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医薬品・医療用具等安全性情報
Pharmaceuticals and Medical Devices
Safety Information No.177

目   次

  1. 医薬品による重篤な皮膚障害について
  2. アジスロマイシン水和物とスティーブンス・ジョンソン症候群,中毒性表皮壊死症及びショックについて
  3. 重要な副作用等に関する情報
    1 サラゾスルファピリジン
    2 芍薬甘草湯
    3 フェニトイン,フェニトインナトリウム,フェニトイン・フェノバルビタール,フェニトイン・フェノバルビタール・安息香酸ナトリウムカフェイン
    4 ミダゾラム
  4. 使用上の注意の改訂について(その135)
    サニルブジン他(13件)


     この医薬品・医療用具等安全性情報は,厚生労働省において収集された副作用情報をもとに,医薬品・医療用具等のより安全な使用に役立てていただくために,医療関係者に対して情報提供されるものです。

    平成14年(2002年)5月
    厚生労働省医薬局


    【情報の概要】

    No. 医薬品等 対策 情報の概要
    1 重篤な皮膚障害    医薬品の副作用としてスティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群),中毒性表皮壊死症等の重篤な皮膚障害がある。これらの副作用の発生頻度は極めて低いものの,発症すると予後不良となる場合があり,皮膚症状が軽快した後も眼や呼吸器官などに障害を残すことがある。
     これらの重篤な皮膚障害については,2000年(平成12年)11月発行の「医薬品・医療用具等安全性情報 No.163」において紹介したところであるが,今般,スティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群),中毒性表皮壊死症等について改めて注意を喚起するため,厚生労働省への副作用症例報告等をまとめて紹介する。
    2 アジスロマイシン
    水和物
    使
    症
     アジスロマイシン水和物は,2000年(平成12年)3月に承認されたマクロライド系抗生物質である。
     本剤によるスティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群),中毒性表皮壊死症及びショックについては,海外での市販後の成績に基づき,2000年(平成12年)6月の発売時より「重大な副作用」として使用上の注意に記載し,注意を喚起してきた。
     発売以降,本剤との因果関係を否定できないスティーブンス・ジョンソン症候群21例,中毒性表皮壊死症1例,ショック(アナフィラキシー様症状を含む。)25例が報告されたことから,「重要な基本的注意」の項に本剤投与時の患者への説明等を追記するなど使用上の注意を改訂し,より一層の注意喚起を行うこととした。
    3 サラゾスルファピリジン他(3件) 使
    症
     前々号(医薬品・医療用具等安全性情報No.175)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について,改訂内容,参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。
    4 サニルブジン他(13件)   使用上の注意の改訂について(その135)

    緊:緊急安全性情報の配布 使:使用上の注意の改訂 症:症例の紹介



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    1 医薬品による重篤な皮膚障害について


    1.はじめに

     医薬品の副作用として皮膚障害が発現することは,よく知られているところである。皮膚障害のうち重篤なものとして,スティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群:Stevens-Johnson syndrome(SJS)),中毒性表皮壊死症(toxic epidermal necrolysis:TEN)がある。
     SJS,TENについては,平成12年11月発行の「医薬品・医療用具等安全性情報No.163」において,その病態等の説明とともに,平成9年度から平成11年度までに厚生省(当時)へ報告されたこれらに関する副作用症例報告の状況等を紹介しているところであるが,平成12年度の厚生労働省への副作用症例報告を踏まえ,SJS,TENについて,No.163の内容の再掲の部分もあるが,改めて注意を喚起することとした。

    2.スティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群),中毒性表皮壊死症について


     スティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群:SJS)は,重症型多形滲出性紅斑(erythema exsudativum multiforme major:EEMM)と同義語とされており,これらの皮膚疾患の中で最も重篤とされているのが中毒性表皮壊死症である1)。
     中毒性表皮壊死症(TEN)は,ライエル症候群(Lyell syndrome)とも呼ばれる。なお,類似症状を示す疾患としてブドウ球菌性TEN(staphylococcal scalded skin syndrome:SSSS)や輸血後の移植片対宿主病(graft versus host disease:GVHD)などがある。
     これらの発生頻度は,人口100万人当たり各々年間1〜6人,0.4〜1.2人2,3)と極めて低いものの,発症すると予後不良となる場合があり,皮膚症状が軽快した後も眼や呼吸器官等に障害を残すことがある。
    (1)初期症状と臨床経過
     SJSの初期症状は,発熱,左右対称的に関節背面を中心に紅斑(target lesion等)が出現し,急速に紅斑の数を増し,重症化するにつれ,水疱,びらんを生じ,融合する。眼,口腔粘膜,外陰部などの粘膜疹を伴うことも多く,検査所見では白血球増多,赤沈亢進,CRP陽性などを示す。発熱などの全身症状とともに,多形滲出性紅斑様皮疹(target lesion),広範な粘膜疹が急激に生じることより診断は困難ではない。呼吸器障害(肺炎等)や肝障害等の合併症を来し,その死亡率は6.3%との報告がある4)。
     一方,TENは,発熱や腋窩,外陰部,体幹などに広範囲な紅斑が出現した後,急速に水疱を生じ,水疱は破れやすく(ニコルスキー現象),全身びらん症状を呈する。II度熱傷に似て,疼痛も著明である。検査所見では血液,肝,電解質などに異常を認めることが多い。多臓器障害の合併症(肝障害,腎障害,呼吸器障害,消化器障害等)を来し,死亡率も高く20〜30%とする報告が多い4,5)。
    (2)発症原因と機序
     単純疱疹ウイルス,肺炎マイコプラズマ,細菌,真菌等の種々のウイルスや細菌による感染症,医薬品,食物,内分泌異常,悪性腫瘍,物理的刺激などによって起こるアレルギー性の皮膚反応(III型アレルギー)と考えられている。医薬品が原因となる場合が多いとされており,文献によるとSJSの59%が医薬品が原因と推定されたとする報告4)や,TENでは,90%以上が医薬品が原因と推定されたとの報告もある4,5)。これら皮膚疾患の発症機序の詳細は未だ明確ではなく,また,これら重篤な皮膚疾患の発症を医薬品の投与に先立って予知することは非常に困難である。
    (3)原因医薬品
     原因医薬品は,抗生物質製剤,解熱鎮痛消炎剤,抗てんかん剤,痛風治療剤,サルファ剤,消化性潰瘍用剤,催眠鎮静剤・抗不安剤,精神神経用剤,緑内障治療剤,筋弛緩剤,高血圧治療剤などであり,その他種々の医薬品で発生することが報告されている2,4-7)。
    (4)治療
     医薬品によるSJS,TENに対しては,発熱や発疹等の初期症状を認めた場合,原因と推定される医薬品の投与を直ちに中止することが最も重要で最良の治療法である。しかし,投与を中止してもSJS,TENへと重症化する場合があるので注意が必要である。一般にSJS,TENが発症した場合,副腎皮質ホルモン剤の全身投与,あるいは血漿交換療法,ビタミン類の投与,さらに二次感染予防の目的で抗生物質製剤投与が行われ,皮膚面に対しては外用抗生物質製剤,外用副腎皮質ホルモン製剤が用いられている。粘膜面にはこれらとともに,うがい,洗眼など開口部の処置が行われている6-8)。なお,これらの治療は,皮膚科の入院施設のある病院で行うことが望ましいとされている9,10)。

