職発第1104002号
平成16年11月4日

社団法人全国民営職業紹介事業協会会長 殿

厚生労働省職業安定局長


労働者の募集及び採用についての理由の提示等に関する取組等について


 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律(平成16年法律第103号。以下「改正法」という。)については、平成16年6月11日に公布されたところであるが、本日、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(平成16年政令第341号。別添1参照。)が公布され、改正法の施行期日は、平成16年12月1日とされたところである。また、本日、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律施行規則及び雇用保険法施行規則の一部を改正する省令(平成16年厚生労働省令第154号。以下「改正則」という。別添2参照。)及び「職業紹介事業者、労働者の募集を行う者、募集受託者、労働者供給事業者等が均等待遇、労働条件等の明示、求職者等の個人情報の取扱い、職業紹介事業者の責務、募集内容の的確な表示等に関して適切に対処するための指針の一部を改正する告示」(平成16年厚生労働省告示第391号。以下「改正告示」という。別添3参照。)が公布され、改正省令については平成16年12月1日から施行され、改正告示の規定のうち改正法に係る改正規定については同日から適用されることとされたところである。
 これらの改正の趣旨及び職業紹介事業者が講ずべき措置等は下記のとおりであるので、貴職におかれては、この内容を御了知の上、傘下の団体、事業者等に対する周知及び指導等について特段の御配慮をお願いする。

第1 改正の趣旨

 新法第18条の2の趣旨等について
 改正法第1条による改正後の高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和46年法律第68号。以下「新法」という。別添4参照。)第18条の2は、労働者の募集及び採用における年齢による制限が個人の意欲、能力や適性にかかわらず年齢のみを理由として就職の機会を奪うものであり、高年齢者等の再就職の促進を図る上でも、その是正に向けた取組を一層促進することが必要であることにかんがみ、雇用対策法(昭和41年法律第132号。別添5参照。)第7条の努力義務を補足するものとして設けられたものであること。また、新法第18条の2の目的及び期待される主な効果は、次のとおりであること。
(1) 事業主にあっては、当該年齢制限が真に必要なものか、ひいては高年齢者をその職務に活用することが本当に不可能なものか検討した上で、労働者の募集及び採用を行うこととなり、やむを得ない理由以外の理由による年齢制限や年齢制限自体が抑制されること。
(2) 求職者にあっては、年齢制限が行われた募集及び採用であっても、提示された理由を参考として求職活動を行うことが可能となること。また、あらかじめ示された年齢制限の条件年齢を下回る年齢であるにもかかわらず、当該年齢を理由として募集又は採用の対象から排除された場合や、やむを得ない理由以外の理由による年齢制限が行われた場合に、公共職業安定所に対して、事業主の指導を求めることが可能となること。

 新法第18条の2の具体的な内容
(1) 新法第18条の2の規定について 新法第18条の2は、以下の内容であること。
 事業主は、やむを得ない理由により、労働者の募集及び採用をする場合において一定の年齢(65歳以下のものに限る。)を下回ることを条件とすること(以下「年齢制限」という。)を行うときは、求職者に対し、厚生労働省令で定める方法により、当該理由を示さなければならないものとすること(新法第18条の2第1項)。
 厚生労働大臣は、アに規定する理由の提示の有無又は当該理由の内容に関して必要があると認めるときは、事業主に対して、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができるものとすること(新法第18条の2第2項)。

(2) 「やむを得ない理由」について(新法第18条の2第1項)
 新法第18条の2第1項に規定するやむを得ない理由(以下「やむを得ない理由」という。)については、雇用対策法第12条に基づき策定された「労働者の募集及び採用について年齢にかかわりなく均等な機会を与えることについて事業主が適切に対処するための指針」(平成13年厚生労働省告示第295号。以下「年齢指針」という。別添6参照。)において、年齢制限の認められる場合として限定的に列挙された、年齢指針の第3の1から10までのいずれかの場合(以下「10項目」という。)に該当する理由である必要があること。
 また、新法第18条の2の趣旨にかんがみれば、10項目のいずれかの場合に該当することを単に示す(10項目の対応する番号を記載する等)だけではなく、当該労働者の募集及び採用に係る事業主の具体的な事情を反映した理由を示す必要があるものであること。

