平成22年度 第2回水質基準逐次改正検討会 議事録   日  時:平成22年12月1日(水)10:00〜12:00   場  所:中央合同庁舎7号館9階金融庁904会議室   出席委員:眞柄座長、浅見委員、安藤委員、遠藤委員、国包委員、西村委員、広瀬委員、松 井委員 ○松田室長補佐  それでは、若干定刻より早いですが、委員の皆様方がそろいましたので、ただいまより「平成 22年度第2回水質基準逐次改正検討会」を開催いたします。  委員の皆様方には御多忙中にもかかわらず、お集まりいただきまして、ありがとうございます。  本検討会の開催に当たりまして、主催者を代表して、松本水道水質管理官よりごあいさつを申 し上げます。 ○松本管理官  おはようございます。本日は12月に入りまして、お忙しい中を御参集いただきまして、ありが とうございます。  今日は水質基準及び水質管理目標設定項目の一部改正に関しますパブリックコメントの結果と その対応、未規制物質及び実態調査結果、農薬類の今後の分類の見直しについてということで御 議論をいただくわけでございまして、検討をいただいた成果を踏まえまして、今後の水質管理行 政に生かしてまいりたいと考えておりますので、どうかよろしくお願いします。 ○松田室長補佐  本日の検討会でございますが、委員の先生方全員に御出席いただいております。  次に配付資料ということでございますが、お手元の資料について確認をしていただければと思 います。議事次第に配付資料一覧が記載しております。  資料1が「水質基準に関する省令及び水質管理目標設定項目の一部改正案に関するパブリック コメントの結果とその対応について(案)」。  資料2が「未規制物質等の水道における存在実態調査結果について」。  資料3が「今後の農薬類の分類見直しについて」。  その後、参考資料ですが、委員の方に限って参考資料2と3と4。  参考資料2は、水質基準項目等に関わる最近の状況。  参考資料3は分厚いですが、平成21年度の未規制物質の存在実態調査結果報告書。  参考資料4は、平成22年度の調査結果。  この3点については資料番号が付いておりませんが、委員限りの資料ということでございます。  そのほか参考資料1と5と6がございます。もし資料の不足等がございましたら、事務局にお 申し付けいただくようお願いいたします。  また、マスコミの方におかれましては、カメラ撮りは恐縮ですが会議の冒頭のみにさせていた だいておりますので、御協力をお願いいたします。  それでは、以降の議事進行は眞柄座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○眞柄座長  それでは、早速ですが、議事(1)が「水質基準に関する省令等及び水質管理目標設定項目の 一部改正案に関するパブリックコメントの結果とその対応について(案)」ということでございま す。事務局から説明をしてください。 ○松田室長補佐  それでは、事務局から資料1に基づきまして、トリクロロエチレンの水質基準等の改正に関す るパブリックコメントの結果とその対応について、御説明をしたいと思います。  まず資料1でございますけれども、この会議も半年ほど行っていなかったということがござい ますので、おさらいをかねて、5ページ目を見ていただければと思います。「(参考1)パブリッ クコメントの背景と改正案の概要」を簡単に説明したいと思います。  「1.水質基準省令等の改正」がございます。背景として、トリクロロエチレンにつきまして、 平成20年11月に内閣府食品安全委員会から厚生労働大臣あてに清涼飲料水に関する食品健康影 響評価結果が通知をされました。この内容はトリクロロエチレンが非発がん毒性を指標とした場 合のTDIが1.46μg/kg体重/日、発がん性を指標とした場合の発がんユニットリスクを8.3×10− 3(mg/kg体重/日)とされております。  平成22年2月の厚生科学審議会生活環境水道部会におきまして、水道法第4条に基づくトリク ロロエチレンの水質基準に関する審議がなされまして、水質基準値を0.03 mg/Lから0.01 mg/Lに 改正する方向で、薬品からの混入、資機材からの溶出等についてのデータ収集・解析を進めると ともに、併せて食品安全基本法の規定に基づいて、水質基準の改正に関する食品安全委員会の意 見を求めることとされました。  これを受けまして、平成22年6月11日に厚生労働大臣より食品安全委員長に水道法の水質基 準に関する食品健康影響評価について意見を求めた結果、食品安全委員会からTDIを現行、こ の現行というのは清涼飲料水の食品健康影響評価でございますが、この1.46μg/kg体重/日に維持 するということで通知をされたところでございます。  また、トリクロロエチレンの水道用資機材、給水装置からの溶出に関する基準についても、こ の会議の前回の検討会において検討がなされまして、水道施設の技術的基準を定める省令におい て定める薬品基準、資機材材質基準、また、給水装置の構造及び材質の基準に関する省令におい て定める給水装置浸出性能基準のうち、水栓及び末端給水用具の基準を0.003 mg/Lから0.001 mg/Lに改正して、給水装置浸出性能基準のうち、末端以外の給水用具の基準を0.03 mg/Lから0.01 mg/Lに改正することとされました。  以上を踏まえまして、水質基準に関する省令、水道施設の技術的基準を定める省令、給水装置 の構造及び材質の基準に関する省令の一部を改正することとしまして、その改正案についてパブ リックコメントを募集することとしました。  また、水道用資機材、給水装置の浸出性能基準に関する基準改正については、WTOに現在通 報しているということで、受付期間は平成22年10月23日から60日間ということで、締切日は平 成22年12月23日になる予定でございます。  6ページが改正案の概要でございます。23年4月に施行を目指しているということで記載して おります。  7ページ「2.水質管理目標設定項目の見直し」です。トルエンにつきまして、平成20年11 月の内閣府食品安全委員会からの食品健康影響評価の結果として、TDIが通知されたと。この TDIに基づいて、水道水質に関する評価値を試算したところ、0.4 mg/Lとなったということで ございます。  これを受けて、今年2月の厚生科学審議会において審議がなされ、トルエンの検出状況も踏ま えまして、評価値を0.04 mg/Lに緩和した上で、引き続き水質管理上注意喚起をしていくことが 適当とされております。  また、農薬類につきまして、対象農薬リストの中の4項目について、食品安全委員会の食品健 康影響評価に基づきまして、目標値を改正するということとしております。  その改正案の概要として(2)に書いていますが、トルエンと農薬類4項目、合計5項目の目 標値の改正案ということでございます。  1ページ目に戻りまして、トリクロロエチレンに関する水質基準や給水装置、薬品等の省令改 正に関する意見募集と水質管理目標設定項目の改正案に関する募集、この2つを平成22年9月6 日〜10月5日の間、パブリックコメントの募集を行ったということでございます。募集要領につ いては、参考資料1に付けております。  このパブリックコメントの結果でございます。2ページ目ですが、どのような意見が来ている か。それに対しての事務局としての回答案を作成させていただいております。  2ページ目の1.水質基準に関する省令等の改正案に関する意見募集の結果でございます。こ れについては2件の意見が寄せられております。  トリクロロエチレンに係る水質基準の改正でございますが、1つ目の意見ということで「新基 準案は、水道水における検出状況及び健康影響を踏まえた評価に基づくものだが、評価方法に恣 意が入り込むことは避けられないような推定の積み重ねに基づいており、評価の信憑性について 疑問がある。水道水における検出状況を踏まえ、基準値を超える水道が存在しない値から逆算し たのではないか。最近の技術によって可能となるトリクロロエチレンの除去量等も考慮して基準 を設定すべき」という意見がございました。  これに対しての事務局としての回答案でございます。読み上げます。「今回の評価値は、内閣府 食品安全委員会 における最新の食品健康影響評価に基づき、汚染地下水を原水としている地域等 において特異的に高濃度で水道水中に含まれる場合があることを考慮するとともに、水道水から の蒸発に関して追加曝露を考慮すべきとしたWHO飲料水水質ガイドラインの指摘を踏まえ、我 が国における各媒体の曝露濃度データを活用して原水汚染がある場合の水道水由来(経口飲用分 と吸入・経皮曝露分合計)の曝露割合を70%と算定し、評価値を算定したものであり、水質基準 値として妥当な値であると考えます」。  