    3.平成12年度の厚生労働省への副作用症例報告について

     平成12年4月1日から平成13年3月31日の1年間に,薬事法に基づく企業からの企業報告,医療機関から直接厚生労働省へ報告される医薬品等安全性情報報告制度によって報告された副作用症例報告数は27,623件であった。それらのうち副作用がSJSあるいはTENとされた報告は約1.1%の302件であり,そのうち一般用医薬品が被疑薬に含まれている報告は約3%の8件であった。302件の転帰は,約77%の233症例は“軽快”あるいは“回復”とされた症例であり,24症例(約8%)が何らかの後遺症を来し,24症例(約8%)が医薬品が関連した死亡とされた症例であった。残り約7%の21症例については,医薬品以外の原因による死亡,あるいは転帰不明とされた症例であった。これらの数字をNo.163で紹介した平成9年4月1日から平成12年3月31日までの3年間の報告と比較してみると,報告件数,転帰についてはほぼ同様の数字となっている。なお,これらの報告症例については重複症例があること,医薬品との因果関係が明確でない症例も含まれていることにご留意いただきたい。
     被疑薬として報告があった医薬品は134成分であり,報告数の多かった医薬品の品目及び薬効分類を表1と表2に示す。平成9年度から平成11年度までの3年間の報告では259成分であった。また,報告が多かった医薬品について比較すると,アジスロマイシン水和物が平成12年度新たに登場したこと以外は大きな変化はない。アジスロマイシン水和物に関しては「2 アジスロマイシン水和物とスティーブンス・ジョンソン症候群,中毒性表皮壊死症及びショックについて」を参照されたい。なお,報告数順位については,各医薬品の販売量が異なること,また,使用法,使用頻度,併用医薬品,原疾患,合併症等が症例により異なるため,単純に比較することはできないことにご留意いただきたい。

    表1 報告の多い推定原因医薬品
       (医薬品別)

    アロプリノール
    カルバマゼピン
    アジスロマイシン水和物
    ジクロフェナクナトリウム
    ゾニサミド
    サリチルアミド・アセトアミノフェン・無水カフェイン・
    メチレンジサリチル酸プロメタジン
    サラゾスルファピリジン
    塩酸セフカペンピボキシル
    フェニトイン
    レボフロキサシン
    (平成12年4月1日から平成13年3月31日までの症例報告より)
    表2 報告の多い推定原因医薬品
       (薬効分類別)
    抗生物質製剤
    解熱鎮痛消炎剤
    抗てんかん剤
    総合感冒剤
    痛風治療剤
    消化性潰瘍用剤
    合成抗菌剤
    サルファ剤
    高脂血症用剤
    精神神経用剤
    (平成12年4月1日から平成13年3月31日までの症例報告より)

    4.まとめ


     SJS,TENは,その発生頻度は極めて稀ではあるものの,いったん発症すると多臓器障害の合併症等により致命的な転帰をたどることがあったり,皮膚症状が軽快した後も眼や呼吸器官等に障害を残したりするなど,重篤な皮膚疾患である。これらの皮膚障害は,非常に稀とはいえ,個人や医薬品を問わず起こり得る可能性がある。したがって,投与前の問診を十分に行うとともに,薬疹に対しては被疑薬の投与を中止することが最も重要で最良の治療法とされており,医薬品投与後に高熱を伴う発疹等を認めたときは,直ちに被疑薬の投与を中止し,SJS,TENの発症を疑った場合には,皮膚科の専門医を紹介することが必要と思われる。

    〈参考文献〉
    1) Assier, H., et al.:Erythema Multiforme With Mucous Membrane Involvement and Stevens-Johnson Syndrome Are Clinically Different Disorders With Distinct Causes, Arch. Dermatol., 131:539-543(1995)
    2) Roujeau, J-C., et al.:Medication Use and The Risk of Stevens-Johnson Syndrome or Toxic Epidermal Necrolysis, N. Engl. J. Med., 333:1600-1607(1995)
    3) Rzany, B., et al.:Epidemiology of Erythema Exsudativum Multiforme Majus, Stevens-Johnson Syndrome, and Toxic Epidermal Necrolysis in Germany(1990-1992):Structure and Results of a Population Based Registry, J. Clin. Epidemiol., 49:769-773(1996)
    4) 相原道子,池澤善郎:本邦におけるToxic Epidermal Necrolysis(TEN)死亡例の臨床的検討−TEN生存例およびStevens-Johnson syndrome(SJS)死亡例との比較検討−,日皮会誌,109(11):1581-1590(1999)
    5) 南光弘子:本邦におけるToxic Epidermal Necrolysis 126例の臨床的解析−輸血後GVHDとの鑑別は可能か否か−,45:571-578(1991)
    6) 臨床医が書いた薬の重大な副作用がわかる本−患者が気づく副作用症状−,高橋隆一監修,エルゼビア・サイエンス ミクス(1998)
    7) 伊崎誠一:「TEN(中毒性表皮壊死融解症)」,川越クリニカル・カンファレンス,KCCシリーズ,No.39(1998)
    8) 標準皮膚科学 第5版,池田重雄・他編集,医学書院(1997)
    9) 塩原哲夫:診断と治療,87(Suppl):37-41(1999)
    10) 原田昭太郎,他:臨床医薬,17(9):1261-1273(2001)

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    2 アジスロマイシン水和物とスティーブンス・ジョンソン
    症候群,中毒性表皮壊死症及びショックについて

    成分名
    該当販売名
    成分名
    該当販売名
    アジスロマイシン水和物 ジスロマック細粒小児用,同カプセル小児用100mg,同錠250mg,同錠600mg(ファイザー製薬)
    薬効分類等 15員環マクロライド系抗生物質
    効能効果 (細粒,カプセル:小児用)
    アジスロマイシン感性のブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌,モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス,インフルエンザ菌,マイコプラズマ属,クラミジア・ニューモニエによる下記感染症
    ○咽喉頭炎(咽喉膿瘍),急性気管支炎,扁桃炎(扁桃周囲炎,扁桃周囲膿瘍),肺炎,肺化膿症
    ○中耳炎(含,乳様突起炎,錐体尖端炎)
    (錠剤:250mg)
    アジスロマイシン感性のブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌,モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス,インフルエンザ菌,ペプトストレプトコッカス属,マイコプラズマ属,クラミジア・ニューモニエによる下記感染症
    ○せつ,せつ腫症,よう,丹毒,蜂巣炎,リンパ管(節)炎,ひょう疽,化膿性爪囲炎
    ○咽喉頭炎(咽喉膿瘍),急性気管支炎,扁桃炎(扁桃周囲炎,扁桃周囲膿瘍),慢性気管支炎,気管支拡張症(感染時),慢性呼吸器疾患の二次感染,肺炎,肺化膿症
    ○副鼻腔炎
    ○歯周組織炎,歯冠周囲炎,顎炎
    (錠剤:600mg)
    進行したHIV感染者における播種性マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症の発症抑制及び治療

    (1)経緯

     アジスロマイシン水和物は,2000年3月10日に承認されたマクロライド系抗生物質であり,各科領域感染症に対して使用されている。本剤は,組織内半減期が長いことから,1日1回3日間の投与で約7日間薬物濃度が維持されるという特徴がある。海外においては,米国等約70ヵ国で販売されている。
     本剤によるスティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群:SJS),中毒性表皮壊死症(ライエル症候群:TEN),ショックについては海外での市販後の成績に基づき,発売時より「重大な副作用」として「使用上の注意」に記載して注意を喚起してきた。
     発売以降,SJS,TEN,ショック(アナフィラキシー様症状を含む)の症例が報告されたことから,今回,これらの副作用について一層の注意喚起を行うこととした。

    (2)症例の紹介

     アジスロマイシン水和物は2000年6月の販売開始以来,推定約900万人に使用されているとされるが,SJSが21例,TENが1例,ショック(アナフィラキシー様症状を含む)が25例報告されている。患者年齢は10歳未満より80歳代まで分布し男女に偏りはない。SJS,TENについては本剤によると思われる死亡例の報告はなく,ほとんどの症例で投与中止後に軽快,回復が確認されている。また,ショックについては,本剤との関係を完全に排除できない1例の死亡例以外は全て回復している。
     このうち,SJS,TENの症例を見ると,本剤の投与中または投与終了後1週間以内に発現している。
     報告されたスティーブンス・ジョンソン症候群,ショックの症例を表3に紹介する。

