平成13年3月30日
骨セメントの使用に伴い、血圧低下、ショックが発現することについては、これまで、平成4年(1992年)9月発行の「医薬品副作用情報No.116」及び平成10年(1998年)3月発行の「医薬品等安全性情報No.147」により、実際の症例や添付文書の「使用上の注意」の改訂内容の紹介を行うなど、注意を喚起してきた。
1.骨セメント使用時における血圧低下及びショックについて
その後も骨セメントの使用により血圧低下、ショックを発症し、死亡した症例が毎年7例程度、平成12年度中には7例報告されていることから、本号において、改めて医療関係者へ使用にあたっての注意喚起を図るものである。
2.クラリスロマイシンと肝機能障害、横紋筋融解症について
クラリスロマイシンは、平成3年(1991年)3月に承認されたマクロライド系抗生物質である。
本剤による肝機能障害については、承認当初より「その他の副作用」の項にGOT、GPT等の上昇を記載し、平成7年(1995年)7月には同項に黄疸、胆汁うっ滞等の肝機能障害を、平成9年(1997年)12月には肝炎、γ-GTP、LDH、Al-P、ビリルビンの上昇を追記し、また、横紋筋融解症については平成11年(1999年)6月に「相互作用(併用注意)」の項にHMG-CoA還元酵素阻害剤であるシンバスタチン等との相互作用として横紋筋融解症を記載し、注意を喚起してきた。
クラリシッド錠200mg、同錠50mg小児用、同ドライシロップ小児用(ダイナボット)
年間推定出荷額:約386億円
平成8年(1996年)度以降、本剤との因果関係を否定できない肝機能障害23例、横紋筋融解症6例が報告されたことから、「重大な副作用」の項に肝機能障害、黄疸、横紋筋融解症を追記し、医療関係者への一層の注意喚起を行ったところであるが、具体的な症例と共に紹介を行う。
ヨストラジャパン株式会社が輸入販売していた代用心膜「シェルハイノーリアクトパッチ」の使用症例に遅発性皮下膿症(縦隔炎)が発生したとの報告があり、当該製品は平成12年(2000年)3月に回収を完了している。
当該製品と遅発性皮下膿症との関係等について、平成12年(2000年)9月発行の「医薬品・医療用具等安全性情報No.162」において紹介したが、その後、さらに得られた情報をもとに専門家の意見を聞いて、検討結果をまとめたので紹介する。
照 会 先 厚生労働省医薬局安全対策課 担当:倉持、井本、田所 03-5253-1111(内線)2750,2751,2753
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