この回答案につきましては、これまでのトリクロロエチレンの水質基準の考え方について、本 検討会においても議論をいただいていたところですが、その考え方を踏まえて、この回答案を作 成しております。  次に意見番号2でございます。「本基準については、平成23年4月の施行が予定されている。 規模の小さい専用水道施設では他水源のバックアップをもたない場合や施設整備に迅速に対応で きない施設も多い状況。これまでの水質基準の改正では公布から施行まで期間がなかったため、 今回の項目については、事前に施設に対して情報提供を行い対応について指導しているが、大規 模な施設整備が伴うような場合、明確な指導根拠が求められる。基準改正にあたっては、専用水 道の状況や公布から施行までの期間(施設改修が必要な場合は、施設の整備計画の策定期間の確 認申請等の手続きの期間、設備改修の実施期間、給水開始前の水質検査の期間が必要になるため) や施設改修中の場合の基準の取扱いについても考慮願いたい」。  この点につきましてでございますが「トリクロロエチレンについては、一般公開された平成22 年2月の厚生科学審議会生活環境水道部会において評価値を強化することが決定されており、水 道担当者会議等において情報提供を行ってきました。人の健康を確保するとの観点から評価値を 迅速に設定する必要があるため、平成23年4月に施行することは適切と考えます。なお、基準を 超過する専用水道が存在する場合は、当該水道設置者に対し、曝気槽の設置等によるトリクロロ エチレン濃度の低減や市町村が運営する水道への切り替えを促すとともに、これらの対策が講じ られるまでの間は、煮沸した後に飲用することや入浴時に換気等の注意事項を利用者に周知する よう、都道府県衛生行政担当部局等を通じて呼びかけていきます」としております。回答案につ きましては、前回の検討会においても専用水道の取扱いについて議論がありましたが、その点も 踏まえて作成をしています。  次に「2.水質管理目標設定項目の一部改正案に関する意見の募集について」。これについては 4件の意見が寄せられています。いずれも農薬についての意見でございます。  1番目。メタラキシルの目標評価値には、メタラキシルM、光学異性体でございますが、これ を含めるべきと。理由としては、水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準の設定に際して、 メタラキシルとメタラキシルMの和として取り扱われている。  これの回答案でございますが「現行の検査法では、メタラキシルと光学異性体のメタラキシル Mを区別して分析していないため、目標評価値はメタラキシルとメタラキシルMの和となってい ます」という回答としております。  2番目。これについては本来はパブリックコメントの対象ではないのですが、アセフェート、 トリクロルホン、テルブカルブの目標値について、目標評価値を早急に改定願いたいという御意 見でございます。  理由については、アセフェートは食品安全委員会の再評価の結果で新しいものが出ている。こ れを踏まえて見直しをすべき。トリクロルホンについては、再評価の結果、ADIが見直しをさ れている。あとは環境省におけるマニュアルにおいても、このADIが採用されている。テルブ カルブにつきましては、1998年に登録失効されたと。その後、目標評価値は削除されたが、環境 省によるゴルフ場使用農薬では、2006年〜2009年度においても、排水中に検出されているという 意見がございました。  これに対しての回答案でございますが「御意見は今回の意見募集の直接の対象ではありません が、今後、アセフェート及びトリクロルホンについて、食品安全委員会の評価を踏まえ、目標値 の検討を行っていきます。なお、テルブカルブは農薬類に含まれており評価値を設定しています」。  4ページの3番目。これについてもパブリックコメントの直接の対象ではないということでご ざいますが、ネオニコチノイド系農薬の目標評価値を早急に設定されたい。その際、塩素処理等 による化学反応生成物を対象とすべきである。理由としては、厚生労働科学研究費補助金を用い た研究において、河川水の調査結果でネオニコチノイド系農薬が検出されているということが出 ております。  これに対しての回答案でございますが「御意見は今回の意見募集の直接の対象ではありません が、今後も厚生労働科学研究における対象とするなど、適切に検討していきます」という回答と しております。  4番目。現行の総農薬方式をあらため、EUと同様、総農薬で0.0005 mg/L、単一農薬で0.0001 mg/Lという基準にすべきである。  この意見に対してでございますが「御意見は今回の意見募集の直接の対象ではありませんが、 今後の施策の参考とさせていただきます。なお、現行の総農薬方式は、個々の農薬の検出濃度の みならず、毒性も考慮した評価方式であることから、適切な方法です」という回答としておりま す。  以上がパブリックコメントの意見とそれに対する事務局の考え方です。この事務局の考え方に 対して、この検討会で審議をいただきたいと思います。  以上でございます。 ○眞柄座長  それでは、今、説明があった事柄について、皆様方から御意見をいただきたいのですが、まず 最初に1番のトリクロロエチレンの基準の改正についての回答案その他ですが、御意見があれば 出してください。よろしいですか。  2番の超えているときに、煮沸飲用もそうですが、入浴時に換気等の注意事項とかいうような 話は、1番の「曝露割合は70%と算定し」というところと関係するのですが、それは基準が決ま った後、基準の設定の背景その他はどういう形で、水道課として広報される御予定なのか。 ○松田室長補佐  通常、基準改正を行う場合におきましては、水質基準の改正ということで、水道課長から各水 道事業体及び都道府県の水道担当部署に通知を出すということになるわけでございますけれども、 専用水道については基本的には都道府県、または保健所設置の衛生行政の方が担当していると。  今般、この基準改正について、もし了承されていくということであれば、来年の早いうちに、 恐らく1月か2月に通知をしていくことになると思います。今般、この回答案にもお示しをして おりますけれども、トリクロロエチレンの専用水道についての問題点。これは前回の検討会でも 議論があったところでございますが、この点についてはパブコメの意見もございますので、先ほ ど言った対策が取られるまでの間についての飲用指導の点、入浴や換気等の注意事項の点につい ても周知をするようにしていきたいと考えております。 ○眞柄座長  そういうことなんだろうけれども、パブコメで寄せられた意見で「評価方法に恣意が入り込む ことが避けられないような推定の積み重ねに基づいており、評価の信憑性について疑問がある」 ということですね。このパブコメに寄せられた人は、上段の方に書いてあることは当然原則的な こととして、それはそれでいいんだけれども、トリクロロエチレンについて経口飲用分と吸入・ 経皮曝露分合計の曝露割合を70%としたと。この70%の数字そのものが恣意的な、あるいは信憑 性に足りるということを言っているとすれば、この回答は適切ではないわけです。  その70%としている根拠を今、松田さんが言われたように、基準が改正されたときの背景で、 そのことをどうやって説明するのか。もしこれが70%ではなくて30%にしたら、基準値は厳しく なるわけですね。それだけ低くなるわけだから。今度は2番目の人は、もし基準値を超えていて も、換気をすれば経皮曝露が少ないから高くてもいいですよと、ADIに比べてそこまで行きま せんよということですね。その辺の表と裏のような関係をどうやって御説明し切れるのか。これ はこれでいいのだろうけれども、後の問題として、浅見委員、どうしたらいいでしょうか。 ○浅見委員  課長通知を出されるときに、基準値を算出したときの基の考え方というのを日本の全国調査の データに基づいて算出しましたということを明記していただく。分量が多いかもしれないですけ れども、簡単に示していただくということ。  2番目については、わかりやすく保健所の方が一般の方に、場合によってはそのまま1枚お渡 しできるような形のものを付けていただくとか、そういうような対応をしていただけるとスムー スに行くのではないかと思います。 ○眞柄座長  国包委員、どうですか。 ○国包委員  そういった説明を通知なりできちんとされるというのは、大前提だろうと思います。ただ、今 もパブコメの参考資料1を見ていたのですが、これにも一応その辺りの経緯は触れられておりま す。