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平成13年2月21日(水)

「障害者等に係る欠格事由の適正化等を図るための医師法等の一部を改正する法律案(労働安全衛生法の一部改正関係)要綱」 及び「高気圧作業安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱」についての労働政策審議会に対する諮問及び答申について

  1.  厚生労働大臣は、本日、「障害者等に係る欠格事由の適正化等を図るための医師法等の一部を改正する法律案(労働安全衛生法の一部改正関係)要綱」及び「高気圧作業安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱」を労働政策審議会(会長 西川 俊作 秀明大学教授)に諮問し(別添1及び別添2)、同審議会安全衛生分科会(分科会長 櫻井 治彦 慶應義塾大学名誉教授・中央労働災害防止協会労働衛生調査分析センター所長)において審議が行われた結果、同審議会から厚生労働大臣に対して、別紙1及び別紙2のとおり答申があった。

  2.  厚生労働省では、この答申を受け、今後、障害者等に係る欠格事由の適正化等を図るための医師法等の一部を改正する法律案の通常国会への提出及び高気圧作業安全衛生規則の改正に向けて、所要の準備を行うこととしている。 

障害者等に係る欠格事由の適正化等を図るための医師法等の一部を改正する法律案(労働安全衛生法の一部改正関係)の概要について

1 背景
  労働安全衛生法においては、(1)衛生管理者、(2)ガス溶接等の作業主任者、(3)クレーン等の運転等の就業制限業務の免許について、障害者に係る欠格事由が設けられており、身体又は精神の欠陥により免許に係る業務につくことが不適当であると認められる者は免許を受けることができないこととされている(第72条第2項)。
  現在、政府全体として、障害のある方も障害のない方とともに社会経済活動に参加し、いきいきと生活するという「ノーマライゼーション」の考え方を実現していくために、各種の障害者施策の推進に努めてきているところであり、この一環として、障害者に係る欠格事由についても、政府の障害者施策推進本部決定「障害者に係る欠格条項の見直し」(平成11年8月9日)に基づき見直していくこととされている。この決定においては、障害者に係る欠格事由については、障害者が社会活動に参加することを不当に阻む要因とならないように、(1)必要性の薄いものは廃止、(2)真に必要で廃止できないものについては、対象者の厳密な規定への改正等を行うことが必要であるとされている。
  このため、労働安全衛生法の免許についても、政府の障害者施策推進本部決定等を踏まえ、障害者に係る欠格事由の適正化を図ることとする。
  なお、厚生労働省としては、障害者等に係る欠格事由の適正化を図るため、厚生労働省関係法律27本を一括して改正する「障害者等に係る欠格事由の適正化等を図るための医師法等の一部を改正する法律案」を今通常国会に提出することとしており、労働安全衛生法の免許の障害者に係る欠格事由の適正化についても、この中に盛り込むこととする。

2 改正内容
(1)衛生管理者及び作業主任者の免許の障害者に係る欠格事由の廃止
  衛生管理者及び作業主任者の免許の障害者に係る欠格事由を廃止する。
(2)就業制限業務に係る免許の障害者に係る欠格事由の適正化

I) 欠格対象者の範囲の限定
 免許の種類に応じて、心身の障害により免許を与えないことができる者を省令で規定する。

II) 相対的欠格事由であることの明確化等
 相対的欠格事由であることが明確になるよう障害者に係る欠格事由の規定を改善するとともに、申請者が欠格事由に該当し免許を与えないこととするときは、あらかじめ通知し、その求めがあったときは意見を聴取しなければならないものとする。
 また、免許を受けた者が障害者に係る欠格事由に該当するに至ったときは、現行は免許を取り消さなければならないこととなっているが、免許を取り消し、又は免許の効力を停止することができるものとする。

III) 再免許制度の創設
 障害者に係る欠格事由に該当し免許を取り消された者であっても、その取消しの理由となった事項に該当しなくなったとき、その他その後の事情により再び免許を与えるのが適当であると認められるに至ったときは、再免許を与えることができるものとする。

