平成１４年５月２４日

　本年１月下旬から食肉を中心として、食品衛生法及びＪＡＳ法の表示基準に違反する事例が相次いで報告されているため、本年３月８日付で、４月末までの間、都道府県等に対し、食品製造加工及び販売施設への監視を強化するよう要請したところです。３月２９日までの調査分につきましては、中間報告としてすでに発表していますが、今回、４月３０日までの調査分を最終報告としてとりまとめましたのでお知らせします。

1. 食肉販売業、食肉処理業、食肉製品製造業、乳処理業、乳製品製造業及びその他の食品製造・加工及び販売業の全国約１２０万施設のうち、これまでに187,116施設（中間報告では103,100施設）に対して立入調査及び指導等を実施し、食品衛生法に違反する事例4,330件（中間報告では1,992件）が確認された。（別紙１）
   

2. 違反内容は、表示そのものがなかったもの704件(16.3%)。ほか、(1)期限表示の記載もれ861件(19.9%)、(2)使用保存の方法の記載もれ776件(17.9%)、(3)製造加工者の名称・所在地の記載もれ582件(13.4%)など食品衛生法上必要な表示がないものが多数あった。（別紙２）
   

3. また今回の報告では、「その他食品衛生法第１１条において基準が定められた事項」の違反543件（12.5%）(中間報告で136件(6.8%))が大幅に増えており、中でも弁当・そうざい、菓子類でその傾向が顕著に表れていた。これは本年４月１日から義務化されたアレルギー物質を含む食品に関する表示（卵、乳、小麦、そば、落花生を含むものの表示）の違反事例が報告されたものと考えられる。
   

4. 都道府県等では営業者に対し、行政処分(7件)や、口頭（3,983件）・文書等（340件）により指導を行い、改善を図った。なお営業禁止等の行政処分は、中間報告の５件の他に、宮城県が本年５月１３日に、丸紅畜産（株）及び関連食肉販売業者に対して行った営業の一部禁止処分２件が報告された。（製造施設や期限表示を故意に偽って表示したものについては、中間報告以外に２件報告されており、いずれも始末書を徴収し、うち１件は食品の回収を指導し、すでに改善が確認されている。）
   

5. 厚生労働省では、消費者が安心して食品を購入・喫食できるよう、今後とも都道府県等関係機関と連携し、アレルギー物質を含む食品などについて、適切な表示がなされるよう、営業者に対し引き続き監視指導を実施していくこととする。

食品保健部監視安全課
高谷 監視安全課長
担当：宮川、佐野（内線2478）