<照会先> 厚生労働省社会・援護局 障害保健福祉部 企画課 課長補佐 藤井(内3019) 障害認定係 工藤、岡村(内3022) (直通 03-3595-2389) |
ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)は、人間の生活機能と障害の分類法として、2001年5月、世界保健機関(WHO)総会において採択された。この特徴は、これまでのWHO国際障害分類(ICIDH)がマイナス面を分類するという考え方が中心であったのに対し、ICFは、生活機能というプラス面からみるように視点を転換し、さらに環境因子等の観点を加えたことである。 厚生労働省では、ICFの考え方の普及及び多方面で活用されることを目的として、ICFの日本語訳である「国際生活機能分類−国際障害分類改訂版−」を作成し、厚生労働省ホームページ上での公表(8月5日より掲載予定)することとした。 |
1 ICFについて
2 日本語版「国際生活機能分類−国際障害分類改訂版−」の作成について
3 今後のICFの活用について
○ | 障害や疾病を持った人やその家族、保健・医療・福祉等の幅広い分野の従事者が、ICFを用いることにより、障害や疾病の状態についての共通理解を持つことができる。 |
○ | 様々な障害者に向けたサービスを提供する施設や機関などで行われるサービスの計画や評価、記録などのために実際的な手段を提供することができる。 |
○ | 障害者に関する様々な調査や統計について比較検討する標準的な枠組みを提供することができる。 |
4 ホームページのアドレス
https://www.mhlw.go.jp/topics/index.html#syakai
< 参考 : ICFの概念 >
第1部:生活機能と障害 | 第2部:背景因子 | |||
構成要素 | 心身機能・ 身体構造 |
活動・参加 | 環境因子 | 個人因子 |
領域 | 心身機能 身体構造 |
生活・人生領域 (課題,行為) |
生活機能と障害への 外的影響 |
生活機能と障害への 内的影響 |
構成概念 | 心身機能の変化 (生理的) 身体構造の変化 (解剖学的) |
能力 標準的環境におる課題の遂行 実行状況 現在の環境における課題の遂行 |
物的環境や社会的環境,人々の社会的な態度による環境の特徴がもつ促進的あるいは阻害的な影響力 | 個人的な特徴の影響力 |
肯定的側面 | 機能的・構造的 統合性 |
活動 参加 |
促進因子 | 非該当 |
生活機能 | ||||
否定的側面 | 機能障害 (構造障害を含む) |
活動制限 参加制約 |
阻害因子 | 非該当 |
障害 |
照会先 厚生労働省社会・援護局 障害保健福祉部 企画課 課長補佐 藤井(内3019) 障害認定係 工藤、岡村(内3022) 直通 03-3595-2389 |
ICF
序論
1. 背景
この本には国際生活機能分類:国際障害分類改定版(International Classification of Functioning, Disability and Health, ICF)を収めている1)。ICF分類の目的を一言でいうと,健康状況と健康関連状況を記述するための,統一的で標準的な言語と概念的枠組みを提供することである。ICFには健康の構成要素の定義(説明文)と,安寧(well-being)の構成要素のうちで健康に関連したもの(例えば,教育や労働)の定義とが示されている。したがって,ICFに含まれている領域(domain)には,健康領域と健康関連領域の2種類があるということができる。これらの領域は身体,個人,社会という3つの視点に立って,2つの基本的なリストに記述されている。すなわち(1)心身機能・身体構造(以下心身機能・構造と略)(body functions and structures)と(2)活動(activities)と参加(participation)2)とに分類して,ICFは,ある健康状態にある人に関連するさまざまに異なる領域(domains)3)(例:ある病気や変調をもつ人が実際にしていること,またはできること)を系統的に分類するものである。ここで生活機能(functioning)とは心身機能・構造,活動,参加の全てを含む包括用語である。同様に障害(disability)は,機能障害(構造障害を含む),活動制限,参加制約の全てを含む包括用語として用いられている。ICFは更に環境因子のリストを含んでおり,これは以上のすべての構成概念(constructs)と相互作用するものである。このようにICFは,利用者がさまざまな領域における個人の生活機能,障害および健康について記録するのに役立つものである。
ICFは,健康の諸側面に関してWHOが開発した「国際分類ファミリー」に属している。WHO国際分類ファミリーは,健康に関する幅広い情報(例:診断,生活機能と障害,保健サービスの受診理由)をコード化するための枠組みを提供し,健康と保健に関する諸専門分野および諸科学分野にまたがる国際的な情報交換を可能とする標準的な共通言語を提供するものである。
WHOの国際分類では,健康状態(病気〈疾病〉,変調,傷害など)は主にICD-10(国際疾病分類第10版)4)によって分類され,それは病因論的な枠組みに立ったものである。健康状態に関連する生活機能と障害はICFによって分類される。したがって,ICD-10とICFとは相互補完的であり5),利用者にはこの2つのWHO国際分類ファミリーメンバーを一緒に利用することを奨めたい。ICD-10は,病気,変調やその他の健康状態の「診断」を提供し,それによる情報はICFによる生活機能についての付加情報によってより豊かなものとなる6)。診断に生活機能を付け加えることによって,人々や集団の健康に関するより広範かつ有意義な像が提供されることになり,これは意思決定のために用いることができる。
WHO国際分類ファミリーは,国際的背景において集団の健康を記述し比較するための価値の高いツール(道具)である。死亡率に関する情報(ICD-10による)と,健康に関連して起こるさまざまな状況についての情報(ICFによる)とを統合することにより,集団の健康の総括的指標を作ることもでき,それは集団の健康状態とその分布をモニターしたり,さまざまな死因や病気がどのようにそれに影響しているのかを評価するのに役立つであろう。
ICFは「疾病の結果(帰結)」の分類(1980年版)から「健康の構成要素」の分類へと移行してきた。「健康の構成要素」とは健康を構成するものを明らかにするものであり,一方「結果(consequences)」は病気やその他の健康状態の結果として起こりうる影響に焦点をあてるものである。このようにICFは原因となる病気については中立的な立場をとっており,調査者は適切な科学的方法を用いて因果関係の推測を行うことができる。同様にこのアプローチは,「健康の決定因子」や「危険因子」を求めるアプローチとも異なるものである。しかしながら,決定因子や危険因子の研究を助けるために,ICFには個人が生活している背景を示す環境因子のリストが含まれている。
2. ICFの目的
ICFは多くの目的に用いられうる分類であり,さまざまな専門分野や異なった領域で役立つことを目指している。ICFの目的を個別にみると,以下のとおりである。
・ | 健康状況と健康関連状況,結果,決定因子を理解し,研究するための科学的基盤の提供。 |
・ | 健康状況と健康関連状況とを表現するための共通言語を確立し,それによって,障害のある人々を含む,保健医療従事者,研究者,政策立案者,一般市民などのさまざまな利用者間のコミュニケーションを改善すること。 |
・ | 各国,各種の専門保健分野,各種サービス,時期の違いを超えたデータの比較。 |
・ | 健康情報システムに用いられる体系的コード化用分類リストの提供。 |
上記の目的は相互に関連している。それは,ICFの必要性と使用のためには,異なる文化圏での保健政策,サービスの質の保証,効果評価などに,さまざまな消費者が利用できるような,有意義で実用的なシステムの構築が求められているからである。
2-1. ICFの適用
1980年の試案の公刊以来,ICIDHはさまざまな用途に使用されてきた。例えば;
・ | 統計ツール(手段)として:データ収集・記録(例:人口統計,実態調査,管理情報システム)。 |
・ | 研究ツールとして:結果の測定,QOLや環境因子の測定。 |
・ | 臨床ツールとして:ニーズの評価,特定の健康状態と治療法との対応,職業評価,リハビリテーション上の評価,結果の評価。 |
・ | 社会政策ツールとして:社会保障計画,補償制度,政策の立案と実施。 |
・ | 教育ツールとして:カリキュラムの立案,市民啓発,ソーシャルアクション。 |
ICFは本来,健康分類および健康関連分類であるが,保険,社会保障,労働,教育,経済,社会政策,立法,環境整備のような他の領域でも用いられる。ICFは国連社会分類の1つとして認められ,また障害者の機会均等化に関する標準規則7)の中で取りあげられ,それを組み入れている。このようにICFは,国際的な人権に関する諸規則・方針や,各国の法令を実施するための適切な手段を提供する。
ICFは,例えば社会保障や医療の評価,地域・国・国際レベルでの住民実態調査といったさまざまな場面で,幅広く適用するのに有用である。ICFが提供する情報整理の概念的枠組みは,予防と健康増進を含む個人的な保健ケア,および社会的障壁の除去や軽減による参加促進,社会的支援の推進に応用できる。また保健システムの研究においても,評価と政策立案の両面で活用が可能である。
3.ICFの特性
分類は,何を分類するのかが明確でなければならない。つまり,分類が扱う範囲,その視野,分類の単位,分類の構成,各項目の相互関係などである。ICFの基本的な特徴について,以下に説明する。
3-1.ICFが扱う範囲
ICFは,人の健康のすべての側面と,安寧(well-being)のうち健康に関連する構成要素のいくつかを扱うものであり,それらを健康領域および健康関連領域として記述する8)。ICFは広い意味での健康の範囲にとどまるものであり,社会経済的要因によってもたらされるような,健康とは無関係な状況については扱わない。例えば,人種,性別(ジェンダー),宗教,その他の社会経済的特徴のために現環境での課題の遂行において制約を受ける場合があるが,これらはICFで分類される健康関連の参加制約ではない。
ICFは,障害のある人だけに関するものとの誤解が広まっているが,ICFは全ての人に関する分類である。あらゆる健康状態に関連した健康状況や健康関連状況はICFによって記述することが可能である。つまり,ICFの対象範囲は普遍的である9)。
3-2.ICFの視野
ICFは,人の生活機能と障害に関する状況の記述を可能にし,情報を組織化する枠組みとして役立つ。ICFは情報を,有意義な,相互に関連した,容易に利用しうるものとして構成する。
ICFは情報を2つの部門に整理している。第1部は生活機能と障害,第2部は背景因子を扱い,それぞれ2つの構成要素からなる。
身体の構成要素には2つの分類がある。心身機能と身体構造である。両分類の章立ては,身体系に従って構成されている。
活動と参加の構成要素は,個人的視点および社会的観点からみた生活機能のさまざまな側面を示す全領域をカバーしている。
2. 背景因子の構成要素
環境因子のリストは背景因子の第1の構成要素をなしている。環境因子は,生活機能と障害の全ての構成要素に影響を及ぼすものであり,個人の最も身近な環境から,全般的な環境へと向かうように構成されている。
個人因子も背景因子の構成要素である。しかし,社会的・文化的に大きな相違があるために,ICFでは分類されていない。
ICFの第1部である「生活機能と障害」の構成要素(components)は,2つの方法で表現される。つまり一方では,問題点(例:機能障害〈構造障害を含む〉,活動制限,参加制約。これらは障害〈disability〉という包括用語で要約される)を示すために用いることができる。他方では,健康状況と健康関連状況の問題のない(中立的な)側面,すなわち生活機能(functioning)という包括用語のもとに要約される側面を示すこともできる。
生活機能と障害のこれらの構成要素は,独立しているが互いに関連した4つの構成概念(constructs)によって評価され,それは具体的には評価点を用いてなされる。心身機能・構造は,生理的システムや解剖学的構造の変化によって評価される。活動と参加については,2つの構成概念(能力と実行状況)によって評価される(4-2参照)。
人の生活機能と障害は,健康状態(病気〈疾病〉,変調,傷害,ケガなど)と背景因子とのダイナミックな相互作用10)と考えられる。前述したように,背景因子には個人因子と環境因子の2つがある。ICFは本分類の基本的構成要素である環境因子の包括的なリストを含んでいる。環境因子は生活機能と障害のあらゆる構成要素と相互に作用しあう。環境因子の基本的な構成概念とは,物的な環境や社会的環境,人々の社会的な態度による環境による,促進的あるいは阻害的な影響力である。
3-3.分類の単位
ICFは健康状況と健康関連状況とを分類する。したがって分類の単位は,健康領域と健康関連領域における各種のカテゴリーである。ICFは人間を分類単位としていないことに留意することが大切である。すなわち,ICFは人々を分類するものではなく,それぞれの人の状況を,健康領域や健康関連領域の中で整理して記述するものである。さらに,この記述は常に環境因子や個人因子との関連においてなされるのである。
