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平成14年3月7日
(照会先)
医薬局血液対策課
西田(内線2905) 西山(内線2917)

「非加熱血液凝固因子製剤を使用した血友病以外の患者における
肝炎ウイルス感染に関する調査研究」の結果について(速報値)

 厚生労働省においては、平成13年度厚生科学特別研究事業として、「非加熱血液凝固因子製剤を使用した血友病以外の患者における肝炎ウイルス感染に関する調査研究」研究班を設置し、当該製剤を血友病以外の患者に使用した可能性のある医療機関名を公表するとともに、対象者に検査受診を呼びかけ、感染の実態を把握することと、感染者を発見し治療に資することを目的として調査研究を実施した。
 その結果概要について、本日開催された研究班会議において報告されたところであり、今後、研究班においてさらに詳細に解析を行うこととされている。
 なお、以下の数値については、今後データ精査に伴い修正されることがあり得る。

1 検査実施期間

○ 平成13年3月29日〜同年7月31日

2 対象者

(1) 平成8年に実施した「非加熱血液凝固因子製剤による非血友病HIV感染に関する調査」において、非加熱血液凝固因子製剤を使用したことが確認された者

(2) 国内血由来の非加熱血液凝固因子製剤又はエタノール処理されていた輸入非加熱血液凝固因子製剤を使用したことが確認された者

(3) 公表された医療機関において当該製剤を使用した可能性があるとして、広報に応じて検査受診した者

3 検査受診者数(研究事業開始前に検査済みで、開始後に結果のみ報告された者を含む)

○ 9,680名

・ このうち、調査研究の対象となることに同意を得られなかった者、記載内容に不備があり解析できない者などを除外し、9,214名を解析対象とする。

4 対象者の性別

  製剤使用が
確認された者
製剤使用の有無が
確認できない者
男性
女性
不明
218
185
2,465
6,315
30
2,683
6,500
31
404 8,810 9,214

5 対象者の年齢分布

  製剤使用が
確認された者
製剤使用の有無が
確認できない者
  〜19歳
20〜29歳
30〜39歳
40〜49歳
50〜59歳
60〜69歳
70歳以上 
不明
178
86
19
22
43
35
21
463
875
941
1,995
2,541
1,401
537
57
641
961
960
2,017
2,584
1,436
558
57
  404 8,810 9,214

6 B型肝炎・C型肝炎感染者数

  製剤使用が
確認された者
製剤使用の有無が
確認できない者
C型肝炎検査 実施者数
(RT-PCR法) 陽性者数
(陽性率)
365
109
(29.9%)
8,784
362
(4.1%)
9,149
471
(5.1%)
C型肝炎抗体 実施者数
検査      陽性者数
(陽性率)
404
210
(52.0%)
8,805
648
(7.4%)
9,209
858
(9.3%)
B型肝炎検査 実施者数
(HBs抗原) 陽性者数
(陽性率)
403
18
(4.5%)
8,808
119
(1.4%)
9,211
137
(1.5%)


非加熱血液凝固因子製剤による非血友病肝炎ウイルス感染に関する調査研究概要

1.目的

 非加熱血液凝固因子製剤を投与された者に係る肝炎ウイルスの感染の実態が不明であることから、これらの者に対して肝炎ウイルス検査を受けるよう呼びかけ、感染実態を把握する。

2.研究班

 島田 馨 東京専売病院長 を班長とする研究班を設置して、調査研究に当たる。

3.調査研究内容

(1)対象製剤を投与された非血友病患者の肝炎ウイルス感染率

・ C型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルスを調査対象とする。

(2)調査対象者の実態調査

 調査対象者について、本人の同意に基づき、生年月日、性別、製剤投与時の原疾患、投与歴等の調査を行い、肝炎ウイルスの感染実態を明らかにする。

4.調査対象者

(1)平成8年に行った「非加熱血液凝固因子製剤による非血友病HIV感染に関する調査」において、当時の対象製剤の投与を受けた者として医療機関が特定した者

(2)平成8年の調査時においてHIV感染の危険性がないものとして調査の対象とならなかった非加熱血液凝固因子製剤の投与を受けた者として医療機関が特定した者

(3)(1)及び(2)の該当者以外で、非血友病疾患により対象製剤の投与を受けた可能性がある者

○ 昭和47年〜昭和63年の間に公表医療機関に入院し、以下に該当する者。 (平成8年の公衆衛生審議会予防部会非血友病HIV感染調査小委員会の意見を踏まえて、非加熱血液凝固因子製剤を投与された可能性がある疾病とされたものに準じる

5.対象製剤

○ 国内血由来、外国血由来かを問わず、多数の供血者からの血漿をプールして、濃縮し製造した血液凝固因子製剤のうち、肝炎ウイルスに対して有効な加熱などの不活化処理のなされていない製剤であって、平成8年当時に納入先医療機関が把握されている製剤を対象とする。

6.調査研究の実施方法

(1)受診勧奨

○ 医療機関名を公表し、当該医療機関に前述の症状で入院した対象者に対して検査受診を呼びかける。

○ 医療機関において、可能な限り、対象者に個別に検査受診を勧奨する。

(2)検査の実施

○ 対象者に対し、医療機関においてC型肝炎ウイルス及びB型肝炎ウイルス検査を実施する。

○ 医療機関は、検査結果とあわせて調査票の設問に回答する。

(3)解析・評価

○ 調査票から得られたデータをもとに、研究班において解析・評価を行い、非加熱血液凝固因子製剤による非血友病患者の肝炎ウイルスの感染実態を明らかにする。


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