    表3 症例の概要
    NO. 患者 1日投与量
    投与期間
    副作用 備考
    性・
    年齢
    使用理由
    (合併症)
    経過及び処置
    1 男
    80代
    急性気管支炎
    (皮膚そう痒症,高血圧症,胃炎,じん肺)
    500mg
    2日間
    スティーブンス・ジョンソン症候群
    約19年前 : この頃からじん肺を発症。
    投与開始日 : 急性気管支炎のため,本剤500mgの投与を開始。
    投与2日目
    (投与中止日)
    : 両手指の発赤,腫脹,水疱が生じ,手背,足背,下腿,臀部にも紅斑,水疱が出現。本剤を中止。数日間は自宅で様子をみていた。 
    中止3日後 : 内服中のすべての薬剤を中止。
    中止6日後 : 回復しないため,皮膚科に受診。口唇びらん,口内びらん,手指,手掌,手背,前肢,足背,下腿,臀部に水疱あり,一部にびらんを認めた。入院にて加療。プレドニゾロン30mg内服開始し,局所はグルコン酸クロルヘキシジン消毒後,吉草酸ベタメタゾン・硫酸ゲンタマイシンおよびジメチルイソプロピルアズレン軟膏にて治療。
    中止7日後 : プレドニゾロン30mg投与。
    中止8日後 : プレドニゾロン30mg投与。
    順調に上皮化となった。
    中止9日後 : プレドニゾロン20mg投与。
    中止10日後 : プレドニゾロン20mg投与。
    すべて上皮化となった。
    中止11日後 : プレドニゾロン10mg投与。
    中止12日後 : プレドニゾロン10mg投与。
    回復となり,退院。
    企業報告
    併用薬:塩酸エピナスチン,カンデサルタンシレキセチル,テプレノン,塩酸アンブロキソール

    NO. 患者 1日投与量
    投与期間
    副作用 備考
    性・
    年齢
    使用理由
    (合併症)
    経過及び処置
    2 男
    10歳
    未満
    (幼児)
    咽頭気管支炎
    (なし)
    210mg
    3日間
    スティーブンス・ジョンソン症候群
    投与開始日 : 他院にて咽頭気管支炎のため本剤細粒小児用210mg3日間の処方を受けた。塩酸プロカテロール,臭化水素酸デキストロメトルファン,マレイン酸クロルフェニラミンを同時に開始。
    終了1日後 : 眼瞼腫脹,口唇腫脹を発現。オフロキサシン点眼,トリアムシノロンアセトニド軟膏,塩酸アンブロキソールを追加投与。
    終了4日後 : 口腔内びらん悪化し,他院に入院。
    終了5日後 : 外陰部びらん出現。アシクロビル,セファゾリンナトリウム,コハク酸プレドニゾロンナトリウム投与開始。皮膚水疱を認める。
    終了6日後 : 視力障害の訴えあり,当院小児科に紹介入院。角膜びらん,偽膜形成を認めた。アシクロビル300mg,リン酸ベタメタゾンナトリウム4mg,輸液,パニペネム・ベタミプロン1500mg,皮膚は軟膏で処置,点眼液処方。
    終了11日後 : 皮疹は改善傾向だが,口腔所見は未回復。回復期に皮膚剥離なし,いちご舌認めず,リンパ節の腫脹なし。ブドウ球菌は検出されず,ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群は否定された。
    終了20日後 : ステロイドを減量中で,口腔所見も改善傾向,経口による食事も可能になった。
    終了23日後 : 退院。
    本剤のDLSTの判定結果は陰性。
    終了26日後 : ステロイド投与終了。回復。

    パッチテストを実施し,本剤陽性であった。
    企業報告
    併用薬:塩酸プロカテロール、臭化水素酸デキストロメトルファン、マレイン酸クロルフェニラミン

    NO. 患者 1日投与量
    投与期間
    副作用 備考
    性・
    年齢
    使用理由
    (合併症)
    経過及び処置
    3 男
    80代
    咽頭炎
    (慢性腎不全(透析),狭心症,慢性胃炎)
    500mg
    1日間
    ショック
    投与開始時 : 咳があり咽頭炎のため本剤を服用した。
    約45分後 : 患者は息苦しさ,胸苦(つかえる感じ)及び胸部不快を訴えた。
    約60分後 : 血圧は77/52mmHgまで低下,ショック状態になった。心電図,胸部X線は異常なかった。酸素飽和度は85%であった。酸素3Lの吸入を開始した。
    約1時間30分後 : 乳酸リンゲル液500mL,塩酸ドパミン5mL/h,コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム125mgを静注した。
    約3時間後 : 血圧は104/59mmHg,心拍数は100/分であった。塩酸ドパミン10mL/hを投与した。
    約5時間30分後 : 血圧は151/109mmHgであった。塩酸ドパミン5mL/hに減量した。胸苦が消失した。酸素飽和度は98%であった。
    約7時間30分後 : 血圧は126/85mmHg,心拍数は82/分であった。塩酸ドパミンの投与を終了した。酸素飽和度は99%となり,患者は回復した。
    約18時間後 : 酸素吸入を3Lから2Lへ減量した。
    血圧は119/72mmHgであった。
    約24時間後 : 酸素飽和度は97%であった。
    酸素吸入を終了した。
    企業報告
    併用薬:一硝酸イソソルビド,ドンペリドン


    (3)安全対策


     本剤に伴うSJS,TEN,ショックについてはすでに使用上の注意において「重大な副作用」として注意を喚起しているところであるが,販売開始から1年7ヵ月の間に上述の症例報告数があることから,一層の注意喚起を行うこととした。
     SJS,TENの発現時期を見ると報告された22例のうち,服用中が11例,服用期間終了後1週間以内が8例,その他(不明を含む)が3例となっており,本剤の投与期間終了後についても注意が必要と考えられることから,投与にあたっては,患者に対し,服用終了後においても発疹に加え,粘膜(口唇,眼,外陰部)のびらんあるいは水ぶくれ等の症状に注意するよう適切な説明を行っておくことが重要である。また,ショックについては報告された症例よりアナフィラキシー様症状を追記し,より具体的な表現とし,注意喚起を行うこととした。



    《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
    〈アジスロマイシン水和物〉
    [重要な基本的注意] ショック,アナフィラキシー様症状,皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので注意すること。また,本剤は組織内半減期が長いことから,上記副作用の治療中止後に再発する可能性があるので注意すること。
    本剤の使用にあたっては,事前に患者に対して,次の点を指導すること。
    ・皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)が疑われる症状(発疹に加え,粘膜(口唇,眼,外陰部)のびらんあるいは水ぶくれ等の症状)があらわれた場合には,服用を中止し,ただちに医師に連絡すること。
    ・服用終了後においても上記症状があらわれることがあるので,症状があらわれた場合にはただちに医師に連絡すること。
    本剤は組織内半減期が長いことから,投与終了数日後においても副作用が発現する可能性があるので,観察を十分に行うなど注意すること。
    [副作用(重大な副作用)] ショック,アナフィラキシー様症状:ショック,アナフィラキシー様症状(呼吸困難,血管浮腫等)をおこすことがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
    皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群):皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので,異常が認められた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。これらの副作用は本剤の投与中または投与終了後1週間以内に発現しているので,投与終了後も注意すること。

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    3 重要な副作用等に関する情報

     医薬品・医療用具等安全性情報 No.166の『「医薬品・医療用具等安全性情報」の月刊化について』でお知らせしましたように,前々号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.175)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について,改訂内容,参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。

    【1】サラゾスルファピリジン

    販売名(会社名) アザスルファン腸溶錠500mg(長生堂製薬)
    アザルフィジンEN錠(ファルマシア)
    エミナピリン錠(大洋薬品工業)
    サフィルジンEN錠500(シオノケミカル)
    サラゾピリン錠,同坐剤(ファルマシア)
    スラマ錠(太田製薬)
    ソアレジン錠250mg(大洋薬品工業)
    ラノフェン錠(大正薬品工業)
    薬効分類等 サルファ剤
    効能効果 (錠剤)潰瘍性大腸炎,限局性腸炎,非特異性大腸炎
    (腸溶錠)慢性関節リウマチ
    (坐剤)潰瘍性大腸炎


