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照会先
保険局国民健康保険課
課長補佐：西崎　正光
TEL 5253-1111(内3262)
TEL 3595-2575(直通)

平成１４年度 国民健康保険（市町村）
の財政状況について　　＝速報＝


１ 　平成１４年度の国民健康保険（市町村）の財政状況は、市町村の国民健康保険特別会計の会計年度所属区分の見直しに伴い、保険給付費の歳出が１１月分（平成１４年４月診療分から平成１５年２月診療分）となり、これに見合う歳入の国庫支出金及び療養給付費交付金も１１月分となっていることから、平成１４年度の財政状況を見る上で、この点に留意する必要がある。
２ 　一般被保険者分、退職被保険者等分、介護保険分とを合わせた収支状況については、収入合計は９兆５，７２６億円、支出合計は９兆３，７４２億円であり、収支差引額は１，９８４億円となっている。
　収入支出から基金繰入（取崩）金、（前年度からの）繰越金、基金積立金及び前年度繰上充用（欠損補填）金等を除いた単年度収支差引額は、８０７億円の赤字であり、精算後単年度収支差引額（国庫支出金精算額等を考慮した単年度収支差引額）は、９２億円の赤字となっている。
　さらに、一般会計繰入金のうち赤字補填を目的とするものを収入から除くと２，４１０億円の赤字となる。
　なお、基金積立金等（平成１４年度末の基金保有額と次年度への繰越金から当該年度の赤字額等を除いたもの）は、６，７９８億円となっている。
３ 　一般被保険者分の収支状況については、収入合計は７兆３，７３２億円、支出合計は７兆１，６３７億円であり、収支差引額は２，０９５億円となっている。
　単年度収支差引額は、３５０億円の赤字、精算後単年度収支差引額は、６６億円の黒字となっている。
　また、単年度収支差引額でみた場合の赤字保険者は２，０５１保険者（全体の６３．６％）で、赤字保険者全体の赤字総額は１，２０１億円となっている。
４ 　平成１３年度との比較を行うため、平成１４年度の財政収支に平成１５年３月分の保険給付費等を加算し１２月分とした財政収支を参考として試算した。
　これによると、一般被保険者分、退職被保険者分、介護保険分とを合せた収支状況については、収入合計は９兆８,５６５億円、支出合計は９兆８，３５９億円であり、収支差引額は２０６億円となっている。
　単年度収支差引額は、２，５８５億円の赤字であり、精算後単年度収支差引額は、１，８７０億円の赤字となっている。
　さらに、一般会計繰入金のうち赤字補填を目的とするものを収入から除くと４，１８８億円の赤字となる。
　収入については、対前年度２．３％（２．１９７億円）の増であり、このうち、国庫支出金は対前年度２．７％（９６３億円）の増となっている。また、保険料（税）収入については、厳しい経済情勢の影響により対前年度２．５％（８２７億円）の増加にとどまっている。
　一方、支出については、対前年度５．０％（４，６４９億円）の増となっている。このうち、老人保健拠出金については対前年度１４．２％（３，７９１億円）の大幅増加となっているが、保険給付費は対前年度１．１％（６２１億円）の低い伸びにとどまっている。
５ 　保険料の収納状況は、収納率は全国平均で９０．３９％で対前年度０．４８％の低下である。市部平均は８９．３８％で対前年度０．４７の低下、町村部平均は９３．８６％で対前年度０．５１の低下となっている。このように、長引く経済不況の中で、保険料収納率の低下傾向が続いている。
６ 　今後とも少子高齢化の進展や就業構造の変化、経済の低迷等に伴い、高齢者や低所得者の増加など市町村国保を取り巻く状況は依然として厳しいことが見込まれる。このため、保険料の賦課徴収やレセプト点検の充実等、保険者としての一層の経営努力が必要である。加えて、生活習慣病による医療費の増加が懸念される中で、被保険者の健康づくりなど、保健事業の充実に積極的に取り組んでいくことが求められる。