3-4.ICFが提供される形
ICFには,利用者の必要に応じて,2つの版がある。
本書に収められているICFの完全版は,第4レベルまでの詳細にわたる分類を示している。この4つのレベルは,より高次のレベル(第2レベルのすべての領域を含む)に集約することができる。第2レベルまでの体系はICFの短縮版としても提供されている。
4.ICF構成要素の概観
定義11)
健康との関連において心身機能(body functions)とは,身体系の生理的機能(心理的機能を含む)である。 身体構造(body structures)とは,器官・肢体とその構成部分などの,身体の解剖学的部分である。 機能障害(構造障害を含む)(impairments)とは,著しい変異や喪失などといった,心身機能または身体構造上の問題である。 活動(activity)とは,課題や行為の個人による遂行のことである。 参加(participation)とは,生活・人生場面(life situation)への関わりのことである。 活動制限(activity limitations)とは,個人が活動を行うときに生じる難しさのことである。 参加制約(participation restrictions)とは,個人が何らかの生活・人生場面に関わるときに経験する難しさのことである。 環境因子(environmental factors)とは,人々が生活し,人生を送っている物的な環境や社会的環境,人々の社会的な態度による環境を構成する因子のことである。 |
これらの概念の概要は表1の通りである。更に詳しい説明が5-1.に具体的な用語で示されている。表1に示すように:
・ | ICFには2つの部門があり,それぞれは2つの構成要素からなる。
|
・ | 各構成要素は肯定的と否定的の両方の用語から表現可能である。 |
・ | 各構成要素はさまざまな領域からなり,それぞれの領域はカテゴリーに分かれ,それらが分類の単位となる。個人の健康状況や健康関連状況は適切なカテゴリーコードを選び,それに評価点(qualifiers)をつけることによって記載される。評価点とは数字のコードであり,そのカテゴリーにおける生活機能や障害の程度または大きさ,あるいは環境因子が促進因子または阻害因子として作用する程度を明らかにする。 |
表1 ICFの概観
第1部:生活機能と障害 | 第2部:背景因子 | |||
構成要素 | 心身機能・ 身体構造 |
活動・参加 | 環境因子 | 個人因子 |
領域 | 心身機能 身体構造 |
生活・人生領域 (課題,行為) |
生活機能と障害への外的影響 | 生活機能と障害への内的影響 |
構成概念 | 心身機能の変化 (生理的) 身体構造の変化 (解剖学的) |
能力 標準的環境における課題の遂行 実行状況 現在の環境における課題の遂行 |
物的環境や社会的環境,人々の社会的な態度による環境の特徴がもつ促進的あるいは阻害的な影響力 | 個人的な特徴の影響力 |
肯定的側面 | 機能的・構造的 統合性 |
活動 参加 |
促進因子 | 非該当 |
生活機能 | ||||
否定的側面 | 機能障害 (構造障害を含む) |
活動制限 参加制約 |
阻害因子 | 非該当 |
障害 |
4-1. 心身機能・身体構造/機能障害(構造障害を含む)
定義:心身機能とは,身体系の生理的機能(心理的機能を含む)である。
身体構造とは,器官・肢体とその構成部分などの,身体の解剖学的部分である。
機能障害(構造障害を含む)とは,著しい変異や喪失などといった,心身機能または身体構造上の問題である。
(1) | 心身機能と身体構造は,2つの別々のセクションに分けて分類されている。これら2つの分類は,並列的に使うようにできている。例えば,心身機能に「視覚機能」のような基本的な感覚を含み,それに対応する身体構造として「目および関連部位の構造」がある。 |
(2) | 身体とは人体構造の全てを指し,脳とその機能である心も含まれる。したがって精神的(または心理的)機能は心身機能に含まれる。 |
(3) | 心身機能・身体構造(以下心身機能・構造と略)は,身体系に従って分類されている。よって,身体構造は器官とはみなさない12)。 |
(4) | 構造面の障害は,奇形・欠陥・欠損,その他の身体構造の著しい変異を含む。機能障害は組織・細胞・細胞内器官・分子レベルの生物学的な知識に合わせて概念化されている。しかし,これらのレベルは実用的な観点からICFには含まれていない13)。この部分の現在の分類は,機能障害の生物学的な基礎に基づいており,今後,細胞や分子レベルにまで分類を拡大する余地はあろう。医療分野の利用者にとって,機能障害はその基礎をなす病理と同じではなく,その病理が発現したものであるという点を注意することが大切である。 |
(5) | 機能障害は,身体とその機能の医学的・生物学的状態に関する,一般に認められた一般人口の標準からの偏位を表すものである。何を機能障害とするかの定義は,本来,心身機能・構造を判断する資格を有するものによって,それらの標準に従って行われる。 |
(6) | 機能障害には,一時的なもの,恒久的なもの,進行するもの,回復していくもの,不変のもの,さらに断続的(間歇的)なもの,連続的なものがありうる。集団の規範からの逸脱には,軽いものも重いものも,時間とともに変動するものもある。それらの特徴は,主に小数点以下の評価点コードによって,記述され把握される。 |
(7) | 機能障害は,その病因やその発生経過に依存するものではない。例えば,失明や手足の喪失は遺伝的異常によっても外傷によっても起こりうる。機能障害の存在は,必然的になんらかの原因を暗示するが,その原因だけでは,結果としての機能障害を説明するには十分でないこともありうる。また,機能障害がある場合には,心身機能または身体構造の異常があるわけだが,そのような異常はさまざまな病気,変調,その他の生理的状態のどれにでも関連しうるものである。 |
(8) | 機能障害は,ある健康状態の一部であったり,そのひとつの表れであったりする。しかし必ずしも病気が存在しているとか,その人を病人とみなすべきだということを示すものではない。 |
(9) | 機能障害は,変調や病気よりも範囲が広く包括的である。例えば,一下肢の喪失は構造障害であるが,変調や病気ではない。 |
(10) | ある機能障害が原因となって,他の機能障害をもたらすことがある。例えば,筋力低下が運動機能を障害したり,心機能が肺機能の低下に関連したり,知覚障害が思考機能に関連したりすることもある。 |
(11) | 心身機能・構造のカテゴリーとICD-10のカテゴリーのいくつかは,特に症状と徴候に関して重複しているように見える。しかしこの2つの分類は目的が異なる。 ICD-10は,有病率とサービス利用を記述するための特定の章の中で症状を分類しており,ICFでは心身機能の一部としてそれらを示して,予防や患者ニーズの把握のために用いることができるようにしている。もっとも重要なことは,ICFでは心身機能・構造の分類が,活動や参加のカテゴリーとともに使うものとして作られていることである。 |
(12) | 機能障害は定義された判定基準を用いて,各カテゴリーに分類される(例:閾値をあてはめてその存在の有無が判断される)。これらの判定基準は,心身機能・構造について共通であり,(a)喪失または欠損,(b)減少,(c)追加または過剰,(d)変異,である。機能障害が存在するとわかれば,ICFの共通評価点を用いてその程度を測ることができる。 |
(13) | 環境因子は心身機能と相互に関連する。例えば,空気の質と呼吸,光と視覚,音と聴覚,気を散らすような刺激と注意力,床面の性状とバランスの保持,外気温と体温調節といった相互作用がある。 |
4-2.活動と参加/活動制限と参加制約
定義:活動とは,課題や行為の個人による遂行のことである。
参加とは,生活・人生場面への関わりのことである。
活動制限とは,個人が活動を行うときに生じる難しさのことである。
参加制約とは,個人が何らかの生活・人生場面に関わるときに経験する難しさのことである。
(1) | 活動と参加の領域は,単一のリストとして示されており,それは「注意して視ること」や「基本的学習」から,「対人関係」や「雇用」といったような複雑な領域にまでいたる,全ての生活・人生領域をカバーしている。このリストの構成要素は,(a)「活動」,(p)「参加」,または両方を示すために用いることができる。これらの領域は,実行状況と能力の2つの評価点によって評価される。したがってこのリストから集計された情報は,重複や不要データのない一括表として示される(表2参照)。
表2 活動と参加の一括表
|
(2) | 実行状況(performance)の評価点とは,個人が現在の環境のもとで行っている活動/参加を表すものである。現在の環境は社会的状況を含むため,実行状況は,人々の実際生活の背景における「生活・人生場面への関わり」あるいは「生活経験」としても理解することができる14)。この背景には,環境因子,すなわち「環境因子」の分類を用いてコード化できる,物的・社会的・態度的などの全ての側面が含まれている。 |
(3) | 能力(capacity)の評価点とは,ある課題や行為を遂行する個人の能力を表すものである。この構成概念は,ある領域についてある時点で達成することができる最高の生活機能レベルを示すことを目的としている。個人の完全な能力を評価するためには,異なる環境が個人の能力に対してもつさまざまな影響を中立化させるような「標準化された」環境をもつことが必要であろう。この「標準化された」環境とは,(a)テスト場面において能力評価のために通常用いられている実際の環境,または(b)それが不可能な場合,画一的な影響を有すると想定することができる仮想的な環境である。この環境は「画一的」(uniform)あるいは「標準的」(standard)環境とよばれる。したがって,能力は環境により調整された個人の能力を反映する。この調整は,国際的な比較を行うために世界中の全ての国の全ての人について同じでなければならない。この画一的あるいは標準的な環境の特徴は環境因子の分類を用いてコード化することができる。能力と実行状況の間のギャップは現在の環境と画一的な環境の影響の差を反映し,したがって,実行状況を改善するために個人の環境に対して何をなすべきかについての有用な手引きを提供する。 |
(4) | 能力と実行状況の評価点はいずれも,福祉用具や人的支援をともなう場合と,ともなわない場合の両方について用いることができる。福祉用具も人的支援も機能障害を消し去りはしないが,特定の領域の生活機能における諸制限を取り除くことができる。このような様式のコード化は特に個人の生活機能が福祉用具のない場合には,どの程度制限されるかを明らかにするために有用である(付録2のコード化のガイドライン参照)。 |
(5) | これらの領域における困難性や問題は,人がこれらの領域における生活機能を行うやり方の質的または量的な変更が生じたときに起こりうる。制限や制約は一般に認められた一般人口の標準と比較して評価される。ある個人の能力と実行状況を比較すべき標準や規範とは,同様の健康状態(病気,変調,傷害など)にない人の能力や実行状況である。制限や制約は,観察されている実行状況と期待されている実行状況との間の解離を示す。期待されている実行状況とは,その集団における基準であり,特定の健康状態にない人々が経験している状況である。同じ規範が能力の評価点についても用いられており,実行状況を改善するために個人の環境に対して何をなすべきかについて推測することができる。 |
(6) | 実行状況に関して,個人に機能障害がない場合でさえ,社会環境が原因となって問題が生じることがある。例えば,症状がなく発病もしていないHIV陽性者や,ある病気になりやすい遺伝的素因をもつ人が,機能障害がなく,十分な働く能力があっても,サービスの利用を拒否されたり,差別,または偏見のために働くことができないような場合である。 |
(7) | 活動と参加の分類の各領域別に,「活動」と「参加」とを区別することは困難である。同様に,各領域別に「個人」と「社会」の観点を区別しようとすることも,国際的な多様性と,各専門職間,また各理論的枠組み間でのアプローチの相違により可能ではなかった。そのため,ICFでは単一のリストを用意し,利用者が彼ら自身の操作的な方法で活動(A)と参加(P)とを区別して使用できるようにした。これは付録3において更に説明されている。それを行う可能な方法は4つある。
|
4-3. 背景因子
背景因子(contextual factors)は,個人の人生と生活に関する背景全体を表す。それは環境因子と個人因子の2つの構成要素からなり,ある健康状態にある個人やその人の健康状況や健康関連状況に影響を及ぼしうるものである。
環境因子(environmental factors)とは人々が生活し,人生を送っている物的な環境や社会的環境,人々の社会的な態度による環境を構成する因子のことである。この因子は個人の外部にあり,その人の社会の一員としての実行状況,課題や行為の遂行能力,心身機能・構造に対して,肯定的な影響または否定的な影響を及ぼしうる。
(1) | 環境因子は,この分類の中では,次の2つの異なるレベルに焦点を当てて整理されている。
(a)個人的:家庭や職場,学校などの場面を含む個人にとって身近な環境。人が直接接触するような物的・物質的な環境や,家族,知人,仲間,よく知らない人などの他者との直接的な接触を含む。 |
