平成22年度 第6回水質検査の信頼性確保に関する取組検討会議事録     日  時:平成22年11月4日(木)14:00〜16:00   場  所:中央合同庁舎7号館9階金融庁904会議室   出席委員:安藤座長、浅見委員、伊佐治委員、齋藤委員、渋谷委員、杉本委員、    寺嶋委員、西野委員、沼尻委員、松井委員、山崎委員、吉田委員 ○松田室長補佐  では、定刻となりましたので、ただいまから「平成22年度第6回水質検査の信頼性確保 に関する検討会」を開催いたします。  委員の皆様方には、御多忙中にもかかわらず御出席いただきまして、大変ありがとうござ います。  それでは、お手元の配付資料の御確認をお願いいたします。議事次第に配付資料一覧を記 載してございます。  配付資料一覧を読み上げますが、資料1「『水質検査の信頼性確保に関する取組について』 報告書(案)」に関するパブリックコメントの結果の概要について。これについては、検討 会の委員の方々には、1枚目がA4の資料、2枚目以降にA3の資料を付けております。  また、資料2「水質検査の信頼性確保に関する取組検討会報告案」。  また、参考資料1に本検討会の運営要領を付けています。  なお、資料2の検討会報告案につきましては、見え消し版の資料について、委員限りで机 上配付させていただいております。  もし資料の不足等ございましたら、事務局にお申し付けいただければと思いますので、よ ろしくお願いいたします。  また、本日の検討会には、西村委員、小笠原委員から欠席の連絡を受けているところでご ざいます。  また、沼尻委員は出席予定ということでございます。  それでは、マスコミの方におかれましては、恐縮ですが、カメラ撮りは会議の冒頭のみと させていただいておりますので、御協力をお願いいたします。  それでは、これ以降の議事進行は、運営要領に基づき、座長の安藤先生にお願いしたいと 思います。  よろしくお願いいたします。 ○安藤座長  それでは、本日の議題、パブリックコメントについて。1か月間、パブリックコメントを いただきました。それについてどうするかというお話でございます。多くのパブリックコメ ントをいただきました。適切な御指摘もかなりいただいたと思っておりますが、より完成度 の高いものにこれを押し上げていかなければいけないということでございますので、よろし くお願いいたします。  それでは、おのおの提出いただきましたパブリックコメントの意見について、意見の種類 ごとに分類して、それから文章が異なるものでも、内容が重複していることにつきましては 集約させていただきます。事務局と相談しながら回答案を検討して、今日の資料となったと ころでございます。  今日の検討会の進め方ですけれども、最初に事務局からパブリックコメントの結果概要と、 その報告案の3章のうち、関係者の役割、水道事業体等の取組みについて、まず御議論いた だこうと思っております。  それでは、事務局の方から御説明をお願いいたします。 ○松田室長補佐  それでは、資料1のパブリックコメントの結果の概要について御説明したいと思います。  まず、1枚目の表紙について概要を紹介させていただきたいと思います。  パブリックコメントにつきましては、意見募集期間、9月3日から10月7日、約1か月 間行っております。水道課のホームページや、記者発表を行いまして告知をしていまして、 電子メール、ファクス、郵送のいずれかで意見を提出していただいたということでございま す。  意見の提出数と内訳でございますが、合計で18通ございました。事業者団体・民間事業 者関係13通、個人・市民団体・その他5通、地方公共団体0通でございました。この18通 の中には複数の意見があるということで、事務局で整理させていただいたところ、39件で ございました。  御意見の内訳でございますが、水道水質検査に関する関係者の取組むべき姿勢7件、水道 事業者等の取組みについて24件、登録検査機関の取組みについて8件、国の取組みについ て17件、その他3件ということで、全部で59件でございました。  それで、パブリックコメントはこの検討会報告案についていただいたということでござい ますので、パブコメの意見に対して検討会としての考え方ということで案を安藤先生と相談 して作成したところでございます。それについて紹介させていただきます。パブリックコメ ントの結果概要については、委員の方々にはA3の資料をお配りしているところです。  先ほど座長からも紹介がございましたが、まず最初に、関係者の役割、水道事業者等の取 組みに関して説明させていただきたいと思いますので、1番から11番までを説明したいと 思います。  まず1番、関係者の取組むべき姿勢ということで、関係者を明確化してほしいという御意 見です。  これは、もともとパブコメの報告案、こちらから提供した報告案29ページの22〜24行目、 「関係者と連携して水質管理上の支援や助言を実施すべきである」と記載されていたわけで すが、この「関係者」について、どのような方を示すのか明確にすべきではないか。また、 チェック機能を独立した第三者機関も含めることも一方法であるという御意見でございま した。  その意見に対しての考え方ということでございますが、関係者とは、国、都道府県及び大 学等の研究機関に所属する研究者のほか、水道事業体で構成される日本水道協会、全国簡易 水道協議会や登録検査機関で構成される全国給水衛生検査協会等の水道関係団体を想定し ています。