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1 | 電気機械器具製造業における能力評価基準策定までの経緯 電気機械器具製造業における能力評価基準の策定に当たっては、業界団体(電機・電子・情報通信産業経営者連盟:丸山誠理事長)との連携のもと、企業実務家や学識者を参集した委員会(座長:斎藤勝政 北海道大学名誉教授)を設置し、作業に取り組んだ。同委員会では、(1)企業調査の実施に基づいた職務の洗い出しや職務分析、(2)職務をこなすために求められる職業能力のレベル別の分析等の作業を進め、能力評価基準として体系的に整理したものである。 |
2 | 能力評価基準の構成 |
(1) | 全体構成 電気機械器具製造業における職務について、技術系(研究開発・設計等)、技能系(加工、組立等)、事務系(人事、経理等)に大別したうえで、それぞれ階層的に細分化して、これらの職務遂行に必要な能力について記述した[図2参照]。 |
(2) | レベルの設定 能力評価基準の策定に当たっては、これが職業能力を評価する基準であると同時に、労働者にとってキャリア形成上の指針となるように、電気機械器具製造業における役職等とそれに必要とされる職業能力の関係の実態に照らし、担当者に必要とされる能力水準(レベル1)から組織・部門の責任者に必要とされる能力水準(レベル4)までの四段階にレベルを設定した。また、レベル3・4については、(1)マネジメント系(組織を統率・管理する役割)、(2)スペシャリスト系(担当職務について高度な業務を遂行する役割)の二系統に区分することで、キャリア形成の目安となるように整理した[図3参照]。 |
(3) | 能力評価の基準の記述内容 能力評価基準の具体的な記述に当たっては、単に知識があるということにとどまらず、当該職務を確実に遂行できるか否かの判断基準となるように典型的なビジネスシーンにおける行動例を記述している[図4,5参照]。 |
3 | 能力評価基準を活用するメリット 能力評価基準が明らかになることによって、電気機械器具製造業において的確なキャリア形成を図ることができる環境が整備され、また、職業能力に関するミスマッチが縮小することが期待される。 |
(1) | 求職者・労働者にとっては、職業選択やキャリア形成の目標を立てる際に、(1)自らの能力の客観的な把握、(2)企業が必要とする能力の把握が可能となり、職業能力の向上に向けた取組みにつなげることができる。 |
(2) | 企業にとっては、人材に関する企業戦略を立てる際に、採用すべき人材の明確化、人材育成への効果的な投資、能力に基づいた人事評価・処遇等の導入・定着に関する新しいスタンダードとして活用できる。 |
(3) | ハローワーク等の労働力需給調整機関にとっては、労働者、企業の双方が職業能力を明確に示すことにより、雇用のミスマッチ解消につなげることができる |
(4) | 教育訓練実施機関にとっては、職業訓練の対象者の能力レベル表示や修了時の能力評価を適切に行うことができる。 |
4 | 今後の事業の取組み 現在、自動車製造業、ホテル業、スーパーマーケット業等について、能力評価基準の策定作業を進めているところである。今後も引き続き、幅広い分野について能力評価基準の整備を行うこととしている。[図6参照]。 なお、現在、ハローワーク等で活用できる能力評価ツールの開発を進めているほか、能力評価基準を募集・採用時の目安、研修カリキュラムの見直しに活用すること等を内容とするモデル事業の実施を予定しており、これらにより能力評価基準の活用促進を図ることとしている。 |
5 | 「職業能力評価基準策定委員会(電気機械器具製造業)活動報告書」及び 「能力評価基準(電気機械器具製造業)」の入手先 |
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図4.能力評価基準のサンプル図(技術系「研究開発」)![]() |
図5.能力評価基準のサンプル図(技能系「組立」)![]() |
図6.能力評価基準の策定取組み状況![]() |