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担当 |
職業能力開発局総務課基盤整備室
電話 |
03(5253)1111(内線5601)
03(3595)3377(夜間直通) |
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「平成16年度企業が求める人材の能力等に関する調査結果概要」
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今年度末までに採用を考えている労働者数は179.2万人であり、前回調査と比べ23.5万人増 |
○ |
基本的能力を重視する企業が増えているが、中でも、「誠実さ」及び「継続的学習」という事項を重視する企業は引き続き多く、(1)複雑な仕事や複数の仕事を臨機応変に進めていく、(2)効果的な動機付けによって人々を導く、(3)部下や後輩の能力・キャリア開発を適切に援助する、などの事項に重点を置く企業が経年的に増大 |
○ |
本調査結果は、今年度中に、他の職業能力開発関連情報とともに、インターネットを活用して、効果的に労働者等に対して情報提供予定 |
・ |
平成17年度末までに採用を考えている労働者(新卒正社員を除く)数は179.2万人であり、前回調査と比べ23.5万人増加した。 |
・ |
業種別に見ると、第2次産業が28.6万人(36.4%)、第3次産業が50.0万人(63.6%)であり、特に、卸売・小売業(20.2万人)、製造業(16.0万人)においてニーズが高い。 |
・ |
職種別に見ると、営業の職業(14.0万人)が最もニーズが高く、次いで、運輸の職業(6.5万人)、建築技術者(3.7万人)のニーズが高い。 |
・ |
業種別に見ると、第2次産業が25.8万人(25.6%)、第3次産業が74.9万人(74.3%)であり、特に、卸売・小売業(26.8万人)、飲食店・宿泊業(18.9万人)において、ニーズが高い。 |
・ |
職種別に見ると、商品販売の職業(16.5万人)が最もニーズが高く、次いで、接客・給仕の職業(11.5万人)、飲食物調理の職業(9.5万人)のニーズが高い。 |
・ |
全職種平均で見ると、企業が求める人材の基本スキルのうち、誠実さ・責任感・公平さ・倫理観など信頼される態度を示す「誠実さ」、顧客の立場に立ってニーズ対応に務める「顧客志向」、向上心を持って学習し、自己を革新していく「継続的学習」が強く求められている。 |
・ |
14年度調査結果と比較すると、複雑な仕事や複数の仕事を臨機応変に進めていく「プロセス促進」、効果的な動機付けによって人々を導く「リーダーシップ」、部下や後輩の能力・キャリア開発を適切に援助する「支援育成」が経年的に求められる度合いが強まってきている。 |
・ |
情報処理・情報通信関連の職業は、「率先行動」、「成果の追求」が求められていることが特徴である。 |
・ |
サービスの職業は、「サービス対応」が求められていることが特徴であり、14年度調査結果と比較すると、「成果の追求」、「プロセス促進」が経年的に求められる度合いが強まってきている。 |
・ |
建築・土木製造関係の技能職は、「成果の追求」、「チームワーク・連携」が求められていることが特徴であり、14年度調査結果と比較すると、仕事に問題がないか、成果がでているかしっかり監視する「モニタリング」が経年的に求められる度合いが強くなってきている。 |
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1 |
本調査は、企業内外での職業能力のミスマッチ解消を図るため、企業が求める人材像等の情報を収集・整理し、労働者等へ情報提供することを目的としており、平成14年度から実施し、平成16年度調査で3回目。 |
2 |
平成16年度調査は、平成17年1月1日現在の状況について、平成17年1月26日から同年2月10日までの間に民間団体に委託して実施した。 |
3 |
調査は「企業調査」「事業所調査」からなり、それぞれ「採用予定」、「職種別に見た求める人材」等について質問した。 |
4 |