    《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
    [副作用(重大な副作用)] 再生不良性貧血,汎血球減少症,無顆粒球症,血小板減少,貧血(溶血性貧血,巨赤芽球性貧血(葉酸欠乏)等):再生不良性貧血,汎血球減少症,無顆粒球症,血小板減少,貧血(溶血性貧血,巨赤芽球性貧血(葉酸欠乏)等)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
    無菌性髄膜(脳)炎:無菌性髄膜(脳)炎(頸部(項部)硬直,発熱,頭痛,悪心,嘔吐あるいは意識混濁等)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
    肝炎,肝機能障害,黄疸:AST(GOT),ALT(GPT)の著しい上昇等を伴う肝炎,肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告

    症例の概要
    NO. 患者 1日投与量
    投与期間
    副作用 備考
    性・
    年齢
    使用理由
    (合併症)
    経過及び処置
    1 男
    50代
    潰瘍性大腸炎
    (なし)
    2g
    26日間
    肝機能障害,黄疸,発熱
    投与開始日 : 潰瘍性大腸炎に対し,本剤,リン酸ベタメタゾンナトリウム,プレドニゾロンを投与開始。
    投与24日目 : 早朝,発熱(37℃)。夕方,38.9℃まで上昇。
    投与25日目
    : 発熱持続。早朝37.6℃,ジクロフェナクナトリウム坐剤挿肛。4時間後には37℃まで解熱。さらに9時間後に38.6℃まで上昇。スルピリン投与。
    投与26日目
    (投与中止日)
    : 早朝より発熱(38.2℃)。3時間後にアンピシリンを投与。
    解熱するも夜に再び38.6℃に上昇。スルピリン投与し,2時間後には36.9℃まで低下。血液検査で肝機能障害発現。本剤の投与中止。
    中止1日後 : 朝,38.3℃。夜,発疹出現。発熱なし。
    中止3日後 : 黄疸出現。発疹(+)。発熱なし。以後,発熱を認めず。
    中止14日後 : 黄疸消失。肝機能異常値低下するも持続。
    中止49日後 : 肝機能障害回復。
    企業報告
    臨床検査値
      
    投与9日前
    投与12日目
    投与26日目
    (投与中止日)
    中止1日後
    中止7日後
    中止49日後
    AST(GOT)(IU/L)
    13
    9
    517
    470
    225
    10
    ALT(GPT)(IU/L)
    8
    10
    571
    573
    655
    27
    γ-GTP(IU/L)
    20
    22
    269
    352
    669
    239
    Al-P(IU/L)
    233
    155
    588
    701
    894
    170
    LDH(IU/L)
    295
    241
    1178
    1139
    459
    326
    総ビリルビン(mg/dL)
    0.58
    0.67
    1.56
    3.01
    7.53
    0.61
    併用薬:プレドニゾロン,リン酸ベタメタゾンナトリウム,塩酸ラニチジン,トリアゾラム,メシル酸カモスタット


    NO. 患者 1日投与量
    投与期間
    副作用 備考
    性・
    年齢
    使用理由
    (合併症)
    経過及び処置
    2 女
    50代
    悪性関節リウマチ
    (心不全,続発性アミロイドーシス,頸髄症)
    0.5g
    21日間
    1g
    16日間
    急性肝不全
    投与開始日 : 悪性関節リウマチに対し,本剤500mgを投与。
    投与22日目 : 本剤1000mgに増量。
    投与34日目 : 軽度肝障害の発現。
    投与38日目
    (投与中止日)
    : 肝障害の重篤化。胃カメラにて幽門狭窄を認めた。全ての薬剤投与中止。絶食,中心静脈栄養とし,グリチルリチン・グリシン・システイン配合剤を連日投与。
    中止1日後 : CRPの高値,発熱を認め,イミペネム・シラスタチン2gを投与開始。プレドニゾロンとファモチジンを経静脈に投与。
    (中止1日後から死亡までトランスアミナーゼは改善したが黄疸は増悪した。徐々に腎機能障害も進行した。)
    中止2日後 : カンジダを認め,フルコナゾール200mg投与開始。
    中止8日後 : 再び発熱。イミペネム・シラスタチン及びフルコナゾール投与中止。
    中止9日後 : 黄疸の改善を認めず,プレドニゾロン40mg投与。
    中止10日後 : メチルプレドニゾロン500mgのミニパルス療法施行(4日間)。
    中止14日後 : プレドニゾロン60mg投与開始。
    中止18日後 : 肝不全,腎不全にて死亡。

    DLST(中止3日後に採血):本剤陰性。
    企業報告
    臨床検査値
      
    投与
    5日前
    投与
    20日目
    投与
    34日目
    投与
    38日目
    (投与中止日)
    中止
    2日後
    中止
    4日後
    中止
    10日後
    中止
    18日後
    (死亡日)
    総ビリルビン(mg/dL)
    0.4
    0.3
    0.5
    3.0
    6.2
    13.9
    18.6
    32.2
    AST(GOT)(IU/L)
    17
    20
    86
    1754
    559
    72
    81
    20
    ALT(GPT)(IU/L)
    18
    16
    73
    2196
    1800
    154
    86
    17
    Al-P(IU/L)
    306
    342
    248
    1534
    950
    644
    635
    473
    γ-GTP(IU/L)
    49
    53
    38
    261
    174
    122
    87
    108
    BUN(mg/dL)
    27.5
    24.3
    15.4
    22.8
    33.5
    50.1
    84.0
    151.7
    血清クレアチニン(mg/dL)
    0.87
    1.09
    0.80
    0.70
    0.88
    0.78
    1.55
    2.73
    肝臓針生検細胞診:閉塞性黄疸,肝細胞壊死の所見を認め,アミロイドの沈着がみられた。Phagocytosisの所見もあり。
    併用薬:プレドニゾロン,ロキソプロフェンナトリウム,ファモチジン,エンプロスチル,レバミピド,メコバラミン,メナテトレノン,フロセミド

    NO. 患者 1日投与量
    投与期間
    副作用 備考
    性・
    年齢
    使用理由
    (合併症)
    経過及び処置
    3 男
    50代
    悪性関節リウマチ
    (なし)
    1g
    7日間
    血小板減少症
    投与開始日 : 本剤の投与開始。
    投与6日目 : 咽頭痛,血痰出現。
    投与7日目
    (投与中止日)
    : 下腿から足背にかけて紫斑出現。口腔内にも点状出血出現。血小板数0.1万以下。
    本剤,シメチジン,メトトレキサート,ピロキシカムの投与を中止。
    中止2日後 : 血小板輸血(2日間)。プレドニゾロンを10mgから30mgに増量。
    中止4日後 : 紫斑減少。
    中止21日後 : メチルプレドニゾロン1gのパルス療法施行(3日間)。
    中止23日後 : 血小板数3.3万。
    中止56日後 : 血小板数12.5万と改善。
    企業報告
    臨床検査値
      
    投与14日前
    投与7日目
    (投与中止日)
    中止23日後
    中止30日後
    中止56日後
    赤血球数(×104/mm3)
    383
    397
    ―
    373
    391
    白血球数(/mm3)
    5200
    7200
    ―
    11400
    6700
    血小板数(×104/mm3)
    25.6
    <0.1
    3.3
    5.5
    12.5
    併用薬:シメチジン,メトトレキサート,ピロキシカム,プレドニゾロン,ミソプロストール,アスピリン・ダイアルミネート

