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平成16年1月30日
(照会先)
医薬食品局安全対策課
 俵木(内線2755)
 田宮(内線2753)

アラバ錠(レフルノミド)による間質性肺炎に係る安全対策について

 標記については、平成16年1月29日に行われた呼吸器及びリウマチ領域の専門家による検討を踏まえ、本日、アベンティス ファーマ株式会社に対して下記のとおり指示しましたのでお知らせします。

1. 下記の措置を講じつつ、投与症例について全例を登録した調査を引き続き実施し、レフルノミド製剤による間質性肺炎の発症リスクに関する検討を行うこと。
(1)  本剤を投与中の患者で間質性肺炎、肺線維症等の肺障害、日和見感染による肺炎(以下「間質性肺炎等」という。)の合併または既往のある患者は、直ちに投与を中止する。
(2)  本剤を投与中の患者で間質性肺炎等の合併または既往の確認がなされていない患者に対しては、胸部X線検査またはCT検査により、間質性肺炎等の所見の有無を確認し、間質性肺炎等の所見が確認された場合には投与を中止する。
(3)  新たに本剤による治療を開始するにあたっては、胸部X線検査またはCT検査により、間質性肺炎等の合併または既往の有無を確認し、間質性肺炎等の合併または既往が確認された場合には投与を行わない。
2. 別紙のとおり使用上の注意を改めること。



別紙

【医薬品名】レフルノミド

【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。

[警告]の項の重篤な副作用に関する記載を
「本剤の投与において、重篤な副作用(汎血球減少症、肝不全、急性肝壊死、感染症、間質性肺炎等)により、致死的な経過をたどることがあるので、緊急時に十分に措置できる医療施設及び本剤についての十分な知識とリウマチ治療の経験をもつ医師が使用すること。」

と改め、

間質性肺炎、肺線維症等の肺障害、日和見感染による肺炎の合併又は既往歴のある患者で間質性肺炎が急速に増悪して致死的な経過をたどる症例が報告されている。このため、本剤による治療を開始するにあたり、間質性肺炎、肺線維症等の肺障害、日和見感染による肺炎の合併又は既往の有無を胸部X線検査等で確認し、投与の可否を慎重に判断すること。〔「慎重投与」の項参照〕

を追記し、副作用の発現の可能性に関する記載を

「本剤の投与に際しては、副作用の発現の可能性について患者に十分理解させ、下記の症状が認められた場合には服用を中止するとともに直ちに医師に連絡し、指示を仰ぐよう注意を与えること。
 発熱、発疹、皮膚そう痒感、口内炎、倦怠感、黄疸、咳嗽、呼吸困難

と改め、[慎重投与]の項に

間質性肺炎、肺線維症等の肺障害、日和見感染による肺炎又はそれらの既往歴のある患者〔間質性肺炎が増悪し致死的な経過をたどる例が報告されている。〕

を追記し、[重要な基本的注意]の項に

間質性肺炎の発症又は増悪が起こることがあり、急速に発症、悪化し、致死的な経過をたどる例が報告されている。これらの症例の中には、間質性肺炎、肺線維症等の肺障害、日和見感染による肺炎の合併又は既往歴のある患者、もしくはメトトレキサート、ブシラミンを含む他の抗リウマチ剤(DMARD)を最近まで投与されていたか又は投与中の患者が含まれていた。本剤の投与に際しては間質性肺炎、肺線維症等の肺障害、日和見感染による肺炎の合併又は既往の有無を確認した上で投与を開始すること。投与中は発熱、咳嗽、呼吸困難等の臨床症状やKL−6、CRP等の検査値に十分に注意し、異常が認められた場合には、速やかに胸部X線等の検査を実施し、本剤の投与を中止するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。なお、薬物除去法を実施することが望ましい。〔「副作用」、「その他の注意」の項参照〕

を追記し、[副作用]の「重大な副作用」の項の間質性肺炎に関する記載を

「間質性肺炎:致死的な間質性肺炎が報告されているので、発熱、咳嗽、呼吸困難等の臨床症状やKL−6、CRP等の検査値の異常が認められた場合には、速やかに胸部X線等の検査を行い、本剤の投与を中止するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。」

と改める。


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