調査の対象は、全国の農林漁業、鉱業、公務を除いた業種で、正社員規模5人以上の企業から正社員規模別に無作為に抽出した32,218企業(5〜29人11,000件、30〜299人11,000件、300人以上10,218件)、及び正社員規模100人以上の企業に属する従業員(パート・アルバイトを含む)規模が50人以上の事業所から無作為に抽出した22,000事業所であり、回答を得たのは企業6,668件(有効回収率20.7%)及び事業所3,941件(有効回収率17.9%)である。 |
5 |
調査票のデータは、業種別・規模別に全国の企業数・支社事業所数(総務省統計局の事業所・企業統計調査結果を利用)に一致するように復元を行った。復元後の企業数は787,975企業、事業所数は61,378事業所となっている。 |
ア |
採用予定者数の増加
平成17年度末までに採用を考えている労働者(新規学卒者の正社員採用を除く。以下、この項において同じ。)数は179.2万人であり、平成15年度調査における平成16年度末までに採用を考えている労働者数(155.7万人)と比べ23.5万人増加した(表1)。
雇用・活用形態別に見ると、中途採用正社員は61.9万人から78.6万人に増加(16.7万人増)、フルタイムの契約社員・嘱託社員は24.8万人から30.8万人に増加(5.9万人増)、短時間勤務のパートタイマー・アルバイトは56.0万人から53.2万人に減少(2.8万人減)、派遣労働者は7.0万人から9.8万人に増加(2.9万人増)、個人への業務委託は6.0万人から6.8万人に増加(0.8万人増)した。 |
イ |
採用予定者のうち、正規労働者の比率の増加
平成16年度調査結果について、雇用・活用形態別の割合見ると、中途採用正社員は43.9%、フルタイムの契約社員・嘱託社員は17.2%、短時間勤務のパートタイマー・アルバイトは29.7%、派遣労働者は5.5%、個人への業務委託は3.8%であった。
平成15年度調査結果と雇用・活用形態別の割合を比較すると、中途採用正社員の割合が39.7%から43.9%に増加(4.1%ポイント増加)、フルタイムの契約社員・嘱託社員が16.0%から17.2%に増加(1.2%ポイント増加)、短時間勤務のパートタイマー・アルバイトが36.0%から29.7%に減少(6.3%ポイント減少)、派遣労働者が4.5%から5.5%に増加(1.0%ポイント増加)、個人への業務委託が3.9%から3.8%に減少(0.1%ポイント減少)した。 |
ア |
業種別
第2次産業が28.6万人(36.4%)、第3次産業が50.0万人(63.6%)であり、特に、卸売・小売業(20.2万人)、製造業(16.0万人)においてニーズが高い(表2)。
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表2 |
正規労働者(中途採用正社員)の業種別採用予定者数 |
イ |
職種(全109中分類職種)別
営業の職業(14.0万人)が最もニーズが高く、次いで、運輸の職業(6.5万人)、建築技術者(3.7万人)のニーズが高い(表3)。
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表3 |
正規労働者(中途採用正社員)の職種別採用予定者数(上位30職種) |
(ア) |
業種別
第2次産業が25.8万人(25.6%)、第3次産業が74.9万人(74.3%)であり、特に、卸売・小売業(26.8万人)、飲食店・宿泊業(18.9万人)において、ニーズが高い(表4)。 |
(イ) |
職種別
商品販売の職業(16.5万人)が最もニーズが高く、次いで、接客・給仕の職業(11.5万人)、飲食物調理の職業(9.5万人)のニーズが高い(表5)。 |
表5 |
非正規労働者の職種別採用予定者数(上位30職種) |
(ア) |
業種別
第2次産業が10.3万人(33.6%)、第3次産業が20.4万人(66.4%)であり、特に、卸売・小売業(6.9万人)、製造業(6.2万人)において、ニーズが高い。 |
(イ) |
職種別
営業の職業(3.0万人)が最もニーズが高く、次いで、商品販売の職業(2.9万人)、運輸の職業(2.4万人)のニーズが高い。 |
(ア) |
業種別
第2次産業が7.2万人(13.5%)、第3次産業が46.0万人(86.5%)であり、特に、卸売・小売業(18.0万人)、飲食店・宿泊業(17.1万人)において、ニーズが高い。 |
(イ) |
職種別
商品販売の職業(13.1万人)が最もニーズが高く、次いで、接客・給仕の職業(10.1万人)、飲食物調理の職業(8.7万人)のニーズが高い。 |
(ア) |
業種別
