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医薬品・医療用具等安全性情報
Pharmaceuticals and Medical Devices
Safety Information No.183

目   次

  1. 重要な副作用等に関する情報
    1 ガチフロキサシン
    2 タゾバクタムナトリウム・ピペラシリンナトリウム
    3 リン酸フルダラビン
  2. 使用上の注意の改訂について(その140)
    ニフェジピン他(7件)


     この医薬品・医療用具等安全性情報は,厚生労働省において収集された副作用情報をもとに,医薬品・医療用具等のより安全な使用に役立てていただくために,医療関係者に対して情報提供されるものです。

    平成14年(2002年)11月
    厚生労働省医薬局

    1 重要な副作用等に関する情報

     医薬品・医療用具等安全性情報 No.166の『「医薬品・医療用具等安全性情報」の月刊化について』でお知らせしましたように,前々号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.181)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について,改訂内容,参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。

    【1】ガチフロキサシン

    販売名(会社名) ガチフロ錠100mg(杏林製薬)
    薬効分類等 ニューキノロン系抗菌剤
    効能効果 ブドウ球菌属,レンサ球菌属,腸球菌,肺炎球菌,淋菌,モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス,大腸菌,シトロバクター属,クレブシエラ属,エンテロバクター属,セラチア属,プロテウス属,モルガネラ・モルガニー,プロビデンシア属,緑膿菌,インフルエンザ菌,バーグホルデリア・セパシア,ステノトロホモナス(キサントモナス)・マルトフィリア,アシネトバクター属,ペプトストレプトコッカス属,バクテロイデス属,アクネ菌,クラミジア・トラコマティス,クラミジア・ニューモニエ,肺炎マイコプラズマのうち本剤感性菌による下記感染症
    ○表在性皮膚感染症(急性表在性毛包炎),深在性皮膚感染症(蜂巣炎,丹毒,リンパ管(節)炎,せつ,せつ腫症,よう,化膿性爪囲炎,ひょう疽),慢性膿皮症(感染性粉瘤,化膿性汗腺炎,皮下膿瘍)
    ○乳腺炎,肛門周囲膿瘍,外傷・手術創等の表在性二次感染
    ○急性上気道感染症群(扁桃炎,咽喉頭炎,急性気管支炎等),慢性呼吸器疾患の二次感染(慢性気管支炎,びまん性汎細気管支炎,気管支拡張症,肺気腫,肺線維症,気管支喘息等),肺炎
    ○腎盂腎炎,膀胱炎,前立腺炎,淋菌性尿道炎,非淋菌性尿道炎
    ○バルトリン腺炎,子宮頸管炎,子宮内感染,子宮付属器炎
    ○涙嚢炎,麦粒腫,瞼板腺炎
    ○外耳炎,中耳炎,副鼻腔炎
    ○歯周組織炎,歯冠周囲炎,顎炎


    使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
    [慎重投与] 糖尿病の患者
    [副作用(重大な副作用)] 下記の重大な副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
    1)低血糖
    2)高血糖
    3)痙攣
    4)ショック,アナフィラキシー様症状(呼吸困難,浮腫,蕁麻疹等)
    5)心室性頻拍(Torsades de pointesを含む),QTc延長
    6)急性腎不全
    7)錯乱,幻覚等の精神症状
    8)肝機能障害,黄疸
    9)偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎
    10)横紋筋融解症(急激な腎機能悪化を伴う場合がある)
    11)アキレス腱炎,腱断裂等の腱障害
    12)皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)
    〈参   考〉 企業報告

