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平成14年6月14日

日本メドトロニック社の医療用具(ブタ生体弁)に対する回収等命令について

1.概要

 日本メドトロニック社が、平成14年5月7日付け薬事法第69条第1項及び第3項に基づく報告命令を受けて同月28日に提出した回答書により、同社がこれまで輸入販売したブタ生体弁(製品名:フリースタイル生体弁)の一部について、輸入承認における規格に不適合(薬事法第65条第1項違反)であったことが判明した。現在、厚生労働省からの指示に基づき、同社が自主回収等を進めているところではあるが、下記理由により、より厳密に措置実施を求めるべく、薬事法第70条第1項の規定に基づく回収等命令を発出した。

2.理由

 本件については、現に健康被害が発生しているものではないが、上記報告命令を受けて提出された回答書等より、承認規格に対する不適合以外にも以下の事実が判明し、同社の自主的対応では不十分であると判断したため、上記命令を行ったものである。
 承認書に規定された内容と実際の製造方法との間に相違が認められた。
 (ただし相違による製品の品質に対する影響は認められないとの報告があった。
 当初、細胞医療用具に対する規制が完全施行となった平成13年10月以降の輸入は自主的に停止しているとの説明であったが、実際は輸入販売が行われていた。
 なお,承認規格への不適合は,米国における承認規格と我が国における承認規格との相違が原因で発生したものであり,これによる健康被害の発生の可能性は低く、また、これに起因する健康被害発生の報告はないため,緊急的な措置としての回収等命令を発出する必要はないと判断し、不利益処分に係る行政手続法(平成5年法律第88号)の規定に基づく弁明の機会の付与の上回収等命令をおこなったものである。

3.対象製品

 これまでに輸入販売した下記製品のうち、輸入承認における規格に適合しないもの(輸入承認に規定された有効弁口面積の規格に対し適合していなかった。)。ただし、これらの製品を納入した医療機関の医師が真にやむを得ない事情があると判断して使用を希望する製品であって、その旨を個別に文書により確認できたものは除く。

「フリースタイル生体弁」(承認番号:20900BZY00908000)

4.回収等命令の内容

 上記2に掲げる製品を取り扱ったすべての販売業者、医療機関等に対し情報提供を行うとともに、当該製品のすべての回収を平成14年7月12日までに終了させること。
 上記2に掲げる製品が使用されたすべての患者について、不具合症状の発生の有無の調査を行うとともに、今後の十分なフォローアップを行うこと。

(照会先)
厚生労働省医薬局
監視指導・麻薬対策課 山本(内線2765)、坂口(内線2766)



厚生労働省発医薬第0614083号

命令書

日本メドトロニック株式会社
 代表取締役社長 工藤 浩
神奈川県川崎市幸区堀川町580番地
ソリッドスクエア西館6階

 薬事法(昭和35年法律第145号)第70条第1項の規定に基づき、下記の措置を採ることを命ずる。
 なお、本命令に違反した場合は、同法第87条第1項第9号の規定により罰金に処されることがある。

理由
 平成14年5月7日付けの報告命令書(厚生労働省発医薬第0507001号)に対する同年5月28日付けの報告書により、貴社は、薬事法第65条第1号の規定に該当する医療用具を輸入販売していたことが確認されたため。

教示
 この処分に不服があるときは、この命令書を受け取った日の翌日から起算して60日以内に、厚生労働大臣に異議申立てをすることができる。

1. 措置すべき対象の製品
 これまでに輸入販売した下記製品のうち、輸入承認における規格に適合しないもの。ただし、これらの製品を納入した医療機関の医師が真にやむを得ない事情があると判断して使用を希望する製品であって、その旨を個別に文書により確認できたものは除く。
フリースタイル生体弁 (承認番号:20900BZY00908000)
2. 採るべき措置の内容
1に掲げる製品を取り扱ったすべての販売業者、医療機関等に対し情報提供を行うとともに、直ちに当該製品のすべての回収を開始し、平成14年7月12日までに終了させること。
1に掲げる製品が使用されたすべての患者について、不具合症状発生の有無の調査を行うとともに、今後も十分なフォローアップを行うこと。また、上記回収が終了するまでの間、当該回収及びフォローアップの進捗状況を少なくとも週1回以上当職まで報告すること。

平成14年6月14日

厚生労働大臣 坂口 力


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