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平成15年3月27日

第12回「牛海綿状脳症の検査に係る専門家会議」の結果について


 平成15年3月27日に開催した「牛海綿状脳症の検査に係る専門家会議」の結果は下記のとおりです。

 神奈川県のスクリーニング検査陽性牛について、これまでに実施されたウエスタンブロット法、病理組織学的検査及び免疫組織化学的検査の結果を精査したところ、病理組織学的検査及び免疫組織化学的検査の結果は陰性と判断されたが、ウエスタンブロット法による検査結果については陰性と判断するに至らなかった。


照会先:厚生労働省医薬局
 食品保健部監視安全課
  課長:南
  担当:道野(内線2473)


神奈川県のスクリーニング検査陽性牛の確認検査結果 (WB)

検査報告

図

1. MoPrPsc 6ug eq.
2. MoPrPsc 1.5ug eq.
3. MoPrPsc 0.4ug eq.
4. MoPrPsc 0.1ug eq
5. ELISA 1. 10mg.eq
抗体 44B1
  6. ELISA 1. 2.5mg.eq
  7. NIID-1 10mg. eq
  8. NIID-1 2.5mg. eq
  9. NIID-2 10mg. eq
  10. NIID-2 2.5mg. eq
  NIID-1 ELISA切り出し口の脊髄側
  NIID-2 ELISA切り出し口の脳側

 ELISA法の検査で使用した脳乳剤(10mg eq.)のレーン(No.5)において、PrPsc様のバンドが認められた。



図

1.MWmaker
2. MoPrPsc 6ug eq.
3. MoPrPsc 1.5ug eq.
4. MoPrPsc 0.4ug eq.
5. MoPrPsc 0.1ug eq
抗体 44B1
  6. BSE 15ug eq
  7. BSE 4ug eq
  8 BSE 1ug eq
  9. ELISA 1. 10mg.eq
  10. NIID-1 10mg. eq
  11. NIID-2 10mg. eq
  NIID-1 ELISA切り出し口の脊髄側
  NIID-2 ELISA切り出し口の脳側

 BSE試料のバンドを比較すると、
1)バンドの位置はBSE試料のそれとほぼ一致する
2)糖鎖のない一番下のバンドが相対的に濃い
3)糖鎖が2つ付いた最上部のバンドが薄い

2)、3)は、本来BSEのものであるが量的に少ないために起きた現象か、そもそもこのようなものなのか判らない。



脳の各部位の検査

図

 通常の検査の5倍量の組織を用いて、脳の各部位について検査を行なった。延髄閂部で認められたPrPsc様のバンドが、視床で認められた。



結論
1)神奈川検体の閂部および視床試料に異常型プリオンタンパク様のバンドが検出された。
2)このバンドの分子量はBSEのそれとほぼ一致しているが、glycoformの濃度分布はBSEのそれとは異なる様におもわれる。
3)このバンドを作る物質がBSEのPrPScか否かについて、量が非常に少ないために結論できない。


神奈川県のスクリーニング検査陽性牛の確認検査結果 (免疫組織化学検査、病理組織)

図

 写真は迷走神経背側核の部分で、標本には他の部分を含めて海綿状変化はない。下段の免疫染色では非特異反応が認められた。



図

〔追加試験〕
 抗プリオン抗体は、T4、44B1、B103を用いて免疫染色を行った。今回、陽性対照標本はどの抗体でもきれいに陽性となったが、本例の標本ではいずれも陰性で、非特異反応も見られなかった。
 なお、新たに採取した脳標本でも免疫染色結果は陰性であった。


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