    症例の概要
    NO. 患者 1日投与量
    投与期間
    副作用 備考
    性・
    年齢
    使用理由
    (合併症)
    経過及び処置
    1
    90代
    爪周囲炎
    (糖尿病,両下肢の廃用性萎縮,末梢神経障害)
    400mg
    3日間
    低血糖,幻覚
    投与5日前 左足母指の発赤出現。
    投与開始日 発赤増悪し,排膿あり。往診。
    左足母指の爪周囲炎と診断し,本剤投与開始。
    投与3日目
    (投与中止日)
    冷汗,意識レベル低下が出現した。
    刺激にてかろうじて開眼。ブドウ糖投与にて数分後に意識清明となる。発作時の血糖値は24mg/dLであった。
    本剤投与中止。
    中止1日後 冷汗,意識レベルの低下。
    覚醒しているがボーとした状態あり。
    家人がブドウ糖経口投与し回復。
    中止2日後 早朝に幻覚出現。数時間で軽快。
    夜間から翌朝にかけても同様の症状出現。
    その後は幻覚症状なく,軽快した。
    企業報告
    臨床検査値
      
    投与約3ヵ月前
    投与3日目
    血糖値(mg/dL)
    207
    24
    血圧(mmHg)
    140/86
    150/82
    併用薬:グリメピリド,メコバラミン


    NO. 患者 1日投与量
    投与期間
    副作用 備考
    性・
    年齢
    使用理由
    (合併症)
    経過及び処置
    2
    90代
    尿路感染
    (糖尿病,高血圧,狭心症)
    400mg
    4日間
    低血糖
    投与89日前 アカルボース,一硝酸イソソルビド,スピロノラクトン,塩酸イミダプリル,塩酸ジラゼプにグリベンクラミド10mgの投与を追加。
    投与4日前 血糖値389mg/dL,HbA1C8.2%。
    投与開始日 発熱のため,尿路感染が疑われ,本剤の投与を開始した。
    投与4日目
    (投与中止日)
    起床時より気分不良を訴え,朝食は欠食かつ内服もなし。
    亜急性の意識障害のため,他院緊急外来を受診。
    血糖値23mg/dL。入院となる。
    グルコース投与にて改善。
    すべての薬剤の投与を中止し経過を観察。
    空腹時血糖値>400mg/dL。
    中止3日後 グリベンクラミド5mgの投与を再開。
    中止12日後 低血糖なく,退院となる。
    企業報告
    併用薬:グリベンクラミド,アカルボース,一硝酸イソソルビド,スピロノラクトン,塩酸イミダプリル,塩酸ジラゼプ


    【2】タゾバクタムナトリウム・ピペラシリンナトリウム

    販売名(会社名) タゾシン静注用1.25g,同静注用2.5g(大鵬薬品工業)
    薬効分類等 β-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質製剤
    効能効果 ブドウ球菌属,大腸菌,シトロバクター属,クレブシエラ属,エンテロバクター属,プロビデンシア属,緑膿菌のうち,β-ラクタマーゼを産生しピペラシリン耐性で本剤感性菌の下記感染症
    敗血症,腎盂腎炎,複雑性膀胱炎


    使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
    [副作用(重大な副作用)] 劇症肝炎,肝機能障害,黄疸劇症肝炎等の重篤な肝炎,AST(GOT),ALT(GPT)の上昇等の肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告

    症例の概要
    NO. 患者 1日投与量
    投与期間
    副作用 備考
    性・
    年齢
    使用理由
    (合併症)
    経過及び処置
    1
    70代
    肺炎
    (心不全,異型狭心症)
    1.25g
    2日間
    劇症肝炎
    投与開始日 肺炎に対して本剤を投与開始。本剤皮内反応は陰性。
    心不全に対して,フロセミド80mg,カルペリチド(遺伝子組換え)10mg,塩酸ドパミン210mg,ヘパリンナトリウム10000単位を静注開始。
    投与2日目
    (投与中止日)
    早朝,肝性昏睡II度。
    朝,本剤を投与。肝性昏睡III度。
    血液検査において肝酵素系の異常高値を認める。劇症肝炎が発現。
    昼,肝性昏睡V度。
    ステロイドパルス療法〔コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム(1000mg)〕を開始(3日間)。
    夜,新鮮凍結人血漿による血漿交換(30単位)を施行。
    胃炎に対して,ファモチジン20mgを静注。
    劇症肝炎が原因と考えられる急性腎不全に対して,人工透析を開始。
    中止2日後
    新鮮凍結人血漿による血漿交換(30単位)を施行。
    中止4日後 DICの状態となり,乾燥濃縮人アンチトロンビンIII,メシル酸ナファモスタットを投与開始。
    呼吸状態悪化のため,人工呼吸管理を開始。
    中止6日後 高度の炎症によると思われるアルブミン漏出に対し,人血清アルブミンを投与。フィブリンの補充目的で,新鮮凍結人血漿を輸血。
    中止9日後 腹膜透析を開始。
    中止13日後 血小板減少に対して,血小板輸血を開始。
    中止17日後 心原性ショックにより死亡(死因:急性心筋梗塞,剖検:未実施)。

