| 平成17年5月10日 | 
| (照会先) 厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課
 齋藤、中込、木阪(内7933、7938、7939)
 
国立保健医療科学院
| 電話 | 代表 | 03−5253−1111 |  
| 夜間直通 | 03−3595−2544 |  生涯保健部長 田中 哲郎
 
| 電話 | 048−458−6191 |  
| FAX | 048−469−3716 |  |  | 
「子どもの事故予防のための市町村活動マニュアルの
開発に関する研究」報告書の公表について
 平成16年度厚生労働科学研究(子ども家庭総合研究事業)「子どもの事故予防のための市町村活動マニュアルの開発に関する研究」(主任研究者:田中哲郎国立保健医療科学院生涯保健部長)において研究報告書のとりまとめを行ったので、別添のとおり概要を公表します。
 なお、報告書にある安全チェックリストは、国立保健医療科学院ホームページ内「子どもに安全をプレゼント 事故防止支援サイト」(
http://www.niph.go.jp/jikoboshi/index.html)において公開しています。その他、研究報告書の詳細については、主任研究者田中哲郎国立保健医療科学院生涯保健部長(電話;048−458−6191)までご照会ください。
【研究班】
| 主任研究者 | 田中 哲郎 | 国立保健医療科学院生涯保健部長 | 
| 分担研究者 | 亀井 美登里 | 千葉県健康福祉部次長 | 
|  | 能勢 修 | 京都市保健医療相談・事故防止センター長 | 
別添
| 「子どもの事故予防のための市町村活動マニュアルの 開発に関する研究」報告書について(概要)
 (平成16年度厚生労働省研究班) | 
 子どもの事故は1歳以降の小児期において死因順位の第1位にあり、全死因に対する割合も高い。その防止の重要性については、母子保健の国民運動計画「健やか親子21」、「次世代育成支援対策推進法」に基づく「行動計画策定指針」、政府の「少子化社会対策大綱」の具体的プランである「子ども・子育て応援プラン」においても取り上げられ、目標値として事故防止対策に取り組んでいる市町村の割合を100%にすることが掲げられている。このような流れの中で、市町村での保護者に対する事故防止指導を効果的に実施するために、事故防止指導の現状調査と指導マニュアルに対するニーズ調査を基に、子どもの事故防止指導に必要な「市町村活動マニュアル」を開発することとなった。
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| (1) | 全国3,110の市町村に調査を依頼し、1,995市町村より得られた回答から、乳児健診において、88%の市町村で何らかの事故防止指導は行われているが、「充実した指導をしている」のはわずか1.5%で、半数以上が「指導不十分」と考えている。 |  
| (2) | 市町村は、乳幼児健診時及び育児教室における指導マニュアルを希望しているところが多く、半数以上の市町村で発達段階毎の事故防止パンフレットや安全チェックリストなどの教材を希望していることが分かった。 |  
| (3) | 保育所に通所している子どもの保護者に対する調査では、子どもの事故を経験した保護者は、子どもが医療機関を受診した事故の73%は事故防止のための情報を得て気配りをしていれば防止できたと回答している。 |  
| (4) | 子どもの事故対策として、2歳までは保護者への事故防止啓発が重要であり、3歳以降はそれと同時に子どもへの安全教育が必要であることが分かった。 |  
| (5) | 乳幼児健診時に保護者に対し「安全チェックリスト」を用いた事故防止指導を行ったところ、子どもの事故防止に一定の効果がみられた。特に熱傷、切傷、転倒、誤飲に効果が認められることが分かった。 |  | 
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| II | 子どもの事故予防のための市町村活動マニュアルの意義 |  
| (1) | これにより「健やか親子21」、「子ども・子育て応援プラン」にある、「事故防止に取り組んでいる市町村の割合を100%にする」目標値の達成が可能となることが期待される。 |  
| (2) | 事故防止指導の経験の少ない保健師にも効果的な指導が可能となった。 |  
| (3) | 指導メニューを複数提示し、最も効果的で適したメニューを当該市町村が選択可能となった。 |  
| (4) | 指導教材も作成し、マニュアルと共に5月中旬より国立保健医療科学院のホームページから無料でダウンロードできるようになる予定。 (http://www.niph.go.jp/)
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子どもの事故防止には、都道府県、市町村レベルで協議会を設置し事故予防対策の企画・立案、推進・評価を行う、また、保健所等に事故防止センターを設け、事故事例の紹介、事故防止方法の教育、応急手当の学習機会の提供を行うといった取組が重要である。さらに、地域で生じた事故事例を定期的に把握し、原因分析等を行うと共に、関係者に情報提供する、物理的環境の改善や広報に努めることも重要な取組である。
| III | 研究班の今後の課題と提言: 地域における子どもの事故防止対策強化の必要性について
 |  今回の調査においても、健診等の機会を活かした事故防止指導が事故予防に一定の効果を上げていることが検証されたため、今回作成されたマニュアルを活用し、今後も地域の実情に応じた積極的な取組を推進していくことが重要であると考える。
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