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第6部 代替化の促進について

 石綿製品について、今後非石綿製品への代替化を促進するためには、石綿製品メーカーやユーザー及びそれらの団体並びに国がそれぞれの役割を果たすことが期待される。

 1.石綿製品メーカー及びメーカー団体
 石綿製品メーカーは、必要に応じ石綿製品ユーザーの協力を得つつ、非石綿製品への代替化を推進するための計画を策定する等により、計画的に、また速やかに、非石綿製品の製造技術の開発・改良、製造方法の変更等を促進し、非石綿製品の生産・供給体制の整備に努めることが重要である。
 また、メーカー団体は、団体としての代替化を推進するための計画の策定、共同研究の実施、非石綿製品への代替化の技術情報の提供等の構成企業に対する技術的な支援等により、構成企業における非石綿製品への代替化の促進に努めることが重要である。

 2.石綿製品ユーザー及びユーザー団体
 石綿製品ユーザーは、石綿製品の使用状況を把握するとともに、非石綿製品への代替化を推進するための計画を策定する等により、それらの代替可能性を検討し、代替が可能なものについては、当該製品を使用する施設・設備・機器等の建設、製造、設置等の機会又は当該製品の点検、交換等の機会を捉え、計画的に代替化の促進に努めることが重要である。また、現時点で代替化が困難な石綿製品については、石綿製品メーカーの非石綿製品の開発等に必要に応じ協力するとともに、それらの製品が使用されている施設・設備・機器等の設計、施工方法の変更等を検討することにより、代替化の促進に努めることが重要である。
 また、ユーザー団体は、構成企業における石綿製品の代替化推進状況を把握し、団体としての代替化を推進するための計画の策定、非石綿製品への代替化の技術情報の提供等により、構成企業における非石綿製品への代替化の促進に努めることが重要である。
 なお、非石綿製品は石綿製品と特性等が異なることから、非石綿製品の使用に当たっては、必要に応じその特性等を考慮した施工方法の採用やメンテナンスの実施に配慮する必要がある。

 3.
 国においては、代替可能な石綿製品について禁止措置のための関係法令等を整備すること、必要に応じ非石綿製品の使用を念頭においた規格等の整備を図ること、石綿製品を取り扱う企業及びそれらの業界団体に対し、円滑な代替化推進に向けて、きめ細かな情報提供をはじめとした相談援助・支援を行うことが必要である。
 また、石綿製品メーカー及びユーザーにおける代替化推進状況をフォローアップするとともに、石綿及び石綿製品の代替可能性を明らかにすること等により、石綿製品メーカー及びユーザーにおける代替化の促進を図ることが重要である。
 さらに、石綿製品メーカーやユーザー及びそれらの団体等に対し、石綿に係る既存の法令の周知・徹底を一層図ることが重要である。


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