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雇用失業情勢は、依然として厳しい状況が続いていることに加え、今後、不良債権処理を加速する過程における影響も懸念される。こうした中、求人年齢制限の対象とされがちな中高年齢者の求人を確保し、再就職を促進するためには、労働者の募集・採用に当たって年齢にかかわりなく均等な機会が与えられるようにすることが極めて重要となっている。このため、厚生労働省としては、今般、求人年齢制限の緩和の徹底に向けて、目標を設定し、積極的な取組みを行うこととした。
その具体的内容は以下のとおりであり、本日付けで、職業安定局長から各都道府県労働局長あて通達したところである。
〔目標〕
安定所で受理した求人のうち、年齢不問求人の割合を、平成17年度に30%とすること。 |
〔目標の考え方〕
・ | 求人年齢制限緩和の促進のためには、これまでの年齢と深く結びついた雇用慣行の見直しを含め、広く社会全体にその意義と必要性の浸透を図りつつ、労使の理解と協力を得て、着実かつ計画的に取組みを進めていく必要がある。 |
・ | このため、確実に実現すべき目標として、平成17年度には、現状(13%)の倍程度、30%とすることとしたものである。 |
〔目標達成に向けた取組みの展開〕
(1) | 当面の取組み(平成15年1〜3月)
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(2) | 平成15年度予算案に計上している「エイジフリー促進事業(仮称)」の内容
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〔その他の取組み〕
○ | 求人に年齢制限を付すことに合理的な理由のあるものについても、求人受理の際などに可能な限り年齢上限の引き上げを働きかける。 |
○ | 民間の職業紹介事業者等に対しても、求人者に対し不合理な理由による年齢制限を行うことのないよう周知することについて、再度趣旨の徹底を図る。 |
改正雇用対策法施行前後における求人年齢制限の実態
(1)年齢制限不問求人の割合
(2)求人における平均制限年齢
平成14年11月 新規求人
指針理由番号 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 計 |
割合 | 3.24% | 23.90% | 8.51% | 2.45% | 4.63% | 0.05% | 1.23% | 53.02% | 2.48% | 0.50% | 100% |
[参考]
1 | 新規学卒者等を募集及び採用する場合 |
2 | 技能・ノウハウ等の継承の観点から、労働者の年齢構成を維持・回復させる場合 |
3 | 定年年齢との関係から雇用期間が短期に限定される場合 |
4 | 既に働いている他の労働者の賃金額に変更を生じさせることになる就業規則の変更を要する場合 |
5 | 商品やサービスの特性により顧客等との関係から業務を円滑に遂行する要請がある場合 |
6 | 芸術・芸能の分野における表現の真実性等の要請がある場合 |
7 | 労働災害の防止等の観点から特に考慮する必要がある場合 |
8 | 体力、視力等加齢に伴い機能が低下するものが採用後の勤務期間を通じ一定水準以上であることが不可欠な業務の場合 |
9 | 行政の施策を踏まえて中高年齢者の募集及び採用を行う場合 |
10 | 労働基準法等法令の規定により年齢制限が設けられている場合 |