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国立ハンセン病療養所 医師募集

現場からの医師の声

VOICE01 長島愛生園 園長 山本 典良 VOICE01 長島愛生園 園長 山本 典良

profile
1963 年岡山県生まれ
岡山大学医学部、同大学院医学研究科博士課程卒業 医学博士
外科専門医、日本外科学会指導医、(臨床研修指導者養成課程講習会修了、プログラム責任者養成講習会修了、JATEC コース修了)

高度な技術ではなく
心を磨ける場所

穏やかな瀬戸内の海に臨む長島愛生園。
この施設の園長である山本医師は、「ここに来て後悔することはない」と話してくれました。
その静かな語り口からにじみ出る強い想いをお届けします。




この選択肢とは何度も巡り合えない

この選択肢とは何度も巡り合えない 1992年に呉共済病院の胸部心臓血管外科に勤めてから、この愛生園に来るまで、12カ所ほどの医療機関で勤務してきました。
2014年のある日、以前勤務していた国立病院岡山医療センターでの直属の上司であった藤田邦雄先生(当時岡山医療センター心臓血管外科医長)から、長島愛生園に来ないかと声をかけていただきました。藤田先生は愛生園の前園長にあたります。
外科医師の多くは60歳を過ぎたあたりでメスを置くのが普通です。心臓血管外科医の場合は、それがもう少し早くて55歳くらいでしょうか。私はそのとき、まだ55歳になろうとしていた頃でした。正直、大いに迷いました。2週間、思い悩みました。
そのときに考えたのは、愛生園に「行かない」と決めたら、もう二度とこの施設と関わり合うことはないだろう、ということでした。つまり、何度も繰り返し悩むことのできる選択肢ではない、ということです。
岡山赤十字病院玉野分院で内科副部長を経験し、外科以外の診療に携わった経験が後押ししたのかもしれません。ずっと国立の学校で学んできたので、国に恩返しをしたいという思う気持ちもありました。愛生園の副園長職を選んだのは、これだという大きな理由ではなく、いくつもの理由が重なった結果だったのだと、今は思っています。

この選択肢とは何度も巡り合えない
打算のない「医療の原点」がここにはある

打算のない「医療の原点」がここにはある 国立ハンセン病療養所は、急性期の医療施設ではありません。忙しさが、働きがいや自分のキャリア構築につながるような感じはしないかもしれません。
ただ、考え方によって違うかとは思いますが、私自身はこの施設には「医療の原点」があるのではないか、と感じています。ここには、困っている人がいて、その人たちのためだけにつくられた施設です。病院のためではなく、何の打算も挟まず、純粋に入所者のための医療ができる。そういうスタンスで医療に携わることのできる機会は、あまりないのではないかと思います。

打算のない「医療の原点」がここにはある
自分の勉強や研究の時間が持てる勤務環境

自分の勉強や研究の時間が持てる勤務環境 一方で、すべての病状に対して初診を行い、必要であれば専門機関を紹介することもあるので、総合家庭医という側面もあります。一般の患者であれば、病院が気に入らなければ他所を受診すればいいのですが、ここの入所者はなかなかそういう選択肢がないのも事実です。であれば、私たちも、きちんと勉強しておかなくてはいけません。
比較的時間をつくることのできる職場なので、自分の勉強や研究に充てる時間を持つことができます。週に1回の研修日設定も可能なので、その日を岡山医療センターや大学病院での勤務にあてることもできます。急性期医療の現場から遠のかずにいられるのも、愛生園の特徴でしょう。

自分の勉強や研究の時間が持てる勤務環境

医師が人間の心を磨くための場所と時間 外科医がメスを置いた後には、ふたつの道があると思います。ひとつは病院の管理者となる道。もうひとつは後進の育成に携わるという道です。私は、その真ん中の道を選んだといえるかもしれません。愛生園の管理者として、その責任を全うしようと思っていますし、一緒に働く医師やスタッフが成長するためなら、どんな協力も惜しみません。これから愛生園で働く人にとって、ここがよい施設となるように、運営していこうと思っています。ただ、それは私の都合です。「国立ハンセン病療養所で働く」という選択肢が考えられるのであれば、その人の都合で選ぶべきだと思います。
若い人なら、長い医師生活の中の一時期を愛生園で過ごす、ということになってもいいでしょう。ただ、この施設に来て後悔をする医師はいないと確信しています。こういう施設の存在は、外から得られる「知識」よりも、中に入って働くことで得られる「知見」に価値があります。勤務することで、その人の人間性は広がるはずです。その経験は、種のように残るでしょう。ここは、医師として高度な技術を磨く場所ではないかもしれませんが、人間の、そして心を磨く、そういう施設なのだと思います。毎年およそ8,000人ほどの医師が誕生しています。国立ハンセン病療養所で必要としている人員は、その0.1%です。このページをご覧になったことで、医師として人生のひとつの選択肢が増えてくれたらいいな、私はそう考えています。


令和4年3月31日

MY LIFE STYLE
8:30 始業。
幹部ミーティング。副園長、看護部長、事務部長と。
木曜日は回診、病棟やセンターで診療。
火曜日は外来診療。
12:00 昼食。
弁当持参、園長室で摂る。
13:00 毎日のように委員会(感染対策委員会、薬剤委員会など)、園の行事に出席。入所者とレクリエーション、入所者のための慰問団体への立会(慰問園芸の鑑賞)。看護学校、見学者等への説明や講義。園内巡視(散策)。
19:00 帰宅。
自宅まで車で45分。交通渋滞を避け午後7時以降に退園。将来的には園長官舎に住むことも考えている。

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