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平成14年7月 2 日
厚生労働省
農林水産省

第2回「食品の表示制度に関する懇談会」の議事概要について

 消費者等関係者の方々からのご意見を今後の食品表示制度のあり方の検討に反映させるため、第2回「食品の表示制度に関する懇談会」を開催しました。
 以下のとおり、議事概要をとりまとめましたので、お知らせします。
 なお、議事録についてはとりまとめ次第、ホームページで公表いたします。

1.日時 平成14年6月28日(金)09:00〜12:30

2.場所 農林水産省共用会議室D
(東京都千代田区霞が関1−3−2郵政事業庁舎2階)

3. 議事概要
別添参照
4. 今後のスケジュール
・第3回懇談会 7月 4日(木)
・第4回懇談会 7月12日(金)
・第5回懇談会 7月30日(火)


【照会先】
厚生労働省食品保健部企画課
中田 TEL:03-5253-1111(内)2452
   TEL:03-3595-2326(夜間直通)
農林水産省総合食料局品質課
金山 TEL:03-3502-8111(内)3399
   TEL:03-3502-2319(夜間直通)


別添

第2回食品の表示制度に関する懇談会の概要について<速報版>
(平成14年6月28日)

1.委員の出欠
委員20名中17名が出席された。
※欠席者・・・中村(祐)委員、日和佐委員、丸井委員

2.資料説明
資料3
 食品の表示制度に関する懇談会意見
 (第1回意見及び意見ペーパーによる意見の整理)

資料説明の後、意見交換等が行われた。主な意見は次のとおりである。

(I 表示の目的等)
 ○ 食品は安全が第一である。表示項目は多いが目的が不明なものもあり、全て書くより問い合わせ先があればよい。アレルギー表示は限られた人に向けたもので問い合わせれば済むので必要ないのではないか。
 ○ 安全と品質は無理に分けられない。食品添加物も安全だけではなく、産地も単なる品質ではない。
 ○ 消費者は日本のものなら安全と思っていたが、その信頼が失われた。消費者のニーズを考えれば、最低限何を書くかを決めることが重要。
 ○ 消費者の商品選択の権利を行使するために表示が重要。規制緩和の流れだが政府は情報提供の義務がある。いい加減な表示がまかり通ると企業は価格や品質競争をしない。公正な競争のためにも表示は必要。分かりやすい表示による情報提供は消費者の権利である。
 ○ 香料の表示でわかったが、法律を守ることと消費者にわかりやすいことは同義ではない。安全に関わるものは文字で表示し、より知りたい人は例えばバーコードでの表示で対応というのも考えられるのではないか。
 ○ 表示をシンプルにすると問い合わせが増える。一方、もっと書いてくれという要望もある。書けば書くほど小さい、読みにくいという苦情が来る。表示は、矛盾の固まりである。その時、その時で最適の解を求めていくしかない。
 ○ 表示の目的には、取り締まりの容易さというのもある。表示が選択に資するか安全かでは、選択にシフトしていっている。消費者の選択と使用方法に分けられる。さらに選択には2段階あり、購入する段階の選択、家庭で取り出したときの選択がある。これで分けてもいいのでは。
 ○ 書いてないものは理解できないので書くべきである。文字が無理ならマークででも表示すべきである。
 ○ 表示の目的は、避けたいものを選ぶことと欲しいものを選ぶこと。最低限避けられるものを書くべきで、アレルギー等の一部の人に負担をかけるべきではない。問い合わせしないと分からない表示ではいけない。
 ○ 表示の目的は、消費者が納得して選択できること、品質の証明、責任の所在の明確化の3つ。
 ○ 法律にはそれぞれの目的があり、行政目的を無視して表示の目的を考えることでよいのか。他の課題にも影響する。
 ○ 表示の目的は、消費者の選ぶ権利が一番の基本である。消費者は自分で防止できないもの、例えば添加物や農薬などには不安を持つ。どこまで表示させるか、必要不可欠なものは何かを議論のポイントとしたい。

(II 表示項目等)
 ○ 消費者は多様であり、表示項目はどんどん増える。義務表示と任意表示に分けて考えるべき。カロリー表示にも多くのニーズがある。ニーズの多いものはメーカーに依頼する。
 ○ 現行の食品表示制度は、法律、省庁がバラバラであり問題。わかりやすくするための行政のシステム作りが必要。表示の目的は消費者の選択に資することが第一であるが、事業者にとっても対応しやすいことが重要。義務表示は限定すべき。アレルギーについて全部書くのは大変。品質表示の義務づけについても特に重要なものに限定すべきである。また、各省で連携し、現場への指導、窓口の一元化も必要。
 ○ 任意表示は、企業・業界のセールスポイントであり、コストをかけても宣伝したいもの。任意表示の方が消費者にとってインパクトが強いので任意表示にもルールが必要。
 ○ 安全と品質は別に考える必要があるのではないか。安全は定義できるが品質は人によって異なる。安全の多くは検証できる。検証できるできないで区別すべき。
 ○ 検証できないものは義務表示には向かない。検証するのに人がたくさん必要というのは問題。各省連携することが重要。
 ○ 最近の偽装事件の多くは原産地表示から起因。検証のしようがない、出荷者の良心に頼るしかないところから出ている。検証技術が向上すれば立入検査やサンプリングが可能となる。トレーサビリティーができれば、出荷者のごまかしがきかなくなる。
 ○ 任意表示においては、景表法の果たす役割が大きい。表示していない不作為を景表法で不当表示にできないか。
 ○ 消費者が混乱しているのは期限表示である。
 ○ 重複事項の整理、統一はまずやるべき。