    〈DLST〉
     施行を試みたが,リンパ球不足のため施行できず。
    企業報告
    臨床検査値
      
    投与
    2ヵ月前
    投与
    開始日
    投与
    2日目
    (中止日)
    中止
    1日後
    中止
    2日後
    中止
    3日後
    中止
    4日後
    中止
    6日後
    中止
    9日後
    中止
    13日後
    中止
    17日後
    赤血球数(×104/μL)
    362
    378
    335
    317
    331
    白血球数(/μL)
    7590
    11070
    19900
    19000
    16200
    血小板数(×104/μL)
    20.0
    18.1
    9.5
    9.3
    9.1
    プロトロンビン時間(%)
    29.9
    38.5
    49.0
    40.0
    58.0
    67.0
    62.0
    45.0
    血中FDP(μg/mL)
    11.6
    58.7
    44.9
    83.7
    66.3
    9.7
    APTT(秒)
    109.2
    54.1
    68.5
    AST(GOT)(IU/L)
    15
    29
    9240
    4450
    2220
    643
    379
    134
    50
    20
    71
    ALT(GPT)(IU/L)
    10
    12
    3630
    2190
    2080
    909
    536
    155
    17
    2
    5
    Al-P(IU/L)
    174
    229
    LDH(IU/L)
    164
    346
    19745
    8050
    2220
    731
    723
    1456
    894
    352
    484
    γ-GTP(IU/L)
    13
    19
    48
    52
    57
    33
    19
    41
    総ビリルビン(mg/dL)
    0.3
    0.8
    1.6
    2.0
    3.0
    3.7
    2.7
    2.0
    2.9
    2.6
    5.5
    直接ビリルビン(mg/dL)
    0.2
    2.2
    2.2
    1.6
    2.2
    2.3
    4.8
    コリンエステラーゼ(IU/L)
    303
    306
    244
    186
    150
    131
    53
    55
    アルブミン(g/dL)
    3.6
    3.8
    3.5
    2.7
    2.4
    3.4
    2.5
    2.1
    アンモニア(μg/dL)
    87
    95
    118
    57
    80
    併用薬:フロセミド,カルペリチド(遺伝子組換え),塩酸ドパミン,ヘパリンナトリウム,ファモチジン