    NO. 患者 1日投与量
    投与期間
    副作用 備考
    性・
    年齢
    使用理由
    (合併症)
    経過及び処置
    4 男
    70代
    慢性関節リウマチ
    (なし)
    1g
    11日間
    急性血小板減少症,口腔内出血,全身出血斑,DIC(疑い)
    投与開始日 : 慢性関節リウマチに対し,本剤1000mgを投与。
    投与10日目 : 前胸部に点状出血斑の発現。
    投与12日目
    (投与中止日)
    : 本剤投与中止。
    中止1日後
    : 口腔内に5mm大の血腫の発現。
    口腔内出血にて近医受診。出血止まらず,嘔気,冷汗が発現して当院外来受診。緊急入院となる。入院時の血液検査にて血小板減少,口腔内出血,躯幹・四肢に出血斑を認めた。
    プレドニゾロン30mgの投与,血小板輸血にて速やかに症状改善傾向。
    中止2日後 : 軽快。
    企業報告
    臨床検査値
      
    投与42日前
    中止1日後
    中止2日後
    中止8日後
    血小板数(×104/mm3)
    42.1
    0.1
    11.5
    83.3
    併用薬:アクタリット,プレドニゾロン,ロキソプロフェンナトリウム,ミソプロストール


    【2】芍薬甘草湯

    販売名(会社名) カネボウ芍薬甘草湯エキス細粒(カネボウ)
    コタロー芍薬甘草湯エキス細粒(小太郎漢方製薬)
    サカモト芍薬甘草湯エキス顆粒(阪本漢法製薬)
    ジュンコウ芍薬甘草湯FCエキス細粒医療用(アサヒビール薬品)
    仁丹ドルフ芍薬甘草湯エキス顆粒-S(ジェイドルフ)
    ツムラ芍薬甘草湯エキス顆粒(医療用)(ツムラ)
    テイコク芍薬甘草湯エキス顆粒(帝國漢方製薬)
    〔東洋〕芍薬甘草湯エキス細粒(東洋薬行)
    本草芍薬甘草湯エキス顆粒-M(本草製薬)
    マツウラ芍薬甘草湯エキス顆粒(松浦薬業)
    薬効分類等 漢方製剤
    効能効果 ○腹直筋緊張し,胃痛又は腹痛があるもの(胆石症あるいは腎臓・膀胱結石のけいれん痛,四肢・筋肉・関節痛,薬物服用後の副作用の腹痛,胃けいれん,急迫性の胃痛)(コタロー芍薬甘草湯エキス細粒のみ)
    ○急激に起こる筋肉のけいれんを伴う疼痛(コタロー芍薬甘草湯エキス細粒を除く)


    《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
    [用法及び用量に関連する使用上の注意] 本剤の使用にあたっては,治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
    [副作用(重大な副作用)] うっ血性心不全,心室細動,心室頻拍(Torsades de Pointesを含む):うっ血性心不全,心室細動,心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)があらわれることがあるので,観察(血清カリウム値の測定など)を十分に行い,動悸,息切れ,倦怠感,めまい,失神等の異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告

    症例の概要
    NO. 患者 1日投与量
    投与期間
    副作用 備考
    性・
    年齢
    使用理由
    (合併症)
    経過及び処置
    1 女
    70代
    しびれ
    (鉄欠乏性貧血,高血圧)
    7.5g
    約3.5ヵ月間
    うっ血性心不全
    投与開始日 : 脊柱管狭窄症によるしびれに対し本剤投与開始。
    投与約2ヵ月目 : ときどき息切れあり。
    投与約3ヵ月目
    : 息切れの悪化あり。
    投与約3.5ヵ月目
    (投与中止日)
    : 呼吸苦出現し,安静でも改善せず近医受診。血圧224/50mmHgと高値のため,当院紹介受診。本剤投与中止。
    胸部レントゲンにて肺うっ血を認め,低酸素血症(PaO257.0torr),低カリウム血症(K=1.93mEq/L),代謝性アルカローシス(pH7.562)を認め,精査加療目的で入院となる。
    入院後,全ての薬剤を中止し,酸素投与,カリウム補正,利尿剤投与にて治療。
    中止4日後 : 呼吸苦消失し,血圧146/72mmHg,カリウム値3.4mEq/Lと改善。
    中止48日後 : 退院。
    企業報告
    臨床検査値
      
    中止1日後
    中止6日後
    中止13日後
    中止23日後
    Na(mEq/L)
    146
    142
    138
    138
    K(mEq/L)
    2.1
    3.4
    5.2
    4.6
    Cl(mEq/L)
    97
    98
    103
    102
    PRA(ng/mL/hr)
    ≦0.1
    ―
    1.9
    ―
    ALD(pg/mL)
    ≦25
    ―
    110
    ―
    CK(CPK)(IU/L)
    ―
    53
    32
    ―

    動脈血ガス分圧
      
    投与約3.5ヵ月目
    (投与中止日)
    中止1日後
    中止6日後
    中止23日後
    pH
    7.562
    7.548
    7.453
    7.407
    PaO2(torr)
    57.0
    ―
    86.2
    ―
    併用薬:ニフェジピン,ベラプロストナトリウム,シメチジン

    NO. 患者 1日投与量
    投与期間
    副作用 備考
    性・
    年齢
    使用理由
    (合併症)
    経過及び処置
    2 女
    80代
    腰痛症
    (高血圧)
    7.5g
    93日間
    心室細動
    投与開始日 : 腰痛症に対し本剤投与開始。
    投与94日目
    (中止1日後)
    : 前日に本剤の投与中止。
    四肢の脱力感,著明な低カリウム血症(K=1.6mEq/L)の状態で入院した。
    夕方に心室細動発現を認めたため胸部叩打法にて回復に成功した。しかし,約2.5時間後に再度心室細動となったために叩打したが心室細動は停止せず,200J DCshock2回施行し回復に成功した。
    中心静脈ラインを取り,カリウム補正,心室性不整脈コントロールを開始したのちは次第に安定した状態となった。以後意識状態は正常化したが,低カリウム血症の状態はしばらく持続し,致死性不整脈が発生する状態が続いた。その後,何とか正常範囲内で電解質コントロールが可能な状態となった。
    中止43日後
    : 退院。
    企業報告
    臨床検査値
      
    投与94日目
    (中止1日後)
    中止3日後
    中止7日後
    中止14日後
    中止35日後
    Na(mEq/L)
    147
    134
    136
    139
    138
    K(mEq/L)
    1.6
    2.3
    4.2
    4.5
    5.1
    Cl(mEq/L)
    93
    85
    95
    101
    99
    CK(CPK)(IU/L)
    1792
    1730
    114
    29
    31
    併用薬:カリジノゲナーゼ,ニコチン酸トコフェロール


    【3】フェニトイン,フェニトインナトリウム,フェニトイン・フェノバルビタール,
    フェニトイン・フェノバルビタール・安息香酸ナトリウムカフェイン


    ●フェニトイン,フェニトインナトリウム
    販売名(会社名) アレビアチン散10%,同細粒,同錠25mg,同錠100mg,同注射液(大日本製薬)
    ヒダントール散10%,同錠25mg,同錠100mg(藤永製薬)
    フェニトイン散10%「協和医療」(協和医療開発)
    薬効分類等 抗てんかん剤
    効能効果 (内服)
    ○てんかんのけいれん発作:強直間代発作(全般けいれん発作,大発作),焦点発作(ジャクソン型発作を含む)
    ○自律神経発作
    ○精神運動発作
    (注射)
    ○てんかん様けいれん発作が長時間引き続いて起こる場合(てんかん発作重積症)
    ○経口投与が不可能で,かつ,けいれん発作の出現が濃厚に疑われる場合(とくに意識障害,術中,術後)
    ○急速にてんかん様けいれん発作の抑制が必要な場合


    《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
    [副作用(重大な副作用)] 遅発性の重篤な過敏症状:初期症状として発疹,発熱がみられ,さらにリンパ節腫脹,肝機能障害,白血球増加,好酸球増多,異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。なお,発疹,発熱,肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
    肝機能障害,黄疸:AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告
    掛水夏恵,他:皮膚科の臨床,44(1):53(2002)


    ●フェニトイン・フェノバルビタール,フェニトイン・フェノバルビタール・安息香酸ナトリウムカフェイン
    販売名(会社名) 複合アレビアチン錠(大日本製薬)
    ヒダントールD,同E,同F(藤永製薬)
    薬効分類等 抗てんかん剤
    効能効果 ○てんかんのけいれん発作:強直間代発作(全般けいれん発作,大発作),焦点発作(ジャクソン型発作を含む)
    ○自律神経発作
    ○精神運動発作