3 施行日
  公布の日から起算して1月を超えない範囲内において政令で定める日


別添1

厚生労働省発基安第18号

労働政策審議会
会長 西川 俊作 殿

 厚生労働省設置法第9条第1項第1号の規定に基づき、別紙「障害者等に係る欠格事由の適正化等を図るための医師法等の一部を改正する法律案(労働安全衛生法の一部改正関係)要綱」について、貴会の意見を求める。

平成13年2月21日
厚生労働大臣 坂口 力

別紙

障害者等に係る欠格事由の適正化等を図るための医師法等の一部を改正する法律案(労働安全衛生法の一部改正関係)要綱

 衛生管理者及び作業主任者として選任されるために必要な免許の欠格事由について、身体又は精神の欠陥を削除すること。
 特定の業務に就くために必要な免許の欠格事由を適正化し、心身の障害により当該免許に係る業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるものには、当該免許を与えないことがあるものとすること。
 都道府県労働局長は、二により免許を与えないこととするときは、あらかじめ、当該免許を申請した者にその旨を通知し、その求めがあったときは、都道府県労働局長の指定する職員をしてその意見を聴取させなければならないこととすること。
 特定の業務に就くために必要な免許を受けた者が、二の厚生労働省令で定める者に該当するに至ったときは、都道府県労働局長は、当該免許を取り消し、又はその免許の効力を停止することができるものとすること。
 四により免許を取り消された者については、その者がその取消しの理由となった事項に該当しなくなったとき、その他その後の事情により再び免許を与えるのが適当であると認められるに至ったときは、再免許を与えることができるものとすること。
 その他所要の規定の整備を行うものとすること。
 その他
(一) この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。
(二) この法律の施行に関し必要な経過措置を定めるものとすること。


別紙1

労審発第10号
平成13年2月21日

厚生労働大臣
坂口 力 殿

労働政策審議会
会長 西川 俊作

 平成13年2月21日付け厚生労働省発基安第18号をもって諮問のあった「障害者等に係る欠格事由の適正化等を図るための医師法等の一部を改正する法律案(労働安全衛生法の一部改正関係)要綱」については、本審議会は、下記のとおり答申する。

別紙「記」のとおり。


平成13年2月21日
労働政策審議会
 会長 西川 俊作 殿

安全衛生分科会
分科会長 櫻井 治彦

 障害者等に係る欠格事由の適正化等を図るための医師法等の一部を改正する法律案(労働安全衛生法の一部改正関係)要綱について

 平成13年2月21日付け厚生労働省発基安第18号をもって労働政策審議会に諮問のあった標記については、本分科会は、下記のとおり報告する。

厚生労働省案は、妥当と認める。


高気圧作業安全衛生規則の一部を改正する省令案の概要について

1 趣旨
 潜水業務については、防波堤・護岸工事等における捨石均し、橋梁工事等におけるケーソン据付け、水中溶接、水中測量、点検検査等において広く行われている。
 このような中で、空気圧縮機等により潜水作業者に送気を行う方式の潜水業務(以下「送気式潜水」という。)については、従来からの方式である空気が連続して送気される「ヘルメット式潜水」に代わって、潜水作業者が息を吸い込んだ時のみ送気される「フーカー式潜水」と呼ばれる圧力調整器を使用した方式が増加しつつある。また、空気圧縮機が故障した場合に備え、潜水作業者に予備ボンベを携行させる場合も見られるようになってきている。
 また、潜水作業者がボンベを携行する「スキューバ式潜水」においては、着用した空気袋により浮力を調整することができる浮力調整具を潜水作業者に着用させる場合が増加してきている状況にある。
 このような近年の潜水業務の実施形態の変化に対応するため、厚生労働省においては、労働者の安全衛生を確保するために必要な措置についての検討を行ってきたところであるが、先般、その報告が取りまとめられたところである。
 このため、この報告等を踏まえ、近年の潜水業務の実施形態の変化に的確に対応するため、高気圧作業安全衛生規則(昭和47年労働省令第40号)の改正を行うこととする。