なお、水道法に基づき、登録検査機関において信頼性確保部門が水質検査部門の 水質検査の内容をチェックすることを求めるとともに、水道事業者等への指導は国及び都道 府県が実施し、登録検査機関への指導は国が実施することとされていますという回答を回答 案でお示ししております。  次に2番ですが、これも関係者の取組むべき姿勢ということでございますが、意見内容と しては、国、都道府県による水道事業体及び登録検査機関への査察と強い指導が必要である。  この点については、報告書(案)にも示すとおり、登録検査機関の日常検査業務について 水質検査に問題が生じる可能性のある登録検査機関を調査する等、国による登録検査機関へ の指導及び監督を強化するとともに、国及び都道府県による水道事業者等への指導及び監督 を行うべきと考えますという回答とさせていただいております。  次に3番目ですが、これは水道技術者への研修の実施ということで、もともとパブコメに 提示していた報告書について、22ページ、24〜26行目の研修事業の実施等についての御意 見です。水道事業者の資質が向上するように、水道技術者に対して研修会等を通じて指導す る制度をつくり、明記し実行してほしいという御意見でした。  これについての理由として、研修の中で、定期及び臨時の検査の意義と重要性を再認識さ せることが大変重要ということでございました。  この点については、水道事業体の水質検査担当職員等の水道技術者を含めた職員に対して 研修事業を実施する等、関係者による技術的な支援が有効であり、報告書(案)にもその旨 記載しますということでございます。なお、もともと報告案の中には、「水質検査担当職員 への研修事業」ということだったのですが、これについて、中には水質検査担当職員がいな いような事業体に対しても研修するということもあり得るということで、「水道事業体職員 への研修事業実施等」という形で修正してはどうかということで記載しております。  次に4番目ですが、水道事業体の検査の把握ということでございます。  これについては、もともとの報告案の中では22ページ、34行目〜23ページ2行目の部分 でございます。この中で、検査機関の具体的取組みについて、「委託を受けた登録検査機関 は、検査中の検体の途中経過や過去の情報を水道事業者が確認できるシステムを構築する」 ことを位置づけるべきである。そうすることで、事業体は自ら水質検査を行っているのと同 様に、リアルタイムで検査結果をすることができ、過去の水質変動の履歴等と比較して必要 な水質管理上の措置や緊急時の対応を迅速に実施できるという御意見でございました。  この点については、これは意見の指摘にもありますけれども、水道事業体から水質検査を 委託した登録検査機関は、水道事業体の求めに応じて検査内容を提供できる体制を構築する ことが望ましいです。そこで、3.1の「水道水質検査に関する関係者の取組むべき姿勢」に おいて、登録検査機関は、水質検査や付随する業務に関する対応能力の研鑽に励み、その中 で、水道事業者等の求めに応じて検査結果を速やかに提供できるよう努めるべきである旨記 載します。  そこで、修正文章案でございますが、資料2を見ていただければと思います。22ページ の一番最後のパラグラフでございます。  ここに「登録検査機関は、水質検査が水道水の安全性を確保する要であることを強く認識 し、水道事業者等の委託を受け、適切な水質検査や付随する業務を遂行するため、水質検査 に関する対応能力の研鑽に励むことが求められる。その中で、登録検査機関は、水質検査の 精度を向上することのみならず、水道事業者等の求めに応じて、水質検査の実施状況に関す る速やかな情報提供を行うことや臨時の検査などで多様な水質検査にも対応ができるよう にすることが望ましいと記載しています。  資料1に戻りまして、5番でございます。今度は、特記仕様書及びチェックリストの作成、 検査結果の確認ということで、報告書の23ページから24ページの事業体の特記仕様書やチ ェックリストに関連する部分、また積算の部分に対しての意見内容、複数の意見が来ており ます。  まず1つ目、中小の水道事業体への支援策である特記仕様書及び内部精度管理のチェック リスト等の作成は有効であるが、一方で特記仕様書やチェックリスト等の評価には専門的知 識が必要となるので、研修等により国、都道府県、または第三者機関の支援が必要。  2つ目、特記仕様書等によって水道事業者は、精度の高い水質検査の確保の実施に必要事 項を委託契約の仕様書とする取組みは有効な手段であるが、本検討会の第4回検討会で西野 委員から提供していただいた特記仕様書案の内容は、一定の高度の知識がないと理解しがた いレベルである。  更に、具体的取組みに記載されているクロマトグラム、検量線データ等を提出させた後の 確認、解析は専門的知識がないとできないほど最近の分析装置は進歩している。また、担当 職員が理学、工学系出身ではないので分析の基礎からの研修が必要ではないか。また、人事 異動もあるので、内容を継承することは困難であるということで、2つの方策が必要。  特記仕様書を素人の担当者でも記載できるようにする。それでも簡単に判断できない場合 があることから、中小水道事業体を支援する第三者機関の設置が必要という意見でございま す。  3つ目、検査機関のデータを見てチェックするためには、一定以上の技術レベルを有する 第三者機関にチェック機能をゆだねるのが望ましい。