（１）　平成14年度　国民健康保険の収支状況　（市町村）　＝速報値＝


科目 医療給付分 介護分 合計
一般 退職 計
収入 　 億円 億円 億円 億円 億円
保険料（税） 26,945 4,896 31,841 2,057 33,898
国庫支出金 33,243 − 33,243 2,243 35,486
療養給付費交付金 − 12,342 12,342 − 12,342
都道府県支出金 923 − 923 37 959
一般会計繰入金（法定分） 3,882 − 3,882 37 3,918
一般会計繰入金（法定外） 3,681 − 3,681 − 3,681
共同事業交付金 1,117 − 1,117 − 1,117
直診勘定繰入 1 − 1 − 1
基金繰入（取崩）金 655 − 655 − 655
（前年度からの）繰越金 2,910 349 3,259 − 3,259
その他 376 32 408 − 408
　合計 73,732 17,620 91,352 4,374 95,726
支出 総務費 1,905 − 1,905 107 2,013
保険給付費 38,921 14,806 53,727 − 53,727
老人保健拠出金 27,935 2,548 30,483 − 30,483
介護納付金 − − − 4,410 4,410
保健事業費 434 − 434 − 434
共同事業拠出金 719 − 719 − 719
直診勘定繰出 57 − 57 − 57
基金積立金 309 − 309 − 309
前年度繰上充用(欠損補填）金 811 3 814 − 814
その他 546 215 761 15 776
　合計 71,637 17,572 89,209 4,532 93,742
収支差引額 2,095 47 2,143 -158 1,984
　
単年度収支差引額 -350 -299 -649 -158 -807
国庫支出金精算額等 416 299 715 0 715
精算後単年度収支差引額 66 0 66 -158 -92
一般会計繰入金（赤字補填を目的とするもの）
を除いた場合の精算後単年度収支差引額		 -2,252 　 　 　 -2,410
　
基金積立金等 　 　 　 　 6,798
（注１） 市町村国保の会計年度所属区分の見直しに伴い、国庫支出金、療養給付費交付金及び保険給付費については平成１４年４月診療分から平成１５年２月診療分までの１１ヶ月分となっている。
(注２） 「単年度収支差引額」とは、「収入」、「支出」から「基金繰入（取崩）金」、「（前年度からの）繰越金」、「基金積立金」及び「前年度繰上充用（欠損補填）金」等を除いたものである。
(注３） 「基金積立金等」とは、当該年度末の基金保有額と次年度への繰越金の合計額から当該年度の赤字額等を除いたものである。
(注４） 億円未満四捨五入のため、合計金額と各科目の合計額とは一致しない。


(参考）

平成１４年度　国民健康保険の収支状況　（市町村）　＝速報値＝　（平成１３年度との比較のための試算）


科目 １３年度(実績） １４年度(見込） 合計の
対前年度
増減額		 合計の
対前年度比
医療給付分 介護分 合計 医療給付分 介護分 合計
一般 退職 計 一般 退職 計
収入 　 億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円 ％
保険料（税） 26,371 4,684 31,055 2,016 33,071 26,945 4,896 31,841 2,057 33,898 827 102.5
国庫支出金 33,767 − 33,767 2,287 36,054 34,773 − 34,773 2,243 37,016 963 102.7
療養給付費交付金 − 13,253 13,253 - 13,253 − 13,651 13,651 − 13,651 399 103.0
都道府県支出金 900 − 900 35 934 923 − 923 37 959 25 102.7
一般会計繰入金（法定分） 3,774 − 3,774 35 3,809 3,882 − 3,882 37 3,918 109 102.9
一般会計繰入金（法定外） 3,465 − 3,465 - 3,465 3,681 − 3,681 − 3,681 216 106.2
共同事業交付金 1,195 − 1,195 - 1,195 1,117 − 1,117 − 1,117 -78 93.5
直診勘定繰入 1 − 1 - 1 1 − 1 − 1 1 241.3
基金繰入（取崩）金 581 − 581 - 581 655 − 655 − 655 73 112.6
（前年度からの）繰越金 3,027 287 3,314 - 3,314 2,910 349 3,259 − 3,259 -55 98.3
その他 660 31 691 - 691 376 32 408 − 408 -283 59.0
　合計 73,742 18,255 91,997 4,372 96,369 75,263 18,929 94,191 4,374 98,565 2,197 102.3
支出 総務費 1,981 − 1,981 - 1,981 1,905 0 1,905 107 2,013 32 101.6
保険給付費 41,797 15,927 57,724 - 57,724 42,229 16,115 58,345 − 58,345 621 101.1
老人保健拠出金 25,062 1,630 26,692 - 26,692 27,935 2,548 30,483 − 30,483 3,791 114.2
介護納付金 0 − 0 4,436 4,436 − − − 4,410 4,410 -26 99.4
保健事業費 458 − 458 - 458 434 − 434 − 434 -24 94.7
共同事業拠出金 756 − 756 - 756 719 − 719 − 719 -37 95.1
直診勘定繰出 51 − 51 - 51 57 − 57 − 57 6 110.9
基金積立金 343 − 343 - 343 309 − 309 − 309 -33 90.2
前年度繰上充用(欠損補填）金 708 4 712 - 712 811 3 814 − 814 102 114.3
その他 336 221 558 0 558 546 215 761 15 776 218 139.1
　合計 71,492 17,782 89,274 4,436 93,710 74,946 18,881 93,827 4,532 98,359 4,649 105.0
収支差引額 2,250 473 2,723 -64 2,659 317 47 364 -158 206 -2,453 7.7
　
単年度収支差引額 -595 189 -406 -64 -470 -2,128 -299 -2,427 -158 -2,585 -2,115 550.0
国庫支出金精算額等 -454 -189 -643 0 -643 416 299 715 0 715 1,358 　
精算後単年度収支差引額 -1,049 0 -1,049 -64 -1,113 -1,712 0 -1,712 -158 -1,870 -757 　
一般会計繰入金（赤字補填を目的とするもの）
を除いた場合の精算後単年度収支差引額		 -3,352 　 　 　 -3,416 -4,030 　 　 　 -4,188 -772 　
　
基金積立金等 　 　 　 　 7,189 　 　 　 　 6,798 -391 94.6
（注１） １４年度（見込）は、平成１３年度(実績）と比較するため平成１４年度決算(見込）に平成１５年３月分の保険給付費等を加算し１２ヶ月分として計上し作成したものである。
（注２） １３年度(実績）の介護分に係る総務費は、実績値がないため計上していない。
（注３） 「単年度収支差引額」とは、「収入」、「支出」から「基金繰入（取崩）金」、「（前年度からの）繰越金」、「基金積立金」及び「前年度繰上充用（欠損補填）金」等を除いたものである。
（注４） 「基金積立金等」とは、当該年度末の基金保有額と次年度への繰越金の合計額から当該年度の赤字額等を除いたものである。
（注５） 億円未満四捨五入のため、合計金額と各科目の合計額とは一致しない。