(3) 「厚生労働省令で定める方法」について(新法第18条の2第1項)
 理由提示の方法の原則
 新法第18条の2第1項の厚生労働省令で定める方法は、改正則第1条による改正後の高年齢者等の雇用の安定等に関する法律施行規則(昭和46年労働省令第24号。以下「新則」という。)第6条の5第1項の規定により、当該やむを得ない理由を労働者の募集及び採用の際に使用する書面又は電磁的記録(電子メール、ホームページ、FAX、CD-ROM等)に併せて記載又は記録する方法とされたものであること。
 また、新則第6条の5第2項により、上記の労働者の募集及び採用の際に使用する書面又は電磁的記録には、次に掲げるものを含むものとされたものであること。
(ア) 公共職業安定所又は職業安定法(昭和22年法律第141号)その他の法律の規定による許可を受けて、若しくは届出をして、職業紹介を行う者に事業主が求人を申し込む場合における当該求人の申込みの内容を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録
(イ) 職業安定法その他の法律の規定による許可を受けて、又は届出をして、事業主がその被用者以外の者に委託して労働者の募集を行う場合における当該委託に係る募集の内容を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録
(ウ) 職業安定法第45条の規定により労働者供給事業を行う者から事業主が労働者供給事業を受けようとする場合における供給される労働者が従事すべき業務の内容等を当該労働者供給事業者に対して明らかにした書面又は電磁的記録
 理由提示の方法に関する特例について(新則第6条の5第3項)
 職業紹介を行わずに求人情報を提供する者(以下「求人情報提供事業者」という。)を活用し、新聞、雑誌その他の刊行物に掲載する広告その他これに類する方法により労働者の募集及び採用を行う場合においても、事業主は、アの原則に従い、やむを得ない理由を当該広告等に併せて記載又は記録すべきであるが、やむを得ない理由の当該広告等への記載又は記録を求めることは、
 求人広告紙面の制約により、詳細な情報の提供が難しいこと
 理由提示のために、事業主がより大きな求人広告紙面を買い取る必要があること
等から、事業主や求人情報提供事業者にとって過大な負担となることが懸念される。このため、新則第6条の5第3項により、この場合において、あらかじめ当該広告等にやむを得ない理由を提示することが困難なときは、事業主は、求職者の求めに応じて、遅滞なく、次のいずれかの方法により当該理由を示すことができるものとされたものであること。
(ア) 書面の交付の方法
(イ) 電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって、求職者が当該方法により記録された電磁的記録を出力することによる書面を作成することができるもの(電子メール又はFAXの送信、ホームページへの掲示等)
 また、アの労働者の募集及び採用の際に使用する書面又は電磁的記録がない場合においても、これと同様の方法により当該理由を示すことができるものとされたものであること。

 「職業紹介事業者、労働者の募集を行う者、募集受託者、労働者供給事業者等が均等待遇、労働条件等の明示、求職者等の個人情報の取扱い、職業紹介事業者の責務、募集内容の的確な表示等に関して適切に対処するための指針」の改正の趣旨について
 改正告示による改正後の「職業紹介事業者、労働者の募集を行う者、募集受託者、労働者供給事業者等が均等待遇、労働条件等の明示、求職者等の個人情報の取扱い、職業紹介事業者の責務、募集内容の的確な表示等に関して適切に対処するための指針」(平成11年労働省告示第141号。以下「新指針」という。)の第5の5は、新法第18条の2の趣旨を踏まえ、同条の規定に基づく事業主の行った理由提示の実効性を確保する見地等から、職業紹介事業者、募集受託者及び労働者供給事業者においても、事業主から、新則第6条の5第2項各号に掲げる書面又は電磁的記録により、やむを得ない理由の提示を受けたときは、当該理由を求職者等に対して、適切に提示すべきことを事業実施上の責務の一つとして位置付けたものであること。

