い医療機関をサポートするSPD事業、様々な媒体を通して医薬品情報の提供を行う事業などを展開しております。
 また、このたび調剤薬局に対し、在庫管理を支援するシステムの提供を開始します。このサービスは、需要予測による最適発注数量の自動算出、店舗内・グループ店舗内の在庫照会やEOS発注を実現することにより、在庫不足による品切れの解消や不良在庫の減少、薬剤師の在庫管理に対する労務負担の軽減など調剤薬局の運営や経営をサポートするものです。この在庫管理システムにより、医薬分業の進展に伴い拡大する調剤薬局市場において、他社との差別化を実現し、シェアの拡大を図るものです。
 今後も、より高度化、多様化するニーズに対応すべく、医療機関や調剤薬局をサポートするサービスの開発に努めてまいります。
 具体的な数値基準としては、平成18年3月期から平成20年3月期までのアルフレッサ ホールディングス(株)連結売上高の伸び率が、当該役務に係る業種の売上高の伸び率の実績を14.1%上回る売上高を目指します。
租税特別措置法
第80条の2
(認定事業再構築計画等に基づき行う登記の税率の軽減)

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