〔調査の概要〕
・ | 事業所調査票の回収数は、5,007事業所(回収率71.5%)、個人票調査票の回収数は身体障害者10,190人(回収率63.2%)、知的障害者986人(回収率62.0%)、精神障害者47人(回収率23.5%)であった。 |
・ | 事業所調査による雇用状況については、産業・規模別の回収結果をもとに復元を行った推計値である。 |
・ | この調査は、5年ごとに実施しているものであり、前回は平成10年に行っている。 |
・ | 今回の調査においては、精神障害者の雇用支援策の充実を図るため、精神障害者の雇用の実態を詳細に把握することとし、身体障害者及び知的障害者と同様な調査を行ったものである。 |
〔調査結果の概要〕
I 事業所調査
1 | 精神障害者の雇用の現況
(1) | 精神障害者の所定労働時間
精神障害者の週所定労働時間別の雇用状況については、「通常勤務(30時間以上)」が88.7%で最も多く、次いで「20時間以上30時間未満」(4.4%)、「20時間未満」(3.6%)となっている。(図6, 15,17) |
(単位%) |
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週30時間以上 |
20〜30時間 |
20時間未満 |
不明 |
精神障害者 |
88.7 |
4.4 |
3.6 |
3.2 |
身体障害者 |
89.1 |
8.0 |
1.2 | 1.7 |
知的障害者 |
78.6 |
2.8 |
0.2 |
18.5 |
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(2) | 精神障害者の休職状況
調査時点を含み概ね1ヶ月以上の休職をしている者は、労働者全体の10.9%となっている。(身体障害者3.2%、知的障害者0.4%)(図7,14,18) |
(3) | 精神障害者であることの確認方法
精神障害者であることの確認方法としては、精神障害者保健福祉手帳による確認が39.8%で、医師の診断等による確認が58.6%となっている。手帳の等級で最も多いのは「2級」で17.4%、医師の診断等による確認のうち最も多い疾病は、「そううつ病」で48.5%となっている。(図16) |
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2 | 障害者の雇用に当たっての課題・配慮事項(図20、21:いずれも複数回答(以下「MA」という。))
(1) | 雇用するに当たっての課題
ア | 身体障害者
身体障害者の雇用上の課題について、身体障害者を雇用している事業所の69.0%が「ある」としている。
課題として最も多いのが、「会社内に適当な仕事があるか」で76.6%、次いで「職場の安全面の配慮が適切にできるか」(45.4%)、「設備・施設・機器の改善をどうすればよいか」(37.9%)、「採用時に適性、能力を十分把握できるか」(35.0%)となっている。 |
イ | 知的障害者
知的障害者の雇用上の課題について、知的障害者を雇用している事業所の73.5%が「ある」としている。
課題として最も多いのが、「会社内に適当な仕事があるか」で81.4%、次いで「職場の安全面の配慮が適切にできるか」(42.6%)、「採用時に適性、能力を十分把握できるか」(40.8%)、「社内において障害の理解・知識が得られるか」(35.8%)となっている。 |
ウ | 精神障害者
精神障害者の雇用上の課題について、精神障害者を雇用している事業所の72.7%が「ある」としている。
課題として最も多いのが、「会社内に適当な仕事があるか」で79.6%、次いで「職場の安全面の配慮が適切にできるか」(41.2%)、「社内において障害についての理解・知識が得られるか」(38.7%)、「採用時に適性、能力を十分把握できるか」(38.1%)となっている。 |
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(2) | 雇用している障害者への配慮事項
ア | 身体障害者
身体障害者を雇用している事業所のうち、雇用上何らかの配慮をしている事業所は68.7%である。配慮の内容として最も多いのが、「配置転換等人事管理面についての配慮」で54.5%、次いで「通院・服薬管理等医療上の配慮」(39.4%)、「駐車場、住宅の確保等通勤への配慮」(30.3%)となっている。 |
イ | 知的障害者
知的障害者を雇用している事業所のうち、雇用上何らかの配慮をしている事業所は61.4%である。配慮の内容として最も多いのが、「工程の単純化等職務内容の配慮」で54.5%、次いで「配置転換等人事管理面についての配慮」(41.2%)、「業務遂行を援助する者の配置」(40.3%)となっている。 |
ウ | 精神障害者
精神障害者を雇用している事業所のうち、雇用上何らかの配慮をしている事業所は31.4%である。配慮の内容として最も多いのが、「配置転換等人事管理面についての配慮」(46.4%)、次いで「工程の単純化等職務内容の配慮」(30.4%)、「通院・服薬管理等医療上の配慮」(28.3%)となっている。 |
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II 個人調査
1 | 身体障害者