こういった形で考え方がすでにオープンにされていて、それに対しての反応が来ています。 ですから、通知の段階で、このパブコメと同じようなものを出したとしても、物足りないという 反応が返ってくるおそれがあると思います。  そういったことを考えますと、このコメントを書かれた方の先ほど委員長が言われた「恣意が 入り込むことは避けられないような推定の積み重ね」がどういうことなのかが一番気になるとこ ろです。私自身は恣意的にこの70という数字を決めたとは思っていませんので、ここのところを 丁寧に説明するしかないのかなというのが、私なりの考えであります。 ○眞柄座長  参考資料1の参考4のところをもう一度丁寧に説明する努力をどうしたらいいのかなと。国包 委員が言われているのもそういうことなので、曝露評価をしているから、それですよということ なんだろうけれども、これが日本人の平均的な曝露評価なのか、危険側の曝露評価なのか、甘く 見積もった曝露評価なのかが要するにこのパブコメを寄せた人の気持ちではないのかなと思いま す。  それはそれで、これは産総研の化学物質リスク管理研究センターのリスク評価書に示された各 数値を用いることを基本としたということでいいんだけれども、来週WHOのガイドラインの会 合があるんだけれども、この産総研のデータに対してピュアレビューをやっているのかというこ とですね。懸念しているのはそういうことですので、それをやられたものですよと。あるいはピ ュアレビューではないけれども、検討会なり生活環境水道部会でそのデータを検討して、それを 採用することに間違いないという結論が出たものを使ってこうしましたというふうに、基準が決 まってから何らかの形で案内していただければいいのではないかと思いますけれども、そんな必 要はないですか。西村委員。 ○西村委員  おっしゃるとおりで、それでよろしいのではないかと思います。 ○眞柄座長  そういうことで行きましょうか。  では「2.水質管理目標設定項目の一部改正案に関する意見の募集について」。つまり農薬類に 関してでありますが、これについて何か御意見がありましたら出してください。  安藤委員、何かありますか。 ○安藤委員  今の段階ではありません。 ○眞柄座長  ほかに広瀬委員、松井委員、いかがですか。 ○広瀬委員  私は事実関係があれなんですけれども、2番目のアセフェートとトリクロルホンは今回書いて いないのはどういう理由でというか、どういうタイミングで入れていくかという説明を入れたら いいのではないかと思いました。今後やりますとは言っていますけれども、いつぐらいにやると か。いつぐらいになるという期限を聞いているわけではなくて、どういうタイミングがあったら 検討しますとか、そういう説明があったらと思っただけです。 ○眞柄座長  松田さん、どうぞ。 ○松田室長補佐  実はもうアセフェートについては食品安全委員会の評価の結果が出ておりますので、来年度に は検討対象に入れようという話を内部ではしておったところでございます。1年に1回というと 本当はよくないのではないかという話もありますが、水質基準逐次改正検討会において、開催す る前の年度までにとりまとめられたものについては見直しをしていくということで、それは1年 単位ということでやっておったところですが、このアセフェートについては、ちょうどはざまに 出てきたということがありましたので、これについては少なくとも次年度の対象にはしていきた いと思います。  また、トリクロルホンについては、これは食品安全委員会で評価ということではどうもないよ うでございますけれども、もう少し事実関係をよく整理して、このADIについての取扱いを我々 としてよく考えた上で、また水質基準逐次改正検討会で来年度にでも審議をしていただくような 方向で準備をしていきたいと考えております。その点、来年度というところまで書いてしまうか どうかは、先生方の御意見をいただければと思います。 ○眞柄座長  それはどうしますか。 ○広瀬委員  今後やりますと言いっぱなしなので、何と言えばいいのでしょうか。大したことではないんで す。 ○眞柄座長  目標値の検討を行っていくこととしています、くらいにしておけばいいですね。 ○松田室長補佐 もしくは、今後検討会で検討を行うこととしております、というような書き方 にします。 ○眞柄座長  ありがとうございました。国包委員、どうぞ。 ○国包委員  今のことに関連してですけれども、このアセフェート以外に、同様に食品安全委員会の回答が すでに出ていて、いずれ我々の方で検討しなければいけないというものが、ほかにあるのでしょ うか。 ○松田室長補佐  それはあります。ありますとしか言いようがないのですが、非常に数多くの農薬についての評 価が食品安全委員会で出されておりまして、それが一定の間隔でというわけではなくて、食品健 康影響評価の報告がまとまった段階で通知が厚生労働省や農林水産省に返ってくるという状況に なりますので、そこは我々も公表されている情報でございますが、逐次チェックをして、そこは 漏れないように。今までの食品健康影響評価においても、我々もチェックをしているということ でございますので、基本的には漏れがないと思っていますが、食品健康影響評価が見直された段 階で、できるだけ速やかに我々も評価書の見直しに反映できるように、事務局としても取り組ん でいきたいと思います。 ○国包委員  農薬以外についてはどうですか。 ○松田室長補佐  農薬以外のものについても水質基準、水質管理目標設定項目、はたまた要検討項目に該当して いるようなものについては、評価値の見直しをしていると。それは清涼飲料水の評価で実際に逐 次改正検討会で審議をしていただいているというのもあります。  仮にそのほかのものが出てきた場合にどうするんだというところは、今まで水質基準や管理目 標項目、要検討項目に該当しない物質で水道水に入っているかどうかわからないようなもの。こ れの取扱いをどうするかというところはありますが、そこについては今後、資料2にもあります けれども、未規制物質の中で、水道の中でよく考えていかなければいけないものについてのリス トを考えていくと。その中で水道の中に対象とすべきものについては、要検討項目に入れていく ことになろうかと思うので、ひとまずは基準項目と水質管理目標設定根拠と要検討項目になって いるものについては、食品健康影響評価が見直されたものについては、その評価書の見直しを逐 次改正検討会での審議をお願いしたいと考えております。 ○眞柄座長  安藤委員から説明してもらったら。この間の農薬の委員会であったでしょう。芝用の農薬。残 留性がないもので、食品には使わない農薬がありましたね。環境省で決めたでしょう。  要するに食品安全委員会がやるのは、WHO/FAOと同じで、JMPRで食品に明らかに残 留している農薬について、食品安全委員会がやるわけです。だけれども、食品に残留しない、例 えばゴルフ場の芝とか、芝を養生するときに使う農薬というか薬品があるわけです。それは地表 流出して水に入るということで、環境省が独自に委員会をつくって、広瀬委員が入っていたかわ からないけれども、毒性評価をして、それが生態系あるいは人に対するのと同じようなルールで、 水質汚濁性の農薬として、基準値か目標値か管理値か知らないけれども、決めるというものがあ ります。  そういうものは国包委員なり松田さんが言われたものと全く違うところで、例えば環境省が決 められているわけだから、環境省が決めたから環境省が決めた科学的なクライテリアをもらって、 水道の方でどうなるのかというのを決めればいいんです。  ただ、このパブコメの3番のネオニコチドで食品残留の方で対応するのは、ネオニコチノイド の分解物も圧倒的に食品の中に残留するということがあれば、両方併せて安全性評価をする。そ れを塩素処理をしたらどうなるかなどは、食安委の方では全然評価の対象にしない。  そういうことからすると3番目のコメントにあるように、ネオニコチノイドだけではなくて、 ほかのものだって、それこそ有機リン系だって酸化処理をしたら違う農薬になるわけだけれども、 そういうものを水道水の農薬の管理としてどうするかということは、別の問題としてある。  ただ、今やっている総農薬方式と水道水の中から検出状況を調べる範囲においては、それぞれ のデリバティブなり塩素化物なりについて評価をしなくても、リスクは十分低いレベルにあると いうことがわかっているから、総農薬方式をやっているのであって、新しく登録された場合には、 それについてリスクは水道ではどう評価するかということは、これまでも厚生科学研究費の農薬 部会でやってきてくれているから、それは継続的にここに書いてあるように、適切に検討をして いきますという表現しかない。