第2 職業紹介事業者が講ずべき措置等

 職業紹介事業者が講ずべき措置
(1) 新法第18条の2及び新指針の第5の5の趣旨に沿った事業運営を行うため、職業紹介事業者は、次に掲げる措置を講ずべきものであること。
 求人票、求人申込書等の整備
 職業紹介事業者が用いる求人票、求人申込書等について、年齢制限の理由を記載することが可能な欄を設ける等所要の整備を図ること(特記事項欄等の活用でも差し支えない。)。
 求人の申込みへの対応 年齢制限を行う求人の申込みがあった場合は、次に掲げる措置を講ずること。
(ア) 内容の確認
 当該求人の申込みの内容が新法第18条の2第1項に違反するもの(やむを得ない理由以外の理由が提示されているものや理由が提示されていないもの)でないか必要な確認をすること。
 なお、やむを得ない理由については、年齢指針(別添6参照)において年齢制限の認められる場合として限定的に列挙された、年齢指針の第3の1から10までのいずれかの場合に該当する理由である必要があること。
 また、事業主が提示した理由がやむを得ない理由に該当するか否か不明である場合は、管轄の公共職業安定所に対して照会すること。
 さらに、新法第18条の2の趣旨にかんがみれば、事業主は、年齢指針の第3に列挙されたいずれかの場合に該当することを単に示す(年齢指針の対応する番号を記載する等)だけではなく、当該労働者の募集及び採用に係る事業主の具体的な事情を反映した理由を示す必要があることに留意すること。このため、当該事業主に対しては、「年齢制限を行うやむを得ない理由(確認事項・記載例)」(参考)を参考として、年齢制限をせざるを得ない事業主の具体的な事情を反映した理由を示すようできる限り求めること。
(イ) 新法第18条の2第1項に適合する求人の申込みへの対応
 新指針の第5の5により、事業主からやむを得ない理由が適正に提示されている場合は、当該理由を求職者に対して、適切に提示しなければならないものであること。
 この場合の「適切に提示する」とは、新則第6条の5第1項の規定に準じて、求職者に対して提示する求人の内容を記載又は記録した書面又は電磁的記録(求人票等)に、当該理由を併せて記載又は記録する方法により提示することを原則とするものであること。また、新法第18条の2の趣旨にかんがみ、職業紹介事業者は、年齢指針の第3に列挙されたいずれかの場合に該当することを単に示す(年齢指針の対応する番号を記載する等)だけではなく、事業主の示した具体的な事情を反映した理由を示すことが必要であること。
 ただし、職業紹介事業者が、事業主からの年齢制限を行う求人の申込みについて、刊行物に掲載する広告その他これに類する方法により求職の申込みの募集を行う場合等において、あらかじめ当該広告等に当該理由を提示することが困難なときは、新則第6条の5第3項の規定に準じて、当該職業紹介事業者は、求職者の求めに応じて、遅滞なく、第1の2の(3)のイの(ア)又は(イ)の方法(書面の交付、電子メール又はFAXの送信、ホームページへの掲示等)により当該理由を提示することができること。また、求職者に対して提示する求人の内容を記載又は記録した書面又は電磁的記録がない場合においても、同様であること。
 なお、職業紹介に使用している電子情報処理組織等を直ちに変更することが困難であるなどやむを得ない事情により、求職者に対して提示する求人の内容を記載又は記録した書面又は電磁的記録に併せて当該理由を記載又は記録する方法によることが困難な職業紹介事業者については、当分の間、求職者の求めに応じて、遅滞なく、第1の2の(3)のイの(ア)又は(イ)の方法(書面の交付、電子メール又はFAXの送信、ホームページへの掲示等)により当該理由を提示することによっても差し支えないものであること。
(ウ) 新法第18条の2第1項違反の求人の申込みへの対応
(1) 求人の申込みの内容が新法第18条の2第1項に違反するもの(やむを得ない理由以外の理由が提示されているものや理由が提示されていないもの)であると認められる場合は、当該事業主に対して、雇用対策法第7条及び新法第18条の2の趣旨等のほか、年齢ではなく、求職者の実際の能力等で判断すべきこと等について説明を行うとともに、可能な限り年齢を条件としない求人とする方向で当該求人の申込みの内容を是正するよう働きかけを行うこと。また、当該年齢を条件とすることについて、やむを得ない理由があると認められる場合にあっては、新法第18条の2第1項の規定により、その理由を示すよう依頼を行うこと。
(2) (1)の働きかけにもかかわらず、当該年齢に係る条件が取り下げられない場合、やむを得ない理由が提示されない場合その他当該求人の申込みの内容が是正されない場合において、当該求人の申込みを受理するときは、当該事業主に対し、次に掲げる事項について説明を行うこと。
(@) 新法第18条の2第1項により、事業主は、求職者に対し、やむを得ない理由を提示する義務があるため、少なくとも、求職者から当該理由の提示を求められた場合は、当該理由を速やかに提示することが必要であること。
(A) 新法第18条の2第1項並びに新則第6条の5第1項及び第2項第1号により、事業主は、職業紹介事業者に年齢制限を行う求人を申し込む場合は、当該求人の申込みの内容を記載又は記録した書面又は電磁的記録(求人申込書等)に当該年齢制限を行うやむを得ない理由を併せて記載又は記録する義務があるため、新法第18条の2第2項の規定に基づき、公共職業安定所による報告の徴収並びに指導、助言及び勧告が行われることがあること。
(B) 再び年齢制限を行うにもかかわらず、やむを得ない理由が提示されていない求人の申込みがあった場合には、職業安定法第5条の5ただし書に基づき、当該求人の申込みの受理を拒否する場合があること、また、当該求人が公共職業安定所により勧告を受けるに至った場合には、同法第3条及び第5条の5ただし書の趣旨にかんがみ、職業紹介を行わない場合もあること。
(3) 職業紹介事業者が、新法第18条の2第1項に違反する内容の求人の申込みを受理して、職業紹介を行うことは、そもそも職業安定法第5条の5ただし書の趣旨に反するとともに、同法第3条の趣旨にかんがみても適当ではないことから、求人の申込みの内容が新法第18条の2第1項に違反する場合は、職業安定法第5条の5ただし書の職業紹介事業者が求人の申込みを受理しないことができる場合に該当するものであること。このため、当該職業紹介事業者は、当該求人の申込みの受理を拒否することも可能であること。
(4) 求人の申込みの内容が新法第18条の2第1項に違反している場合において、その違反内容等も悪質であるとき等公共職業安定所による指導等を行う必要があると認められる場合には、「年齢制限求人に係る情報提供」(別紙)により管轄の公共職業安定所に対して情報提供を行うこと。
 なお、この場合における職業紹介事業者から公共職業安定所に対する情報提供は、新法第18条の2の趣旨を確保するために行うものであることから、職業安定法第51条第1項の正当な理由がある場合に該当し、また、同条第2項又は同法第51条の2のみだりに他人に知らせることには該当しないものであること。また、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)第23条第1項第4号の「国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。」にも該当するものであること。