    NO. 患者 1日投与量
    投与期間
    副作用 備考
    性・
    年齢
    使用理由
    (合併症)
    経過及び処置
    2
    30代
    膿胸
    (てんかん)
    5g
    4日間
    劇症肝炎
    抗生物質による劇症肝炎の副作用歴あり。
    投与10日前 肺化膿症に対しパニペネム・ベタミプロン1g,ラクトビオン酸エリスロマイシン100mgを処方。
    投与6日前 ラクトビオン酸エリスロマイシンをリン酸クリンダマイシン1200mgに変更したが,CRP改善せず。
    投与開始日 本剤と硫酸アミカシン200mgに変更。本剤皮内反応は陰性。
    投与4日目
    (投与中止日)
    全身倦怠感,黄疸出現し,肝機能検査値が高度異常を示したため,本剤と硫酸アミカシンを投与中止。
    中止1日後 傾眠傾向となり,時々目を覚ます程度。振戦も出現。メナテトレノン20mg投与開始。
    中止2日後 意識レベルは著変なし。AST(GOT),ALT(GPT)は低下したが,総ビリルビンは上昇したまま。高カロリー輸液開始(IVH)。
    中止3日後 1日中ほとんど寝ている状態。血清アンモニア高値。
    中止4日後 意識レベル変化なし。総ビリルビンさらに上昇。濃グリセリン・果糖,ラクツロース投与開始。
    中止5日後 時々覚醒あり。
    中止6日後 会話が成立するようになる。
    中止7日後 肝性昏睡I〜II度になる。
    中止10日後 ラクツロース投与中止。発熱による意識混濁あり。
    中止16日後 膿瘍排液を行い,イミペネム・シラスタチン0.5g投与開始。
    中止23日後 解熱し抗生物質の効果を確認。食事摂取可能となる。
    中止29日後 DLST実施の結果,本剤のみ陽性。
    中止33日後 劇症肝炎軽快。
    〈DLST結果〉
     本剤:陽性。
     パニペネム・ベタミプロン,イミペネム・シラスタチン,リン酸クリンダマイシン,硫酸アミカシン:陰性。
    〈肝炎ウイルス検査〉
     未実施。
    企業報告
    臨床検査値
      
    投与
    1日前
    投与
    2日目
    投与
    4日目
    (中止日)
    中止
    2日後
    中止
    3日後
    中止
    4日後
    中止
    5日後
    中止
    6日後
    中止
    7日後
    中止
    23日後
    中止
    34日後
    赤血球数(×104/μL)
    429
    396
    398
    386
    382
    430
    386
    360
    367
    白血球数(/μL)
    17000
    20900
    10900
    9800
    13800
    23600
    11700
    9900
    10000
    血小板数(×104/μL)
    32.4
    29.7
    8.9
    11.3
    12.8
    12.9
    13.1
    14.5
    17.6
    プロトロンビン時間(%)
    18
    20
    26
    27
    33
    39
    44
    AST(GOT)(IU/L)
    13
    17
    3187
    887
    665
    263
    92
    61
    47
    28
    22
    ALT(GPT)(IU/L)
    13
    13
    1999
    1428
    1114
    840
    525
    371
    279
    20
    15
    Al-P(IU/L)
    258
    242
    498
    528
    458
    463
    425
    425
    LDH(IU/L)
    126
    114
    1234
    378
    287
    149
    147
    151
    153
    136
    147
    γ-GTP(IU/L)
    130
    286
    301
    249
    247
    223
    235
    331
    267
    総ビリルビン(mg/dL)
    0.8
    0.9
    2.5
    5.5
    5.2
    8.3
    8.9
    8.6
    7.8
    2.6
    1.8
    直接ビリルビン(mg/dL)
    0.3
    0.4
    1.5
    3.3
    3.1
    5.3
    6.0
    5.6
    5.0
    1.6
    1.0
    アンモニア(μg/dL)
    352
    142
    132
    併用薬:パニペネム・ベタミプロン,ラクトビオン酸エリスロマイシン,リン酸クリンダマイシン,硫酸アミカシン,ジアゼパム,フェニトイン,カルバマゼピン,ゾニサミド,クロナゼパム,ジクロフェナクナトリウム


    【3】リン酸フルダラビン

    販売名(会社名) フルダラ(日本シエーリング)
    薬効分類等 代謝拮抗剤
    効能効果 貧血又は血小板減少症を伴う慢性リンパ性白血病


    使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
    [副作用(重大な副作用)] 骨髄抑制汎血球減少,好中球減少,血小板減少,ヘモグロビン減少,赤血球減少等があらわれる又は増悪することがあるので,頻回に血液検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には減量,休薬等の適切な処置を行うこと。
    精神神経障害:錯乱,昏睡,興奮,けいれん発作,末梢神経障害等の精神神経障害があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告