一定以上の技術レベルのあるチェック 機関として、例えば水道GLP、もしくは水道全項目についてのISO/IEC17025を取 得している機関を対象に国で別途認証し、認証機関による現場審査を年1回以上受検させ、 その結果報告を水道事業者等にする旨を義務付けたらどうか。  4つ目、水質検査の実施状況の書類による確認については、委託者が専門的知識を有する ことが前提となるが、水道事業者のすべての方が専門的知識を有しているとは言いがたいこ とから、第三者機関による専門分野の研修の機会を設けるべきではないか。または、分析施 設に出向き現場確認を行うなどの確認を行うべきではないかという御意見でした。  これについて、4つの自立した意見があるということでございますが、回答案として、特 記仕様書やチェックリスト等の作成や評価については専門的知識が必要となるので、日本水 道協会において特記仕様書例、確認すべき事項のチェックリスト等について検討を進めてい るとともに、特記仕様書やチェックリスト等の内容について、中小水道事業体職員を対象に 国、都道府県、水道関係団体等が研修事業を実施する等の技術支援が有効であることを報告 書に記載しております。  第4回検討会で日本水道協会から資料として提出した特記仕様書案やチェックリスト案 の内容については、検討会における指摘やパブリックコメントの御意見を踏まえ、水質検査 にかかる知識、経験が十分でない職員でも活用可能なものにできるよう、更に内容の充実が 図られるべきです。  また、水道事業体において、自らの浄水の水質検査結果についてチェックできる体制をと るべきですが、水道事業体制における特記仕様書やチェックリスト等の作成や評価に関して、 一定の技術レベルを有する外部有識者の技術的支援を得ることは方策の一つと考えます。  また、水道事業体が水質検査を委託する検査機関の検査施設の現場確認を行うことは有効 な取組みであり、特記仕様書の中に含まれるべきですという回答案としております。  次に、6番目でございます。これについては、23ページ、24ページ、委託料が受託業務 を遂行するに足りる額であること。  これは、水道事業体が検査機関に委託する際の守るべき取組みに記載している部分ですが、 この施行に当たっては、検査料金の算出方法を明確にすべきではないかという御意見。  また、もとの報告の24ページの10〜16行目、水質検査の精度を確保するための発注方法 に関する記載ということでございますが、ここで入札制度において「低入札価格調査制度」、 「最低制限価格制度」を推進することで、検査業務を遂行できる額等、検査料金の適正化を 図るべきという委託料の算定についての御意見です。  これについて、特記仕様書案や標準歩掛かり案は、日本水道協会において本報告書(案) を踏まえ検討されているところですが、報告書(案)において、これらの資料を活用するこ とにより、適切な特記仕様書を作成し、積算を見積もることや、地方公共団体の入札制度に のっとって、低入札価格調査制度や最低制限価格制度を活用することも記載していますとい う回答としております。  次に7番でございます。これについては、もとの24ページ、16〜18行目の部分で、水道 事業体が「適切な水質検査を実施するための費用が見込まれているかを確認するため、落札 業者の検査料金の積算を確認することも有効である」という記載。  これについての意見ですが、現在の入札でも単価契約となっている。水道事業体への提示 はなされていて、提示することによる水質検査料金の安定化は期待できない。また、落札し た場合、その金額で実施することは検査機関の意志決定の結果であり、まともな検査結果が 出せなければ受託できないというだけのことであり、全体の精度が悪くなるということには つながらない。  また、水道事業体へ積算根拠を提示した場合、その事業体からほかの事業体へ情報の公開 や流出するおそれがあり、結果としてほかの事業体から検査機関への価格引き下げ圧力に利 用されることが考えられる。  水道事業体へ値引きさせないよう指導するべき。  この点について、御指摘のとおり、水道事業体が必要な水質検査業務を特記仕様書におい て明らかにした上で、それらの業務ごとにかかるコストを積算し、水道事業体が競争入札を 行い、その上で落札した登録検査機関の落札額で、水質検査の品質を低下させずに仕様書に 定める業務を検査機関が適切に実施しているのであれば問題はないです。  しかしながら、検査機関が受注するため検査料金を著しく引き下げた場合には、水質検査 の精度管理や信頼性確保に必要な費用の回収が困難となるため、検査の品質が低下すること が懸念されます。このため、報告書におきまして、水道事業体が受注した検査機関に水質検 査を委託する際に、適切な水質検査を実施するために必要な費用が見込まれているか確認す るため、落札業者の検査料金の積算を確認することについて記載していますという回答です。  次に8番目でございますが、総合評価方式の導入。  意見の内容としては、検査機関に水道事業者が水質検査を委託する場合、競争入札によっ て委託検査機関を決めるのが大多数。競争入札では価格だけで決まるので、水質管理も含め た総合評価方式を導入すべきではないか。  これについては、水質検査のみならず、水質管理も含めた委託を水道事業体が行うことは あり得ますが、契約方式は総合評価方式も含めて地方公共団体の入札制度にのっとって地方 公共団体が選択すべきですという回答にしております。  