報道発表資料  厚生労働省ホームページ

平成15年11月27日
厚生労働省医薬食品局
監視指導・麻薬対策課

 森口(内線2763)
 飯村(内線2762)


シブトラミン類似物質(脱−ジメチルシブトラミン)を含有する
いわゆるダイエット用健康食品(無承認無許可医薬品)の発見について


 先般、シブトラミンが検出されたとして公表していた、いわゆるダイエット用健康食品等から、シブトラミンと類似の化学構造を有する脱−ジメチルシブトラミンが新たに検出されましたので、下記のとおりお知らせいたします。

1.経緯
 福岡県の業者が、九州地区の美容室を中心として販売していた、いわゆるダイエット用健康食品及びその原材料より、未知の成分が検出されていたとして富山県より国立医薬品食品衛生研究所あてにこの成分の構造決定等の依頼があり、その結果、当該成分は、脱−ジメチルシブトラミンであると判明した。

2.−ジメチルシブトラミンを検出した製品の名称等
名称等貴宝美健(きほうびけん)、販売者 株式会社 鈴正(すずまさ)
爽健美人(そうけんびじん)、販売者 有限会社 ソーケン
注)同一原材料による同一の製品が2つの商品名で販売されている。
貴宝美健については、脱−ジメチルシブトラミンとは別に、シブトラミンが検出された製品があり、既に全製品について回収等を実施中である。
爽健美人は、(株)鈴正から(有)ソーケンに提供されている。
原産国中国産原材料をもとに、国内で錠剤化
形状三角形の錠剤

3.−ジメチルシブトラミンについて
 海外で医薬品(適応:肥満症の治療)として使用されている塩酸シブトラミン一水和物(商品名 Meridia;メリディア)の米国における添付文書によれば、脱−ジメチルシブトラミンはシブトラミンの主要活性代謝物の1つであるとされているが、公表されている文献情報等は存在しない。

4.健康被害事例について
 現時点では、脱−ジメチルシブトラミンを含有していることが確認された製品による健康被害事例は報告されていない。
 しかしながら、脱−ジメチルシブトラミンは医薬品成分であるシブトラミンと同様の作用を有すると考えられ、健康被害が発生するおそれが否定できないので、これらの製品を服用されている方は、服用を中止いただき、製品の服用が原因と疑われる症状を示している場合には、医療機関や最寄りの保健所まで相談いただきたい。

5.今後の対応
 これらの製品については、関係都道府県が回収等の必要な措置を行うとともに、厚生労働省としても分析方法を都道府県等あてに通知し、同様の事例についての取締りの強化、再発防止に努めることとする。



(参考)
化学構造式

図
−ジメチルシブトラミン
  図
シブトラミン

活性代謝物とは
 生体内で酵素反応等により他の化学物質に変換された物(代謝物)のうち、生理活性を有する物をいう。

シブトラミンについて
 国内では未承認であるが、海外では医薬品として承認されている。
  適応肥満症の治療
  作用中枢性食欲抑制作用
  副作用血圧上昇、心拍数増加、頭痛、口渇、便秘、鼻炎 等


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