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平成13年4月4日

報告命令(平成13年3月19日付厚生労働省発医薬第166号)に対し提出のあった報告書の内容確認について

1.概要

○ 平成13年3月26日付けでウェルファイド株式会社より提出のあった標記報告書について、その内容を精査したところ、不明確な点等があったことから、同社に対しその確認のため、別添により報告を求めた。

○ 今回報告を求めた主な事項

(1) フィブリン糊に関する当時の関係者への聞取り調査の実態等について
 フィブリン糊の使用方法等を記載したパンフレット等に関連して、旧ミドリ十字によるフィブリン糊(組織・臓器の接着に用いる。)としてのプロモーション活動の有無については、「当時の関係者への聞取り調査」の結果、フィブリン糊を販売促進することはなかったようであると推論しているものの、「当時の関係者への聞取り調査」の方法、範囲等が不明確であるため、これらを明確化するとともに、当時の関係者を網羅的に含めていない場合には、再度、書面により「当時の関係者への聞取り調査」を実施し、調査方法の詳細及びその結果を報告すること。

(2) フィブリン糊パンフレットの使用目的について
 (上記パンフレットの作成目的については、「フィブリン糊研究会」用であったとする一方)、「研究会の開催以降、研究会以外の医師・薬剤師に本資料を配布し、フィブリン糊の情報提供を行っていた」と記載するに至った根拠及びそれを裏付ける資料を提出すること。

(3) フィブリン糊としての使用実態について
 報告書中、「フィブリン糊として集計されていたデータは見い出せず不明である。」との記載がある一方、「1)フィブリン糊による肝炎発症数を報告しなかった理由」によると、聞取り調査の結果、当時、ミドリ十字社では「フィブリン糊として多数使用されていること」を把握していたような主旨の文面がある。事実関係を明らかにすること。

(4) フィブリン糊パンフレットの配布実態について
 報告書中、「2)配布先の医療機関数及び配布数」について、「当時の関係者への聞取り調査」の結果に全く言及していない理由は何か、明らかにすること。

2.提出期限

平成13年4月19日(木)


医薬発第332号
平成13年4月4日
ウェルファイド株式会社
取締役社長 飯田晉一郎殿

厚生労働省医薬局長

「命令書(厚生労働省発医薬第166号)に対するご報告」の報告内容の確認について

 平成13年3月26日付けで貴社より提出のあった標記報告書について、その内容に不明確な点等があるため、別紙の事項について、平成13年4月19日(木)までに、当職あて報告されたい。


別紙

I フィブリン糊としての使用の想定関係

 4頁、「2)フィブリン糊としての使用を想定していたのか」、7行目、「昭和63年以降、少なくとも平成4年までは、例外的にフィブリン糊としての使用が残っていた」と考えた根拠は何か。

II 厚生労働省発医薬第166号の別添1−1、別添1−2関係

 1.5頁、「1)作成(配布)の目的」関係

  (1) 7行目及び15行目、「当時の関係者への聞取り調査」の調査範囲、対象者の所属、現職者・退職者の区別、「当時の関係者」の全体数に対する「聞取り調査対象者」の数、聞取り調査書の様式、今回の聞き取り調査方法を明らかにすること。

  (2) 「当時の関係者への聞取り調査」の調査範囲が当時の関係者(現在、ウェルファイド社に勤務する者のみではなく、退職者も含む。また、旧ミドリ十字の幹部職員、学術部職員、支店職員等の関係者も網羅的に含む。以下、本項において同じ。)を網羅的に含んでいない場合には、再度、書面により当時の関係者に対して聞取り調査を実施し、調査方法の詳細及びその結果を報告すること。

  (3) 13〜14行目、「研究会の開催以降、研究会以外の医師・薬剤師に本資料を配布し、フィブリン糊の情報提供を行っていた」と記載するに至った根拠及びそれを裏付ける資料を提出すること。

  (4) 下から5行目、「フィブリン糊として集計されていたデータは見い出せず不明である。」とのことであるが、7頁、「1)フィブリン糊による肝炎発症数を報告しなかった理由」によると、聞取り調査の結果、当時、ミドリ十字社では「フィブリン糊として多数使用されていること」を把握していたような主旨の文面がある。事実関係を明らかにすること。

 2.6頁、「2)配布先の医療機関数及び配布数」関係

   1.において、「当時の関係者への聞取り調査」を行っているにも係わらず、本項では聞き取り調査の結果について全く言及していない理由は何であるのか、明らかにすること。特に、作成部数については、5頁7〜8行目において、「それ以降の増刷は行っていない」とまで言及しているにもかかわらず、何故、作成部数が不明であるのか明らかにすること。何十部、何百部等のオーダー程度は把握しているのではないのか。事実関係を明確化すること。

 3.6頁、「3)配布していた期間」関係

  (1) 1行目、「当時の関係者への聞取り調査」の調査範囲、対象者の所属、現職者・退職者の区別、「当時の関係者」の全体数に対する「聞取り調査対象者」の数、今回の聞き取り調査方法を明らかにすること。

  (2) 「当時の関係者への聞取り調査」の調査範囲が当時の関係者(現在、ウェルファイド社に勤務する者のみではなく、退職者も含む。また、旧ミドリ十字の幹部職員、学術部職員、支店職員等の関係者も網羅的に含む。以下、本項において同じ。)を網羅的に含んでいない場合には、再度、書面により当時の関係者に対して聞取り調査を実施し、調査方法の詳細及びその結果を報告すること。

III 肝炎発生数関係

 1.7頁、「1)フィブリン糊による肝炎発症数を報告しなかった理由」関係

  (1) 2行目、「当時の関係者への聞取り調査」の調査範囲、対象者の所属、現職者・退職者の区別、「当時の関係者」の全体数に対する「聞取り調査対象者」の数、今回の聞き取り調査方法を明らかにすること。

