報道発表資料  トピックス  厚生労働省ホームページ

平成14年11月7日

抗精神病薬 セロクエル錠(フマル酸クエチアピン)投与中の
血糖値上昇による糖尿病性ケトアシドーシス及び糖尿病性昏睡についての
緊急安全性情報の発出について



1.製品の概要

一般名: フマル酸クエチアピン
販売名: セロクエル25mg錠、同100mg錠(平成12年12月22日承認、平成13年2月販売開始)
薬効分類: 精神神経用剤(効能又は効果:精神分裂病)
製薬企業: 製造元:アストラゼネカ株式会社、販売元:藤沢薬品工業株式会社
販売実績: 約110億円(平成14年9月末現在)
推定使用患者数: 約13万人(平成14年9月末現在)

2.経緯

(1) 「精神分裂病」を効能又は効果とするフマル酸クエチアピンは、我が国では、平成13年2月から販売されている。また、海外ではこれまでに米国等78ヵ国で販売されている。

(2) フマル酸クエチアピン投与中に発現する高血糖等については、我が国の治験においては認められていなかったが、市販後に報告された副作用症例に基づき、本年7月に使用上の注意を改訂し、「その他の副作用」の項に「高血糖」を追記したところである。
  
(3) しかしながら、その後、副作用報告が集積され、本剤との因果関係が否定できない高血糖、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡の症例が計13例(うち死亡例1例)報告されたことから、今般、改めて、使用上の注意を改訂するとともに、「緊急安全性情報」を医療機関等へ配布し、本剤投与中の血糖値上昇による糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡について医療関係者の注意喚起を図ることとした。


3.対応

(1)厚生労働省

アストラゼネカ株式会社に対し、使用上の注意の改訂、「緊急安全性情報」の作成及び医療機関等への配布を指示した。
(2)アストラゼネカ株式会社
(1) 「緊急安全性情報」を配布し、以下の使用上の注意の改訂内容を医療機関等に対して、速やかに伝達する。
(2)使用上の注意の改訂内容
ア) 糖尿病の患者及び糖尿病の既往歴のある患者には投与しないこと。(「禁忌」に追加。)
イ) 投与中は、血糖値の測定等の観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、インスリン製剤の投与等適切な処置を行うこと。(「警告」を新設他。)
ウ) 投与に際し、患者及びその家族に対し、当該副作用について十分に説明し、服用中の口渇、多飲、多尿、頻尿等の異常に注意し、このような症状がみられた場合には、ただちに服用を中断し、医師の診察をうけるよう指導すること。(「警告」を新設他。)
(3)特別調査等において、引き続き有害事象の発現状況の把握(特に体重増加、糖尿病、高血糖等)に努める。


【参考:製薬企業照会先】
製造元:アストラゼネカ株式会社
電話:06-6453-8011(担当:村本、児玉)

(照会先)
医薬局安全対策課
池田、田宮
TEL(03)5253-1111
内線2755,2753


トップへ
報道発表資料  トピックス  厚生労働省ホームページ