次に9番は、ISO/IEC17025の入札条件ということで、もとのパブコメにかけた報 告書(案)の25ページに関連する部分で、水道GLPとISOの記載についての御意見で す。  水道事業体の入札にはISO/IEC17025の認定を条件とするところが多くなってい るが、その認定範囲は水質基準項目を含んでいることを入札条件となるように位置付けるべ き。更に、基準項目を検査するために採用されているGC/MS、PC−IC、HPLC及 びICP法を用いる項目についても認定範囲に含まれていることが望ましい。  2つ目、第三者による客観的な品質管理の技術能力を判断する指標の一つとして、水道G LP、ISOの認証取得の確認は重要であり、関係書類の入手は「望ましい」という表現」 ではなく「必要である」とすべき。  これについての回答案でございますが、報告書(案)の中で、登録検査機関が技術的能力 を有するかどうかを見る上で、水質基準項目に関する品質管理の認証取得や、それに類する 取組みの状況に関する書類としてISO/IEC17025を含めていますが、入札条件とする には取得する検査機関の数が多くない等の課題を有していることが本検討会でも議論され たところでもあり、報告書(案)においては技術的能力を把握する上での有効な書類として 位置付けていますと記載しております。  次の10番目でございますが、これはISO/IEC17025の認定を受けていない検査機 関の入札条件ですが、ISO/IEC17025の認定を受けていない検査機関が入札するに当 たって、水道事業者が自ら、または新たに設置する第三者機関が検査施設、検査員数、内部 精度管理資料、検査の信頼性が確保されていることを事前に確認することが要求されるべき。  これについて、ISOの認定取得の有無にかかわらず、水道事業体は、登録検査機関を選 定する際に精度管理が行われていることを確認するため、委託する際の特記仕様書に内部精 度管理の実施状況の確認、検査施設への立入検査やクロスチェックの実施等を記載し、検査 機関の精度管理の状況について把握すべき旨、報告書に記載していますという回答です。  次に、11番目でございますが、臨時検査時の対応ということで、水質異常時の危機管理 体制や、臨時検査における委託契約の取り決めの部分に関する意見。  1つ目でございますが、水道事業者が検査を委託する場合の水質異常時の危機管理対応は、 原則的には基準項目に限られます。その一方、最近の水質汚染は基準項目に限らないことか ら、水道事業者が水質検査を委託する際は、基準項目以外の項目も独自に検査する能力を有 することが必要。  2つ目、定期の水質検査とあわせて臨時の水質検査等の実施を含めた委託契約は、緊急時 の水質検査には欠かせない、効率的かつ合理的であり、更に臨時の水質検査に当たって業務 を遂行できる額にまで言及した点については、評価する。  3つ目、緊急時こそ速やかに水道事業体が情報を開示し、市民が安心して水道水を飲める ように指導をお願いする。  4つ目、臨時検査は予測がつかない事態も想定されることから、料金については定期検査 と別の積算になることも予想されるのではないか。  これについてですが、最初に、1つ目に対する回答でございますが、水道法に基づく臨時 検査で実施すべき項目は、検査義務のある水質基準項目が基本です。その一方、水道事業者 等から水質検査を受託する登録検査機関は、水道事業者等からの緊急の水質検査の依頼にも 適切に対応していくことが求められます。  このため、3.1の「水道水質検査に関する関係者の取組むべき姿勢」において、検査機関 は、水質検査や付随する業務に関する対応能力の研鑽に励み、その中で臨時の検査等で多様 な水質検査にも対応できるよう努めるべきである旨、記載します。  それで、資料2の22ページの一番最後のパラグラフ、4番の意見に対する修正文章案と あわせて、この部分に新たに修正案を追加しております。  また、資料1に戻りまして、11番の残りの部分ですが、臨時検査については、その検査 実施が必要となった状況に合わせて適切な検査を実施することが必要なことから、契約時に 臨時検査の実施の位置付けを明確にした上で、臨時検査が必要な場合の費用は、落札時に支 払う費用とは別に協議して費用を支払うことが考えられます。  また、臨時検査の結果の開示については、水道法第24条の2の規定に基づき、必要が生 じたときに速やかに水道需要者の閲覧に供する等、情報提供が義務付けられています。  以上が1番から11番の意見に対する回答案でございます。 ○安藤座長  ありがとうございました。1番から11番まで、範囲が広いのですが、御意見いただけま すでしょうか。どこからでも結構ですが。  これは、当然報告書(案)ですから、具体的にどうするか、ここにはまだ書いていないと いうか、これからのお話でしょうから、方向性としてこうですよということですので、それ でもわからないとか、あるいはもう一つ踏み込むべきだ、あるいはここまで書かれては困る。 いかがでしょうか。どうぞ。 ○西野委員 考え方について、よく書けていると思うのですけれども、2か所だけ今のとこ ろで質問させていただきたいのです。  4番の意見ですが、この方は意見内容については、途中経過を教えてほしい。過去情報に も結構触れているのです。実際の過去情報について、意見とか考え方に入っていないので、 私は過去情報は普通提供できない。要するに委託業者が変わりますと過去の情報を持ってい ないですね。だから、これはわざと触れなかったのかどうか知らないですけれども、過去情 報について提供は難しいということを触れてもいいような気がします。  