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厚生労働省発表
平成16年3月18日
担当 労使関係担当参事官室
調査官   高桑 満昭
電話  03-5253-1111
  内線(7767)
夜間直通  03-3502-6735


平成15年民間主要企業年末一時金妥結状況について


 平成15年民間主要企業の年末一時金妥結状況の概要は以下のとおりである。
 この集計の対象は、原則として東証又は大証の一部上場企業のうち、資本金20億円以上かつ従業員1,000人以上であり、労働組合のある企業のうち妥結額の把握できた241社である。
 集計企業の妥結時期は、概ね平成15年春闘期から秋期にかけての時期である。

1. 妥結額は 771,540円、対前年比は 1.97%増 第1表

(1)  妥結額は 771,540円、対前年比で1.97%増となり、年末一時金は、2年ぶりに前年比プラスとなった。(注1)

(2)  産業別にみると、妥結額の対前年比の最も高い産業は、鉄鋼(12.78%増)で、以下、ゴム製品(7.16%増)、自動車(5.86%増)、化学(5.76増)などの順となっており、逆に最も低い産業は、建設(25.96%減)で、次いで、サービス(5.70%減)、陸運(2.83%減)、非鉄金属(2.34%減)などの順となっている。
 また、妥結額の最も高い産業は、石油製品(1,079,812円)で、以下、自動車(958,555円)、食料品・たばこ(923,398円)、電力(875,893円)などの順となっており、逆に最も低い産業は、サービス(416,908円)で、次いで、建設(588,551円)、繊維(590,810円)、鉄鋼(595,514円)などの順となっている。

(3)  妥結額の企業間のばらつきを四分位分散係数によりみると、本年年末は0.19となり、昨年年末0.18とほぼ同水準である。(注2)

(4)  妥結企業241社中、年間臨給(夏冬型)により妥結した企業177社(73.4%)について妥結額及び率をみると、769,530円、3.53%増となった。一方、各期型により妥結した企業59社(24.4%)について妥結額及び率をみると、784,803円、3.27%減となった。

(5)  また、電気機器などの業種で多く導入されており、業績などを基にして決まった数式により一時金の額を決定する、いわゆる「業績連動方式」を採用している企業は43社であり、その平均妥結額は766,890円であった。

(6)  要求状況については、月数要求など要求額が不明な企業が多いが、要求額の把握できた103社の平均要求額は771,296円であった。


2. 年間臨給制を採用する企業の割合は、昨年より増加し、75.5% 第4表

 夏冬の一時金について年1回一括して労使交渉する年間臨給を採用している企業の割合は、本年年末では75.5%(182社)となり、昨年年末(73.9%、195社)と比べて1.6ポイント上回った。
 これを実施形態別にみると、春闘時又は夏季闘争時に夏季一時金と年末一時金を併せて決定する方式である夏冬型が177社(97.3%)と大半を占めている。
 なお、年間臨給制を採用していない企業(59社)は、各期型で妥結した企業である。



(注)
 1  対前年比は前年と比較できる同一企業についての伸び率を加重平均で算出したものであり、今回の妥結額と平成14年の妥結額を比較した伸び率とは必ずしも一致しない。
 2
 四分位分散係数= 第3四分位数―第1四分位数
─────────────
2×中位数

 3

 本年より、デジタル方式の表記を業績連動方式と改めた。



第1表 平成15年民間主要企業年末一時金妥結状況(加重平均)

産業 集計
企業数
平均年齢 妥結額 対前年比 (参考)平成14年
妥結額 対前年
 
建設 6 38.2 588,551 ▲25.96 794,950 ▲16.04
食料品・たばこ 18 38.0 923,398 0.68 917,171 ▲0.90
繊維 19 37.0 590,810 2.16 574,396 ▲8.29
紙・パルプ 7 41.1 696,641 ▲0.12 697,492 ▲6.71
新聞・印刷 7 36.5 850,339 3.57 821,006 ▲1.41
化学 42 38.9 771,221 5.76 729,194 ▲2.05
石油製品 5 36.2 1,079,812 0.10 800,200 4.67
ゴム製品 4 35.0 750,234 7.16 700,106 1.61
セメント 2
10 鉄鋼 12 35.4 595,514 12.78 528,047 ▲13.19
11 非鉄金属 5 37.1 637,716 ▲2.34 634,393 ▲8.69
12 機械金属 19 39.2 739,454 5.48 699,427 ▲6.32
13 電気機器 20 33.5 679,916 5.56 641,244 ▲19.76
14 造船 5 39.8 746,122 ▲1.45 750,283 3.47
15 車輌 1
16 自動車 6 38.3 958,555 5.86 918,378 2.40
17 卸・小売 17 37.6 727,642 5.63 728,427 ▲2.92
18 金融 2
19 陸運 25 42.3 864,263 ▲2.83 889,449 ▲2.05
20 放送・通信 2
21 電力 9 36.0 875,893 ▲0.92 884,039 ▲0.65
22 ガス 3 40.7 840,427 0.82 823,954 ▲1.56
23 サービス 5 36.0 416,908 ▲5.70 637,001 ▲9.49
平均 241 37.5 771,540 1.97 755,551 ▲5.88

