プレスリリース
平成17年5月2日

コーデックス委員会食品添加物・汚染物質部会での
食品中のカドミウムの国際基準値検討結果について

厚生労働省
農林水産省

 4月25〜29日にオランダ(ハーグ)で開催された第37回コーデックス委員会食品添加物・汚染物質部会において、食品中のカドミウムの国際基準値案が議論された。日本からは、厚生労働省及び農林水産省等が出席した。
 検討結果の概要及び今後の予定は以下のとおり。

 検討結果

 カドミウムの国際基準値については、以下をコーデックス委員会総会に諮ることが合意された(別紙参照)。

(1) 小麦、野菜などについては、現行案を国際基準値として最終採択すること(ステップ8)
(2) 精米については、原案(0.4 mg/kg)を国際基準値案として予備採択すること(ステップ5)
(3) 軟体動物については、海産二枚貝(カキ及びホタテガイを除く)及び頭足類(内臓を除去したもの)と定義を明確化した上で、原案(1.0 mg/kg)を国際基準値案として予備採択すること(ステップ5)

 今後の予定

(1) コーデックス委員会総会は、本年7月にローマで開催予定。
(2) 厚生労働省及び農林水産省は、引き続き、国際基準を巡る議論に積極的に関与していくとともに、国内的には、食品安全委員会におけるリスク評価を踏まえ、国内基準の設定等、必要なリスク管理のあり方について検討していくこととしている。


問い合わせ先

 厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課
  課長  中垣 俊郎(内線 2481)
  課長補佐  鷲見  学(内線 2484)
  係長  福島 和子(内線 4280)
  TEL.03−5253−1111(代表)
03−3595−2341(直通)

 農林水産省消費・安全局農産安全管理課
  課長  嘉多山 茂(内線 3100)
  調査官  新本 英二(内線 3116)
  課長補佐  瀬川 雅裕(内線 3126)
  TEL.03−3502−8111(代表)
03−3502−5968(直通)



(別紙)
今回合意されたカドミウムの基準値案


食品群 基準値案
(mg/kg)
ステップ注) 備考
精米 0.4 5  
海産二枚貝 1.0 5 カキ、ホタテを除く
頭足類 1.0 5 内臓を除去したもの
小麦 0.2 8  
ばれいしょ 0.1 8 皮を剥いたもの
根菜、茎菜 0.1 8 セロリアック、ばれいしょを除く
葉菜 0.2 8  
その他の野菜
(鱗茎類、アブラナ科野菜
ウリ科果菜、その他果菜)
0.05 8 食用キノコ,トマトを除く
※「アブラナ科野菜」のうち、葉菜で結球しないものについては、「葉菜」に含まれる。















注)ステップ(コーデックス規格作成の手続き)について

 コーデックス規格(カドミウムの場合は最大基準値)の作成手続きは、以下に示す8つの段階から構成されている。

ステップ1 総会が規格作成を決定
ステップ2 事務局が規格原案の手配
ステップ3 提案された規格原案について各国のコメントを要請
ステップ4 部会が規格原案を検討
ステップ5 規格原案について各国のコメントを要請。そのコメントに基づき、総会が規格原案の採択を検討
ステップ6 規格案について各国のコメントを要請
ステップ7 部会が規格案を検討
ステップ8 規格案について各国のコメントを要請。そのコメントに基づき、総会が規格案を検討し、コーデックス規格として採択

















(参考)これまでの経緯

 1 国際的な食品規格設定の場であるコーデックス委員会(国際食品規格委員会)において、食品中のカドミウムの基準値が検討されている。

 2 平成10年3月に開催された第30回コーデックス委員会食品添加物・汚染物質部会(CCFAC)において、予備的な原案が提案され、これ以降審議が続けられている。

 3 平成16年7月に開催された第27回コーデックス委員会総会において、(1)精米の基準値原案については0.4 mg/kg でステップ3で部会でさらに検討する、(2)小麦、野菜などの基準値原案についてはステップ5で採択し、ステップ6に進めて引き続き検討することが合意された。
 また、総会は、FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)が平成17年2月に実施する摂取量評価の結果を十分に考慮するよう部会に要請した。

 4 平成17年2月に開催されたJECFAは、コーデックス委員会で国際基準値が検討されている各品目について、現行の基準値案とその上下の値を設定した場合の影響等について議論し、その結果、いずれの値を設定したとしても、総カドミウム摂取量の変化はほとんどなく、人の健康上のリスクの観点からもほとんど影響がないと結論した。

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