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国立ハンセン病療養所 医師募集

現場からの医師の声

VOICE02 奄美和光園 医師 馬場 まゆみ VOICE02 奄美和光園 医師 馬場 まゆみ

profile
長野県生まれ
浜松医科大学医学部卒業
皮膚科専門医、フットケア指導士、弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター・摂食嚥下リハビリテーション学会認定士

生きていく場所としての
奄美大島

南国奄美大島にあり、市街地からほど近い場所に建つ奄美和光園。
地元とも密接な関係を築き続けている、文字どおりあたたかい施設で働く馬場医師は、
文字どおり育った場所から遠く離れたこの地を、人生を過ごす場所を決めました。




「南の地」への移住の夢と奄美和光園との出会い

「南の地」への移住の夢と奄美和光園との出会い 長野県で生まれた私は、隣県である静岡の浜松医大を卒業し、関連病院での研修を経て皮膚科専門医を取得したのち、結婚しました。今は主人の希望で移住した奄美大島にある奄美和光園で勤務をしています。医員、医長、そして今は副園長となりました。
私が奄美和光園で仕事をすることになった経緯は、もしかしたら少し変わっているかもしれません。ただ、人生の岐路においてこのような選択もあるということを、少しでも参考にしていただければ嬉しく思います。
学生の時は漠然としたイメージでしたが、皮膚科を専門に決めたころから少しずつ「患者さんに近いところで働きたい」と思うようになりました。また、将来的には南の方に移住したいとも思っていましたので、夏休みのたびにあちこちの「南の地」を旅行しては、住むところを探していました。ある年、奄美大島に遊びに来て風土や料理に接し、馴染めそうだと直感しました。それは主人も同じでした。それから4回、5回と遊びに来るたび、移住したいという気持ちが固まっていきました。
当時、主人は柔道整復師と鍼灸師の勉強中で、卒業後は移住した土地で開業するというプランを持っており、それも移住が現実的なものになる要因の一つだったともいえます。
2010年9月の旅行の際に、奄美大島の中核病院の皮膚科医に相談すると、奄美和光園で募集していると教えてくださいました。問い合わせたところ、翌日に園長と面談す ることになりました。そしてとんとん拍子に話は進み、その日のうちに「すぐに来られる?」と尋ねられましたが、医局への義理もあり、翌年の4月から勤務を始めました。

「南の地」への移住の夢と奄美和光園との出会い
治療だけでなく、生きていくことのための医療を

治療だけでなく、生きていくことのための医療を 私はこのように、生活する場所を決めてから職場を決めました。生き方とその場所は、密接に繋がっていると思います。入所者の方にとって療養所は生活の場であり、終の棲家であり、後遺症などの治療を受ける場でもあります。ですから、効率的な治療よりも、「その人らしい生活を送るためのお手伝い」が重要だと強く感じています。
急性期病院では、治療して笑顔で玄関から退院することが目標です。でも、この施設の目標は、穏やかに生きていくことであり、変わらない日常そのものです。ガイドラインに基づく効率的な治療を受け入れていただけないことに、もどかしさを感じることもあるかもしれません。しかし、一つひとつ解決しながら、自分なりの医療を見つけることは、大いに意義があると思います。
一方で、時代に乗り遅れないため、治療についての理解を深めるため、ハンセン病の啓発のため、理由は様々ですが、可能な限り学会発表や論文作成することを自分に課しています。また、その時、その時で必要な勉強を怠らないようにし、その理解度を図るため、認定試験を受けるようにしています。奄美大島に来てから、新たに3つの資格を取得するなど、知識の向上・維持にも努めています。

治療だけでなく、生きていくことのための医療を

チーム医療を大切にした診療を目指す方へ 遠く離れた場所で新たな人生を過ごそうという決断は、簡単なものではありませんが、最後に、この施設での仕事に大切なことをお伝えしたいと思います。それは、「チーム医療を大事にすること」です。最近は、いずれの医療現場でも言われていることですが、あえて強調いたします。
職員数の少ない奄美和光園では、それぞれに高い専門性が求められます。しかし、リーダーたる医師が治療という専門性だけを追い求めてしまうと、うまくいきません。歴史も踏まえた入所者の背景、倫理観、宗教観を熟知しているのはスタッフです。当園の基本理念である「生命の尊厳と人権を守り、穏やかで心豊かな療養生活と、安全で安心できる医療の提供」のためには、スタッフの意見を尊重すること。それが求められるリーダーのあり方だと思います。
また、奄美和光園では入所者の希望により皮膚科に限り地域の方の診察もしています。奄美大島には皮膚科医が少なく、病診連携における重要な医療資源という側面もあります。生活の場として、奄美大島という土地と切り離すことができない施設だといえます。
生きていく場所は、自分で決めることができる。そしてそこで送る日々は充実したものになる、私はそう思って います。

令和4年3月31日

MY LIFE STYLE
8:30 始業。
メールや書類の確認
1日のスケジュール確認と調整
8:45 幹部ミーティング
9:30 治療棟、病棟、不自由者棟を回り、診療や処置にあたる
当直に備えて全入所者の体調変化や治療内容の把握
主治医として担当入所者の全身管理
皮膚科医として全入所者の皮膚トラブルに対応
NST、褥瘡、感染対策など、各委員長として対策や指示
会議
12:00 昼食
午後の診療の準備。休憩時間が十分とれず、スタッフに心配されることもしばしば
13:00 月・火・金曜日は外来診療(1日平均30人)
水・木曜日は外来の予約処置、検査、手術、自費診療
入所者の診療
会議
皮膚科専門医としての診療の他、感染症や高齢者医療(認知症、摂食嚥下、終末期ケア)の勉強や対策、副園長としての書類作成や確認作業(決裁)など、業務が多岐に渡り、終わるまで帰れません
××:00 帰宅
敷地内に官舎があるので通勤時間は30秒ですが、ハブに注意!

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