それでリスクが高いということであれば、食安委の方は食品の残 留性という形で見ているけれども、それに加えて水道水では塩素処理をして、こういう副生成物 ができるから、それと併せて評価をしてくださいという諮問をするということですね。安藤委員。 ○安藤委員  眞柄先生のおっしゃる意味がわからなくて申し訳ありませんでした。今、眞柄先生がおっしゃ ったように、食安委が農薬のすべての情報源として、それだけを見ていていいかというと、こう ではないと。あくまで食安委というのは農薬として見ているだけだと。環境省のお話もありまし たけれども、環境省は環境省の立場で見ている。ここでどうするかということを見ています。  つまり農薬がまかれて、それは食品では使わないけれども、環境には出てくる。これについて 環境でどう変わるか。これも見ている。水道で塩素という一つの大きな処理があって、これでど うなるか、新しいものができるか。これは見ていかなければいけない。つまり食安委の農薬だけ を見ていてはだめでしょうと。この改定とは別ですけれども、そういうことをしていくべきだろ うというお話だと思います。 ○眞柄座長  国包委員、どうぞ。 ○国包委員  どうもいろいろとありがとうございます。話をもう一回戻して、食品安全委員会のことです。 とりあえずアセフェートに限ってお話をしたいのですけれども、つまり水道の方から、この物質 について評価をしてくださいというように、食品安全委員会に申し出て、回答をもらってという ことが一般的なパターンとして1つあります。  ただ、少なくともこれ関しては、水道の方からお願いをしてということではなくて、どこかは 知らないですけれども、別の方からお願いなりをされて、その回答が出て、こういう数字が出て いるということですね。  ここからは農薬に限らず一般的な食品安全委員会の評価の結果についてですが、水道からの要 請ではないけれども、その回答が出ているという、数字が違って新たに出ているものがあると思 いますが、こういったものについては速やかに情報をきちんと整理して、いつも最新のものを我々 の方で持っておくべきだろうと思います。  あとは評価結果に従って、水道水の水質基準なり目標値を見直すかどうか。これは別の議論に なりますけれども、少なくとも状況はどんどん進行していますし、少なくとも私などはいつもフ ォローしているわけではないですから、できるだけ系統的に情報収集と整理を進めていっていた だければありがたいと思います。  あと、欲を言えば環境省のそういう情報もということにはなりますけれども、とりあえず食品 安全委員会についてお願いしたいです。食品安全委員会に関しては、今どういったものがどこか ら要請が出ていていて検討中とか、それは食品安全委員会の方で整理されているのではないかと 思いますけれども、そういうものがあれば非常にありがたいです。 ○眞柄座長  検討中のものは公開されていないんですね。 ○広瀬委員  でも、ポジティブリストはあります。今、話を聞いていて思ったのは、さっき気にかかったの は、早急にという意見が来ているので、要はタイムラグがあるのはなぜか。要するに意図的にア セフェートが落とされたのではないかという懸念を持って、早急にと言っているのだと思います。 それは事務的にタイムラグがあるのでしようがないということを、とりあえでエクスキューズし ないといけないのかなと。  今一つ思ったのは、水道課から農薬に対して、食品安全委員会に諮問していないという実態は 余り一般に知られていないのではないかと。だから、こういうことが起きるので、食品安全委員 会の評価を踏まえて行っていきますではなくて、食品安全委員会も含めて、さまざまな情報源で 評価値が設定された場合、情報を収集して早急に検討していきますとしていかないといけないの かなと思いました。  農薬について、水道の方から食品安全委員会へのアクションは、制度的にできるんですか。 ○眞柄座長  できます。できるけれども、していないだけです。 ○松田室長補佐  正確に言うと、水質基準の改正については諮問すると。 ○眞柄座長  ある農薬をいろいろと調べてみたら、基準値になりそうなレベルにどうもありそうだといとき に、食安委にこの農薬について基準にするとしたらどうかという諮問はできます。ですから、今、 研究費の中で農薬の実態調査をやっていて、それを見る範囲では基準になりそうなレベルにない からいいのではないかと。それが基準になりそうなレベルだったら食安委に諮問をして、基準値 をもらう。やみ雲に出したら向こうも困るだろうからという歯どめは一応かかっています。  厚生労働省のほかの食品の部局から、例えば清涼飲料水というものがあると。清涼飲料水は基 本的にはWHOのガイドラインを使う約束になっているけれども、そのガイドラインをそのまま 日本にやるわけにはいかないから、食安委に諮問をして、食安委で清涼飲料水の日本なりの見方 で基準の基をつくられるということだと思います。  水道水の中にないからいいけれども、例えばベンゼンのようなものが原水の中にある。水道で やったらクロロベンゼンができるわけです。クロロベンゼンとベンゼンと併せて食安委に水道の 側から言うとすると、リスク評価をしてください。どれくらいの数値にしたらよろしいですかと いう諮問はしなければいけない。  かつてのフランスのどこかの清涼飲料水で世界中でベンゼンのコンタミがあって、リコールし て大変だったと。あのときは清涼飲料水であそこの会社のものは絶対に処理していないから、ク ロロベンゼンができていない、ベンゼンだったわけですけれども、その場合はクロロベンゼンも チェックしなければならないだろうという話は出てくるわけです。  食安委がやっているものがすべて水道を前提に毒性評価をしているわけではなくて、清涼飲料 水だったら清涼飲料水、農薬だったら、それは食品の残留量としてチェックしているわけであっ て、水道もスコープに入れて一般的に作業をされているわけではないということは承知しておか ないといけないということは国包委員が言われたことと同じことですから、そういう意味ではさ っき水道として情報を持っていなければいけないということだし、それがあるから厚生科学研究 費でいろいろな化学物質について、よくも懲りずに長年はかって、まさにそれがデータベースな わけだから、そういう意味での役割は果たしていると考えていいのではないかと思っています。  パブコメは、検討をしていくこととします、ということでよろしいですか。 では、そういうこ とにして、(1)はこれで終わったことにします。  続いて、議題(2)は「未規制物質等の水道における存在実態調査結果について」です。これ を説明してください。 ○松田室長補佐  それでは、資料2を用いまして「未規制物質等の水道における存在実態調査結果について」、御 説明を申し上げます。これにつきましては「平成21年度第2回水質基準逐次改正検討会」におい て了承が得られた考え方に基づきまして、平成22年1月及び22年8月に調査を行っております。  「1.調査内容」でございますが「(1)調査対象項目及び調査対象地点」。調査対象項目につ いては表1に示すとおり、銀、バリウム、モリブデン、アクリルアミドから2ページに行きまし て、塩化ビニル、ジブロモアセトニトリル、PFOS、PFOA、過塩素酸、MIX、NDMA、 こういったような要検討項目の一部の項目ですね。水道に検出されるリスクが比較的高いのでは ないかといったようなものを重点的に行うようにしたということでございます。  あとは有機物、pH、E260、有機態窒素、こういったものも併せて調査を行っているということ で、あとは表2に示す浄水場の取水地点と末端給水栓の各1点を調査を行っております。表2に 項目ごとに浄水場を挙げているということでございます。  「(2)試料採取の回数及び時期」。これについては先ほどお話をしたとおり、冬季と夏季に調 査を指示している。  「(3)分析方法・測定精度」についても併せて表1に示しております。  調査の結果でございますが、これについては夏季と冬季の調査結果を表3に示しております。 表3は6ページ目にございます。これについて、各項目ごとに銀からNDMAまで基準値、目標 値、評価値がありますが、基本的には評価値が正式に決まっているものについては評価値でござ います。中には評価値が決められていないものもございます。  これについては銀、アクリル酸、過塩素酸、PFOA、PFOS、NDMAです。ただ、この NDMAは評価値として決まっておりますので、これは修正させていただきたいと思います。※ 3でNDMAのところが薄くなっておりますが、0.0001 mg/Lということで正式に評価書として通 知をしておりますので、これは誤りでございます。  