平成16年9月24日発表
担当 |
厚生労働省大臣官房国際課
海外情報室
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少子化対策を進める上で、我が国に先んじて少子化に直面してきた国々の経験は参考になると思われる。 そこで、早くから少子化が進行しているフランス、ドイツ、イタリア、オランダ及びノルウェーを取り上げ、育児に対する経済的支援(児童手当等)、子育てと仕事の両立を支援する制度(育児休業、看護休暇制度、保育サービス等)等、次世代育成に効果的と思われる施策について各国の制度や利用状況等を紹介する。 |
(1) | 出生率の動向 すべての調査対象国において、合計特殊出生率(女性が一生の間に出産する子どもの数)が1970年代以降減少し始めた。1980年代に入ると、ノルウェーとオランダではゆるやかな増加に転じた一方、ドイツ、イタリアでは緩やかに低下し続け、1.5を割り込んだ。フランスは依然比較的高い水準を維持している。 |
(2) | 少子化の背景
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(1) | 育児に対する経済的支援 支給要件等の違いがあることから、単純な比較はできないが、3歳未満の子ども1人に対する1カ月当たりの支給額をみると、ドイツ、フランス及びノルウェーが比較的高い水準にあるといえる。 | ||||||
(2) | 子育てと仕事の両立支援
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ドイツでは、経済的支援は比較的手厚く、育児休暇制度も整備されているものの、イタリア同様保育所の整備が遅れている。前述したとおり、両国では母親の就労に関する理想と現実が乖離し、子育てと仕事の両立が困難な状況にあることがうかがわれるが、保育所整備の遅れもその要因の一つと考えられる。こうした国では乳幼児向けの集団託児施設の整備が急務となっている。 フランスでは、経済的支援制度や休暇制度は整備されている一方、保育所の整備は十分に進んでいるとはいえないが、認定保育ママ制度の拡充に取り組んだ結果、現在は認定保育ママが保育サービスの主流となっている。また、近年は保育所の受入能力の拡充にも努めている。 ノルウェーでは、次世代育成支援策が全般的に充実している。手当を伴う各種休暇制度が整備され、仕事を持つ母親の育児が容易になっているばかりでなく、父親の育児参加も進んでおり、パパ・クオータ制による休暇の取得率は9割程度に達している。また、集団託児施設の整備も進んでおり、乳幼児の施設利用が一般的になっている。 オランダでは、育児休暇の取得可能な期間は比較的短いものの、ワークシェアリングの推進もあり、女性のパートタイム労働が積極的に受け入れられ、育児をしながら働くことが容易になっていると考えられる。 このように、フランス、オランダ及びノルウェーにおいては、仕事と子育ての両立が可能となるような環境整備が進んでいると評価できる。これら3カ国の合計特殊出生率が比較的高い水準にあることは、子どもを出産しても女性が働き続ける環境を整備することの重要性を示唆するものといえよう。 |