それと、10番の意見内容は、第三者が認めたものを持っていないところについては何ら かの措置なのでしょうけれども、回答の方にはいろいろやることを確認しろ、おっしゃると おりです。ただ、第三者の認定・認証があると選びやすいのですけれども、自分たちで精度 確認とかチェックができないところはどうしているのですかと、心配しているのではないで しょうかという2つの質問です。 ○安藤座長  事務局は、どのように。 ○松田室長補佐  最初の西野委員からのコメントでございますが、4番目の、まさに1年1年で水質検査を 委託する機関が変わり得るということで、その場合、過去の情報を持っていないことも勿論 念頭にありました。その一方で、毎年、長期間にわたって受託しているケースもあり得るだ ろうということで、持っている場合と持っていない場合があると考えられます。  そこで、西野委員から言われたように、過去情報を持っていないと書いてしまうと、いや、 そうでない場合もあることが考えられるものですから、あえてこちらの方にはその点につい ては触れていない。それで、水質検査の実施状況に関する情報提供を行うということで、場 合によっては過去の情報も含めてということが含み得るということで記載しているという ことでございます。  次に、10番の意見については、認定を受けていない検査機関が入札する際に、事業体が 確認すべき事項としての意見と受け止め、報告案に記載されているとおり、水道事業体が検 査機関の精度管理状況を確認するときの取組を記載したという考え方でございます。 ○安藤座長  今の御指摘あるいは御回答がありましたが、これは私も若干はそうなのかなということが あります。例えば西野委員がおっしゃった水質情報というものを出してもらうということと、 過去情報は難しいという話。もう一つは、水質管理を恒久的にやっていきたいということか らすると、本来は過去情報もリンクしていた方がいいだろうと思います。矛盾することが出 てくるわけですが、ここでの意見の考え方としては、この辺なのかなという気もいたします。  もう一つ、10番は私も正直びっくりしたところでして、水道GLPなりISOはかなり の機関が取っているだろうと実は思っていまして、意外に取っていないということで、これ は現段階ではこれ以上踏み込めないのかな。将来的にはそれがいいかどうかも含めて考えて いかなければいけないですが、回答案としてはこういうところなのかなと思ったところでご ざいます。  今の御意見も含めて、いや、これはもう少し踏み込んでほしいとか、何かございますでし ょうか。忌憚のない御意見をいただきたいと思います。これはまだ方向性だけですから、こ の後、具体的にどうするのだということがございますので。はい。 ○西野委員  10番のところにも書いてありますけれども、わかりやすい特記仕様書とかチェックリス トをつくっているということを足しておいたらどうかと思います。ここに書いてあるからい いよということではなくて、専門でない方が見てもわかりやすいものを作成しているところ だと。 ○安藤座長  よろしいでしょうか。 ○松田室長補佐  それでは、ほかの番号の意見に対する回答でも、日本水道協会で検討していますという旨、 書いているところもありますが、それに準じた文章を10番の回答案に付けるようにしたい と思います。 ○安藤座長  それでは、ここのところは、まさに進行しておるところでございますので、そのように書 かせていただきます。特記仕様書に関係する、あるいはチェックリストに関係するところが そのほかにも出てまいりますが、それに関連して書いたらどうかなと思います。  そのほか、いかがでしょう。どうぞ。 ○吉田委員  パブコメの話より以前に戻ってしまうのですけれども、7番のパブコメで出た意見に関連 してです。資料2の報告書の24ページの中ほどに、パブコメでも出てきて回答にも書いて あるのですが、『落札業者の検査料金の積算を確認することも有効である』というのがあり ます。この記述の意味の確認ですが、『応札業者』ではなくて、あくまで最低価格の札を入 れた『落札業者』と契約する前に、その積算を見る考え方ということでよろしいのですね。  そうした場合には、そのちょっと上に書いてある低入札価格制度にかなり近い制度になっ てくると思います。実際、座長が今、言われたように、この検討会の報告書に書いてあると いうことは、「今の低入札価格制度と限らなくても、新しい制度があるといいね」という意 見表明になっていると思います。パブコメの意見に対しても、そういうふうに書いてありま すよという検討会の意見になりますから、実務面に移す場合は何か具体的な手法なりを考え ておかなければいけないのだろうなと感じます。 ○安藤座長  これは、特に登録機関は非常に関心のあるところですが、事務局の方で何か。 ○松田室長補佐  まさに吉田委員から御指摘があったとおり、これまではなかった取組みを新たに事業体の 方に確認していただいた方がいいのではないかということで、この報告書の中に追加された ものだと理解しております。  あと、水道事業体としてチェックしていく部分もございますし、我々も国として、もし業 務規定に定める料金が非常に安い部分がかなり見られる場合については、そういう事業体の 落札価格というのも我々としても注意すべき情報になると思いますので、こういった情報を 集めていくことが必要だと考えております。 ○安藤座長  という考え方と御理解いただけますでしょうか。