(2) | 環境因子は,心身機能,身体構造,活動,参加といった構成要素と相互作用する。各構成要素について,相互作用の性質と程度は将来の科学的な研究により解明されるべきである。障害は,個人の健康状態と個人因子間の複雑な関係の結果として,またその個人が生活している状況を示す外部因子の結果として特徴づけられる。このような関係のために,異なった環境はある健康状態にある同一の人に対して,非常に異なった影響を及ぼしうる。阻害因子を含んでいたり促進因子のない環境は,個人の実行状況を制限するであろうし,より促進的な環境はその実行状況を向上させるであろう。社会は個人の実行状況を,阻害因子を作り出すこと(例:利用できない建物)で,あるいは促進因子を供給しないこと(例:福祉用具が利用できないこと)で妨げる可能性がある。
個人因子とは,個人の人生や生活の特別な背景であり,健康状態や健康状況以外のその人の特徴からなる。これには性別,人種,年齢,その他の健康状態,体力,ライフスタイル,習慣,生育歴,困難への対処方法,社会的背景,教育歴,職業,過去および現在の経験(過去や現在の人生の出来事),全体的な行動様式,性格,個人の心理的資質,その他の特質などが含まれるであろうし,これらの全部または一部が,どのレベルの障害においても一定の役割をもちうる。個人因子はICFには分類として含まれていないが,その関与を示すために図1には含まれている。この因子の関与は,さまざまな介入の結果にも影響しうる。 |
5.生活機能と障害のモデル
5-1.生活機能と障害の過程
ICFは分類であり,生活機能や障害の「過程」をモデル化するものではない。しかし,ICFはさまざまな構成概念や領域を位置づける手段を提供することによって,過程の記述のためにも役立つものである。ICFが提供するのは,相互作用的で発展的な過程としての,生活機能と障害の分類への多角的アプローチである。これは利用者に「建築材料」を提供するものであり,誰でもこれを使ってモデルを作ったり,この過程を異なった側面から研究したりすることができる。この意味で,ICFは一種の言語とみなすことができる。それを用いて作られる文章の内容は,利用者の創造性と科学的志向性によって違ってくる。さまざまな構成要素間の相互作用についての現在の理解をよりよく視覚化するために,図1に示す図式が役立つであろう15)。
図1 ICFの構成要素間の相互作用
この図式では,ある特定の領域における個人の生活機能は健康状態と背景因子(すなわち,環境因子と個人因子)との間の,相互作用あるいは複合的な関係とみなされる。これらの各要素の間にはダイナミックな相互関係が存在するため,1つの要素に介入するとその他の1つまたは複数の要素を変化させる可能性がある。これらの相互関係は特定のものであり,必ずしも常に予測可能な一対一の関係ではない。相互作用は双方向性である。すなわち障害の結果により,健康状態それ自体が変化することすらある。機能障害から能力の制限を推定したり,活動制限から参加の制約を推定することは,しばしば理にかなったことと思われるかもしれない。しかし,これらの構成要素に関するデータを別々に収集し,その後にそれらの間の関連や因果関係について研究することが重要である。健康に関する状況をすべて記載するのであれば,すべての構成要素が有用である。例えば,
・ | 機能障害(構造障害を含む)があるが,能力の制限はない場合(例:ハンセン病で外観を損じても,個人の能力にはなんらの影響を及ぼさない場合)。 |
・ | 実行状況上の問題や能力の制限があるが,明らかな機能障害(構造障害を含む)がない場合(例:いろいろな病気の場合にみられる日常生活の実行状況の減少)。 |
・ | 実行状況上の問題をもつが,機能障害も,能力の制限もない場合(例:HIV陽性の人,精神障害回復者の,対人関係や職場での偏見や差別への直面)。 |
・ | 介助なしでは能力の制限があるが,現在の環境のもとでは実行状況上の問題はない場合(例:移動の制限のある人が移動のための福祉用具を社会から提供されている場合)。 |
・ | 逆方向の影響がある程度ある場合(例:手足を使わないことが筋萎縮の原因となる場合,施設入所が社会生活技能の喪失につながる場合)。 |
付録4の症例に構成概念間の相互作用の可能性をさらに示した。
図1に示した現在の概念枠組みには,障害過程における背景因子(環境因子と個人因子)の役割が示されている。これらの背景因子は,ある健康状態にある人と相互作用して,その人の生活機能の水準と程度を決定する。環境因子は,個人にとって外部のもの(例:社会の態度,建築物の特徴,法制度)で,環境因子の項で分類されている。一方,個人因子はICFの今回の版では分類されていない。個人因子には,性別,人種,年齢,体力,ライフスタイル,習慣,困難への対処方法,その他同様の因子が含まれている。これらの評価は必要に応じて利用者に任されている。
5-2. 医学モデルと社会モデル
障害と生活機能の理解と説明のために,さまざまな概念モデル16)が提案されてきた。それらは「医学モデル」対「社会モデル」という弁証法で表現されうる。医学モデルでは,障害という現象を個人の問題としてとらえ,病気・外傷やその他の健康状態から直接的に生じるものであり,専門職による個別的な治療というかたちでの医療を必要とするものとみる。障害への対処は,治癒あるいは個人のよりよい適応と行動変容を目標になされる。主な課題は医療であり,政治的なレベルでは,保健ケア政策の修正や改革が主要な対応となる。一方,社会モデルでは障害を主として社会によって作られた問題とみなし,基本的に障害のある人の社会への完全な統合の問題としてみる。障害は個人に帰属するものではなく,諸状態の集合体であり,その多くが社会環境によって作り出されたものであるとされる。したがって,この問題に取り組むには社会的行動が求められ,障害のある人の社会生活の全分野への完全参加に必要な環境の変更を社会全体の共同責任とする。したがって,問題なのは社会変化を求める態度上または思想上の課題であり,政治的なレベルにおいては人権問題とされる。このモデルでは,障害は政治的問題となる。
ICFはこれらの2つの対立するモデルの統合に基づいている。生活機能のさまざまな観点の統合をはかる上で,「生物・心理・社会的」アプローチを用いる。したがってICFが意図しているのは,1つの統合を成し遂げ,それによって生物学的,個人的,社会的観点における,健康に関する異なる観点の首尾一貫した見方を提供することである17)。
6. ICFの使用
ICFは人間の生活機能と障害の分類である。ICFは健康領域と健康関連領域とを系統的にグループ化している。各構成要素内では,種々の領域がさらに共通の特性(例えば,起源,タイプ,類似性)別にグループ化され,意味ある形で順序づけられている。分類は,一連の原則に立って組織されている(付録1参照)。これらの原則は,レベル間の相互関連性と分類の階層性(複数のレベルの組合わせ)に関連している。しかしICFのいくつかの項目では,序列も階層構造もなく,ある枝の同等な一員として配列されていることもある。
以下は,本分類の使用に関連する構造的な特徴である。
(1) | ICFは健康領域と健康関連領域に関する標準的な操作上の定義を提供するが,この定義は一般用語としての健康の定義とは異なるものである。これらの定義は各領域の本質的な属性(例:性質,特性,関係)を示し,各領域について「含まれるもの」と「除かれるもの」についての情報を含んでいる。その定義は一般的に用いられる評価のための標準点(anchor points)を含むため,アンケートに転用することが可能である。逆にいえば,既存の評価表の結果をICFの用語でコード化することが可能である。例えば,「視覚機能」は両眼および単眼の双方で,さまざまな距離から,形と輪郭を感じる機能として定義されている。そのため,視覚の困難さはこれらのさまざまな要素に関連づけて,軽度,中等度,重度,完全喪失の段階にコード化できる。 |
(2) | ICFは最初のローマ文字と数字を組み合わせた方式をもちいる。文字のb,s,d,eはそれぞれ心身機能,身体構造,活動/参加,環境因子を意味するために使用される。これらの文字の後には,数字のコードが章番号(1桁目),第2レベル(2桁目),第3,第4レベル(各1桁)と続く。 |
(3) | ICFのカテゴリーは階層構造となっている。したがって,より広いカテゴリー が,親カテゴリーよりも細かい多数の小カテゴリーを含むように定義されている(例えば,参加と活動の第4章の運動・移動は,立位,座位,歩行,物を運ぶことなどについて別々のカテゴリーを含んでいる)。短縮(簡略)版は第2レベルまでであり,完全(詳細)版は第4レベルにまでおよぶ。短縮版と完全版のコードは対応しており,短縮版には完全版からの要約が可能である。 |
(4) | どんな個人でも各レベルにおいて,コードが複数になる可能性がある。それら は相互に独立の場合もあり,相互に関連する場合もある。 |
(5) | ICFのコードは評価点があってはじめて完全なものとなる。評価点は健康のレ ベルの大きさ(例:問題の重大さ)を表す。評価点は小数点(あるいは分離点separator)の後の1〜2,もしくはそれ以上の数字としてコード化される。どのコードも最低1つの評価点を伴う必要がある。評価点がなければ,コード自体には何の意味もない。 |
(6) | 心身機能・構造の第一評価点,活動と参加の実行状況と能力の評価点,環境因 子の第一評価点,これらはすべて,それぞれの構成要素における問題の程度を表す。 |
(7) | ICFで分類されたこれらすべての構成要素(心身機能,身体構造,活動と参加,環境因子)は共通スケールを用いて量的に示される。問題があるということは,その構成概念に応じて,機能障害(構造障害を含む),活動制限,参加制約あるいは阻害因子かもしれない。該当する分類領域について,下記の括弧内に示した適切な評価用語を選ぶ必要がある(xxxは第2レベルの領域の数字を表す)。ここに示した数量的なスケールを普遍的に用いることが可能になるためには,研究を重ねて評価の手順が開発される必要がある。ここに示した大まかなパーセント表示は,較正(キャリブレーション,訳注:測定器などの正確さを保障するために,感度などの調整を行うこと)された評価器具やその他の評価基準によって,機能障害,能力の制限,実行状況における問題,および阻害因子を数量的に判定できる場合のためのものである。ちなみに,「問題なし」または「完全な問題」とされた場合でも,5%までの誤差はあるとみてよい。「中等度の問題」の程度は通常「完全な問題」の半分までである。パーセント表示は,関係する集団の標準値のパーセンタイル(百分位数,訳注:大きさ順に並べた集団の,例えば30パーセント目にある個体の示す数値を30パーセンタイルと呼ぶ)を参照して,それぞれの領域で較正されるべきである。
|
(8) | 環境因子の場合には,第一評価点は環境の肯定的側面,すなわち促進因子(facilitator)を示すため,または否定的な側面すなわち阻害因子(barrier)を示すために用いることができる。両方とも0-4のスケールを用いるが,促進因子を示すためには小数点を「+」で置き換える(例:e110+2)。環境因子は(a)各構成概念と個々に関連づけて,あるいは(b)個々の構成概念とは個々に関連づけないで全体的な評価として,コード化することが可能である。影響と寄与をより明確に確認する上では,(a)の方が好ましい。 |
(9) | さまざまな利用者にとっては,各項目をコード化する際に別の種類の情報を付 け加えることが適切であり有益であろう。有益と思われる付加的評価点は多種多様である。表3には,各構成要素についての評価点の詳細と,開発予定の付加的な評価点の案とが示されている。 |
(10) | 健康領域と健康関連領域はある瞬間について(例えば,スナップ写真のように)記述される。しかし,多数の時点において使用することで経過の軌跡を示すことができる。 |
(11) | ICFにおいては,ある人の健康状況と健康関連状況の記述は,分類の2つの部門にわたる多数のコードを使って行われる。このようにして,一人あたりのコードの最大の数は一桁レベルでは34(心身機能8,身体構造8,実行状況9,能力9)であり,2桁レベルではコードの全数は362である。より詳細なレベルにおいてはこれらのコードの数は1424にまでなる。しかしICFを実際に適用する場合には,あるケースを第2レベル(3桁)の正確さで表現するためには,3〜18個のコードが適当であろう。一般的に,より詳細な4桁レベルの分類は専門的なサービス(例:リハビリテーションの効果,老年医学)において使用される。一方,第2レベルの分類は調査や臨床効果の評価のために用いることができる。
更に詳しいコード化のガイドラインは付録2に記載されている。利用者は,本分類の使用にあたってはWHOと協力センターを通じて所定の研修を受講することが,強く推奨される。 |
表3 評価点
構成要素 | 第1評価点 | 第2評価点 | ||||||||||||||||||||||||
心身機能(b) | 否定的スケールによる共通評価点であり,機能障害の程度や大きさを示す。
|
なし | ||||||||||||||||||||||||
身体構造(s) | 否定的スケールによる共通評価点であり,構造障害の程度や大きさを示す。
|
各々の身体構造の変化の性状を示すために用いられる。
|
||||||||||||||||||||||||
活動と参加(d) | 実行状況 共通評価点 その人の現在の環境における問題。
