先輩からのメッセージ
 
雇用均等行政
 高橋 弘子(昭和57年 雇用均等行政採用)
 雇用均等・児童家庭局総務課長補佐
 (所属は平成19年7月現在)

 
「少子化問題」「格差社会是正」最近の新聞紙上において、これらの記事が出ない日はないと言っていいほどですが、これらの問題を解決していく行政の一つとして雇用均等行政があります。
 雇用均等行政は、@性差別や妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いのない職場環境の整備、A仕事と子育ての両立など仕事と生活のバランスのとれた働き方の実現B就業形態の違いにより、労働者の処遇に不合理な格差が生じないよう、均衡な処遇が図られる環境の実現 等の課題に対して男女雇用機会均等対策、仕事と家庭の両立対策、パートタイム労働対策を進めています。近年これらの対策は国民の期待が高まっており、雇用均等行政果たすべき役割は非常に大きくなっています。
 かく言う私が採用された昭和57年は、女性が働くのが当たり前でなかった時代、就職活動中に、「大卒の女性はとらない」と民間会社に門前払いされ悔しい思いをしました。その数年後、男女雇用機会均等法が出来て、女性ということだけで採用を初め職場で性差別をしてはならないとなった時は非常に感慨深いものがありました。その後、均等法によって女性が働くことについての企業や社会の意識も変わり、働く女性が増え、家庭と仕事を両立させるための育児・介護休業法、そしてパートタイム労働法が出来ました。これまでのあゆみをみると雇用均等行政は我が国社会そのものの変容を求めながら展開している行政とも言えるのです。
 ところで、雇用均等行政職員として採用されると本省又は各都道府県労働局雇用均等室に配属になります。直轄の出先機関があるということは、現状を認識し、考えた対策を自ら推し進めることができる強みがあります。私も本省と幾つかの雇用均等室で勤務していますが、特に雇用均等室で妊娠で辞めさせられそうな相談者が継続勤務できるようになったときなどこの仕事の意義を実感しています。
  雇用均等行政に興味をもたれた方、多様な人材が、その意欲と能力を最大限に発揮できる環境の整備のための対策を推し進めようと思う方、一緒に仕事をしてみませんか。お待ちしています。
 林 未央(平成10年度 雇用均等行政(U種)採用)
 雇用均等・児童家庭局総務課国際係長
 (所属は平成19年7月現在)

 現在、私は、雇用均等・児童家庭局の総務課で、男女共同参画に関する省内の調整業務を行っています。平成10年に均等行政に採用されたので、気づけば入省してもう10年になります。
 この間、鹿児島と岩手の雇用均等室に勤務し、そして3年前より本省雇用均等・児童家庭局で、国会業務等を担当してきました。
 これまで均等行政で働いて思うことは、均等行政では、雇用均等室と本省の業務の両方を経験できるので、やる気さえあれば、色々な経験を積むことができるということです。
 雇用均等行政では、主に、男女雇用機会均等法や育児・介護休業法、パートタイム労働法の施行業務を行っていますが、雇用均等室と本省ではその見え方が違います。
 雇用均等室では、主に法律に基づいて企業を指導したり、事業主や労働者の方からの相談に対応したりと、事業主や労働者の方と接することが多く、相手の置かれている状況に応じた対応が求められます。
 また、女性が働くことに対する意識などは、県によっても違うため、法律がその地域で根付くためには、どのような手法をとったらいいのかを、考えながら仕事をしていくことになります。
 苦労することも多いですが、相談が無事に解決できた時などは、やりがいを感じることができます。
 一方、現在私が担当している、本省総務課の男女共同参画に関する業務では、均等行政という枠にとらわれず、男女共同参画という大きな視点で、施策の動きを見ることができます。
 特に、雇用均等・児童家庭局は、均等行政と児童行政との統合部局なので、均等行政の視点だけでなく、保育所をはじめとした子育て支援など、児童行政の視点にも触れることができるので、大変勉強になっています。
 このように、均等行政では、雇用均等室の業務と本省の業務とを経験し、キャリアアップをすることができます。
 均等行政は、人の考え方、生き方に関わる行政なので、仕事は決して楽ではありません。時には仕事が辛くなることもあります。でも、均等行政で仕事をしていくと、少しずつですが、社会が変わっていることを実感することができます。きっと、その体験があるから、仕事を続けているのだと思います。均等行政に興味がある!という方、ぜひ、一緒に均等行政で働いてみませんか。そしていつの日か、一緒に働ける日が来ることを楽しみにしています。