この※が付いているものについては、まだ評価書として正式に決められていないものでござい ますので、それについての出典は下の方に※1〜4まで示されているとおりということでござい ます。これについて基準値の10%値、定量下限値、検査時期、原水と浄水の検出分布をお出しし ているということでございます。  これについてまとめた結果について文章としているのは、3ページに戻りまして、このアクリ ルアミドとジブロモアセトニトリルと過塩素酸。これについての浄水中の濃度が評価値案という ことで、まだ評価値にもなっていないものを評価値案としているわけですが、これも含めて、こ れの10分の1を超過していると。また、銀、アクリル酸、塩化ビニルについては、原水・浄水の すべての地点において不検出だったということでございます。  浄水中の濃度が評価値の10分の1を超過した物質として、アクリルアミドでございます。これ については、原水・浄水各23地点で調査を行った結果、原水では不検出だったが、夏季の浄水で 評価値の10分の1を超過する地点が1地点あったと。浄水工程での生成や薬品由来の検出の可能 性が考えられたということを記載しています。  ジブロモアセトニトリルについては、消毒副生成物ということで考えられますが、原水では不 検出だったが、浄水中には夏季で1〜9μg/L、評価値の10分の1超過地点は3地点であったと。 冬季では1〜8μg/Lで、評価値の10分の1超過は1地点あったということであります。  高い値で検出されている地点は深井戸を水源としている。アンモニア、鉄、マンガンなどが比 較的高い傾向だったということでございます。夏季調査では、原水が表流水の浄水においても評 価値の10分の1以下で検出される地点があり、水温の上昇を伴って消毒副生成物の反応は促進さ れたということでございます。また、夏季・冬季ともにアンモニア態窒素が高濃度である地点に おいては、ジブロモアセトニトリルが検出される傾向が見られたということでございます。  過塩素酸でございますが、夏季・冬季ともに2地点の浄水で、今年の第1回検討会で了承され た評価値案25μg/Lの10%を超過する濃度が検出されております。また、冬季では23地点中7地 点の浄水場で検出された一方、夏季には23地点中21地点で検出されて、非常に広い範囲で検出 されているということでございます。  「(2)浄水において評価値等(参考の評価値を含む。)の数%検出された物質」。  MXについては、夏季で浄水20地点中3地点だけ検出された。  バリウムについては、原水・浄水すべての地点で検出されたということでございます。浄水中 の濃度の評価値は5%以下ということでございました。  モリブデンについても、すべての原水・浄水の各地点で検出されたということでございました。 浄水中の濃度は評価値の2%以下ということでございました。  EDTAについても、夏季の原水・浄水で検出されているということでございました。これに ついては浄水中濃度は評価値の5%以下ということでございました。  PFOAでございますが、検出濃度範囲は、夏季の原水で0.001〜0.0017μg/L、23地点中13地 点で検出。浄水では0.001〜0.023μg/Lで、これも13地点で検出。冬季の原水も13地点で検出で、 0.001〜0.027μg/L、浄水は0.001〜0.026μg/Lで13地点で検出。この浄水中濃度については、英 国の飲料水中最大許容濃度の改訂勧告値の1%未満ということでございました。  PFOSについては、夏季の原水で0.001〜0.009μg/Lで10地点で検出された。浄水では8地 点が同じオーダーで検出されている。原水は0.001〜0.004μg/Lで6地点で検出。浄水は同じレベ ルで5地点で検出。これについては英国の飲料水中最大許容濃度の改訂勧告0.0003 mg/Lの3% 未満ということでございました。  NDMAでございますが、検出濃度範囲について、夏季の原水・浄水で0.001〜0.002で8地点 中4地点で検出。冬季は原水で0.001〜0.008、浄水では0.002〜0.003μg/Lで3地点で検出という ことでございます。評価値と比較して3%以下ということでございます。  銀とアクリル酸、塩化ビニルは、夏季・冬季ともにすべての地点で不検出ということでござい ました。  「3.検出された物質の検討」。これらの結果を踏まえて、平成20年度第1回逐次改正検討会 では、要検討項目について、評価に足るデータが蓄積された時点で随時評価を行うこととして、 必要に応じて水質管理目標設定項目やその他項目の分類見直しを行うという方針について了承を いただいています。この方針に基づきまして、要検討項目の水質管理目標設定項目の格上げの検 討、今後の実態調査の実施については、過去の検出状況を踏まえつつ、以下の考え方で行うこと とする。  まず1つ目。検出値が評価値の10%を超過する項目については、水質管理目標設定項目への格 上げを検討しつつ、検出原因も含めて引き続き実態調査を行う。  評価値の10%を超過しないが、検出数が多い項目については、検出原因を含めて引き続き実態 調査を行う。  検出数が少ない、または検出されていない項目については、過去の検出状況においても同様の 傾向にある項目は調査の対象外とすることを検討する。過去の検出状況と異なる傾向を示す項目 は、新しい調査地点で実態調査を行う。  今回検出された地点については、引き続き調査の対象としつつ、個別の項目の特徴も踏まえ、 調査地点の追加を検討していきたいということを記載しております。  そこで過去の検出状況という点について、参考情報として8〜9ページ目に、平成19年度と20 年度に全国の水道事業体が測定した未規制物質等の検出状況をアンケートで調査しております。 要検討項目と農薬を対象にして調査を行っているということですが、未規制物質の水道における 損害実態調査対象項目について、表4に測定地点数、測定値超過地点数、10%超過地点数、目標 値がない場合は特定の値を超過した地点数を表4に示しております。  これについては実態調査対象項目のうち、目標値を超過した項目はなかったということですが、 バリウム、アクリルアミド、塩化ビニル、NDMAの検出濃度が目標値の10%超過しているとい うのがございました。目標値が設定されていない物質については、銀が延べ3地点、過塩素酸が 延べ1地点。ただ、これは10μg/Lという値にしておりますので、25 μg/Lとすると、この点ど うなのかという点がございます。  もう一つ、PFOSとPFOAが特定の値、0.3μg/L、10μg/Lで特定の値より大きかったとあ るのですが、実はこれは確認をしたところ誤りだったということで、1,000分の1の数値でしたと いうことで報告が急遽ありましたので、これは削除をしていただいて、過塩素酸が延べ1地点で 特定の値より大きかったと。PFOSとPFOAについては削除ということでございますので、 本会議では議事録に残すとともに、公開のホームページでアップする資料は、ここは削除したい と思います。表の検42と43も79地点のうち2地点超過、89地点のうち1地点超過は、両方とも ゼロになるということでございます。  以上です。 ○眞柄座長  ありがとうございました。今の御説明で何か御質問があったらどうぞ。 ○安藤委員  これは眞柄先生にお聞きした方がいいかもしれませんけれども、塩化ビニルが今回は全然出ま せんでした。19年度、20年度は出ていたという状況です。これは環境省は塩ビに対して基準化し たわけですね。ということは環境水から出る可能性が高いからこうなったということで、今回出 なかったというのは、場所の違いからこうなったのかどうか。そこが疑問です。 ○松田室長補佐  一応、浄水場については、原水中のトリクロロエチレンやテトラクロロエチレン濃度の高い浄 水場を対象にしてはいるので、出てくるのではないかと我々も思っていたところですが、結果を 見ると出てこなかったと。塩化ビニルの安定性とかもあるのかなとは我々も推測するところでは あったのですが、その点は先生方の御意見をお聞かせ願えればと思います。 ○安藤委員  浄水場は地下水なんですか。それとも漂流水。 ○松田室長補佐  この表2の10ページを見ていただければと思います。(2)の塩化ビニル、(1)の浄水場に加えて、 先ほど言いましたけれども、原水中のトリクロロエチレンまたはテトラクロロエチレン濃度が高 い状況でございますので、(1)については基本的に河川を水源とした浄水場。これに加えてトリク ロロエチレン、テトラクロロエチレン濃度の高い浄水場ということですので、基本的には地下水 の取水をしている浄水場も含めているということでございます。 ○眞柄座長  22年度の資料の3ページに、今やったのは砧、秦野の六間、岡谷の宗平寺、宇治の下居、朝霞 の綾瀬と鹿児島の阿久根。ほかに比べれば高いけれども、この濃度は高くない。環境省がモノマ ーが検出されたと言っている井戸は、ワンオーダーかそれくらい高い井戸ですから、水道水源で は出てこないでしょうね。それでいいとするのか。  むしろ例えば東京都でも奥多摩で貯水を停止している井戸があるわけです。そういう井戸辺り で調べたらもう少し出てくるかもしれないし、それはわからない。それは都衛研辺りが水道の井 戸なりでもって飲用井戸か何かを調べている、あるいは環境科学研が調べているところではそれ が出てくる可能性がある。水道では出てこないでしょう。一応規制がかかっているから、もう使 っていないし、出てこないと思いますけれども、わかりません。  バリウムの発生源はどこですか。 ○松田室長補佐  我々の手元の資料で、平成15年の答申において発生源というのがあるのですが、塩化バリウム と硫酸バリウムというのがそれぞれあって、塩化バリウムは有機顔料、製紙、金属熱処理剤、医 薬品、電子材料原料。硫酸バリウムは製紙、ペイント、X線造影剤、ゴム・樹脂用充填剤、印刷 インキ、体質顔料。炭酸バリウムはガラス、蓄電池、フェライト、チタン酸バリウム製造原料な どということになっておりまして、自然由来の工業用という意味で発生源は多岐にわたっている のかなと思ったところです。 ○眞柄座長  そういう意味からすると、この調査をしている場所がバリウムに関して言うと、ハイリスク側 の浄水場をちゃんと保護しているかどうかは少し心配だなと思って、要するに今のような用途で 工業用で使っているとすれば、勿論、下流の取水をしているところもありますけれども、全般的 に見れば、かなり上流の事業所の影響を受けないところが多そうに見えるので、本当に大丈夫か なという懸念はあります。バリウムそのものをはかるのか、あるいはほかの金属系の影響を受け ているような代替指標みたいなものを見て、サンプリングをしている場所が代表性を持っている かどうかということに関して、どうしたらいいのかなという懸念を持ちました。  昔は厚労省が認可しているだけではなくて、かなりのサンプリングをして、実際にバリウムが あるかないかはもうちょっと濃密にチェックしているような印象があったから、結果はこれでい いんだろうけれども、そういう意味ではアクションレベルとして10%を超えているのだったら、 もうちょっと全国的なサーベイをやってみようかとか、その辺の整理を少ししておいた方が。そ れは厚生科学研究の中でもう一度どういうモニタリングというかサーベイランスが必要かという のを考えていただくといいのではないかと印象です。   ほかに何かございますか。浅見委員、どうぞ。   ○浅見委員  この調査項目の中で消毒副生成物の先ほどの塩ビに関しては、おっしゃられたような事情によ って今回は余り検出されていないかなと思いますが、もう一つのジブロモアセトニトリルという 項目がありまして、意外と濃度が高いのと、深井戸を原水としていて予想外な感じがいたしまし て、臭化物濃度が高ければできるものではないかと思っていたんですけれども、臭化物のデータ は今回は取っていないのでわからないのですが、これについてはもうちょっと調査をした方がい いのかなと思っております。  とりあえず以上です。 ○眞柄座長  確かにそうですね。臭化物もそうだし、ヨウ素が入っているものも少し調べなければいけない のかもしれないですね。ほかに何かありますか。  浅見委員、過塩素酸の評価はどうですか。 ○浅見委員  今回のデータでも若干低減傾向が見られていると思いますけれども、今、発生源の方で対策が 取られているということもありまして、全般的に濃度が下がってきているような傾向かなと思い ます。皆さんがはかってくださっているので、いろいろなデータが集まっていて、小さな発生源 といいますか、それほど負荷の大きくない発生源は幾つか新たに見つかっているんですけれども、 あとは花火大会の直後ですとか、そういうところは見つかっておりますが、今のところは非常に 高い濃度ではないかなと。10%から言いますと、やはりその上辺りを推移しているところですけ れども、基準値にするかもしれない値に比べると低いレベルに落ちてきているのではないかと思 っております。 ○眞柄座長  この間、アメリカかIRCのニュースレターを見ていたら、過塩素酸のことをファイヤーワー クとか何か出ていましたね。日本は平和な国だからいいけれども、韓国みたいにああやってぱか ぱかやられたら、過塩素酸濃度が上がるだろうなと思います。  ありがとうございました。ほかにありませんか。特になければ、未規制の話はそれで終わりま す。  次は議題(3)「今後の農薬類の分類見直しについて」です。お願いします。 ○松田室長補佐  それでは、資料3に基づきまして、「今後の農薬類の分類見直しについて」の説明をさせていた だきたいと思います。なお、この資料につきましては、この資料の中でも説明をしますが、厚生 労働科学研究の農薬班が作成をされたものでございまして、松井委員から提出のあった資料とい うことでございます。それについては事務局から代わりに説明をさせていただきます。  まずおさらいということで「1.水質管理目標設定項目における農薬類の位置づけ」でござい ます。厚生科学審議会の答申15年4月におきまして、水質基準としない項目のうち、環境中で検 出されているもの、使用量が多く今後水道水中でも検出される可能性がある項目については、水 道水質管理上留意すべき項目として、水道水質管理目標設定項目の認定を提言しております。  農薬につきましては、ほかの化学物質に比較して使用形態が独特であり、個別の農薬ごとに見 た場合は、水質基準または水質管理目標設定項目に分類されることはまれとしているが、下記の 式、DI=Σという部分でございますが、これについて下記の式で与えられる検出指標値が1を超 えないこととする総農薬方式により、水質管理目標設定項目に位置づけております。このΣの中 にあるものについては、農薬の検出値を農薬の目標値で割って、それの総和を見るということで ございます。  この答申においては、検討対象農薬の選定の考え方を以下にとおり示しているということで、 国内で使用実績のある農薬等のうち、(1)国内推定出荷量をADIで除した値が、除草剤、殺虫剤、 殺菌剤ごとにそれぞれ上位30位までに入るもの。(2)国内推定出荷量が上位30位までに入るもの。 (3)その他過去の経緯等から注意すべきもの(水質基準等が設定されているもの等)のいずれかの 要件を満たすものを抽出し、抽出した農薬を国内推定出荷量、測定方法の有無、検出状況の観点 から次の3群に分類していると。  第1群。測定方法があり、かつ国内推定出荷量が50トン以上あることから、水道原水で検出さ れるおそれがあるもの。ただし、50トン未満の農薬であっても現に検出されていれば第1号に含 める。  第2群。現在のところ、水道水に適した測定方法がないが、国内推定出荷量が50トン以上ある ことから、測定すれば検出されるおそれがあるもの。  第3群。国内推定出荷量が50トン未満であり、測定しても検出されるおそれがないもの。  検討対象農薬は第1群とし、第2群の農薬は測定方法を確立した段階で第1群に組み入ること とし、これら3群について定期的に見直しをすることとしております。  この答申を踏まえ、厚生労働省は水質管理目標設定項目として、農薬類について検出指標値が 1を超えないこととする総農薬方式を設定し、検出状況や推定出荷量などを勘案し、浄水で検出 される可能性の高い第1群102物質、別表1に付けておりますが、これを農薬類の対象とするよ うに選定し、通知で示しております。第2群と第3群は、それぞれ答申において示しているとい うことで、別表2と別表3を付けております。  「2.厚生労働科学研究における農薬類の分類見直しの検討」。ここで厚生労働科学研究の一つ として、水道における水質リスク評価及び管理に関する総合研究を多くの研究者と共同で実施を している。水質基準等については、最新の知見に従い常に見直しが行われるべきであるため、こ の研究の中で設置している農薬分科会において、ここ数年の農薬出荷量の変動、農薬のADIの 変更に伴う評価値の見直し、浄水や原水における検出状況の変動等を踏まえ、分類見直しの対象 となる母集団や3群の分類見直しについて検討を行ってきております。  「(1)分類見直しの対象となる母集団の検討」。平成15年の厚生科学審議会答申の考え方に基 づき、ここ数年の農薬出荷量及びADIを用いて、分類見直しの対象となる母集団について検討 を行った。