|
能力 共通評価点 介助なしでの制限
|
||||||||||||||||||||||||
環境因子(e) | 共通評価点であり,阻害因子と促進因子とのそれぞれの程度を示す,否定的スケールと肯定的スケールとからなる。
|
なし |
WHA54.21の決議文は以下の通りである。
第54回世界保健会議は,
1. | 「国際障害分類」(ICIDH)の第2版を,国際生活機能分類:国際障害分類改定版(略称ICF)として承認し, |
2. | 加盟国に対し,ICFを研究,サーベイランスおよび報告の上で,各国の事情を考慮し,特に将来の改定を念頭におきつつ適切な方法で用いることを勧告し, |
3. | WHO事務総長に対し,加盟国へその要請に応じてICFの活用のための援助を行うことを要請する。 |
脚注
1) | これは1980年にWHO(世界保健機関)が試案として発行した国際障害分類,すなわちICIDHの改定版にあたる。これは過去5年間にわたる系統的なフィールドトライアルと国際的な議論をへて開発され,2001年5月22日に第54回世界保健会議(WHO総会)によって承認され(決議WHA54.21),国際的に用いられることになった。 |
2) | これらの用語は,以前用いられていた「機能障害(impairment)」,「能力障害(disability)」,「社会的不利(handicap)」にとって代わり,分類の視野を拡大して,マイナス面だけでなくプラス面をも記述できるようにしたものである。これらの新しい用語は序論で定義され,更に分類の中で詳細に説明されている。これらの用語は特殊な意味に用いられており,日常生活で用いられる意味とは異なることに注意していただきたい。 |
3) | 領域(domain)とは,生理的機能,解剖的構造,行為,課題,生活・人生のさまざまな分野における,実際的で有意義な組合せをなした複数の項目のまとまりのことである。 |
4) | International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems,Tenth Revision,Vols. 1-3. Geneva,World Health Organization,1992-1994.(日本版,厚生省大臣官房統計情報部編,疾病,傷害および死因統計分類概要〈ICD-10準拠〉,1−3巻,厚生統計協会,1993-1996) |
5) | ICD-10とICFにある重複を認識しておくことも大切である。ICFもICD-10もともに身体系からはじまっている。機能障害(構造障害を含む)は身体の構造と機能に関するものであり,この構造・機能はふつう「疾病過程」の一部をなし,ICD-10にも使われている。しかしながら,ICD-10では機能と形態の障害は徴候と症状として「疾病」を形作る集合体の一部として用いられ,時には保健サービスへの受診理由としても用いられる。一方,ICFの体系では,機能障害は健康状態に関連した心身機能の問題そのものとして用いられている。 |
6) | 同じ疾患をもつ2人の人が,異なった生活機能の水準にあることがありうるし,逆に同じ生活機能レベルにある2人の人が必ずしも同じ健康状態にあるとは限らない。したがって,組み合わせて使用することによって医療の目的で使う時のデータの質が向上する。この目的の場合には通常の診断手順を省略すべきでない。その他の目的のためには,ICFを単独で使用してよい。 |
7) | The standard Rules on the Equalization of Opportunities for Persons with Disabilities : 障害者の機会均等化に関する標準規則。国連総会1993年12月20日,第48回会期で採択〈決議 48/96〉国連公共情報部発行,ニューヨーク;1994年 |
8) | 健康領域の例は見ること,聞くこと,歩行,学習,記憶を含み,一方,健康関連領域の例は交通,教育,社会的相互関係を含む。 |
9) | Bikenbach JE, Chatterji S, Badley EM, U¨stun TB. : Models of disablement, universalism and the ICIDH, Social Science and Medicine, 1999, 48 : 1173-1187. |
10) | この相互作用は,利用者によって過程として見ることも,結果として見ることも可能である。 |
11) | 付録1.分類法および用語法の問題を参照。 |
12) | ICIDHの1980年版では,器官レベルという言葉が使われていたが,「器官」の定義は明瞭ではない。目と耳は伝統的には器官と考えられているが,その境界を定義することは困難であり,同じことが四肢や内臓についても当てはまる。身体の中に独立した部位や単位があるかのような,「器官」別の考え方の代わりに,ICFでは「身体構造」の用語を用いる。 |
13) | したがって,ICFの完全版を用いてコード化された機能障害は,他者または本人により直接の観察あるいは観察からの推測により,発見あるいは認めうるものでなくてはならない。 |
14) | 参加の定義には関与の概念が含まれている。「関与」の定義については,ある生活・人生分野に加わること,含まれること,あるいは参与することであり,また受け入れられること,あるいは必要な資源を利用できることである,などのさまざまな提案がなされている。表2の一括表の中で,参加の唯一可能な指標は,実行状況についてコード化することである。このことは,参加が自動的に実行状況に等しいということを意味しているものではない。関与の概念はまた,関与の主観的な経験(「属している」という意識)とは区別されるべきである。関与を別にコード化したい利用者は,付録2のコード化のガイドラインを参照されたい。 |
15) | ICFは,ICIDHの1980年版とは生活機能と障害の諸次元間の相互作用の描写において,本質的に異なっている。どんな図式であっても不十分なところはあるだろうこと,また多次元のモデルにおいては相互関係の複雑さのために誤解が生じがちであることに注意しておかなくてはならない。このモデルは,多くの相互関係を図示するために描かれている。この過程におけるこれ以外の重要な焦点概念を示す図も確かに可能である。異なる構成要素や構成概念間の相互作用の解釈もまた,さまざまに異なるものになりうる(例えば,環境因子の心身機能への影響は,参加への影響とは確かに異なるであろう)。 |
16) | ここでの「モデル」という用語は,既出の節でのこの用語の使用法とは異なり,構成概念またはパラダイムのことを意味する。 |
17) | 付録5:「ICFと障害のある人々」を参照のこと。 |
ICF
第1レベルまでの
分類
心身機能 body functions
第1章 | 精神機能 mental functions |
第2章 | 感覚機能と痛み sensory functions and pain |
第3章 | 音声と発話の機能 voice and speech functions |
第4章 | 心血管系・血液系・免疫系・呼吸器系の機能 functions of the cardiovascular, haematological, immunological and respiratory systems |
第5章 | 消化器系・代謝系・内分泌系の機能 functions of the digestive, metabolic and endocrine systems |
第6章 | 尿路・性・生殖の機能 genitourinary and reproductive functions |
第7章 | 神経筋骨格と運動に関連する機能 neuromusculoskeletal and movement-related functions |
第8章 | 皮膚および関連する構造の機能 functions of the skin and related structures |
身体構造 body structures
第1章 | 神経系の構造 structures of the nervous system |
第2章 | 目・耳および関連部位の構造 the eye, ear and related structures |
第3章 | 音声と発話に関わる構造 structures involved invoice and speech |
第4章 | 心血管系・免疫系・呼吸器系の構造 structures of the cardiovascular,immunological and respiratory systems |
第5章 | 消化器系・代謝系・内分泌系に関連した構造 structures related to the digestive, metabolic and endocrine systems |
第6章 | 尿路性器系および生殖系に関連した構造 structures related to the genitourinary and reproductive systems |
第7章 | 運動に関連した構造 structures related to movement |
第8章 | 皮膚および関連部位の構造 skin and related structures |
活動と参加 activities and participation
第1章 | 学習と知識の応用 learning and applying knowledge |
第2章 | 一般的な課題と要求 general tasks and demands |
第3章 | コミュニケーション communication |
第4章 | 運動・移動 mobility |
第5章 | セルフケア self-care |
第6章 | 家庭生活 domestic life |
第7章 | 対人関係 interpersonal interactions and relationships |
第8章 | 主要な生活領域 major life areas |
第9章 | コミュニティライフ・社会生活・市民生活 community, social and civic life |
環境因子 environmental factors
第1章 | 生産品と用具 products and technology |
第2章 | 自然環境と人間がもたらした環境変化 natural environment and human-made changes to environment |
第3章 | 支援と関係 support and relationships |
第4章 | 態度 attitudes |
第5章 | サービス・制度・政策 services, systems and policies |
ICF
第2レベルまでの
分類
心身機能 body functions
第1章 精神機能 mental functions
全般的精神機能 global mental functions(b110-b139)
b110 | 意識機能 consciousness functions |
b114 | 見当識機能 orientation functions |
b117 | 知的機能 intellectual functions |
b122 | 全般的な心理社会的機能 global psychosocial functions |
b126 | 気質と人格の機能 temperament and personality functions |
b130 | 活力と欲動の機能 energy and drive functions |
b134 | 睡眠機能 sleep functions |
b139 | その他の特定の,および詳細不明の,全般的精神機能 global mental functions, other specified and unspecified |
個別的精神機能 specific mental functions(b140-b189)
b140 | 注意機能 attention functions |
b144 | 記憶機能 memory functions |
b147 | 精神運動機能 psychomotor functions |
b152 | 情動機能 emotional functions |
b156 | 知覚機能 perceptual functions |
b160 | 思考機能 thought functions |
b164 | 高次認知機能 higher-level cognitive functions |
b167 | 言語に関する精神機能 mental functions of language |
b172 | 計算機能 calculation functions |
b176 | 複雑な運動を順序立てて行う精神機能 mental function of sequencing complex movements |
b180 | 自己と時間の経験の機能 experience of self and time functions |
b189 | その他の特定の,および詳細不明の,個別的精神機能 specific mental functions, other specified and unspecified |
b198 | その他の特定の精神機能 mental functions, other specified |