(注)  調査対象企業は、原則として、東証又は大証の一部上場企業のうち、資本金20億円以上、従業員1,000人以上の企業であって、労働組合のある企業である。
 集計企業の中には、平均方式や個別ポイント方式など妥結形式の異なる企業が存在するが、妥結額についてはそれらを合算して集計している。
 対前年比は、集計企業のうち前年と比較できる企業(241社中236社)についての対前年比を算出したものであり、本年の集計企業の妥結額と平成14年の妥結額を比較した対前年比とは必ずしも一致しない。
 集計企業が1〜2社の産業は、全産業の平均には算入するが、産業別の集計は公表集計は公表しない。


第2表 夏季・年末一時金妥結状況の推移

夏季一時金 年末一時金
主要企業 中小企業 主要企業 中小企業
(要求額) 妥結額 対前年
妥結額 対前年
(要求額) 妥結額 対前年
妥結額 対前年
昭和
45 168,349 138,892 22.2 86,769 25.2 190,008 160,202 19.2 106,373 20.8
46 207,761 157,864 13.7 99,100 14.2 208,422 168,511 5.2 114,489 7.6
47 225,940 166,938 5.7 108,348 9.3 238,196 196,388 16.5 135,141 18.0
48 275,305 206,857 23.9 141,824 30.9 321,799 279,569 42.4 195,916 45.0
49 395,303 302,721 47.0 202,814 43.0 453,913 352,470 27.4 241,899 23.5
50 434,806 325,029 7.4 202,890 0.04 429,671 334,698 -5.0 236,119 -2.4
51 423,668 332,389 3.0 217,560 7.2 449,587 366,318 10.5 260,961 10.5
52 442,243 363,937 10.3 237,300 9.1 457,104 389,455 6.5 276,383 5.9
53 449,307 381,757 2.2 246,285 3.8 485,686 422,882 5.5 290,962 5.3
54 478,610 420,706 11.5 270,104 9.7 534,120 465,793 10.3 324,246 11.4
55 498,580 447,985 10.3 297,369 10.1 537,309 482,672 8.7 346,848 7.0
56 543,121 480,752 7.6 315,694 6.2 561,962 515,705 7.2 364,184 5.0
57 563,289 504,711 5.2 326,872 3.5 585,545 533,109 3.2 370,354 1.7
58 594,366 512,314 1.7 328,683 0.6 594,111 547,257 2.7 378,022 2.1
59 595,506 535,123 4.5 342,638 4.2 623,675 575,577 5.2 395,461 4.6
60 630,123 565,657 6.0 357,858 4.4 644,636 600,594 4.4 407,543 3.1
61 620,123 557,980 2.1 361,098 0.9 642,507 609,853 1.5 406,577 -0.2
62 639,406 571,944 1.8 364,392 0.9 665,098 619,374 2.5 420,461 3.4
63 655,685 598,222 5.7 388,214 6.5 733,644 664,029 6.7 447,443 6.4
平成                    
691,701 645,864 8.1 417,106 7.4 777,275 720,540 8.5 477,568 6.7
2 744,461 697,946 8.0 447,340 7.2 779,661 765,542 6.8 511,900 7.2
3 750,522 736,444 5.5 470,712 5.2 795,687 794,011 3.6 532,095 3.9
4 781,251 759,721 2.7 479,132 2.1 846,686 796,447 0.2 533,128 0.3
5 799,143 751,793 -0.9 475,841 -1.2 817,570 786,656 -0.3 527,719 -1.7
6 785,904 749,982 -1.1 468,231 -2.1 778,783 796,035 0.1 523,303 -0.4
7 791,293 750,221 0.4 472,457 0.7 807,310 798,848 1.9 521,283 0.0
8 786,850 773,481 3.3 477,311 1.1 845,027 819,667 2.8 530,733 1.1
9 809,737 798,340 2.9 487,202 1.9 853,476 848,575 2.8 532,260 0.3
10 802,987 810,685 1.11 475,242 -3.8 805,457 833,801 -1.83 502,476 -6.5
11 831,231 768,230 -5.65 448,554 -7.4 863,548 801,235 -4.40 482,105 -5.5
12 825,417 758,804 -0.54 444,370 -1.6 787,827 799,232 0.76 480,300 -0.8
13 825,271 783,113 2.86 440,715 -1.7 860,026 812,934 1.76 458,396 -6.1
14 785,472 749,803 -4.30 408,987 -8.7 822,335 755,551 -5.88 433,751 -5.7
15 879,669 781,930 3.00 401,690 -2.1 771,296 771,540 1.97    