  (2) 「当時の関係者への聞取り調査」の調査範囲が当時の関係者(現在、ウェルファイド社に勤務する者のみではなく、退職者も含む。また、旧ミドリ十字の幹部職員、学術部職員、支店職員等の関係者も網羅的に含む。以下、本項において同じ。)を網羅的に含んでいない場合には、再度、書面により当時の関係者に対して聞取り調査を実施し、調査方法の詳細及びその結果を報告すること。

  (3) 聞取り調査の結果、7頁、1)の(2)によると「本剤が適応外使用であるフィブリン糊として多数使用されていることが問題と考えた可能性」があるとのことであるが、当時、ミドリ十字社では「フィブリン糊として多数使用されていること」をどのようにして知ったのか。また、具体的にどの程度の数量がフィブリン糊として使用されていたと認識しているのか。それぞれ事実関係を明らかにすること。

 2.7頁、「2)静注例について、実際の数より過少に報告した理由」関係

  (1) 1行目及び8行目、「当時の関係者への聞取り調査」の調査範囲、対象者の所属、現職者・退職者の区別、「当時の関係者」の全体数に対する「聞取り調査対象者」の数、今回の聞き取り調査方法を明らかにすること。

  (2) 「当時の関係者への聞取り調査」の調査範囲が当時の関係者(現在、ウェルファイド社に勤務する者のみではなく、退職者も含む。また、旧ミドリ十字の幹部職員、学術部職員、支店職員等の関係者も網羅的に含む。以下、本項において同じ。)を網羅的に含んでいない場合には、再度、書面により当時の関係者に対して聞取り調査を実施し、調査方法の詳細及びその結果を報告すること。

IV 3月7日付け報告書類の真偽等の関係

 1.11頁、「2)別添3の内容の真偽」関係

   今回の報告によると命令書別添1「フィブリノゲン−ミドリ、トロンビン−ミドリをもつてする組織・臓器接着法」と題する資料は、「フィブリノゲン糊研究会」でのプレゼンテーションを補足する目的で作成されたと考えられる。」となっているが、命令書別添3「フィブリノゲン製剤のプロモーション状況について」と題する資料に上記資料がパンフレットとして記載されているのは、まさに当該資料がプロモーション活動に使われていたことを示しているのではないか(命令書で別添3の内容の真偽を訊いたのに対し、「別添3の記載に特に問題となる点はない」と回答している。)。この点について事実関係を明らかにすること。

 2.12頁、「3)これまでの社内における情報の把握状況並びに3月7日まで厚生労働省(旧厚生省を含む)に報告してこなかった理由」関係平成12年11月28日以前の状況についても報告すること。

V 別紙2関係

 (1) フィブリン糊研究会の各回における構成員名簿及び議事録のすべてを提出すること(少なくとも、報告書本文5頁、1)4行目の記述によると「第1回フィブリン糊研究会記録」なるものが存在しているはずである。)。

 (2) 1頁、最終段落の記載内容を第2版において削除した理由

 (3) 2頁、「3.フィブリン糊研究会の位置付け」の7〜8行目、「本研究会以降、学問的にフィブリン糊の関心が高まり、臨床応用の発表および先端医療の情報交換の場として第2回フィブリン糊研究会(昭和57年10月30日)を開催した。」と記載するに至った根拠及びそれを裏付ける資料を提出すること。

 (4) 2頁、「4.臨床現場での応用実態」の3段落目によると、「病院薬局製剤(…)  にも小冊子と同様な調整方法、使用法が記載されており、このことは院内製剤として広く使用されていた実態を反映していたと考えられる。」としているが、参考資料3によると「フィブリン糊(混合法)」の根拠となる文献は、そもそも「ミドリ十字資料」となっている。ここに記載されている「ミドリ十字資料」とは何か明らかにすること。また、社団法人 病院薬剤師会 の編纂した書籍に記載されていると云うことは、同書籍の序文に記載されている編纂の主旨から考えて、当時、この「ミドリ十字資料」が広く医療機関に流布され、容易に「ミドリ十字資料」なる文書が入手できたことを示唆しているように考えられる(一部の研究会等の所属医師が限定的に使用していた程度では、院内調剤用に「病院薬局製剤」なる書籍に掲載する必要はなかったはず。)が、この点について見解を明らかにすること。

 (5) 3頁、1行目〜5行目の記載内容及び参考資料3の記載内容を総合すると、大半の医療機関は重層法を採用しており、混合法については「ミドリ十字資料」が医療機関側の主たる情報源であったと考えられるが、当時の実態について明らかにすること。

VI 参考資料1関係

 (1) 参考資料1の作成(配布)の目的(販売促進の意図、販売実績)、配布先の医療機関数及び配布数、配布していた期間並びに記載内容の真偽を明らかにすること。

 (2) 「乾燥人フィブリノゲン フィブリノゲン−ミドリ」の添付文書の2頁、1行目の記載内容によると「本剤は紫外線照射処理を施してあり、無菌で発熱性物質を含まない。紫外線照射処理はウイルスの不活化、強力な殺菌効果を発揮」するとされているが、本剤の製造方法として「紫外線照射処理」を行うことについて承認を取得したのはいつであるのか明らかにすること。また、当時の科学的知見では、紫外線照射処理を施しただけで、「無菌で発熱性物質を含まない。」、「ウイルスの不活化、強力な殺菌効果を発揮」すると云えたのか、事実関係を明らかにすること(現在の科学的知見では、このようなことは云えない。)。当時、何故このような記載を行ったのか、その意図、経緯等を明らかにすること。

以上


(照会先)
厚生労働省医薬局
監視指導・麻薬対策課
木下(内線2763)


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