 越沼 綾乃(平成16年度 雇用均等行政(U種)採用)
 雇用均等・児童家庭局総務課助成係
 (所属は平成19年3月現在)

  皆様、初めまして。私は総務課助成係で、雇用均等行政の予算と経理の総括をしています。ここでは「予算」の仕事を簡単に紹介しましょう。
 予算要求の作業は、大体G.W.明けから始まります。計画している施策にどれくらいの予算が必要かを書いたものを「概算要求書」と呼びますが、それを財務省へ提出する期限が8月末。それまでに、実効性のある施策をなるべく少ない予算で効率的に行えるよう、局内あるいは省内で検討・調整を重ね、要求することになります。係員は要求書のチェック、必要な資料の作成、担当者の打ち合わせの記録などを行います。
  さて、要求書を提出して一安心、かと思いきや、今度は財務省の担当者に対する説明が始まります。係員は主に記録係として担当者説明に随行しますが、簡単な説明を行うこともあります。
 そして年の瀬も押し詰まった12月20日頃、財務省原案(年明けの国会で審議)が内示されると、予算関係の作業はほぼ終了となります。
  スピードと正確さが求められる仕事なので、忙しい時期はヘトヘトになりますが、なるべく土日に仕事を持ち越さず、どちらか1日は外出して、気分をリフレッシュするようにしています。
  この仕事は、地味だけれど施策を行うにあたって欠かかすことのできない、いわば「縁の下の力持ち」。 皆様も一緒に、雇用均等行政を縁の下から支えてみませんか。
 お会いできる日を心待ちにしております。
 鈴木 圭(平成16年度 雇用均等行政(U種)採用)
 石川労働局雇用均等室
 (所属は平成19年3月現在)

 雇用均等室は、雇用の分野において女性であることを理由に差別されることのない雇用環境を整備することや、仕事と家庭との両立が出来る職場環境を整備することなどを目的とし、男女雇用機会均等法や育児・介護休業法などの法律を施行しているところです。業務内容は主に、法に基づく企業訪問、法律や制度などの周知・啓発、相談対応の3つです。
 私が所属している石川労働局雇用均等室は、職員と非常勤職員併せて10名で業務を行っており、この少ない人数で石川県全体の雇用均等行政を推進しています。
 さて、ここで私のある一日の業務内容をご紹介したいと思います。最近の私の1日は、職場まで徒歩で約20分、新緑が眩しい街路樹を横目で見つつあくまでもさわやかに出勤するところから始まります。8時30分に業務開始となり一日のスケジュールを確認します。 今日の主な業務は、午前中に労働者の相談を受ける約束が入っており、午後は均等法に基づく実態把握のための企業訪問です。さっそく労働者が来室したので話を聞きます。内容は、どうやら妊娠を理由に解雇された事案のようです。これは均等法違反となる取扱いになるかもしれません。詳しい状況を聞き、なるべく良い解決方法を相談者と話し合いながら模索していきます。長い話し合いの末、解決の筋道ができ、相談者も納得し終了になりました。午後は企業訪問です。バスと電車を乗り継ぎ、訪問企業に到着です。入る前にネクタイを締めなおし、気合いを入れ、さあ訪問です。企業の人事労務担当者を相手にヒアリングを始めます。約1時間半のヒアリングを行った結果、採用に関しての法違反が認められ、是正を求める文書を交付することとなりました。室へ戻って、ヒアリングの報告書を作成します。報告書を最後まで仕上げ、あとは午前中に行った相談の記録カードを作成し、今日の業務は終了です。以上が、ある一日の業務内容です。
 均等行政は他の労働行政ともまたひとつ違った雰囲気を持った行政です。資料を集めたり、労働局を訪問するなりして事前に情報を集め、十分検討した上で、この行政に携わりたいと思った方は是非いらしてください。それでは、みなさんが良い進路に進まれることを願っています。
   
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