(注)  中小企業の集計対象は、従業員300人未満であって、労働組合がある企業である。
 主要企業の45〜54年、及び中小企業の数値は1社あたりの単純平均である。
 要求額は、月数要求・ポイント要求など要求額が不明な企業を除き、要求額が把握できた103社の平均額である。
 対前年比は、集計企業のうち前年と比較できる同一企業についての対前年比を算出したものであり、本年の集計企業の妥結額と、前年の妥結額を比較した対前年比とは必ずしも一致しない。

第3表 妥結時期別企業数

妥結時期 平成15年 平成14年
妥結企業数
妥結率
累計数
累計率
妥結企業数
妥結率
累計数
累計率
9月末まで 162 77.5 162 77.5 168 75.0 168 75.0
10月 1 0.5 163 78.0 1 0.4 169 75.4
11月 41 19.6 204 97.6 49 21.9 218 97.3
12月 2 1.0 206 98.6 6 2.7 224 100.0
1月以降 3 1.4 209 100.0 0 0.0 224 100.0
合計 209 100.0 209 100.0 224 100.0 224 100.0

(注1)  「9月末まで」の企業数は、2年以上の一時金をあわせて決定している企業等を含め平成15年9月末までに妥結した企業数である。
(注2)  デジタル方式を採用している企業や妥結時期が不明な企業を除く数である。


第4表 年間臨給実施状況の推移

集計対象
企業数
B 年間臨給実施企業数
計 (B/A) C夏冬型 C/B D冬夏型 D/B Eその他 E/B
昭和
49 275 89 (32.4) 35 39.3 52 58.4 2 2.2
50 271 101 (37.3) 49 48.5 47 46.5 5 5.0
51 273 125 (45.8) 71 56.8 51 40.8 3 2.4
52 279 132 (47.3) 81 61.4 49 37.1 2 1.5
53 281 134 (47.7) 81 60.4 50 37.3 3 2.2
54 283 146 (51.6) 87 59.6 54 37.0 5 3.4
55 287 158 (55.1) 93 58.9 58 36.7 7 4.4
56 287 160 (55.8) 97 60.6 56 35.0 7 4.4
57 288 166 (57.6) 104 62.7 58 34.9 4 2.4
58 288 165 (57.3) 104 63.0 58 35.2 3 1.8
59 287 169 (58.9) 105 62.1 58 34.3 6 3.6
60 288 182 (63.2) 112 61.5 61 33.5 9 4.9
61 287 170 (59.2) 102 60.0 61 35.9 7 4.1
62 285 174 (61.1) 111 63.8 56 32.2 7 4.0
63 296 189 (63.9) 122 64.6 60 31.7 7 3.7
平成                  
296 195 (65.9) 127 65.1 63 32.3 5 2.6
2 300 203 (67.7) 138 68.0 62 30.5 3 1.5
3 297 203 (68.4) 137 67.5 63 31.0 3 1.5
4 302 207 (68.5) 145 70.0 60 29.0 2 1.0
5 298 213 (71.5) 153 71.8 58 27.2 2 0.9
6 291 213 (73.2) 153 71.8 58 27.2 2 0.9
7 291 219 (75.3) 160 73.1 56 25.6 3 1.4
8 289 213 (73.7) 164 77.0 49 23.0 0
9 284 213 (75.0) 164 77.0 48 22.5 1 0.5
10 288 191 (66.3) 184 96.3 7 3.7 0
11 280 219 (78.2) 211 96.3 4 1.8 4 1.8
12 284 209 (73.6) 204 97.6 2 1.0 3 1.4
13 280 208 (74.3) 205 98.6 1 0.5 2 1.0
14 264 195 (73.9) 189 96.9 3 1.5 3 1.5
15 241 182 (75.5) 177 97.3 3 1.6 2 1.1

(注1)  「C夏冬型」は、春闘時又は夏季闘争時に夏季一時金及び年末一時金をあわせて決定する方式。
(注2)  「D冬夏型」は、秋季闘争時に年末一時金及び翌年の夏季一時金をあわせて決定する方式。
(注3)  「Eその他」は、夏冬型及び冬夏型の企業以外で、2年以上の一時金をあわせて決定している企業である。


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