(III 表示違反の監視及び是正のための措置)
 ○ 監視員の増員は必要だが限界。第三者機関が認証する有機農産物のようなしくみが必要。
 ○ 品質表示の事項は以前は少なかったのが急に拡大して、さらに全品目となった。どこがまずかったかを考えることが必要。
 ○ 表示の目的、表示項目と監視の話は性格が全く異なる。違反した場合の制裁を重くして抑止力を付ける、第三者認証などにより良い事業者が残る仕組みが必要。
 ○ 第三者による認証まで行く企業は少数ではないか。
 ○ チェック機構については、最終段階でチェックすることは大変。生産から各段階でチェックしたトータルが表示に現れるのが良い。食品衛生監視員は安全性を監視しているが法定監視回数すら十分ではなく、その上さらに品質をチェックさせるのには無理がある。
 ○ 企業の自主努力では、企業トップの認識が重要。企業行動規範はトップの上にあることを認識することが重要。優良誤認については、ガイドラインが必要である。行政改革の流れの中で人員の有効活用を行っていくことが必要。

(IV 情報提供等)
 ○ メーカーのモラルが問われており、違反事例は公表することが重要。
 ○ テレビの影響力がきわめて大きい。マスコミの情報の質が問題。
 ○ 消費者がそれぞれ学習して監視していくことが必要。
 ○ 企業規範をどうやって仕事に落としていくか、HACCP、ISO取得工場でも問題を起こす。企業の向上と消費者の認識のスピードに差がある。
 ○ 行政による消費者への情報提供には、消費者に直接行うものと、消費者団体支援の2つがあり、両方必要。
 ○ 衛生行政では食中毒等の事故が起きた際には県がすべて公表している。行政からの情報提供は昔から見ると随分進んでおり、現在の情報を十分利用した上で、その上で何が必要かを論じるべき。
 ○ 行政からの情報は増えているがその出し方に工夫が足りない。また、地方では情報が不足している。表示については、小学校高学年ぐらいなら理解できる程度の工夫が必要。予備知識がなければ理解できないというのでは問題。双方向の意思疎通、いわゆるコミュニケーションが重要。また、パンフレットを役場や郵便局等全く無関係の公的機関に置くことも必要。
 ○ 消費者は、製造年月日を知りたがっているのではないか。
 ○ 行政からの情報提供については十分だが、Q&Aの送付などが遅れがちで、国際ルールとの整合が問題。

(V 法律及び組織)
 ○ 食品表示法で義務表示を一括化すべき。基本部分は基本法に書く。イギリスが参考になるのではないか。
 ○ 一本化するとわかりやすい。
 ○ 重なっているもの、異なった表現は一本にすることが必要。監視は別々でよいが、表示項目や窓口は一本化してほしい。
 ○ 食品業者のモラルが落ちているのは、異業種参入も原因ではないか。スローフードの考え方が重要。
 ○ 食品衛生法とJAS法はオーバーラップしてきている。景表法は難しいが、栄養改善法まで一元化あるいは運用の共通化を図るべき。任意表示については、特定の項目を記載する場合に、併せてその表示方法のルールがあるものと、全く自由なものとに分けられる。
 ○ 食品衛生には安全性のみではなく、健全性と有益性を加味すべき。その観点からは一元化という考え方もわかるが、監視体制を考えると単純な一元化に現実味があるのか。わかりにくい項目をやさしくすることは大事であり、十分整理することが必要。
 ○ 完全な一元化は実現不可能だが、JAS法と食品衛生法は思い切って一本化すべきではないか。
 ○ 重複表示のところをきちんと整理すれば一元化と同様の効果があるのではないか。いずれにせよわかりやすさが大事である。
 ○ 遺伝子組み換え食品については、両省で対応しているがそれぞれ観点が異なる。農水省は、生産性、厚労省は安全性。一つの行政機関が行うと安全性と生産性が混在して、どちらも曖昧になる可能性がある。
 ○ 表示事項を整理して、その上で十分対応できるかを検討することが先決。法律の一元化は、組織の一元化、監視の一元化につながる。食品行政の一元化が、国民、消費者の利益になるのか。整合性は当然必要。内閣府が食品表示法を所管して、そこで監視体制等すべての体制を作るのは無理。組織を一元化したからといって、一つの窓口で全て答えられるようになる訳ではない。基本法を作ってその下に各省が入るというのが現実的ではないか。
 ○ この法律の一元化の問題が一番重い課題。
 ○ 表示項目を整合化する必要があり、そのための仕組み作りが必要。
 ○ 表示項目が整合化されるシステムを作ってほしい。国際化への対応も重要。
 ○ 各省の法律の上に立つような新しい法律を作ることが重要。表示に必要な項目を先に整理し、役割分担を行う。
 ○ 現状の表示制度の不便さ、わかりにくさから一元化、一本化という言葉を使ってきた。しかし、どうやって一元化の道筋を考えるかには迷いがある。用語の整理は今でもできるはずなのでやるべき。食品安全基本法で方向性と基本的な項目を書き、その他はもう少し時間をかけないと何が消費者にとって最善かはわからない。私どもは製造年月日を残すべきと考えていたが、農水省の通達によって企業は書かなくなった。
 座長から次回は行政側から今回の議論を踏まえた対応、問題点をまとめた資料を提出してもらい、とりまとめに向けての議論を行うとの発言があった。


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