［速報値］
（２）　単年度収支差引額黒字・赤字保険者の状況
（単位：億円）
年度 黒字保険者 赤字保険者
保険者数 金額 保険者数 金額
14 1,173 394 2,051 -1,201


（３）　市町村国保の保険料（税）収納状況
（単位：％）
区分 平成10年度 平成11年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度
市部平均 90.78 90.34 90.32 89.85 89.38
市部内訳
12大都市
　及び特別区
89.46 88.71 88.67 88.07 87.51
中核都市 90.79 90.68 90.54 90.31 89.79
10万人以上 88.86 88.50 88.82 88.57 87.79
5万人以上
　10万人未満
90.60 90.32 90.06 89.70 89.40
5万人未満 93.80 93.47 93.44 92.96 91.32
町村部平均 95.23 94.90 94.80 94.37 93.86
全国平均（市町村） 91.82 91.38 91.35 90.87 90.39


（４）　保険料（税）収納率の増減別保険者数
年度 上昇 変化なし 低下 合計
13 994 19 2,222 3,235
30.7% 0.6% 68.7% 100.0%
14
（速報）		 990 19 2,215 3,224
30.7% 0.6% 68.7% 100.0%


（５）　収納率別の保険者数　
　 85%未満 85〜
90%未満		 90〜
92%未満		 92〜
94%未満		 94〜
96%未満		 96〜
98%未満		 98〜
100%未満		 100% 合計
13 27
0.8%		 264
8.2%		 301
9.3%		 520
16.1%		 814
25.2%		 726
22.4%		 505
15.6%		 78
2.4%		 3,235
100%
14
（速報）		 36
1.1%		 318
9.9%		 318
9.9%		 573
17.8%		 833
25.8%		 693
21.5%		 391
12.1%		 62
1.9%		 3,224
100%


(参考）
被保険者数、保険料（税）収納額及び1人当たり調定額の推移（一般被保険者分）
　 平成10年度 平成11年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度
万人
被保険者数
（前年度比）
3,594
(1.025)		 3,695
(1.028)		 3,786
(1.025)		 3,887
(1.027)		 4,006
(1.031)
万人
被保険者数（老人を除く）
（前年度比）
2,613
(1.011)		 2,652
(1.015)		 2,680
(1.010)		 2,711
(1.012)		 2,772
(1.023)
億円
保険料（税）収納額
（前年度比）
24,948
(1.012)		 25,529
(1.023)		 27,494
(1.077)		 28,387
(1.032)		 29,003
(1.022)
円
1人当たり調定額
（前年度比）
73,965
(0.992)		 73,984
(1.000)		 76,875
(1.039)		 77,290
(1.005)		 77,172
(0.998)
注 　１ 　一般被保険者とは、国民健康保険の被保険者のうち退職被保険者を除いたものである。
　２ 　被保険者数は、各年度の年間平均数である。

課税標準額の推移（一般被保険者分）
　 平成10年度 平成11年度 平成12年度 平成13年度
万円
1世帯当たり課税標準額
（前年度比）
176.2
(0.946)		 164.8
(0.935)		 155.3
(0.942)		 149.7
(0.964)
万円
1人当たり課税標準額
（前年度比）
87.2
(0.960)		 82.7
(0.948)		 79.0
(0.955)		 77.1
(0.976)
注 　１ 　「国民健康保険実態調査報告」による。
　２ 　課税標準額は、所得総額から基礎控除を除いた金額であり、各年度の前年度分のものである。

概算医療費の伸び率の推移（対前年度比）
　 平成10年度 平成11年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度
国保 2.9 2.9 2.7 2.7 -0.2
注　「平成１４年度医療費の動向」による。

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