    症例の概要
    NO. 患者 1日投与量
    投与期間
    副作用 備考
    性・
    年齢
    使用理由
    (合併症)
    経過及び処置
    1
    60代
    慢性リンパ性白血病
    (赤芽球癆,
    高血圧)
    20mg/m2
    5日間×4

    25mg/m2
    5日間×1

    20mg/m2
    2日間×1

    汎血球減少症
    投与約1年前 慢性リンパ性白血病と診断された。
    投与開始日 本剤第1クール目(5日間投与+23日間休薬)投与開始。
    投与7日目 汎血球減少が発現。毎クール開始後10日目頃に減少のピークを認める。
    投与29日目 本剤第2クール目(25mg/m2)投与開始。
    投与57日目 本剤第3クール目投与開始。
    投与85日目 本剤第4クール目投与開始。
    投与113日目 本剤第5クール目投与開始。
    投与141日目 本剤第6クール目投与開始。
    投与142日目
    (投与中止日)
    白血球数が800/μLという状況であったため,本剤投与中止。
    中止約1ヵ月後 汎血球減少は改善傾向を示した。
    企業報告
    臨床検査値
      
    投与2日前
    投与8日目
    投与36日目
    投与64日目
    投与142日目
    中止24日後
    赤血球数(×104/μL)
    222
    205
    209
    213
    181
    251
    ヘモグロビン(g/dL)
    7.0
    6.8
    7.5
    7.4
    5.3
    7.3
    白血球数(/μL)
    4,700
    1,500
    400
    1,200
    800
    4,600
    血小板数(×104/μL)
    8.5
    5.0
    5.5
    6.0
    4.2
    4.4
    併用薬:プレドニゾロン,シクロスポリン

    NO. 患者 1日投与量
    投与期間
    副作用 備考
    性・
    年齢
    使用理由
    (合併症)
    経過及び処置
    2
    60代
    急性混合型白血病
    (糖尿病)
    20mg/m2
    5日間×1
    汎血球減少症増悪
    投与約1年半前 発病。シタラビンとイダルビシンで寛解導入を行ったが部分寛解。シタラビンを中心とした地固め療法により完全寛解。外来で継続療法。
    投与約2ヵ月前 再発。シタラビンとイダルビシンにて寛解導入を図ったが,寛解には至らず。
    投与1日前 フィルグラスチム(遺伝子組換え)投与開始。
    投与開始日 本剤及びシタラビン投与開始。
    投与5日目
    (投与終了日)
    本剤及びシタラビン投与終了。
    終了2日後 38℃の発熱がみられ抗生剤を投与。
    終了4日後 骨髄検査で白血病細胞の消失確認。
    終了5日後 やや解熱傾向。
    終了7日後 再度高熱が持続。
    終了10日後 ショック状態,SpO2の低下がみられ,死亡。(死因は敗血症)
    企業報告
    臨床検査値
      
    投与4日前
    終了1日後
    終了5日後
    赤血球数(×104/μL)
    202
    284
    227
    ヘモグロビン(g/dL)
    6.6
    9.0
    7.2
    ヘマトクリット(%)
    18.8
    25.5
    20.6
    白血球数(/μL)
    500
    200
    100
    血小板数(×104/μL)
    3.6
    3.3
    2.3
    併用薬:シタラビン,フィルグラスチム(遺伝子組換え),ヒトインスリン(遺伝子組換え),イソニアジド,アロプリノール,フルコナゾール,レバミピド,塩酸グラニセトロン


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    2 使用上の注意の改訂について(その140)

     前々号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.181)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意(本号の「1 重要な副作用等に関する情報」で紹介したものを除く。)について,改訂内容,主な該当販売名,参考文献等をお知らせいたします。


    1 〈血管拡張剤〉
    ニフェジピン(軟カプセル剤)
    [販 売 名] アダラート,同5(バイエル薬品)他
    [重要な基本的注意] まれに過度の血圧低下を起こし,ショック症状や一過性の意識障害,脳梗塞があらわれることがあるので,そのような場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。なお,速効性を期待した本剤の舌下投与(カプセルをかみ砕いた後,口中に含むか又はのみこませること)は,過度の降圧や反射性頻脈をきたすことがあるので,用いないこと。
    〈参   考〉 企業報告