    《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
    [副作用(重大な副作用)] 遅発性の重篤な過敏症状:初期症状として発疹,発熱がみられ,さらにリンパ節腫脹,肝機能障害,白血球増加,好酸球増多,異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。なお,発疹,発熱,肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
    肝機能障害,黄疸:AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告
    掛水夏恵,他:皮膚科の臨床,44(1):53(2002)
    狩野葉子:アレルギーの臨床,21(5):355(2001)

    症例の概要
    NO. 患者 1日投与量
    投与期間
    副作用 備考
    性・
    年齢
    使用理由
    (合併症)
    経過及び処置
    1 男
    60代
    脳梗塞
    (糖尿病)
    200mg
    34日間
    過敏症状(Hypersensitivity syndrome)
    2年前に脳梗塞を発症し,後遺症で継続治療中であった。
    投与開始日 : けいれん発作があり,本剤(フェニトイン)200mg,フェノバルビタール200mgが処方された。
    投与2日目 : 全身倦怠感を主訴に受診し,精査のため入院。糖尿病コントロールは,自己判断で中止するなど不良であった。
    投与29日目
    : 発熱があった。
    投与34日目
    (投与中止日)
    : 肝機能異常を認め,薬剤性肝障害と考え,全薬剤を中止。38℃前後の発熱がみられた。
    中止2日後 : 全身に径1cm大の紅斑が出現した。
    中止11日後 : 急性壊死性胆嚢炎にて開腹,胆嚢摘出術を実施。輸血を開始した。
    中止13日後 : 全身紅皮症様となり,コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム1gの投与を開始。呼吸不全と腎不全を認めた。
    中止31日後 : 血漿交換2回,エンドトキシン吸着2回,血液濾過1回を施行。
    中止34日後 : 死亡。死因は多臓器不全であった。
    輸血後GVHDに関しては,皮膚生検で否定された。
    企業報告
    臨床検査値
      
    投与34日目
    (投与中止日)
    中止14日後
    中止29日後
    中止32日後
    赤血球数(×104/mm3)
    353
    364
    280
    212
    白血球数(/mm3)
    3100
    16100
    3800
    1800
     好中球(%)
    70.6
    59.0
    83.0
    97.0
     好酸球(%)
    5.3
    11.0
    1.0
    0
     好塩基球(%)
    0.5
    0
    0
    0
     リンパ球(%)
    15.6
    26.0
    16.0
    3.0
     単球(%)
    8.0
    0
    0
    0
    血小板数(×104/mm3)
    13.4
    6.9
    3.3
    0.8
    AST(GOT)(IU/L)
    513
    46
    36
    23
    ALT(GPT)(IU/L)
    575
    70
    60
    43
    Al-P(IU/L)
    886
    325
    110
    99
    総ビリルビン(mg/dL)
    0.3
    4.0
    9.2
    14.7
    γ-GTP(IU/L)
    530
    ―
    ―
    ―
    LDH(IU/L)
    467
    435
    340
    302
    BUN(mg/dL)
    21.4
    34.0
    32.6
    61.7
    血清クレアチニン(mg/dL)
    1.0
    1.5
    0.7
    1.4
    併用薬:フェノバルビタール,塩酸チクロピジン,アカルボース,アズレンスルホン酸ナトリウム・L-グルタミン,酸化マグネシウム

    NO. 患者 1日投与量
    投与期間
    副作用 備考
    性・
    年齢
    使用理由
    (合併症)
    経過及び処置
    2 男
    50代
    脳梗塞
    (なし)
    200mg
    41日間
    過敏症状(Hypersensitivity syndrome),中毒疹,肝機能障害,肝脾腫,発熱,リンパ節腫脹
    投与開始日 : 意識消失発作があり,脳梗塞の診断で,本剤(フェニトイン)と塩酸チクロピジンの内服を開始した。
    投与29日目 : 発熱,全身の発疹が出現した。
    投与33日目
    : 他院から紹介。来院時,全身に癒合傾向のある紅色小丘疹が散在し,肝脾腫,肝機能障害,全身の表在リンパ節腫脹を伴った。
    投与34日目
    : 入院。体温は38.6℃。WBC4080(異型リンパ球6%),AST134IU/L,ALT443IU/L,γ-GTP1787IU/L,Al-P2043IU/L,LDH439IU/L,CRP8.2mg/dL。ウイルス感染に伴う中毒疹を考え,輸液投与を行ったが軽快しなかった。
    投与41日目
    (投与中止日)
    : 薬疹を考えて,本剤(フェニトイン)と塩酸チクロピジンを中止。
    中止1日後 : 解熱,発疹も軽快した。本剤(フェニトイン)に対するDLSTを実施し,陽性(SI=251%)であった。
    中止5日後 : 再び発熱と発疹がみられ,肝機能障害が悪化した。HHV-6抗体価の上昇が認められた。補液治療を継続。
    中止10日後 : 解熱。
    中止12日後 : 発疹はほぼ消退し,肝障害は軽快傾向となった。リンパ節生検・皮膚生検ともに非特異的な炎症細胞浸潤のみであった。
    中止16日後 : リンパ節腫脹が回復。
    中止33日後 : 肝障害がほぼ消失した。
    企業報告
    臨床検査値
      
    投与
    34日目
    投与
    39日目
    中止
    1日後
    中止
    2日後
    中止
    5日後
    中止
    8日後
    中止
    12日後
    中止
    15日後
    赤血球数(×104/mm3)
    396
    384
    416
    390
    346
    357
    347
    379
    白血球数(/mm3)
    4080
    10890
    17440
    18550
    11810
    4300
    18690
    8690
     桿状核球(%)
    58
    20
    16
    13
    15
    43
    5
    2
     分葉核球(%)
    20
    17
    17
    17
    21
    22
    19
    46
     好酸球(%)
    2
    10
    6
    12
    11
    ―
    ―
    5
     好塩基球(%)
    ―
    1
    1
    4
    1
    ―
    2
    1
     リンパ球(%)
    11
    24
    50
    17
    15
    14
    54
    34
     異型リンパ球(%)
    6
    19
    2
    30
    29
    2
    19
    2
     単球(%)
    2
    9
    8
    5
    7
    13
    1
    10
    血小板数(×104/mm3)
    8.9
    15.1
    17.4
    18.7
    25.1
    18.8
    17.7
    30.2
    AST(GOT)(IU/L)
    134
    155
    184
    123
    111
    262
    159
    54
    ALT(GPT)(IU/L)
    443
    328
    319
    257
    193
    253
    272
    141
    Al-P(IU/L)
    2043
    1777
    2268
    ―
    2160
    2509
    1819
    1465
    総ビリルビン(mg/dL)
    0.8
    0.3
    0.5
    ―
    0.5
    0.5
    0.6
    0.6
    直接ビリルビン(mg/dL)
    0.5
    0.1
    0.2
    ―
    0.1
    0.1
    0.1
    0.1
    間接ビリルビン(mg/dL)
    0.3
    0.2
    0.3
    ―
    0.4
    0.4
    0.5
    0.5
    γ-GTP(IU/L)
    1787
    1373
    1379
    ―
    1153
    1302
    954
    853
    LDH(IU/L)
    439
    420
    629
    656
    487
    450
    449
    332
    BUN(mg/dL)
    12.1
    7.9
    17.8
    ―
    9.7
    13.8
    7.9
    9.9
    血清クレアチニン(mg/dL)
    0.42
    0.40
    0.61
    ―
    0.43
    0.61
    0.40
    0.43
    併用薬:塩酸チクロピジン


    【4】ミダゾラム

    販売名(会社名) ドルミカム注(山之内製薬)
    薬効分類等 催眠鎮静剤
    効能効果 麻酔前投薬,全身麻酔の導入及び維持,集中治療における人工呼吸中の鎮静