あるいは、そう読めるかということです ね。勿論、全国の水道事業体の落札価格の情報を常に集めなければいけないということには ならないと思いますが、当然、中小の水道事業体がそれについてちゃんと見るということに なりますが、場合によってはピックアップして、国がそれについてどうだったかという見方 をしてもらうことが理想ということになりますけれども。 ○吉田委員  要は落札業者の検査料金の積算を確認するときには、新たな契約制度なりの仕組みをつく っておいてあげないと、事業体はつらくなります。特に中小事業体などで低入札価格制度ま でできないとした場合、どういうふうにして確認するのかということも、実施に際しては考 えておいてあげる必要がある、という意見です。 ○安藤座長  ここではそういう意味ですね。どうぞ。 ○松本管理官 私の前に自治体にいた経験から言うと、低入札価格制度はかなり厳しく、場 合によっては幹部も含めて審査会を開いて、その中でぎりぎりと本当にその価格でできるの かというのをやると思いますが、それとは別に、ある落札価格でしたということで、一方、 自治体側で積算内訳を今回の場合は持つようにするという仕組みにしているわけですから、 それと照らし合わせて、落札者の方から内訳はどうなっているのというのを提出してもらい、 それと比べて、こちらで見込んだものよりかなり額が低い部分があれば、その部分について どうやるのかというのを担当者がチェックしていくイメージではないか。  そういったことを土木関係などの部局では、通常行っているところもあるのではないかと 思うので、全く新しい制度ということではなくて、従来の仕組みの中でチェックできるので はないか。変な額で入札してきた場合には、その部分でチェックがかなり入るのではないか と考えております。 ○吉田委員  そうすると、落札者が総価契約で内訳書を持ってきて契約するときに、基本的にはもう落 札しているわけですから、それはこの価格で大丈夫なのと一応確認はするけれども、業者さ んの方の経営努力で頑張りますといえば、当然契約する権利があるわけで、要はそういうチ ェックを1回入れましょうと。業者さんが間違って入札していないかとかいう、単純ミスを 除きましょうという程度の確認という考え方でよろしいのですか。 ○松本管理官  理屈上でいえば、その段階で説明を求めるわけですから、落札した側が合理的説明をでき なければ、それは多分辞退といったことも考えられるわけで、その部分は適正な価格で入札 することに対する抑止力と言ったら変ですけれども、そういったものとして働くのではない かと期待されると思います。 ○渋谷委員  この考え方の書きぶりはこれでいいと思いますけれども、私の経験では、例えばアンケー ト調査でも全項目が7,500円とか1万円ぐらいのオーダーで落札して、実際に低入札価格で 落札した業者に本当に大丈夫ですかと問いかけたときに、できませんとは多分言わないと思 います。どういう形で大丈夫かという説明の仕方いかんによってということですけれども、 果たしてそれが有効に働くかどうかは非常に難しい部分があろうかと思います。  それから、登録検査機関に課せられている、この後のテーマで出てくるのですけれども、 業務規定の中に検査料金の根拠資料を今回出すような仕組みになっております。その積算根 拠資料が各機関によって金額の大小が相当出てくると思いますけれども、仮に金額が少ない 根拠資料を添付した業者が、それよりも更に下回って、非常に乖離のある落札価格で落札し た場合に、説明を求められて、もし説明が上手にできなかった場合でも、うまくできた場合 でも、業務規定で掲げた料金と乖離があった場合に、それは有効か無効かという部分にも関 わってくると思います。  実際、これを運用するときには、その辺の運用の仕方が非常に難しくなるのかなと思って おります。この報告書の書きぶりは、これをやっていただくのは非常にいいことだと思って おります。 ○安藤座長  非常に大事なところではございますが、具体的にどうするか、そこですね。報告書として は、この辺が限界という気はするわけです。この後、具体的なものに踏み込んで入れていた だけないかというお話になるのでしょうか。いかがでしょうか。1つは、パブコメよりもう 少し踏み込んでくれという考え方もあるだろうし、あるいは具体的な施行に当たってのもの については、具体性を入れていただきたいというお話になります。  パブコメの報告書としては、このぐらいでよろしいでしょうか。というよりも、これ以上 は書けないという考え方になるのでしょうか。よろしゅうございますか。 (「異議なし」と声あり) ○安藤座長  ありがとうございました。非常に大事なところでございます。特に、登録機関については、 この辺でどう読めるかによって、その対応も変わってくる。当然、水道事業体もそれについ て変わってくるところでございますので、パブコメを踏まえた案としては、このようにさせ ていただきます。その後については、もう少し踏み込めるかどうかというのはこれからの話 かなと思いますけれども、ありがとうございました。  そのほかいかがでしょうか。11番までは以上でよろしいでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○安藤座長  よろしければ、一部修正といいますか、ちょっと書き加えるところがございましたけれど も、基本的にはこの線でパブコメの回答案にしたいと思います。  それでは、次に登録機関、国の取組み、あるいはその他の御意見がございました。