母集団の選定に当たっては、現行の第1群、第2群及び第3群の農薬に加えて、平成 15年の厚生科学審議会答申に示すメルクマールを踏まえ、国内で使用実績のある農薬(農薬取締 法に基づき登録されている農薬及び登録は失効したが過去使用されていた農薬)などのうち、以 下の(1)〜(3)のいずれかの要件を満たすものを抽出した。  (1)国内推定出荷量をADIで除した値が、除草剤、殺虫剤、殺菌剤ごとにそれぞれ上位30位ま でに入るもの。  (2)国内推定出荷量が上位30位までに入るもの。  (3)ゴルフ場使用農薬の暫定指導指針の対象農薬、国内における水道水中の農薬の存在に関する 調査研究の対象となっている農薬等。  抽出した結果、現行の第1群、第2群及び第3群に新たに追加される農薬は、次の32物質とな ったと。次の32物質は3ページにありますが、これらの農薬を合わせた計238物質を新たな母集 団として、今後の部類の見直しの対象とするとしております。新たに検討対象となる農薬は、こ の農薬名に更に要件として(1)、(2)、(3)は、先ほどの(1)の(1)〜(3)の要件に該当するもの。これ と(3)に該当するものとしての分はゴルフ場使用農薬の暫定指導指針の対象農薬、厚生労働科学研 究において研究対象となっている農薬。あとはほかの要件に該当しないもののうち、過去5年間 で出荷量が急増していて、今後、出荷量が増大の可能性があるものも加えております。  「(2)今後の取組」でございます。これらの抽出された農薬を参考に、平成15年厚生科学審 議会答申において抽出された物質との相違点や農薬の検出状況なども踏まえて、母集団の対象と なる農薬について、第1群〜第3群に分類化を検討する。検討に際しては、農薬の出荷量、出荷 量をADIで除した値、原水・浄水における検出状況、残留性、出荷量の増加率、農薬使用の地 域性について留意することとする。  また、第1群に含まれる農薬類については、その浄水における検出状況から、平成22年2月の 厚生科学審議会生活環境水道部会で了承された分類見直しの考え方に沿って、最近3か年継続で 評価値の50%超過地点が1地点以上存在する、または最近5か年の間に評価超過地点が1地点以 上存在する農薬1群の物質が存在する場合は、この農薬について水質基準項目への格上げを検討 する。  第1群。出荷量をADIで除した値、原水・浄水における検出状況等を考慮して、第1群に挙 げるべき農薬を選出し、選出された農薬について標準検査法の検証を行う。標準検査法が確立さ れたものは第1群とする。  第1群の農薬のうち、全国的に検出されるおそれのある農薬及び地域によっては検出されるお それのある農薬の情報を示すことも検討する。  現行の第1群に含まれる農薬のうち、農薬取締法上失効農薬でかつ検出されていない農薬は第 1群から除外することを検討する。  第2群。出荷量が50トン以上の農薬で標準検査法が確立されていない農薬は第2群とし、標準 検査法化に必要な分析方法の情報を収集する。  現行の第2群に含まれる農薬のうち、出荷量が50トン未満であって、農薬の残留性にかんがみ、 検出のおそれのないものは第2群から外す。  第3群。第3群の農薬は国内推定摂取量が50トン未満であり、測定しても検出されるおそれが ないものであるが、出荷量が50トン未満で検出されている農薬も存在するため、定義の見直しを 行う。  以上でございます。 ○眞柄座長  松井先生、何か付け足すことはありますか。 ○松井委員  御説明されたとおりですので、質問があれば、お答えします。 ○眞柄座長  では、ほかの先生方からどうぞ。 ○安藤委員  分類の見直しはこれでよろしいかと思いますが、検出指標値を1を超えないという、ここはど うするのかなと。どうするのかなという言い方はおかしいのですが、これを設定した経緯は頭の 中に鮮明に残っていまして、そのときに1でいいか。0.5という考え方はどうか。それで0.5にす るさしたる理由もなくて1になったという経過がございます。この1という意味をちゃんとシミ ュレーションしておく必要があるだろうと。あるいは0.5でも0.1でも何でもいいのですが、ちゃ んと考えを整理したおいた方がいいだろうという気がいたします。つまり0.5ということは、更に 厳しくなることになりますね。 ○松井委員  当時の議論の要点はどんなものだったのでしょうか。 ○眞柄座長  西村委員、どうぞ。 ○西村委員  詳細な議論は正直言ってなかったわけですが、ただ、100農薬というリストがあったときに、100 分の1をはかるということで、そうするとある濃度が検出された場合のことを考えると、合わせ て1未満で制御していけば、精度管理上問題がないだろうということで、1ということになった と記憶しております。  例えばこの農薬が今は100という数をある程度守るのであれば、1という数字も生きると思う のですが、例えばこれが50になったときに、50をはかれば当然、今のクライテリアでいけば0.5 が上限になるわけです。その辺のところの農薬の数も含めて少し議論をしてもいいのかなとは思 います。厳密に100でなくてもいいですけれども、100前後で行くのか、それとも大きく減らすと いうことが第1群からあるということであれば、考えてもいいのかなと思います。  ただ、この数自身はそれぞれの事業体がそれぞれの事業体ではかるべきものを選択してはかる ということですので、リストが50になったからと言って50ということではなくて、100をはかる ということでもいいと思いますけれども、そういうことも含めて少し議論をすることもあるかと 考えます。 ○眞柄座長  先ほどパブコメにあったように、EUが全部足して0.5、1つで0.1というのは全く根拠がない んですね。これはEUのコミッティーで、要するに専門家がいないところで政策的にそういうふ うに決めたというだけであって、政策的に決めた0.5、0.1でもEUでこのディレクティブに抵触 するような水道水はないんです。ここが微妙なところで、対象にする農薬が除草剤を原則的には 除いているんです。しかも水田は対象外なイメージとなっているので、それでいいわけです。我 が国は農薬取締法が食品の残留性という食品衛生の問題から農薬の登録保留をしているのではな くて、農業資材として農家の人が不必要な農薬という資材を購入しないということと、適正に利 用すればいいということを保護するためにもともと農業資材の法律がつくられているわけで、そ れと厚生労働省として食品衛生の観点から、食物残留を決めているという両方の裏表があるわけ です。  そういう観点から言うと、水道水についての農薬云々ということはないわけですね。今のお話 があったように、農薬が100もある中で、水道水源に流れてくるような農薬はどれくらいあるか。 出荷量で調べたときに必ずしも水の方に出てくるものもそれほど多くないという現実はあるだろ う。  ただ、実際に西村委員や安藤委員や皆さん、水道事業体の方が水道水の農薬をはかったら、い っぱい出てくるわけです。いっぱい出てくるものを一個ずつ大丈夫だというのは、乱暴ではない だろうか。いっぱい出てくるものをいっぱい出てくるものとして、どういうふうに考えたらいい のでしょうねというので、さっきの総農薬方式というのをその当時の皆さん方、水道事業体の方 も一緒になって、水道はこれで行こうではないかといって、あれを決めたんです。その後、食品 衛生の方で残農のコンセプトが変わって、昔は食品の中には農薬は残留していないというのがも ともとの食品側の農薬に対するスタンスだったんですが、それがコーデックスや何かの関係で、 多少存在していってもいいのではないかということになって、食品衛生のいわゆるハーモナイゼ ーションの影響も受けて、農薬の食品残留の考え方が変わってきたといういきさつがある。  水道の方はそういう意味から言うと、食品衛生の方の農薬に対する考え方が変わる前に、この 方式を決めたので、食品の方が農薬に対するレギュレーションの仕方をそれ以降変えたわけです から、ある意味では水道でも食品の方の農薬に対するリスク管理の考え方が適用できるかどうか を考え直す必要はあるだろうと。ただ、結論は今までと同じで私はいいと思いますけれども、そ ういう作業をやってみる必要はあるのかもしれない。やるためにはデータがないとしようがない ので、今、御説明があったような出荷量をベースにして、毒性も考慮して、綿密に調査をして、 どうなのかというリスク評価をやってみた上で判断をするというのはあってもいいだろう。ただ、 これも金のかかる話だから、研究費を水道課でいっぱい取ってきてくれて、研究者にちゃんと使 えるようにやってくれたらという前提はあるだろうと思います。  