(2) 施行日前の求人の申込みに係る取扱い 平成16年12月1日前に既に受理している年齢制限を行う求人については、職業紹介を行うに当たり、事業主に対し、当該年齢制限を行うやむを得ない理由について求職者が提示を求めた場合は、遅滞なく、第1の2の(3)のイの(ア)又は(イ)の方法(書面の交付、電子メール又はFAXの送信、ホームページへの掲示等)により提示するよう求めるなど新法第18条の2の趣旨を十分に説明すること。

 職業安定法に基づく職業紹介事業者に対する指導等
 事業主が新法第18条の2第1項に基づきやむを得ない理由を提示しているにもかかわらず、職業紹介事業者が当該理由を求職者に対して適切に提示していない場合や、同項に違反する内容の求人の申込みについて、職業紹介事業者が、1の(1)に示す措置等を適切に講じずに、当該求人の申込みを受理し、職業紹介を行っている場合等には、職業安定法第48条の2の指導及び助言、同法第48条の3の改善命令、同法第32条の9(同法第33条第4項、第33条の2第7項、第33条の3第2項及び第33条の4第2項の規定により準用する場合を含む。)の許可の取消し若しくは事業廃止命令又は事業停止命令の対象となり得るものであることに留意すべきこと。


別紙 記載例

年齢制限求人に係る情報提供

平成  年  月  日

(     )公共職業安定所長 殿

( 職業紹介事業者の氏名又は名称 )

 当社の取扱いに係る求人の申込みについて、下記のとおり、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和46年法律第68号)第18条の2第1項違反と思われる事案がありましたので、情報提供いたします。


 違反と思われる事業主の氏名又は名称及び連絡先






氏名又は名称:(記載例)○○社○○事業所
連絡先(住所又は所在地、電話番号等):






 事案の概要(求人の職種、上限年齢、年齢制限の理由、求人の申込みの日付等)






(記載例)
 ・ 平成○○年○○月○○日に申込みのあった○○の職種の求人について、○○歳以下という条件が付されており、その理由は「○○」とされているが、これはやむを得ない理由に該当しないものと考えられる。







 処理の状況(当社からの働きかけの内容、求人の状況等)






(記載例)
 ・ 当社において理由の提示を要請するとともに、当該求人の申込みを受理(現在未充足)。
 ・ ○○月○○日に求職者を紹介済。






 その他特記事項





 






参考

年齢制限を行うやむを得ない理由(確認事項・記載例)