    《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
    [警   告]

    警 告

    新生児に対して急速静脈内投与をしてはならない。[急速静脈内投与後,重度の低血圧及び痙攣発作が報告されている。]
    [禁   忌]
    HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル等)及びHIV逆転写酵素阻害剤(エファビレンツ等)を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
    [相互作用] 本剤は,主としてCYP3A4で代謝される。
    [併用禁忌] HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル,サキナビル,アンプレナビル等)[過度の鎮静や呼吸抑制を起こすおそれがある。これらの薬剤によるCYP3A4に対する競合的阻害作用により,本剤の血中濃度が上昇することが考えられている。]
    HIV逆転写酵素阻害剤(エファビレンツ等)[不整脈,持続的な鎮静や呼吸抑制を起こすおそれがある。これらの薬剤によるCYP3A4に対する競合的阻害作用により,本剤の血中濃度が上昇することが考えられている。]
    [副作用(重大な副作用)] 依存性:連用により,薬物依存を生じることがあるので,観察を十分に行い,慎重に投与すること。投与量の急激な減少ないし中止により,痙攣発作,せん妄,振戦,不眠,不安,幻覚,妄想,不随意運動等の離脱症状があらわれることがあるので,投与を中止する場合には,徐々に減量するなど慎重に行うこと。
    心室頻拍,心室性頻脈:心疾患患者において心室頻拍,心室性頻脈があらわれることがあるので,投与中には循環動態の変化に十分注意し,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
    悪性症候群:無動緘黙,強度の筋強剛,嚥下困難,頻脈,血圧の変動,発汗等が発現し,それに引き続き発熱がみられる場合は,投与を中止し,体冷却,水分補給等の全身管理とともにダントロレンナトリウムの投与等適切な処置を行うこと。本症発症時には,白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く,また,ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。
    なお,高熱が持続し,意識障害,呼吸困難,循環虚脱,脱水症状,急性腎不全へと移行することがある。
    〈参   考〉 企業報告

    症例の概要
    NO. 患者 1日投与量
    投与期間
    副作用 備考
    性・
    年齢
    使用理由
    (合併症)
    経過及び処置
    1 男
    50代
    鎮静
    (急性膵炎,胆嚢炎,肝障害)
    50mg
    1日間
    悪性症候群
    投与15日前 : 急性胆嚢炎にて緊急入院。
    投与3日前 : 急性膵炎併発しICU入室。
    神経症にて常用していたトフィソパム,スルピリド,ゾピクロン,ロルメタゼパム,エスタゾラム,トリアゾラム,塩酸ミアンセリン,塩酸クロルプロマジン,ペントバルビタールカルシウムの投与中止。
    投与開始日
    (投与中止日)
    : 不穏となり本剤50mg,塩酸ヒドロキシジン25mg,塩酸クロルプロマジン35mg,ハロペリドール5mg投与したところ,38.5℃以上の発熱,暴力的不穏,CK(CPK)12152(IU/L)となり悪性症候群と診断。ダントロレンナトリウムの投与を開始。6時間後には発熱,不穏症状の改善を確認。CK(CPK)も徐々に回復。
    文献報告
    併用薬:塩酸ヒドロキシジン,塩酸クロルプロマジン,ハロペリドール,メシル酸ナファモスタット,ウリナスタチン,スルバクタムナトリウム・セフォペラゾンナトリウム,ファモチジン,シチコリン

    目次へ



    4 使用上の注意の改訂について(その135)

     前々号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.175)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意(本号の「3 重要な副作用等に関する情報」で紹介したものを除く。)について,改訂内容,主な該当販売名,参考文献等をお知らせいたします。


    1 〈抗ウイルス剤〉
    サニルブジン
    [販 売 名] ゼリットカプセル15,同カプセル20(ブリストル製薬)
    [警   告]

    警 告

    本剤の投与を受けた患者で,急性の四肢の筋脱力,腱反射消失,歩行困難,呼吸困難等のギラン・バレー症候群に類似した経過及び症状が認められており,これらの多くの症例は乳酸アシドーシス発現例に認められ,死亡例の報告もある。本剤投与中は,全身倦怠感,悪心・嘔吐,腹痛,急激な体重減少,頻呼吸,呼吸困難等の乳酸アシドーシスが疑われる症状,あるいはギラン・バレー症候群に類似した症状に注意し,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
    [重要な基本的注意] 本剤の使用に際しては患者又はそれに代わる適切な者に,次の事項についてよく説明し同意を得た後,使用すること。
    乳酸アシドーシスがあらわれることがあるので,全身倦怠感,悪心・嘔吐,腹痛,急激な体重減少,頻呼吸,呼吸困難,四肢の筋脱力,歩行困難等の症状があらわれた場合には,直ちに担当医に報告すること。
    乳酸アシドーシスがあらわれることがある。全身倦怠感,悪心・嘔吐,腹痛,急激な体重減少,頻呼吸,呼吸困難,四肢の筋脱力,腱反射消失,歩行困難等が認められた場合には,乳酸アシドーシスを考慮し,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。特に,ギラン・バレー症候群に類似した上行性の神経筋脱力は本剤に特徴的な症状であるので注意すること。また,乳酸アシドーシスの症例において,重度の脂肪肝を伴う肝腫大が報告されている。
    なお,複数の妊婦において本剤とジダノシンとの併用投与による致死性の乳酸アシドーシスが報告されているので,妊娠期間中の本剤とジダノシンの併用投与は,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
    [副作用(重大な副作用)] 乳酸アシドーシス:乳酸アシドーシスがあらわれることがあるので,全身倦怠感,悪心・嘔吐,腹痛,急激な体重減少,頻呼吸,呼吸困難,ギラン・バレー症候群に類似した症状(四肢の筋脱力,腱反射消失,歩行困難,呼吸困難等)等に注意すること。また,乳酸アシドーシスの症例において,重度の脂肪肝を伴う肝腫大が報告されている。
    〈参   考〉 企業報告

    2 〈催眠鎮静剤,抗てんかん剤,精神神経用剤,過敏大腸症治療剤,喘息治療剤〉
    フェノバルビタール,フェノバルビタールナトリウム,
    塩酸クロルプロマジン・塩酸プロメタジン・フェノバルビタール,
    臭化メペンゾラート・フェノバルビタール,
    プロキシフィリン・塩酸エフェドリン・フェノバルビタール
    [販 売 名] フェノバール錠30mg,同末,同散10%,同エリキシル,10%フェノバール(藤永製薬)他
    ルピアール坐剤25,同坐剤50,同坐剤100(エスエス製薬),ワコビタール坐剤15,同坐剤30,同坐剤50,同坐剤100(和光堂)
    ベゲタミン錠-A,同錠-B(塩野義製薬)
    トランコロンP錠(藤沢薬品工業)
    アストモリジンD錠,同M錠(マルホ)
    [副作用(重大な副作用)] 遅発性の重篤な過敏症状:初期症状として発疹,発熱がみられ,さらにリンパ節腫脹,肝機能障害,白血球増加,好酸球増多,異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。なお,発疹,発熱,肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
    〈参   考〉 狩野葉子:アレルギーの臨床,21(5):355(2001)

    3 〈抗てんかん剤〉
    ゾニサミド
    [販 売 名] エクセグラン散,同錠100mg(大日本製薬)他
    [副作用(重大な副作用)] 遅発性の重篤な過敏症状:初期症状として発疹,発熱がみられ,さらにリンパ節腫脹,肝機能障害,白血球増加,好酸球増多,異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。なお,発疹,発熱,肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
    腎・尿路結石:腎・尿路結石があらわれることがあるので,観察を十分に行い,腎疝痛,排尿痛,血尿,結晶尿,頻尿,残尿感,乏尿等があらわれた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
    発汗減少に伴う熱中症:発汗減少があらわれ,体温が上昇し,熱中症をきたすことがある。発汗減少,体温上昇,顔面潮紅,意識障害等がみられた場合には,減量または中止し,体冷却など適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」,「小児等への投与」の項参照)
    〈参   考〉 企業報告
    木下恵美,他:西日本皮膚科,63(6):605(2001)
    西村正明:日本重症心身障害学会誌,26(2):41(2001)