b199 | 詳細不明の精神機能 mental functions, unspecified |
第2章 感覚機能と痛み sensory functions and pain
視覚および関連機能 seeing and related functions(b210-b229)
b210 | 視覚機能 seeing functions |
b215 | 目に付属する構造の機能 functions of structures adjoining the eye |
b220 | 目とそれに付属する構造に関連した感覚 sensations associated with the eye and adjoining structures |
b229 | その他の特定の,および詳細不明の,視覚および関連機能 seeing and related functions, other specified and unspecified |
聴覚と前庭の機能 hearing and vestibular functions(b230-b249)
b230 | 聴覚機能 hearing functions |
b235 | 前庭機能 vestibular functions |
b240 | 聴覚と前庭の機能に関連した感覚 sensations associated with hearing and vestibular function |
b249 | その他の特定の,および詳細不明の,聴覚と前庭の機能 hearing and vestibular functions, other specified and unspecified |
その他の感覚機能 additional sensory functions(b250-b279)
b250 | 味覚 taste function |
b255 | 嗅覚 smell function |
b260 | 固有受容覚 proprioceptive function |
b265 | 触覚 touch function |
b270 | 温度やその他の刺激に関連した感覚機能 sensory functions related to temperature and other stimuli |
b279 | その他の特定の,および詳細不明の,その他の感覚機能 additional sensory functions, other specified and unspecified |
痛み pain(b280-b289)
b280 | 痛みの感覚 sensation of pain |
b289 | その他の特定の,および詳細不明の,痛みの感覚 sensation of pain, other specified and unspecified |
b298 | その他の特定の,感覚機能と痛み sensory functions and pain, other specified |
b299 | 詳細不明の,感覚機能と痛み sensory functions and pain, unspecified |
第3章 音声と発話の機能 voice and speech functions
b310 | 音声機能 voice functions |
b320 | 構音機能 articulation functions |
b330 | 音声言語(発話)の流暢性とリズムの機能 fluency and rhythm of speech functions |
b340 | 代替性音声機能 alternative vocalization functions |
b398 | その他の特定の,音声と発話の機能 voice and speech functions, other specified |
b399 | 詳細不明の,音声と発話の機能 voice and speech functions, unspecified |
第4章 | 心血管系・血液系・免疫系・呼吸器系の機能 functions of the cardiovascular, haematological, immunological and respiratory systems |
心血管系の機能 functions of the cardiovascular system(b410-b429)
b410 | 心機能 heart functions |
b415 | 血管の機能 blood vessel functions |
b420 | 血圧の機能 blood pressure functions |
b429 | その他の特定の,および詳細不明の,心血管系の機能 functions of the cardiovascular system, other specified and unspecified |
血液系と免疫系の機能 functions of the haematological and immunological systems(b430-b439)
b430 | 血液系の機能 haematological system functions |
b435 | 免疫系の機能 immunological system functions |
b439 | その他の特定の,および詳細不明の,血液系および免疫系の機能 functions of the haematological and immunological systems, other specified and unspecified |
呼吸器系の機能 functions of the respiratory system(b440-b449)
b440 | 呼吸機能 respiration functions |
b445 | 呼吸筋の機能 respiratory muscle functions |
b449 | その他の特定の,および詳細不明の,呼吸器系の機能 functions of the respiratory system, other specified and unspecified |
心血管系と呼吸器系の付加的機能と感覚 additional functions and sensations of the cardiovascular and respiratory systems(b450-b469)
b450 | その他の呼吸機能 additional respiratory functions |
b455 | 運動耐容能 exercise tolerance functions |
b460 | 心血管系と呼吸器系に関連した感覚 sensations associated with cardiovascular and respiratory functions |
b469 | その他の特定の,および詳細不明の,心血管系と呼吸器系の付加的機能と感覚 additional functions and sensations of the cardiovascular and respiratory systems, other specified and unspecified |
b498 | その他の特定の,心血管系・血液系・免疫系・呼吸器系の機能 functions of the cardiovascular, haematological, immunological and respiratory systems, other specified |
b499 | 詳細不明の,心血管系・血液系・免疫系・呼吸器系の機能 functions of the cardiovascular, haematological, immunological and respiratory systems, unspecified |
第5章 | 消化器系・代謝系・内分泌系の機能 functions of the digestive, metabolic and endocrine systems |
消化器系に関連する機能 functions related to the digestive system (b510-b539)
b510 | 摂食機能 ingestion functions |
b515 | 消化機能 digestive functions |
b520 | 同化機能 assimilation functions |
b525 | 排便機能 defecation functions |
b530 | 体重維持機能 weight maintenance functions |
b535 | 消化器系に関連した感覚 sensations associated with the digestive system |
b539 | その他の特定の,および詳細不明の,消化器系に関連する機能 functions related to the digestive system, other specified and unspecified |
代謝と内分泌系に関連する機能 functions related to metabolism and the endocrine system(b540-b559)
b540 | 全般的代謝機能 general metabolic functions |
b545 | 水分・ミネラル・電解質バランスの機能 water, mineral and electrolyte balance functions |
b550 | 体温調節機能 thermoregulatory functions |
b555 | 内分泌腺機能 endocrine gland functions |
b559 | その他の特定の,および詳細不明の,代謝と内分泌系に関連する機能 functions related to metabolism and the endocrine system, other specified and unspecified |
b598 | その他の特定の,消化器系・代謝系・内分泌系の機能 functions of the digestive, metabolic and endocrine systems, other specified |
b599 | 詳細不明の,消化器系・代謝系・内分泌系の機能 functions of the digestive, metabolic and endocrine systems, unspecified |
第6章 | 尿路・性・生殖の機能 genitourinary and reproductive functions |
尿路機能 urinary functions(b610-b639)
b610 | 尿排泄機能 urinary excretory functions |
b620 | 排尿機能 urination functions |
b630 | 排尿機能に関連した感覚 sensations associated with urinary functions |
b639 | その他の特定の,および詳細不明の,尿路機能 urinary functions, other specified and unspecified |
性と生殖の機能 genital and reproductive functions(b640-b679)
b640 | 性機能 sexual functions |
b650 | 月経の機能 menstruation functions |
b660 | 生殖の機能 procreation functions |
b670 | 性と生殖の機能に関連した感覚 sensations associated with genital and reproductive functions |
b679 | その他の特定の,および詳細不明の,性と生殖の機能 genital and reproductive functions, other specified and unspecified |
b698 | その他の特定の,尿路・性・生殖の機能 genitourinary and reproductive functions, other specified |
b699 | 詳細不明の,尿路・性・生殖の機能 genitourinary and reproductive functions, unspecified |
第7章 | 神経筋骨格と運動に関連する機能 neuromusculoskeletal and movement-related functions |
関節と骨の機能 functions of the joints and bones(b710-b729)
b710 | 関節の可動性の機能 mobility of joint functions |
b715 | 関節の安定性の機能 stability of joint functions |
b720 | 骨の可動性の機能 mobility of bone functions |
b729 | その他の特定の,および詳細不明の,関節と骨の機能 functions of the joints and bones, other specified and unspecified |
筋の機能 muscle functions(b730-b749)
b730 | 筋力の機能 muscle power functions |
b735 | 筋緊張の機能 muscle tone functions |
