(1) |
調査結果の概要と考察
・ |
原因家庭用品は、装飾品が48件、洗剤が38件、ゴム・ビニール手袋が18件等であった(参考参照)。これは例年と同様の傾向であった。 |
・ |
患者の性別では、女性が146件(75.3%)と大半を占めた。そのうち20代の女性が43件と全体の22.2%を占め、年齢・性別集計で最も多かった。 |
・ |
障害の種類のうち主なものは、アレルギー性接触皮膚炎が75件、刺激性皮膚炎が58件、KTPP型*の手の湿疹が27件等であった。 |
* |
KTPP(keratodermia tylodes palmaris progressiva:進行性指掌角皮症)
手の湿疹の1種で、水仕事、洗剤等の外的刺激により起こる。まず、利き手から始まることが多く、皮膚は乾燥し、落屑、小亀裂を生じ、手掌に及ぶ。程度が進むにつれて角質の肥厚を伴う。 |
家庭用品との接触部位に痒み、湿疹等の症状が発現した場合には、原因と考えられる家庭用品の使用を極力避けることが望ましい。再度使用して同様の症状が発現する場合には、同一の素材のものの使用は避けることが賢明であり、症状が改善しない場合には、専門医の診療を受けることが必要である。また、日頃から使用前には必ず注意書をよく読み、正しい使用方法を守ること、自己の体質について認識し、製品の素材について注意を払うことも大切である。 |
|