それに ついて事務局から御説明をお願いいたします。 ○松田室長補佐  それでは、12番以降の意見に対する考え方を説明いたします。  まず、資料1の12番ですが、登録検査機関の取組(検査員の採水)でございます。  もとの報告案27ページ、試料の採取は検査員が行うことになっていることから、試料採 取時に登録検査機関の検査員が依頼者と接触する際に、検査員であることの証明書を提示す る手段が必要である。登録検査機関の検査員証を国あるいは第三者機関で発行すべきではな いか。  これに対する回答案でございますが、水道事業者等が委託した試料採取や水質試験内容の 確認等のため登録検査機関と接触する際に、水質検査を行う職員が検査員であることを確認 するため、検査員に検査員であることの証明書を携行させる取組みは有効と考え、登録検査 機関が検査員の検査員証を発行し、検査員が検査員証を携行することが望ましい旨、報告書 (案)に記載したいと考えます。  報告書(案)については、資料2、27ページ目でございます。  大きなパラグラフで3つ目、具体的な取組みの2つ目のパラグラフの一番最後の3行、ま た以下でございます。「また、登録検査機関は、所属する検査員に、水道法第20条の4の登 録基準に定める検査員の要件に適合していることを証明する検査員証を発行し、試料採取や 水質検査等の業務時に検査員が検査員証を携行するように取組むことが望ましい」と追加し ております。  次に、資料1に戻りまして13番目、不測の事態への対応ということですが、検査機関の 水質検査の実施については、不測の事態においても速やかな検査が実施されなければならな い。告示法は、2方法以上や複数台の機器所有事項を明記していると理解している。不測の 事態に備えてのバックアップ体制を構築しておくことも登録検査機関の責務である。  これについては、報告書に、登録検査機関は告示法に従って検査を行うよう検査方法に位 置付けることとしておりますが、不測の事態に備えて適切な体制を構築しておくことは望ま しいと考えますと示しております。  次に、14番でございますが、もとの報告の27ページ、24行目にありました検量線濃度範 囲と検量線点数の明確化でございます。  意見の内容としては、検量線点数の明確化はできても、標準原液からの調製方法を含め、 検量線濃度範囲は装置の条件に応じて各機関で研修し、適切な範囲を設定すべきだ。  これの理由として、同じ原理の装置であっても、メーカー、年式、モデル等が異なれば測 定できる濃度範囲も異なるのが一般的ということが根拠にあるということでございます。  ただ、濃度測定範囲としては、最小濃度と最大濃度の差が100倍や1,000倍となると、幾 ら検証したといっても問題があると思うため、レンジの規制は必要である。  これについての回答案でございますが、今後、検量線濃度範囲及び点数の明確化等の基礎 的な作業内容を具体的に検討する中で、御意見の内容も参考に検討が進められるべきと考え ますという回答です。  次のページ、15番でございますが、登録検査機関の取組(業務規程の検査料金の積算根 拠の明示)ということでございます。もとの報告書の28ページです。  意見の内容として、登録申請の金額を水道事業体が参考にできる、または落札価格に反映 するようになれば意味はあるが、予算削減という命題のもと、年々入札設定額が引き下げら れる状況であり、登録申請の金額と実態が異なるということであれば、登録申請の金額、こ れは業務規程の金額ということと理解しましたが、これは意味がないので、なくせばよい。  2つ目、業務規程に記載する検査料金の算定根拠を審査対象とすることについては、検査 料金を適正な価格帯に修正できるものと評価する。そこで提案として、採水・運搬・分析の 一連の工程作業に対する料金算定方法を定めてはどうかという意見です。  (1)の意見については、この検討会報告で記載されている考え方をお示しするということで ございますが、検査業務規程に検査料金を定めることは、登録検査機関が、検査員や検査設 備等の規模や能力に応じて、採水、運搬、水質試験から検査結果の報告に至る水質検査を適 切に実施するための必要な標準的な費用を示す上で必要な取組みです。  水質検査を受託する際の検査料金が業務規程料金と比較して著しく安い場合には、登録検 査機関が適切な検査の実施に支障を期す可能性があるため、これらの機関の水質検査の内容 を確認する取組みが有効ですという回答です。  2つ目の御意見については、今後、検査料金の算定根拠の審査内容を検討する際には、御 意見の内容も参考に検討が進められるべきですという回答でございます。  次に16番でございますが、検査機関の水質管理等の役割でございます。  もとの報告書(案)の29ページ、水質管理に関する能力が低い中小事業体を補完するた め、検査機関がこうした水質危機管理、工程管理の助言や相談を積極的に行うことが望まし いという部分に対する意見として、検査機関は、水質検査の能力だけではなく、浄水処理工 程、異常水質の対応等、工程管理にも相談、助言を行えることを検査機関の条件とすべきで ある。  水道技術管理者・水道施設管理技士の資格を有する者を登録検査機関は配置すべきである ということで、この意見を踏まえた修文案を意見として提出しているということでございま す。  