b740 | 筋の持久性機能 muscle endurance functions |
b749 | その他の特定の,および詳細不明の,筋の機能 muscle functions, other specified and unspecified |
運動機能 movement functions(b750-b789)
b750 | 運動反射機能 motor reflex functions |
b755 | 不随意運動反応機能 involuntary movement reaction functions |
b760 | 随意運動の制御機能 control of voluntary movement functions |
b765 | 不随意運動の機能 involuntary movement functions |
b770 | 歩行パターン機能 gait pattern functions |
b780 | 筋と運動機能に関連した感覚 sensations related to muscles and movement functions |
b789 | その他の特定の,および詳細不明の,運動機能 movement functions, other specified and unspecified |
b798 | その他の特定の,神経筋骨格と運動に関連する機能 neuromusculoskeletal and movement-related functions, other specified |
b799 | 詳細不明の,神経筋骨格と運動に関連する機能 neuromusculoskeletal and movement-related functions, unspecified |
第8章 | 皮膚および関連する構造の機能 functions of the skin and related structures |
皮膚の機能 functions of the skin(b810-b849)
b810 | 皮膚の保護機能 protective functions of the skin |
b820 | 皮膚の修復機能 repair functions of the skin |
b830 | その他の皮膚の機能 other functions of the skin |
b840 | 皮膚に関連した感覚 sensation related to the skin |
b849 | その他の特定の,および詳細不明の,皮膚の機能 functions of the skin, other specified and unspecified |
毛と爪の機能 functions of the hair and nails(b850-b869)
b850 | 毛の機能 functions of hair |
b860 | 爪の機能 functions of nails |
b869 | その他の特定の,および詳細不明の,毛と爪の機能 functions of the hair and nails, other specified and unspecified |
b898 | その他の特定の,皮膚および関連する構造の機能 functions of the skin and related structures, other specified |
b899 | 詳細不明の,皮膚および関連する構造の機能 functions of the skin and related structures, unspecified |
身体構造 body structures
第1章 | 神経系の構造 structures of the nervous system |
s110 | 脳の構造 structure of brain |
s120 | 脊髄と関連部位の構造 spinal cord and related structures |
s130 | 髄膜の構造 structure of meninges |
s140 | 交感神経系の構造 structure of sympathetic nervous system |
s150 | 副交感神経系の構造 structure of parasympathetic nervous system |
s198 | その他の特定の,神経系の構造 structure of the nervous system, other specified |
s199 | 詳細不明の,神経系の構造 structure of the nervous system, unspecified |
第2章 | 目・耳および関連部位の構造 the eye, ear and related structures |
s210 | 眼窩の構造 structure of eye socket |
s220 | 眼球の構造 structure of eyeball |
s230 | 目の周囲の構造 structures around eye |
s240 | 外耳の構造 structure of external ear |
s250 | 中耳の構造 structure of middle ear |
s260 | 内耳の構造 structure of inner ear |
s298 | その他の特定の,目・耳および関連部位の構造 eye, ear and related structures, other specified |
s299 | 詳細不明の,目・耳および関連部位の構造 eye, ear and related structures, unspecified |
第3章 | 音声と発話に関わる構造 structures involved in voice and speech |
s310 | 鼻の構造 structure of nose |
s320 | 口の構造 structure of mouth |
s330 | 咽頭の構造 structure of pharynx |
s340 | 喉頭の構造 structure of larynx |
s398 | その他の特定の,音声と発話に関わる構造 structures involved in voice and speech, other specified |
s399 | 詳細不明の,音声と発話に関わる構造 structures involved in voice and speech, unspecified |
第4章 | 心血管系・免疫系・呼吸器系の構造 structures of the cardiovascular, immunological and respiratory systems |
s410 | 心血管系の構造 structure of cardiovascular system |
s420 | 免疫系の構造 structure of immune system |
s430 | 呼吸器系の構造 structure of respiratory system |
s498 | その他の特定の,心血管系・免疫系・呼吸器系の構造 structures of the cardiovascular, immunological and respiratory systems, other specified |
s499 | 詳細不明の,心血管系・免疫系・呼吸器系の構造 structures of the cardiovascular, immunological and respiratory systems, unspecified |
第5章 | 消化器系・代謝系・内分泌系に関連した構造 structures related to the digestive, metabolic and endocrine systems |
s510 | 唾液腺の構造 structure of salivary glands |
s520 | 食道の構造 structure of oesophagus |
s530 | 胃の構造 structure of stomach |
s540 | 腸の構造 structure of intestine |
s550 | 膵臓の構造 structure of pancreas |
s560 | 肝臓の構造 structure of liver |
s570 | 胆嚢と胆管の構造 structure of gall bladder and ducts |
s580 | 内分泌腺の構造 structure of endocrine glands |
s598 | その他の特定の,消化器系・代謝系・内分泌系に関連した構造 structures related to the digestive, metabolic and endocrine systems, other specified |
s599 | 詳細不明の,消化器系・代謝系・内分泌系に関連した構造 structures related to the digestive, metabolic and endocrine systems, unspecified |
第6章 | 尿路性器系および生殖系に関連した構造 structures related to the genitourinary and reproductive systems |
s610 | 尿路系の構造 structure of urinary system |
s620 | 骨盤底の構造 structure of pelvic floor |
s630 | 生殖系の構造 structure of reproductive system |
s698 | その他の特定の,尿路性器系および生殖系に関連した構造 structures related to the genitourinary and reproductive systems, other specified |
s699 | 詳細不明の,尿路性器系および生殖系に関連した構造 structures related to the genitourinary and reproductive systems, unspecified |
第7章 | 運動に関連した構造 structures related to movement |
s710 | 頭頸部の構造 structure of head and neck region |
s720 | 肩部の構造 structure of shoulder region |
s730 | 上肢の構造 structure of upper extremity |
s740 | 骨盤部の構造 structure of pelvic region |
s750 | 下肢の構造 structure of lower extremity |
s760 | 体幹の構造 structure of trunk |
s770 | 運動に関連したその他の筋骨格構造 additional musculoskeletal structures related to movement |
s798 | その他の特定の,運動に関連した構造 structures related to movement, other specified |
s799 | 詳細不明の,運動に関連した構造 structures related to movement, unspecified |
第8章 | 皮膚および関連部位の構造 skin and related structures |
s810 | 皮膚の各部の構造 structure of areas of skin |
s820 | 皮膚の腺の構造 structure of skin glands |
s830 | 爪の構造 structure of nails |
s840 | 毛の構造 structure of hair |
s898 | その他の特定の,皮膚および関連部位の構造 skin and related structures, other specified |
s899 | 詳細不明の,皮膚および関連部位の構造 skin and related structures, unspecified |
活動と参加 activities and participation
第1章 | 学習と知識の応用 learning and applying knowledge |
d110 | 注意して視ること watching |
d115 | 注意して聞くこと listening |
d120 | その他の目的のある感覚 other purposeful sensing |
d129 | その他の特定の,および詳細不明の,目的をもった感覚経験 purposeful sensory experiences, other specified and unspecified |
基礎的学習 basic learning(d130-d159)
d130 | 模倣 copying |
d135 | 反復 rehearsing |
d140 | 読むことの学習 learning to read |
d145 | 書くことの学習 learning to write |
d150 | 計算の学習 learning to calculate |
d155 | 技能の習得 acquiring skills |
d159 | その他特定の,および詳細不明の,基礎的学習 basic learning, other specified and unspecified |