2 改正内容
(1)送気式潜水に関する改正
 イ 潜水作業者に圧力調整器を使用させる場合(フーカー式潜水の場合)の基準の創設
I) フーカー式潜水の場合については、潜水作業者ごとに、その水深の圧力下において毎分40リットル以上送気することができる空気圧縮機を使用し、かつ、送気圧をその水深の圧力に0.7メガパスカルを加えた値以上としなければならないこととすること。
II) フーカー式潜水の場合については、圧力計を設けなければならないこととすること。
III) 圧力調整器の事前点検、修理等を行わなければならないものとすること。
IV) I)の送気量の改正に伴い、フーカー式潜水の場合の予備空気槽の内容積の下限値を定めること。
ロ 予備ボンベを携行させる場合の措置の改正
 潜水作業者に予備空気槽の基準に適合した予備ボンベを携行させるときは、予備空気槽を設けることを要しないこととすること。
(2)スキューバ式潜水に関する改正
 スキューバ式潜水の作業者に着用させる携行物のうち、救命胴衣については、浮力調整具(BC)に代えることができることとすること。

3 施行日
 平成13年3月30日(ただし、2(1)イ I)のフーカー式潜水に使用する空気圧縮機の性能については、経過措置を設ける予定)


別添2

厚生労働省発基安第19号

労働政策審議会
会長 西川 俊作 殿

 厚生労働省設置法第9条第1項第1号の規定に基づき、別紙「高気圧作業安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱」について、貴会の意見を求める。

平成13年2月21日
厚生労働大臣  坂口 力

別紙
高気圧作業安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱

第一 潜水作業者に圧力調整器を使用させる場合の基準の創設
 事業者は、空気圧縮機により送気を受ける潜水作業者に圧力調整器を使用させる場合には、次の措置を講じなければならないものとすること。
(一) 潜水作業者ごとに、その水深の圧力下において毎分四十リットル以上の送気を行うことができる空気圧縮機を使用し、かつ、送気圧をその水深の圧力に〇・七メガパスカルを加えた値以上とすること。
(二) 圧力計を設けること。
(三) 圧力調整器の事前点検、修理等を行うこと。
 潜水作業者に圧力調整器を使用させる場合に用いる予備空気槽 の内容積の下限値を定めること。
第二 予備ボンベ
事業者は、予備空気槽 の基準に適合する予備ボンベを潜水作業者に携行させるときは、予備空気槽を設けることを要しないものとすること。
第三 潜水作業者の携行物等
事業者は、携行させたボンベからの給気を受ける潜水作業者に着用させなければならない救命胴衣については、浮力調整具に代えることができるものとすること。
第四 その他
その他所要の規定の整備を行うものとすること。
第五 施行期日等
 この省令は、平成十三年三月三十日から施行するものとすること。
 この省令の施行に関し必要な経過措置を定めるものとすること。


別紙2

労審発第11号
平成13年2月21日

厚生労働大臣
坂口 力 殿
労働政策審議会
会長 西川 俊作

 平成13年2月21日付け厚生労働省発基安第19号をもって諮問のあった「高気圧作業安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱」については、本審議会は、下記のとおり答申する。

別紙「記」のとおり。


平成13年2月21日

労働政策審議会
会長 西川 俊作 殿
安全衛生分科会
分科会長 櫻井 治彦

高気圧作業安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱について

 平成13年2月21日付け厚生労働省発基安第19号をもって労働政策審議会に諮問のあった標記については、本分科会は、下記のとおり報告する。

厚生労働省案は、妥当と認める。

厚生労働省労働基準局安全衛生部計画課
課  長        小山 浩一
課長補佐        井上    仁
課長補佐        下村 直樹
電話 3593-1211内線5478・5550
    3502-6753(夜間直通)


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