    4 〈抗てんかん剤,躁状態治療剤〉
    カルバマゼピン
    [販 売 名] テグレトール細粒,同錠100mg,同錠200mg(日本チバガイギー)他
    [副作用(重大な副作用)] 肝機能障害,黄疸:胆汁うっ滞性,肝細胞性,混合型,又は肉芽腫性の肝機能障害,黄疸があらわれ,劇症肝炎等に至ることがあるので,検査を行うなど観察を十分行うこと。
    うっ血性心不全,房室ブロック,洞機能不全,徐脈
    〈参   考〉 企業報告

    5 〈副腎皮質ホルモン剤〉
    プレドニゾロン(経口剤),コハク酸プレドニゾロンナトリウム,
    リン酸プレドニゾロンナトリウム
    [販 売 名] プレドニゾロン散「タケダ」1%,同錠「タケダ」5mg(武田薬品工業)他
    水溶性プレドニン10mg,水溶性プレドニン20mg,水溶性プレドニン50mg(塩野義製薬)他
    ドージロン注(同仁医薬化工)
    [副作用(重大な副作用)] 緑内障,後嚢白内障,中心性漿液性網脈絡膜症,多発性後極部網膜色素上皮症:連用により眼圧上昇,緑内障,後嚢白内障(症状:眼のかすみ),中心性漿液性網脈絡膜症・多発性後極部網膜色素上皮症(症状:視力の低下,ものがゆがんで見えたり小さく見えたり,視野の中心がゆがんで見えにくくなる。中心性漿液性網脈絡膜症では限局性の網膜剥離がみられ,進行すると広範な網膜剥離を生じる多発性後極部網膜色素上皮症となる。)を来すことがあるので,定期的に検査をすることが望ましい。
    心筋梗塞,脳梗塞,動脈瘤:心筋梗塞,脳梗塞,動脈瘤があらわれることがあるので,長期投与を行う場合には,観察を十分に行うこと。
    〈参   考〉 企業報告

    6 〈スルホニルウレア系経口血糖降下剤〉
    グリメピリド
    [販 売 名] アマリール1mg錠,同3mg錠(アベンティスファーマ)
    [副作用(重大な副作用)] 再生不良性貧血,汎血球減少症:再生不良性貧血,汎血球減少症があらわれることが他のスルホニルウレア系薬剤で報告されているので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
    溶血性貧血,無顆粒球症:溶血性貧血,無顆粒球症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告

    7 〈免疫抑制剤〉
    シクロスポリン
    [販 売 名] サンディミュンカプセル25mg,同カプセル50mg,同内用液,同注射液,ネオーラル10mgカプセル,同25mgカプセル,同50mgカプセル,同内用液(日本チバガイギー)
    [副作用(重大な副作用)] 溶血性貧血,血小板減少:溶血性貧血,血小板減少があらわれることがあるので,このような場合には減量又は投与を中止し,適切な処置を行うこと。
    横紋筋融解症:筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので,このような場合には減量又は投与を中止し,適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告

    8 〈代謝拮抗剤〉
    テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム
    [販 売 名] ティーエスワンカプセル20,同カプセル25(大鵬薬品工業)
    [副作用(重大な副作用)] 骨髄抑制,溶血性貧血:汎血球減少,無顆粒球症(症状:発熱,咽頭痛,倦怠感等),白血球減少,貧血,血小板減少等の重篤な骨髄抑制,溶血性貧血があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告

    9 〈代謝拮抗剤〉
    メルカプトプリン
    [販 売 名] ロイケリン散(日本ワイスレダリー)
    [副作用(重大な副作用)] 骨髄抑制:汎血球減少,無顆粒球症,白血球減少,血小板減少,貧血等の骨髄抑制があらわれることがあるので,頻回に血液検査を行うなど患者の状態を十分に観察し,異常が認められた場合には減量・休薬等の適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告

    10 〈乳癌治療剤〉
    クエン酸トレミフェン
    [販 売 名] フェアストン錠40,同錠60(日本化薬)
    [副作用(重大な副作用)] 肝機能障害,黄疸:肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告

    11 〈リンコマイシン系抗生物質〉
    塩酸クリンダマイシン
    [販 売 名] ダラシンカプセル(住友製薬)
    [副作用(重大な副作用(類薬))] 汎血球減少,血小板減少:類薬(リン酸クリンダマイシン)で汎血球減少,血小板減少があらわれたとの報告があるので,血液検査等の観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
    肝機能障害,黄疸:類薬(リン酸クリンダマイシン)でAST(GOT),ALT(GPT),Al-P等の上昇を伴う肝機能障害,黄疸があらわれたとの報告があるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
    急性腎不全:類薬(リン酸クリンダマイシン)で急性腎不全があらわれたとの報告があるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告

    12 〈リンコマイシン系抗生物質〉
    リン酸クリンダマイシン
    [販 売 名] ダラシンS注射液(ファルマシア)他
    [副作用(重大な副作用)] 肝機能障害,黄疸:AST(GOT),ALT(GPT),Al-P等の上昇を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
    急性腎不全:急性腎不全があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
    汎血球減少
    ,無顆粒球症,血小板減少:汎血球減少,無顆粒球症,血小板減少があらわれることがあるので,血液検査等の観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告

    13 〈漢方製剤〉一般用医薬品
    芍薬甘草湯
    [販 売 名] ツムラ漢方芍薬甘草湯エキス顆粒(ツムラ)他
    [してはいけないこと] 次の人は服用しないこと
     次の診断を受けた人
      心臓病
    症状があるときのみの服用にとどめ,連用しないこと
    (短期間の服用にとどめ,連用しないことを削除)
    [相談すること] 次の場合は,直ちに服用を中止し,この文書を持って医師又は薬剤師に相談すること
    まれに下記の重篤な症状が起こることがあります。その場合は直ちに医師の診療を受けること。
    うっ血性心不全,心室頻拍:全身のだるさ,動悸,息切れ,胸部の不快感,胸が痛む,めまい,失神等があらわれる。
    (「次の診断を受けた人」の「心臓病」を削除)
    〈参   考〉 企業報告

    14 〈かぜ薬,アレルギー用薬〉一般用医薬品
    メキタジン含有製剤
    [販 売 名]
    〔かぜ薬〕 リリース総合感冒薬(アズウェル),サットル総合感冒薬(旭化成),ストナデイタイムカプセル(佐藤製薬)他
    〔アレルギー用薬〕 リリース錠(アズウェル),サットル錠(旭化成)他
    [してはいけないこと] 次の人は服用しないこと
     本剤によるアレルギー症状を起こしたことがある人
    [相談すること] 次の場合は,直ちに服用を中止し,この文書を持って医師又は薬剤師に相談すること
    服用後,次の症状があらわれた場合
    まれに下記の重篤な症状が起こることがあります。その場合は直ちに医師の診療を受けること。
    ショック(アナフィラキシー):服用後すぐにじんましん,浮腫,胸苦しさ等とともに,顔色が青白くなり,手足が冷たくなり,冷や汗,息苦しさ等があらわれる。
    肝機能障害:全身のだるさ,黄疸(皮ふや白目が黄色くなる)等があらわれる。
    血小板減少:血液中の成分である血小板の数が減ることにより,鼻血,歯ぐきからの出血,青あざ等の出血症状があらわれる。
    〈参   考〉 企業報告




    お知らせ
     NTTのファクシミリ通信網サービス「Fネット」を通じ,最近1年間の「医薬品等安全性情報」「医薬品・医療用具等安全性情報」がお手元のファクシミリから随時入手できます(利用者負担)。
    「Fネット」への加入等についての問い合わせ先:0120-161-011
     なお,厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/)又は医薬品情報提供ホームページ(http://www.pharmasys.gr.jp/)からも入手可能です。


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