知識の応用 applying knowledge(d160-d179)
d160 | 注意を集中すること focusing attention |
d163 | 思考 thinking |
d166 | 読むこと reading |
d170 | 書くこと writing |
d172 | 計算 calculating |
d175 | 問題解決 solving problems |
d177 | 意思決定 making decisions |
d179 | その他の特定の,および詳細不明の,知識の応用 applying knowledge, other specified and unspecified |
d198 | その他の特定の,学習と知識の応用 learning and applying knowledge, other specified |
d199 | 詳細不明の,学習と知識の応用 learning and applying knowledge, unspecified |
第2章 | 一般的な課題と要求 general tasks and demands |
d210 | 単一課題の遂行 undertaking a single task |
d220 | 複数課題の遂行 undertaking multiple tasks |
d230 | 日課の遂行 carrying out daily routine |
d240 | ストレスとその他の心理的要求への対処 handling stress and other psychological demands |
d298 | その他の特定の,一般的な課題と要求 general tasks and demands, other specified |
d299 | 詳細不明の,一般的な課題と要求 general tasks and demands, unspecified |
第3章 | コミュニケーション communication |
コミュニケーションの理解 communicating-receiving(d310-d329)
d310 | 話し言葉の理解 communicating with-receiving-spoken messages |
d315 | 非言語的メッセージの理解 communicating with-receiving-nonverbal messages |
d320 | 公式手話によるメッセージの理解 communicating with-receiving-formal sign language messages |
d325 | 書き言葉によるメッセージの理解 communicating with-receiving-written messages |
d329 | その他の特定の,および詳細不明の,コミュニケーションの理解 communicating-receiving, other specified and unspecified |
コミュニケーションの表出 communicating-producing(d330-d349)
d330 | 話すこと speaking |
d335 | 非言語的メッセージの表出 producing nonverbal messages |
d340 | 公式手話によるメッセージの表出 producing messages in formal sign language |
d345 | 書き言葉によるメッセージの表出 writing messages |
d349 | その他の特定の,および詳細不明の,コミュニケーションの表出 communication-producing, other specified and unspecified |
会話並びにコミュニケーション用具および技法の利用 conversation and use of communication devices and techniques(d350-d369)
d350 | 会話 conversation |
d355 | ディスカッション discussion |
d360 | コミュニケーション用具および技法の利用 using communication devices and techniques |
d369 | その他の特定の,および詳細不明の,会話とコミュニケーション用具および技法の利用 conversation and use of communication devices and techniques, other specified and unspecified |
d398 | その他の特定のコミュニケーション communication, other specified |
d399 | 詳細不明のコミュニケーション communication, unspecified |
第4章 | 運動・移動 mobility 姿勢の変換と保持 changing and maintaining body position(d410-d429) |
d410 | 基本的な姿勢の変換 changing basic body position |
d415 | 姿勢の保持 maintaining a body position |
d420 | 乗り移り(移乗) transferring oneself |
d429 | その他の特定の,および詳細不明の,姿勢の変換と保持 changing and maintaining body position, other specified and unspecified |
物の運搬・移動・操作 carrying, moving and handling objects(d430-d449)
d430 | 持ち上げることと運ぶこと lifting and carrying objects |
d435 | 下肢を使って物を動かすこと moving objects with lower extremities |
d440 | 細かな手の使用 fine hand use |
d445 | 手と腕の使用 hand and arm use |
d449 | その他の特定の,および詳細不明の,物の運搬・移動・操作 carrying, moving and handling objects, other specified and unspecified |
歩行と移動 walking and moving(d450-d469)
d450 | 歩行 walking |
d455 | 移動 moving around |
d460 | さまざまな場所での移動 moving around in different locations |
d465 | 用具を用いての移動 moving around using equipment |
d469 | その他の特定の,および詳細不明の,歩行と移動 walking and moving, other specified and unspecified |
交通機関や手段を利用しての移動 moving around using transportation(d470-d489)
d470 | 交通機関や手段の利用 using transportation |
d475 | 運転や操作 driving |
d480 | 交通手段として動物に乗ること riding animals for transportation |
d489 | その他の特定の,および詳細不明の,交通機関や手段を利用しての移動 moving around using transportation, other specified and unspecified |
d498 | その他の特定の運動・移動 mobility, other specified |
d499 | 詳細不明の運動・移動 mobility, unspecified |
第5章 | セルフケア self-care |
d510 | 自分の身体を洗うこと washing oneself |
d520 | 身体各部の手入れ caring for body parts |
d530 | 排泄 toileting |
d540 | 更衣 dressing |
d550 | 食べること eating |
d560 | 飲むこと drinking |
d570 | 健康に注意すること looking after one's health |
d598 | その他の特定のセルフケア self-care, other specified |
d599 | 詳細不明のセルフケア self-care, unspecified |
第6章 | 家庭生活 domestic life 必需品の入手 acquisition of necessities(d610-d629) |
d610 | 住居の入手 acquiring a place to live |
d620 | 物品とサービスの入手 acquisition of goods and services |
d629 | その他の特定の,および詳細不明の,必需品の入手 acquisition of necessities, other specified and unspecified |
家事 household tasks(d630-d649)
d630 | 調理 preparing meals |
d640 | 調理以外の家事 doing housework |
d649 | その他の特定の,および詳細不明の,家事 household tasks, other specified and unspecified |
家庭用品の管理および他者への援助 caring for household objects and assisting others(d650-d669)
d650 | 家庭用品の管理 caring for household objects |
d660 | 他者への援助 assisting others |
d669 | その他の特定の,および詳細不明の,家庭用品の手入れと他者への援助 caring for household objects and assisting others, other specified and unspecified |
d698 | その他の特定の家庭生活 domestic life, other specified |
d699 | 詳細不明の家庭生活 domestic life, unspecified |
第7章 | 対人関係 interpersonal interactions and relationships |
一般的な対人関係 general interpersonal interactions(d710-d729)
d710 | 基本的な対人関係 basic interpersonal interactions |
d720 | 複雑な対人関係 complex interpersonal interactions |
d729 | その他の特定の,および詳細不明の,一般的な対人関係 general interpersonal interactions, other specified and unspecified |
特別な対人関係 particular interpersonal relationships(d730-d779)
d730 | よく知らない人との関係 relating with strangers |
d740 | 公的な関係 formal relationships |
d750 | 非公式な社会的関係 informal social relationships |
d760 | 家族関係 family relationships |
d770 | 親密な関係 intimate relationships |
d779 | その他の特定の,および詳細不明の,特別な対人関係 particular interpersonal relationships, other specified and unspecified |
d798 | その他の特定の対人関係 interpersonal interactions and relationships, other specified |
d799 | 詳細不明の対人関係 interpersonal interactions and relationships, unspecified |
第8章 | 主要な生活領域 major life areas |
教育 education(d810-d839)
d810 | 非公式な教育 informal education |
d815 | 就学前教育 preschool education |
d820 | 学校教育 school education |
d825 | 職業訓練 vocational training |
d830 | 高等教育 higher education |
d839 | その他の特定の,および詳細不明の,教育 education, other specified and unspecified |
仕事と雇用 work and employment(d840-d859)
d840 | 見習研修(職業準備) apprenticeship (work preparation) |
d845 | 仕事の獲得・維持・終了 acquiring, keeping and terminating a job |