私は気になったのは、例えばさっきの表でCNPが入っていないですね。CNPはもう失効し てしまったから、目標値はあるけれども、今回のTDIはこの表を見ると設定せずになってしま っているんですが、目標値の0.0001は3%か何かの数字で10%ではないはずですね。TDIベー スではないので、普通の10%の数字ではないので、その辺のところも失効したものが現に水道原 水から検出されているものについては、失効前のTDIの値をベースにして、何点かベンチマー クをつくっておかないと評価できないから、それは再検討していただいた方がいいだろうと思い ました。  PCPも失効しているけれども、アメリカはまだたしかTDIの数値が残っているはずですの で、その辺のところは残しておいた方がいいだろうと思いました。  ほかに何かありますか。除草剤について、公共用水もそうですし、水道水でもそうですが、水 の中にどれくらいあるかという情報を世界で一番持っているのは日本だと思います。そういう意 味では、環境省と一緒になって、WHOやFAOが除草剤関係のクライテリアをつくるときに情 報提供を積極的にするという国際貢献はあるかなと思います。そんなにはかっている国はほかに ないと思います。  国包委員、どうぞ。 ○国包委員  分析方法がかなりネックになる場合があるのではないかと思います。ざっとでもどういう感じ なのか、聞かせていただきたいです。 ○西村委員  おっしゃるように、農薬原体をはかるのは登録基準のときに提示されていますので、当然ある のですが、水道水の場合には水から抽出をするという作業があるので、その前処理が十分な回収 率を得られないとか、その段階で水に溶けることによって反応をしてしまうということもある。 できるだけ分析法についても速やかに設定というわけではないんですけれども、水試料から感度 よく測定するような方法をつくっているんですが、その辺のところは時間なり、お金も正直なと ころはあるのですが、結局、今ここで示している方法はすべて少なくとも最低限クロスチェック をした上で、どこかができるというデータだけではなくて、複数の機関できちんとちゃんとでき るということを検証した上で出しているということで、その辺のところで少し時間をいただいて いるということは御勘弁願いたいと思います。 ○眞柄座長  食安委とか環境省で水質汚濁に関係する農薬のチェックをしているのを見ると、水溶解度がめ ちゃくちゃ大きいのが出てくるんです。そういう実態を見ると、そんなはかれないようなものを つくって売るなと言いたくなるんです。それは西村委員が一番よくわかっているんだけれども。  先ほど化学物質の話で、EDTAがあって、その前は1,4−ジオキサンが基準に入りました けれども、1,4−ジオキサンの環境を資料とする分析法を確立したのは日本の都道府県。具体 的に言えば大阪と神奈川と東京の環境衛生試験所です。その試験方法をバージョンアップして環 境で使えるようにしたのは水道の水質試験所です。あれをはかれるようになって、やっと国際的 にジオキサンの規制が始まるようになった。  ジオキサンは物すごい量を使っているわけです。要するにトリクレン、パークレンが使えなく なって、ICの洗浄剤がジオキサンとEDTAとホウ酸に変わっているわけです。ホウ酸だって 物はかれるけれども、ホウ酸としてははかれない。これはどれくらい使われているかといったら、 物すごい量だと思います。EDTAだってジオキサンほどではないけれども、かなり使われてい る。ジオキサンが今度は規制の対象になったら何が出てくるのかなと思って、恐ろしい思いをし ています。それはみんな洗浄剤ですから、はかれないものです。PRTRの対象になっていない 変てこなものがどんどん出てくるので、そういう意味ではこういう調査も大事だろうと思います ので、これからも注意をしてやっていただきたいと思います。  遠藤委員は感染性の微生物だけれども、大腸菌のO157がしらさぎ幼稚園で出たときに、白 石先生曰く、多くの先生が本当にシラサギで、サギが持ってきたのではないかと。鳥が持ってき たと。実はそうではなかったんだけれども、クリプトのときだって、何だこれと。相模湾の上流 の豚が汚染されていて、その前の平塚なども状況証拠とすれば多分そうだろうけれども、あのと きだって何でクリプトが出るんだと。これはだれが持ち込んだんだと。わからない間に入ってく るわけです。  O157、クリプト、松井委員と昔やったカワヒバリガイなどはみんなインベーダーです。戦 後のインベーダー。インベーダーというはいつ来るかわからないし、化学物質も知らない間に使 われて、さっきのPFOSとPFOAもそうですね。そういうものに対してアンテナをいつも持 っているというのと実態調査というので、こういう未規制物質の調査とか農薬の分類見直しは定 期的にやっておかないと、後から失敗したという話になるんでしょうね。  安藤委員も御存じだけれども、水の中にいろいろなものがわかるようになったというのは、ト リハロをはかるのにECDが出たからです。あれをやってトリクレン、パークレンがわかって、 ECDを入れたんだけれども、その前に少し入っていたのはPCBのカネミの事故でECDが入 った。逆に言えば、西村委員が言われるように、はかれるようになったものは、わかるというこ とがあるかもしれない。 ○西村委員  今はLCマスも大分よくなってきましたので、そういう点でこれから多くのものもはかれるよ うになると思いたいです。 ○眞柄座長  カートリッジが大分よくなったからね。 ○西村委員  ただ、イオン性のものはイオンとの競合なので余り高いと、またそれはそれで使い方が難しい ということもあるので、一長一短はあります。 ○眞柄座長  ありがとうございました。ほかに何かありますか。なければ、後はその他ということですが、 何かありましたら。 ○松本管理官  本日は長時間にわたりまして御審議をいただきまして、ありがとうございました。本日とりま とめていただきましたパブリックコメントに関する実施結果につきましては、12月21日に厚生科 学審議会生活環境水道部会を予定しておりまして、こちらで御審議いただき、了承が得られまし たら省令改正等の手続を進めるということにしたいと考えております。  また、前回の検討会でクリプト対策の一環として、原水調査の中で求めております嫌気性芽胞 菌の検査につきまして、検査法のハンドフォード改良寒天培地法の培地の生産が中止されたとい うことを受けまして、嫌気性芽胞菌の検査法についての取扱いを御議論いただいたところでござ いますが、その後、現在国内の複数の試薬製造会社におきまして、代替の培地が同等の性状を有 するということを確認するための試験を実施中ということでございます。この結果がまとまって から、前回御相談いたしましたように、検査法検討会や微生物問題検討会の方で御議論いただく ということを予定しておりますので、よろしくお願いいたします。  先ほど国包委員からリスク評価の情報について、なるべく早く委員の間で情報を共有できるよ うにというお話がございましたので、私どもの方で分かる範囲ということになりますが、食品安 全委員会や他省庁について情報が得られ次第、各委員に情報を流すようにしたいと考えておりま す。  なお、本日の議事要旨及び議事録につきましては、各委員に御確認をいただいた上で公開させ ていただくことになりますので、よろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございま した。 ○松田室長補佐  事務局からでございますが、本日お配りした資料のうち、委員限りの中で、平成21年度の未規 制物質の存在実態調査報告書については、この会議終了後に公表ということでホームページにア ップしたいと思います。22年度の調査結果につきましては、報告書としてまとめた後、公表した いと考えております。  これは事務的なお話でございますが、今後WHOの会合に向けての準備会合を行いたいと思い ますので、関係する先生方に残っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ○眞柄座長  21、22のものは電子媒体ではないんですか。 ○松田室長補佐  電子媒体で公表をいたします。 ○眞柄座長  要するにダウンロードできて、PDFになってしまっているんですか。 ○松田室長補佐  PDFですね。もし必要があればワードでお配りしたいと思います。 ○眞柄座長  解析したり何なりして楽しもうと思うと、PDFだと使いづらいですから、ください。  どうもありがとうございました。 <照会先> 厚生労働省健康局水道課水道水質管理室 代表 : 03(5253)1111 内線 : 4033 ・ 4034