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平成16年2月12日

照会先:健康局疾病対策課
菊岡・田中(剛)
(代表)03-5253-1111
(内線)2353・2354

厚生科学審議会疾病対策部会クロイツフェルト・ヤコブ病等委員会(第5回)の概要について

1.本日、厚生科学審議会疾病対策部会クロイツフェルト・ヤコブ病等委員会(委員長:北本 哲之・東北大学医学部教授)が開催されました。

2.厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業「プリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究班」クロイツフェルト・ヤコブ病サーベイランス委員会より、平成14年12月から平成15年9月までに調査された症例を加えた解析結果が報告・検討されました。

(1) 平成11年4月1日から平成15年9月末日までに得られたクロイツフェルト・ヤコブ病等(以下、プリオン病という)の患者に関する情報は587件(重複して報告されている例を含む)でした。このうち、第4回委員会(平成15年8月1日開催)での報告以降、サーベイランス委員によって収集された48例に関する情報について、本委員会において検討しました。
 その結果、48例中32例がプリオン病と判定され、現行のサーベイランス体制になってから新たに登録された症例は440例となりました(表1、表2)。なお、収集された48例中、除外された16例の内訳は以下の通りです。
・4例 …判定を保留とし、今後とも情報収集を継続することとなったもの
・3例 …プリオン病を否定されたもの
・7例 …過去の報告例に関する追加情報であったもの(既報告例)
・1例 …登録されている症例の重複報告であったもの(既報告例)
・1例 …前回までにプリオン病として登録され解析対象となっていたが、新たに剖検に関する情報が入手され、これによりプリオン病を否定され、登録除外されたもの(既報告例)
 また、乾燥硬膜移植歴を有する症例が新たに5例報告され(表2)、本委員会において把握された乾燥硬膜移植歴を有する症例は102例となりました。変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の症例は見られませんでした。

(2) プリオン蛋白遺伝子検索は244例(新規登録例では22例)で実施されており、このうち10例を除く233例で結果が判明し、そのうちプリオン蛋白遺伝子の異常を認めたのは49例で、その内訳はコドン102が17例、同105が2例、同178が2例(家族性クロイツフェルト・ヤコブ病、家族性致死性不眠症各1例)、同180が8例、同200が14例、同232が3例、extra-repeat insertional mutationが1例、詳細不詳が2例でした。

3.過去のサーベイランスで情報収集していたものと合わせ、本委員会で把握しているプリオン病の症例の累積は、合計1,388例となりました。

4.感染症法に基づくプリオン病の届出症例については、平成15年には12月31日現在で合計116例(概数)であった旨の報告がありました。


表1.患者の性・発病年の分布
[単位:人(%)]
    登録例全員 新規登録例(再掲)


180( 41)
260( 59)
12( 42)
20( 58)
発病年







平成7年以前
〃 8年  
〃 9年  
〃 10年  
〃 11年  
〃 12年  
〃 13年  
〃 14年  
〃 15年  
15( 3)
 5( 1)
29( 7)
53( 12)
82( 19)
93( 21)
103( 23)
52( 12)
 8( 2)
0 
0 
0 
0 
0 
 3( 9)
12( 38)
 9( 28)
 8( 25)
計(男女/全発病年に占める割合)
440(100)
32(100)


表2.患者の発病時年齢分布[病態別]
[単位:人(%)]
年齢
(歳)
全患者 孤発性
CJD1)
硬膜移植
歴のある
CJD
遺伝性プリオン病 未定の
CJD3)
家族性CJD2) GSS FFI
登録例全員
10-19
20-29
30-39
40-49
50-59
60-69
70-79
80-89
 2  
 3( 1)
 7( 2)
28( 6)
99( 22)
151( 34)
124( 28)
26( 6)


 3( 1)
15( 4)
70( 20)
123( 36)
107( 31)
25( 7)
  2( 5)
  3( 7)
  1( 2)
  5( 12)
 10( 24)
 13( 32)
  7( 17)



 4( 13)
10( 32)
 9( 29)
 7( 23)
 1( 3)


 3( 15)
 3( 15)
 8( 40)
 4( 20)
 2( 10)



 1  





 1  

 2  
 1  

計(全年齢に占める割合)
 [全患者に占める割合]
440(100)
  [100]
343(100)
  [ 78]
41(100)
  [ 9]
31(100)
  [ 7]
20(100)
  [ 5]
 1  
 1  
 4  
 4[ 1]
平均(歳)
標準偏差(歳)
64.1
11.3
65.9
9.8
55.7
16.1
62.3
10.4
54.3
11.8
57.0
 
 
新規登録例(再掲)
20-29
30-39
40-49
50-59
60-69
70-79
 1( 3)

 3( 9)
 7( 22)
10( 31)
11( 34)



 3( 15)
 9( 45)
 8( 40)
 1( 20)

 1( 20)
 2( 40)

 1( 20)



 1  



 1  
 1  

 1  







 1  

 1  
 1  
計(全年齢に占める割合)
 [全患者に占める割合]
32(100)
  [100]
20(100)
  [ 63]
 5(100)
  [ 16]
 1  
  [ 3]
 3  
  [ 10]
   3  
  [ 10]
平均(歳)
標準偏差(歳)
62.4
11.6
66.7
5.8
49.4
17.9
59.0

56.7
14.0
   

1)プリオン蛋白遺伝子の検索を行っていない例を含む。
2)プリオン蛋白遺伝子の変異を認めないが、CJDの家族歴がある例を含む。
3)硬膜移植歴の有無を調査中、およびプリオン蛋白遺伝子検索中が各2例ある。


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