d850 | 報酬を伴う仕事 remunerative employment |
d855 | 無報酬の仕事 non-remunerative employment |
d859 | その他の特定の,および詳細不明の,仕事と雇用 work and employment, other specified and unspecified |
経済生活 economic life(d860-d879)
d860 | 基本的な経済的取引き basic economic transactions |
d865 | 複雑な経済的取引き complex economic transactions |
d870 | 経済的自給 economic self-sufficiency |
d879 | その他の特定の,および詳細不明の,経済生活 economic life, other specified and unspecified |
d898 | その他の特定の主要な生活領域 major life areas, other specified |
d899 | 詳細不明の主要な生活領域 major life areas, unspecified |
第9章 | コミュニティライフ・社会生活・市民生活 community, social and civic life |
d910 | コミュニティライフ community life |
d920 | レクリエーションとレジャー recreation and leisure |
d930 | 宗教とスピリチュアリティ religion and spirituality |
d940 | 人権 human rights |
d950 | 政治活動と市民権 political life and citizenship |
d998 | その他の特定の,コミュニティライフ・社会生活・市民生活 community, social and civic life, other specified |
d999 | 詳細不明の,コミュニティライフ・社会生活・市民生活 community, social and civic life, unspecified |
環境因子 environmental factors
第1章 | 生産品と用具 products and technology |
e110 | 個人消費用の生産品や物質 products or substances for personal consumption |
e115 | 日常生活における個人用の生産品と用具 products and technology for personal use in daily living |
e120 | 個人的な屋内外の移動と交通のための生産品と用具 products and technology for personal indoor and outdoor mobility and transportation |
e125 | コミュニケーション用の生産品と用具 products and technology for communication |
e130 | 教育用の生産品と用具 products and technology for education |
e135 | 仕事用の生産品と用具 products and technology for employment |
e140 | 文化・レクリエーション・スポーツ用の生産品と用具 products and technology for culture, recreation and sport |
e145 | 宗教とスピリチュアリティ儀式用の生産品と用具 products and technology for the practice of religion and spirituality |
e150 | 公共の建物の設計・建設用の生産品と用具 design, construction and building products and technology of buildings for public use |
e155 | 私用の建物の設計・建設用の生産品と用具 design, construction and building products and technology of buildings for private use |
e160 | 土地開発関連の生産品と用具 products and technology of land development |
e165 | 資産 assets |
e198 | その他の特定の,生産品と用具 products and technology, other specified |
e199 | 詳細不明の,生産品と用具 products and technology, unspecified |
第2章 | 自然環境と人間がもたらした環境変化 natural environment and human-made changes to environment |
e210 | 自然地理 physical geography |
e215 | 人口・住民 population |
e220 | 植物相と動物相 flora and fauna |
e225 | 気候 climate |
e230 | 自然災害 natural events |
e235 | 人的災害 human-caused events |
e240 | 光 light |
e245 | 時間的変化 time-related changes |
e250 | 音 sound |
e255 | 振動 vibration |
e260 | 空気の質 air quality |
e298 | その他の特定の,自然環境と人間がもたらした環境変化 natural environment and human-made changes to environment, other specified |
e299 | 詳細不明の,自然環境と人間がもたらした環境変化 natural environment and human-made changes to environment, unspecified |
第3章 | 支援と関係 support and relationships |
e310 | 家族 immediate family |
e315 | 親族 extended family |
e320 | 友人 friends |
e325 | 知人・仲間・同僚・隣人・コミュニティの成員 acquaintances, peers, colleagues, neighbours and community members |
e330 | 権限をもつ立場にある人々 people in positions of authority |
e335 | 下位の立場にある人々 people in subordinate positions |
e340 | 対人サービス提供者 personal care providers and personal assistants |
e345 | よく知らない人 strangers |
e350 | 家畜・家禽など domesticated animals |
e355 | 保健の専門職 health professionals |
e360 | その他の専門職 health-related professionals |
e398 | その他の特定の,支援と関係 support and relationships, other specified |
e399 | 詳細不明の,支援と関係 support and relationships, unspecified |
第4章 | 態度 attitudes |
e410 | 家族の態度 individual attitudes of immediate family members |
e415 | 親族の態度 individual attitudes of extended family members |
e420 | 友人の態度 individual attitudes of friends |
e425 | 知人・仲間・同僚・隣人・コミュニティの成員の態度 individual attitudes of acquaintances, peers, colleagues, neighbours and community members |
e430 | 権限をもつ立場にある人々の態度 individual attitudes of people in positions of authority |
e435 | 下位の立場にある人々の態度 individual attitudes of people in subordinate positions |
e440 | 対人サービス提供者の態度 individual attitudes of personal care providers and personal assistants |
e445 | よく知らない人の態度 individual attitudes of strangers |
e450 | 保健の専門職者の態度 individual attitudes of health professionals |
e455 | その他の専門職者の態度 individual attitudes of health-related professionals |
e460 | 社会的態度 societal attitudes |
e465 | 社会的規範・慣行・イデオロギー social norms, practices and ideologies |
e498 | その他の特定の態度 attitudes, other specified |
e499 | 詳細不明の態度 attitudes, unspecified |
第5章 | サービス・制度・政策 services, systems and policies |
e510 | 消費財生産のためのサービス・制度・政策 services, systems and policies for the production of consumer goods |
e515 | 建築・建設に関連するサービス・制度・政策 architecture and construction services, systems and policies |
e520 | 土地計画に関連するサービス・制度・政策 open space planning services, systems and policies |
e525 | 住宅供給サービス・制度・政策 housing services, systems and policies |
e530 | 公共事業サービス・制度・政策 utilities services, systems and policies |
e535 | コミュニケーションサービス・制度・政策 communication services, systems and policies |
e540 | 交通サービス・制度・政策 transportation services, systems and policies |
e545 | 市民保護サービス・制度・政策 civil protection services, systems and policies |
e550 | 司法サービス・制度・政策 legal services, systems and policies |
e555 | 団体と組織に関するサービス・制度・政策 associations and organizational services, systems and policies |
e560 | メディアサービス・制度・政策 media services, systems and policies |
e565 | 経済に関するサービス・制度・政策 economic services, systems and policies |
e570 | 社会保障サービス・制度・政策 social security services, systems and policies |
e575 | 一般的な社会的支援サービス・制度・政策 general social support services, systems and policies |
e580 | 保健サービス・制度・政策 health services, systems and policies |
e585 | 教育と訓練のサービス・制度・政策 education and training services, systems and policies |
e590 | 労働と雇用のサービス・制度・政策 labour and employment services, systems and policies |
e595 | 政治的サービス・制度・政策 political services, systems and policies |
e598 | その他の特定の,サービス・制度・政策 services, systems and policies, other specified |
e599 | 詳細不明の,サービス・制度・政策 services, systems and policies, unspecified |