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平成14年7月23日

塩酸チクロピジン製剤による重大な副作用の防止について
(緊急安全性情報)


1.製品の概要

一般名: 塩酸チクロピジン
販売名: パナルジン錠、同細粒10%(昭和56年6月承認、同年9月販売開始)他(別紙参照)
製造・販売:  第一製薬株式会社 他19社(別紙参照)
販売実績: 年間約500億円
推定使用患者数: 年間約100万人

2.経緯

(1)塩酸チクロピジンは、虚血性脳血管障害などに伴う血栓・塞栓の治療や慢性動脈閉塞症に伴う症状の改善等に使用されている抗血小板剤であり、海外では米国、欧州各国等90ヶ国以上で販売されている。

(2)塩酸チクロピジンについては、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、無顆粒球症、および重篤な肝障害という重大な副作用が発現することが知られている。このため、これら副作用の早期発見、未然防止のため、医療関係者への情報提供の徹底に努めてきた。

  すなわち、使用上の注意の改訂、警告欄の設置、「医薬品副作用情報」(旧厚生省発行)への記事掲載などを行ってきており、最近では、平成11年6月には「緊急安全性情報」を発出、平成13年2月には、改めて使用上の注意の改訂が行われている。
   
  特に、これらの重い副作用はその約9割が投与開始後2月以内に発現しており、本医薬品投与開始2ヶ月間、2週に1回の定期的検査(血液、肝機能)を行うことで、これら副作用の早期発見、重篤化の防止が可能である。したがって、前述の情報提供にあたっては、この点について医療関係者への注意喚起が図られてきた。

(3)しかしながら、平成11年7月以降、これらの副作用報告数は明確には減少しておらず、平成13年7月から14年6月までに血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)13例(うち死亡5例)、顆粒球減少(無顆粒球症を含む)35例(うち死亡6例)、重篤な肝障害97例(うち死亡6例)の報告が企業から厚生労働省に対してなされている。
  このことから、今般、使用上の注意(警告欄を含む)の改訂及び「緊急安全性情報」の医療機関への配布を企業に対し指示し、投与開始後2ヶ月の間、2週に1回の検査実施が一層徹底されるように周知を図ることとした。

3.対応

(1)厚生労働省

第一製薬株式会社他塩酸チクロピジン製造業者に対し、使用上の注意(警告欄も含む)の改訂、「緊急安全性情報」の作成及び医療機関等への配布を指示した。
(2)塩酸チクロピジン製造業者
(1)「緊急安全性情報」を配布し、以下の使用上の注意の改訂内容を医療機関等に対して、速やかに伝達する。
(2)使用上の注意の改訂内容
ア)  投与開始後2ヶ月間は、原則として1回2週間分を処方すること。(「警告」に追加。)
イ)  投与開始後2ヶ月間は、原則として1回2週間分を処方すること。〔本剤による重大な副作用を回避するため、患者を来院させ、定期的な血液検査を実施する必要がある。〕(「警告」の項参照)
(「用法・用量に関連する使用上の注意」に追加)
(3)本剤の投与開始2か月間の2週に1回の定期的検査の徹底が図られるよう継続的な情報提供を行う。


【参考:製薬企業照会先】
第一製薬株式会社広報室
電話:03-3273-7107(担当:織田、小松崎)

(照会先)
医薬局安全対策課
稲生、伏見
TEL(03)5253-1111
内線2750,2755

別  紙
製 品 名(50音順)
企 業 名
イパラジン錠 マルコ製薬株式会社
ジルペンダー錠 日新製薬株式会社(山形)
ソーパー100mg錠 日本薬品工業株式会社
ソロゾリン錠 小林化工株式会社
チクピロン細粒 沢井製薬株式会社
チクピロン錠 メディサ新薬株式会社
ニチステート錠、同細粒10% 日本医薬品工業株式会社
ネオピジン錠 オリエンタル薬品工業株式会社
パチュナ錠 東和薬品株式会社
パナピジン錠 日本ヘキサル株式会社
パラクロジン錠 株式会社三和化学研究所
ピエテネール錠 株式会社陽進堂
ピクロジン錠 太田製薬株式会社
ピクロナジン錠 大洋薬品工業株式会社
ヒシミドン錠 菱山製薬株式会社
ビーチロン錠 辰巳化学株式会社
ファルロジン錠 東洋ファルマー株式会社
プロパコール錠 日清キョーリン製薬株式会社
マイトジン錠 鶴原製薬株式会社


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