報道発表資料  審議会議事録  厚生労働省ホームページ

平成15年12月9日
厚生労働省医薬食品局食品安全部
   中垣 基準審査課長
 担当:太田、横田(内線2484、4280)

薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会
食品規格部会の審議結果について


 平成15年12月9日に薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食品規格部会が開催され、食品中のカドミウムの国際基準設定への対応について審議が行われた。審議結果の概要及び今後の予定は以下のとおり。

1 背景
(1)  国際的な食品規格設定の場であるコーデックス委員会(国際食品規格委員会)において、1998年から食品中のカドミウムの基準値が検討されている。
(2)  米、小麦、大豆、野菜、果実、肉類、軟体動物について基準値原案(1998年のデンマーク案がベース)が提示されており、関係国は、これに対するコメント提出が求められている(12月15日締切)。
(3)  来年3月以降、関係国コメントをベースに、コーデックス委員会において本格的議論が行われる見込み。

2 審議結果の概要
 厚生労働科学特別研究「日本人のカドミウム暴露量推計に関する研究(主任研究者:国立環境研究所総合研究官 新田裕史)」の中間解析結果(別紙1)が報告され、その結果等を踏まえ、コーデックス委員会の基準値原案に対する我が国の対応(コーデックス委員会へのコメント)について検討が行われた。その結果概要は以下のとおり。

(1)  科学的に適切な基準値の設定のためには、カドミウムの摂取量の推定(暴露評価)を行うことが必要であることから、FAO/WHO合同食品添加物専門家会議においてカドミウムの暴露評価が実施されるべきである。
(2)  コーデックス委員会の基準値原案と我が国の実態を踏まえた修正案について、各々の基準値を適用した場合のカドミウム摂取量を推定した結果、(@)両者の摂取量に明らかな差異は認められず、(A)平均値は耐容量(7μg/kg体重/週)の半分以下、(A)国際基準の目安とされている95%値において耐容量を下回っていたことから、次の修正案を提出する。
米 0.2ppm → 0.4ppm
大豆 0.2ppm → 0.5ppm
ホウレンソウ、ニンニク、オクラ、サトイモ等の基準値を緩和
レタス、ハクサイ等の基準値強化、トマトの新規設定
軟体動物(イカ、貝類等)の定義明確化
別紙2参照)

3 その他
(1) 今後の予定
(1)  12月10日、食品安全委員会の汚染物質専門調査会において、同研究結果が報告され議論
(2)  12月12日、農林水産省、厚生労働省の共催により、食品安全委員会と連携しつつ、消費者団体、生産者団体、流通事業者等の参画のもとに意見交換会を開催し、コメント案についてリスクコミュニケーションを実施
(3)  12月15日、コメントをコーデックス委員会事務局へ提出
(4)  来年3月、コーデックス委員会食品添加物・汚染物質部会(オランダ・ロッテルダム)において、基準値について議論
(5)  来年夏、(4)の結果をコーデックス委員会総会(スイス・ジュネーブ)において検討

(2) Q&A
 本件に関するQ&Aを別紙3のとおりとりまとめた。


トップへ
報道発表資料  審議会議事録  厚生労働省ホームページ