−身体障害者が仕事を続けるために職場に求めることは、処遇やコミュニケーションに関すること−
(1) | 転職経験のある身体障害者の比率は34.1%、平均転職回数は2.1回である。
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(2) | 転職の主な理由は、「個人的理由」(62.3%)、「事業主の都合」(17.6%)である。個人的理由の主なものとしては、「賃金・労働条件」(20.5%)、「職場の人間関係」(19.9%)、「 仕事の内容 」(19.2%)など職場や職務の状況に関することが多い。(図24)
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(3) | 仕事や職場に関して、悩みや不安を抱いたときの相談相手として最も多いのが、「家族・親族」で44.9%、次いで「職場の同僚・友人」(39.6%)、「職場の上司や人事担当者」(31.7%)となっている。なお、相談相手がいないとしたのは、15.2%である。(図27:MA)
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(4) | 身体障害者が仕事を続けるために職場に求めることとして最も多いのが、「能力に応じた評価、昇進」と「コミュニケーション手段・体制の整備」で29.8%、次いで「労働条件」(24.6%)となっている。(図26:MA) |
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2 | 知的障害者
−知的障害者が職場に求めることは、現在の仕事を続けられるようにすること−
(1) | 就職に際して相談した相手として最も多いのが、「学校の先生」で30.0%、次いで「家族」(27.5%)、「公共職業安定所の職員」(14.7%)となっている。(図30)
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(2) | 職場で困ったときの相談相手として最も多いのが、「職場の上司」で30.5%、次いで「職場でいっしょに働く人」(26.8%)、「家族」(16.3%)となっている。特に相談相手がいないとしたのは、11.8%である。(図31)
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(3) | 職場に対する要望としては、「今の仕事を続けたい」が61.0%と最も多く、次いで「他の仕事もしてみたい」が15.2%、「職場で相談できる人がほしい」が14.6%となっている。(図32:MA) |
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3 | 精神障害者
−精神障害者が仕事を続けるために職場に求めることは、労働時間や医療上・生活上の配慮−
(1) | 障害に配慮した援助を受けている者は、61.7%である。受けている配慮の内容として最も多いのが、「業務遂行の援助や本人、周囲に助言する者等の配置」と「通院時間の確保、服薬管理など医療上の配慮」で41.4%、次いで「短時間勤務など労働時間の配慮」(34.5%)となっている。(図35:MA)
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(2) | 職場で困ったときの相談相手として最も多いのが、「家族・親戚」で42.6%、次いで「職場の上司や人事・健康管理担当者」(38.3%)、「職場の同僚・友人」(29.8%)となっている。(図38:MA)
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(3) | 精神障害者が仕事を続けるため職場に求めることとして最も多いのが、「調子の悪いときに休みを取りやすくする」が44.4%、次いで「職業生活、生活全般に関する相談員の配置」(33.3%)、「短時間勤務など労働時間の配慮」と「通院時間の確保、服薬管理など医療上の配慮」(22.2%)となっている。(図37:MA) |
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III 参考
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平成15年度調査における雇用者数等
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雇用者数 (10年度調査) |
重度障害者の比率(同右) |
身体障害者 |
36万9千人(39万6千人) |
36.1% (33.3%) |
知的障害者 |
11万4千人( 6万9千人) |
32.1% (28.5%) |
精神障害者 |
1万3千人 |
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(注) | 精神障害者については、調査項目の追加、個人調査の実施等調査方法を変更したことにより、平成15年度調査と平成10年度調査の間には調査の連続性がない。(参考:平成10年度調査における雇用精神障害者数は5万1千人) |
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