 事業主から提示された理由が年齢指針の第3の1から10までのいずれかの場合に該当するか否かについては、年齢指針の第3の該当すると考えられる項目ごとに、それぞれ次に掲げる記載確認事項が求人申込書等に記載されていることを確認し、また、それぞれ次に掲げる内容確認事項について確認する等により判断するものとする。なお、内容確認事項については、必ずしも求人申込書等に記載されている必要はない。

 年齢指針の第3の1に掲げる場合
(1) 記載確認事項
 新規学卒者等を募集対象とすることが明らかであること。
(2) 内容確認事項
 期間の定めがない労働契約であること。
 【記載例】
  ・ 期間の定めのない労働契約で新規学卒者と併せて同一募集枠で募集するため

 年齢指針の第3の2に掲げる場合
(1) 記載確認事項
 募集対象となる年齢層が不足している又は募集対象以外の年齢層が大半であることが明らかであること。
(2) 内容確認事項
 企業の事業活動の継続や技能、ノウハウ等、企業における継承が必要な業務であること(例えば、データの入力作業など単純業務であって、継承が必要とは判断できない業務は該当しない。)。
 【記載例】
  ・ 企業の事業活動を継続させる上で、特に30歳代が著しく不足するため

 年齢指針の第3の3に掲げる場合
(1) 記載確認事項
 最高雇用年齢と、必要とされる能力を有効に発揮するために必要とされる期間又は職業能力を形成するために必要とされる期間との関係が明確化されていること。
(2) 内容確認事項
 短期間で習得可能な業務であったり、期間を定めた労働契約など定年制等の適用を受けない募集ではないこと。
 【記載例】
  ・ 65歳定年の下、この業務の職業能力を習熟するために必要な約2年を含め、最低5年働ける方を募集するため

 年齢指針の第3の4に掲げる場合
 記載確認事項
 根拠となる就業規則の内容と賃金との関係が明確化されていること。
 【記載例】
  ・ 就業規則上、支払い賃金と年齢とが連動しており、求人条件の給与額に相当する30歳代の方を募集するため

 年齢指針の第3の5に掲げる場合
(1) 記載確認事項
 商品・サービスの販売・提供に当たり必要な業務の内容と特定の年齢層でなければならないこととの関係が明確化されていること。
(2) 内容確認事項
 販売・提供される商品・サービスの内容が特定の年齢層を対象としており、そのために行う特定の年齢層を必要とする業務の内容が明確化されていること。
 【記載例】
  ・ 若者向けの洋服の販売に当たり、宣伝を兼ねその商品を着用して店舗にでることから、30歳代までの方を募集するため

 年齢指針の第3の6に掲げる場合
  ・ 記載確認事項
 具体的な業務内容
 【記載例】
  ・ 芸術・芸能において、大学生役を表現するためには、現実にも30歳代までの方であることが必要であるため

 年齢指針の第3の7に掲げる場合
 記載確認事項
 根拠となる当該業務に関する事実、統計や経験
 【記載例】
  ・ ○○歳以上において、当該業務の危険が○○から○○程度増大することが○○統計により明確になっているため

 年齢指針の第3の8に掲げる場合
(1) 記載確認事項 業務の内容と必要とされる能力との関係が明確であること。
 ※ 職務上の身体的能力は大きな個人差があることから、必要とされている能力について可能な限り具体的に記載されるよう指導していくこと。
(2) 内容確認事項
 業務に必要とされる能力が、社会通念上、加齢に伴いその機能が低下するものであること。
 【記載例】
  ・ 短時間に大量の製品を見て欠陥を見つける業務であり、視力の衰えが、当該業務の遂行に決定的な影響を与えるため
  ・ 長時間(約7時間)の立ち仕事なので持久力が必要であり、持久力の衰えは、当該業務の遂行に決定的な影響を与えるため
  ・ 長時間トラックを運転し、重い荷物(○○kg程度)を上げ下ろしする業務であるため、当該業務を継続していくためには、持久力と筋力が必要であるため

 年齢指針の第3の9に掲げる場合
(1) 記載確認事項
 当該行政機関の施策
(2) 内容確認事項
 募集対象が中高年齢者であること。
 【記載例】
  ・ 中高年齢者の雇用の促進を目的とする○○助成金の支給対象を踏まえて、中高年齢者に限定して募集するため

10 年齢指針の第3の10については、上限年齢を定めた求人は想定されない。

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