    〈催眠鎮静剤〉
    抱水クロラール(坐剤を除く)
    [販 売 名] 抱水クロラール「ホエイ」(メルク・ホエイ)
    [副作用(重大な副作用)] ショック,アナフィラキシー様症状:ショック,アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので,観察を十分に行い,冷汗,顔面蒼白,全身発赤,蕁麻疹,喉頭浮腫,呼吸困難,チアノーゼ,血圧低下等があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告

    〈セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤〉
    塩酸ミルナシプラン
    [販 売 名] トレドミン錠15,同錠25(旭化成)
    [副作用(重大な副作用)] セロトニン症候群:セロトニン症候群があらわれることがあるので,激越,錯乱,発汗,幻覚,反射亢進,ミオクロヌス,戦慄,頻脈,振戦,発熱,協調異常等が認められた場合には投与を中止し,水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告

    〈血管拡張剤〉
    ベシル酸アムロジピン
    [販 売 名] アムロジン錠2.5,同錠5(住友製薬),ノルバスク錠2.5mg,同錠5mg(ファイザー製薬)
    [副作用(重大な副作用)] 房室ブロック:房室ブロック(初期症状:徐脈,めまい等)があらわれることがあるので,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告

    〈H2受容体拮抗剤〉
    塩酸ラニチジン
    [販 売 名] ザンタック錠,同錠75,同錠300,同注射液(グラクソ・スミスクライン)他
    [副作用(重大な副作用)] 間質性腎炎:間質性腎炎があらわれることがあるので,初期症状として発熱,皮疹,腎機能検査値異常(BUN・クレアチニン上昇等)等が認められた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。
    皮膚粘膜眼症候群,中毒性表皮壊死症:皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告

    〈白血球減少症・脱毛症用剤〉
    タマサキツヅラフジ抽出アルカロイド
    [販 売 名] セファランチン末0.1%,同末1%,同錠1mg,同注5mg,同注10mg(化研生薬)
    [禁   忌]
    本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
    [副作用(重大な副作用)] ショック,アナフィラキシー様症状:ショック,アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので,観察を十分に行い,顔面潮紅,蕁麻疹,胸部不快感,喉頭浮腫,呼吸困難,血圧低下等があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告

    〈持続性選択H1受容体拮抗剤〉
    エバスチン
    [販 売 名] エバステル錠5mg,同錠10mg(大日本製薬)
    [副作用(重大な副作用)] ショック,アナフィラキシー様症状:ショック,アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,血圧低下,呼吸困難,喉頭浮腫等の症状が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告

    〈グリコペプチド系抗生物質製剤〉
    塩酸バンコマイシン(注射剤)
    [販 売 名] 塩酸バンコマイシン点滴静注用0.5g(日本イーライリリー)他
    [原則禁忌]
    本剤の成分又はテイコプラニン,ペプチド系抗生物質,アミノグリコシド系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
    ペプチド系抗生物質,アミノグリコシド系抗生物質,テイコプラニンによる難聴又はその他の難聴のある患者
    〈参   考〉 Marshall, C., et al.:J. Infect., 37(1):82(1998)
    Khurana, C., et al.:Postgrad. Med. J., 75(879):41(1999)


    お知らせ
     NTTのファクシミリ通信網サービス「Fネット」を通じ,最近1年間の「医薬品・医療用具等安全性情報」がお手元のファクシミリから随時入手できます(利用者負担)。
    「Fネット」への加入等についての問い合わせ先:0120-161-011
     なお,厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/)又は医薬品情報提供ホームページ(http://www.pharmasys.gr.jp/)からも入手可能です。



    照 会 先
    厚生労働省医薬局安全対策課
    担当:稲生、田宮
    03-5253-1111(内線)2750、2753
    
    


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