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プレスリリース

平成16年3月29日

コーデックス委員会食品添加物・汚染物質部会での
食品中のカドミウムの国際基準値検討結果について

厚生労働省
農林水産省

 3月22〜26日に、オランダ(ロッテルダム)で開催された第36回コーデックス委員会食品添加物・汚染物質部会において、食品中のカドミウムの国際基準値案が議論された。
 検討結果の概要及び今後の予定は以下のとおり。

 背景
(1) 国際的な食品規格設定の場であるコーデックス委員会(国際食品規格委員会)において、食品中のカドミウムの基準値が検討されている。
(2) 我が国は、昨年12月に以下のコメントを提出。
(1) 消費者の健康保護を図りつつ、合理的に到達可能な範囲でできるだけ低く設定するという国際的な基準設定の考え方を考慮して、我が国が実施した食品中のカドミウム含有実態調査結果と摂取量の推定結果(厚生労働科学特別研究「日本人のカドミウム暴露量推計に関する研究」の中間解析結果)などに基づいた修正案を提案。
(2) 科学的に適切な基準値の設定のためには、カドミウムの摂取量の推定(暴露評価)を行うことが必要であることから、FAO/WHO合同食品添加物専門家会議においてカドミウムの摂取量評価が実施されるべきである。

 検討結果
 カドミウムの国際基準値については、部会での検討の結果、以下について本年6月開催予定のコーデックス委員会総会に諮ることが合意された。
  (1) 基準値策定の対象をカドミウムの摂取寄与の大きい品目に限ること
  (2) 小麦、野菜などについては原案通りの基準値案とすること(軟体動物を除く)
  (3) 精米の基準値案0.2 mg/kg0.4 mg/kgに変更すること。

 また、来年2月にFAO/WHO合同食品添加物専門家会議による摂取量評価を行うこととし、来年以降の部会における基準値案の検討に資することが決定された。なお、軟体動物については、その分類等について引き続き部会において検討されることとされた。
(各品目の基準値原案は別紙のとおり)

 今後の予定
 今回のコーデックス委員会の部会の検討結果は、本年6月開催のコーデックス委員会総会(スイス)でその取扱いが検討され、その後、来年の部会で基準値案を再度検討することとなっている。


問い合わせ先

 厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課
  課長  中垣 俊郎(内線 2481)
  課長補佐  中村 泰久(内線 2484)
  係長  横田 栄一(内線 4280)
      TEL.03−5253−1111(代表)
03−3595−2341(直通)

 農林水産省消費・安全局農産安全管理課
  課長  細田  久(内線 3100)
  調査官  新本 英二(内線 3116)
  課長補佐  瀬川 雅裕(内線 3126)
      TEL.03−3502−8111(代表)
03−3502−5968(直通)


(別紙)

今回合意されたカドミウムの基準値原案


食品群 基準値案
(mg/kg)
ステップ注) 備考
精米 0.4 5  
小麦 0.2 5  
ばれいしょ 0.1 5 皮を剥いたもの
根菜、茎菜 0.1 5 セロリアック、ばれいしょを除く
葉菜 0.2 5  
その他の野菜
(鱗茎類、アブラナ科野菜、ウリ科果菜、その他果菜)
0.05 5 食用キノコ,トマトを除く
軟体動物
 (頭足類を含む)
1.0 3  
 ※ 第35回同部会まで検討されていた、果実、牛・鶏・豚及び羊の肉、馬肉、ハーブ、食用キノコ、セロリアック、大豆、落花生については、カドミウムの摂取の寄与が小さいことから、基準値検討の対象外とされた。


注)ステップ(コーデックス規格作成の手続き)について

 コーデックス規格(カドミウムの場合は最大基準値)の作成手続きは、以下に示す8つの段階から構成されている。

ステップ1 総会が規格作成を決定
ステップ2 事務局が規格原案の手配
ステップ3 提案された規格原案について各国のコメントを要請
ステップ4 部会が規格原案を検討
ステップ5 規格原案について各国のコメントを要請。そのコメントに基づき、総会が規格原案の採択を検討
ステップ6 規格案について各国のコメントを要請
ステップ7 部会が規格案を検討
ステップ8 規格案について各国のコメントを要請。そのコメントに基づき、総会が規格案を検討し、コーデックス規格として採択


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