第2次産業が5.0万人(51.0%)、第3次産業が4.8万人(49.0%)であり、特に、製造業(4.0万人)、サービス業(2.5万人)において、ニーズが高い。 |
(イ) |
職種別
一般事務の職業(0.9万人)が最もニーズが高く、次いで、輸送用機械器具組立・修理業(0.6万人)、その他の保健医療の職業(0.6万人)のニーズが高い。 |
(ア) |
業種別
第2次産業が3.2万人(47.2%)、第3次産業が3.6万人(52.8%)であり、特に、建設業(2.0万人)、サービス業(1.5万人)において、ニーズが高い。 |
(イ) |
職種別
建築技術者(0.7万人)が最もニーズが高く、次いで、デザイナー(0.5万人)、営業の職業(0.5万人)のニーズが高い。 |
2 |
企業が求める人材像
平成17年度末までに、採用を考えている中途採用の正社員785,898人について、労働条件や求める能力等を調査した。 |
(1) |
労働条件等
募集賃金、勤務形態などの労働条件、人材を必要とする主な理由、希望する能力レベル等を表6〜15に示す。 |
表10 |
採用予定者の年齢層別(M.A.,単位:%) |
(「実務経験の必要性別」が「必要」である場合,単位:%)

(「資格の必要性別」が「あれば尚可」、「ぜひ必要」の場合の合計,単位:%)
ア |
全職種平均
誠実さ・責任感・公平さ・倫理観など信頼される態度を示す「誠実さ」、顧客の立場に立ってニーズ対応に務める「顧客志向」、向上心を持って学習し、自己を革新していく「継続的学習」が強く求められている。
14年度調査結果と比較すると、30項目中23項目がさらに求められるようになり、そのうち、複雑な仕事や複数の仕事を臨機応変に進めていく「プロセス推進」、効果的な動機付けによって人々を導く「リーダーシップ」、部下や後輩の能力・キャリア開発を適切に援助する「支援育成」が特に求められるようになった(表16)。 |
(ア) |
研究者・技術者(14.2万人)
「誠実さ」、「顧客思考」、「継続的学習」の他(以上3つの点については、全ての職種大分類において求められているものであるため、(イ)以降においては、この3点については省略する)、「率先行動」、「成果の追求」が求められていることが特徴である。 |
(イ) |
情報処理・情報通信関連の職業(4.2万人)
「率先行動」、「成果の追求」が求められていることが特徴である。 |
(ウ) |
医療・福祉関係の職業(5.2万人)
「サービス対応」が求められていることが特徴である。
14年度調査結果と比較すると、「率先行動」、「情報探求」が経年的に求められる度合いが強まってきている。 |
(エ) |
デザイナー・クリエイターの職業(1.5万人)
「率先行動」、「情報探求」、「業務の精通」が求められていることが特徴である。
14年度調査結果と比較すると、「分析的思考」、「概念化」が経年的に求められる度合いが強まってきている。 |
(オ) |
管理的職業(3.9万人)
「率先行動」、「成果の追求」、「業務の精通」、「リーダーシップ」、「指示要求」、「チームワーク・連携」が求められていることが特徴である。
14年度調査結果と比較すると、「リーダーシップ」、「支援育成」が経年的に求められる度合いが強まってきている。 |
(カ) |
事務的職業(5.0万人)
「チームワーク・連携」が求められていることが特徴である。
14年度調査結果と比較すると、「創造的自己表現」が経年的に求められる度合いが強まってきている。 |
(キ) |
営業・販売の職業(17.3万人)
「サービス対応」が求められていることが特徴である。
14年度調査結果と比較すると、「率先行動」、「チームワーク・連携」が経年的に求められる度合いが強まってきている。 |
(ク) |
サービスの職業(4.3万人)
「サービス対応」が求められていることが特徴である。
14年度調査結果と比較すると、「成果の追求」、「プロセス促進」が経年的に求められる度合いが強まってきている。 |
(ケ) |
運輸・通信の職業(6.5万人)
「サービス対応」、「組織感覚」が求められていることが特徴である。
14年度調査結果と比較すると、「プロセス促進」が経年的に求められる度合いが強まってきている。 |
(コ) |
建築・土木・製造関係の技能職(11.3万人)
「成果の追求」、「チームワーク・連携」が求められていることが特徴である。
14年度調査結果と比較すると、「モニタリング」が経年的に求められる度合いが強まってきている。 |