これに対しての回答でございますが、水道法に定める登録検査機関の役割は、水道事業者 等の実施しなければならない水質検査を受託して行うことにあるため、すべての検査機関に 役割を求めることになる検査機関の登録要件として、水質施設の水質管理の実施を追加する ことは困難です。  一方、報告書にも示すとおり、本来業務以外に水質管理に関する能力が低い中小事業体を 補完するため、業務委託に当たって、水質検査のみならず浄水処理の工程管理や水道水質危 機管理に関する助言や相談が可能な検査機関においては、これらの業務を積極的に行うこと が望ましいと考えておりますという回答にしております。  次に17番、国の取組(登録や更新の検査)ということでございますが、もとの報告の29 ページ、水質検査機関の登録及び更新時等の審査について。  意見内容の1つ目、国は、水質検査機関の登録、水質検査機関の更新に関して、施設、設 備、人員、その他登録時の用件を査定できる体制は確立できているのか。水質検査機関の登 録、登録検査機関の更新、検査区域の変更に関する申請の対応について、国だけでできるの か疑問であり、検査機関への国の指導及び監督について、どのように対応していくのか明確 に示す必要があるのではないか。  これに対しての回答ですが、水道法において、水質検査機関の登録を受けようとする者は、 登録を申請した者が水道法に定める登録基準に適合している場合は、この者を登録すること としており、水質検査機関の登録、登録検査機関の更新及び検査区域の変更に関する届け出 の受理に関する業務については、国の業務として実施することとされていますが、審査の過 程で必要に応じて担当職員が検査機関の適切な検査を実施する体制を確保できているかど うかについて、現地調査を行うことも必要と考えます。  本検討会では、水道法に定める水質検査機関の登録に関する事務を国が実施することを前 提に、水質検査の信頼性を確保するための方策について検討してきたところで、今後、本報 告案を踏まえ、必要な措置を講じられるべきと考えます。  それで、報告書についても一部修正しておりまして、資料2、30ページを開いていただ ければと思います。  3.4.1 具体的な取組の1つ目のパラグラフの後半部分です。「国は、水質検査機関の登録、 登録検査機関の更新や検査区域の変更に関する書類審査の過程で、必要に応じて検査機関の 検査体制を現地調査により確認すべきである」、この内容を追加することでいかがかという ことです。  次に、17番の意見の(2)に戻りまして、登録検査機関の登録要件や更新時の審査、実績報 告などをもっと厳しくすべきである。繰り返し精度が保てない機関や、意思で不正を行った 検査機関を許すことはあってはならない。機器と人がいればよいとするように登録を安易に 認めないことも必要ではないか。  その回答でございますが、(2)登録基準については、検査機器と検査員の確保のみならず、 信頼性確保のための措置も求めているところです。本検討会でも、水道法に定める水質検査 機関の登録や登録検査機関の更新等に関する事務に当たって、試料取扱標準作業書の記載事 項や検査区域の審査を強化するとともに、受託検査の実績の報告の実施を求めています。  必要な精度の確保については、現在でも外部精度管理調査結果を踏まえ、国おいて現地調 査等を実施しているところですが、報告書(案)に記載しているとおり、繰り返し精度が保 てない機関については、国が日常の水質検査業務の調査を実施し、必要な指導及び監督を実 施すべきと考えます。  次に、意見の(3)でございます。試料採取を行う検査員の審査について、精度を保つために は試料採取の経験を考慮すべき。「試料採取」に関する要件は、以下の組み合わせで考慮す べき。ここで経験要件に試料採取の経験、あと登録講習に学科、実技訓練、卒業試験を加え るということでございます。  この意見に対して、回答案(3)、現在の水道法に定める要件を満たす検査員は、精度を保つ ための試料採取を実施する素養があると考えますが、本報告書(案)を踏まえた制度改正に 当たって、検査員が適切な試料の採取を行うように、試料取扱標準作業書において、水質基 準項目ごとに資料の採取場所に応じた採水方法、採水容器や添加試薬に関する注意事項を明 示することを、水道法施行規則に定める登録検査機関が遵守すべき検査方法において位置付 けるべきと考えます。  次に、意見の(4)ですが、前のページに戻っていただきます。  水道法別表第一第四号に検査員の要件が記載されている。ここで前三号に掲げる者と同等 以上の知識経験を有する者ということで示しているわけですが、この同等以上の知識経験を 有する者については、国の「水質検査機関登録制度の手引き」において考え方を示している ということです。そこで、この定義の中で、「水道法第20条第1項の水質検査に準ずる水質 検査の実務に従事した者」ということで、「飲料水、環境水又はプール水等の低濃度試料に 係る水質検査のうち、生物、金属又はVOCのいずれかの水質検査」ということが決まって いる。  その一方で、この意見においては、水質基準項目は「生物」「金属」「VOC」以外にも必 要な技術があります。検査項目を追加した方がよいと考える。具体的には、農薬分析、陰イ オン分析といったものがあるので、追加してはどうか。  これについては、「陰イオン」や「農薬分析」も含めるよう「水質検査機関の登録制度の 手引き」に追加すべきと考えますということで記載しております。  次に、18番、国の取組(検査開始までの時間)でございます。  もとの報告書では、登録検査機関の検査区域に関して、検査法告示に定める微生物項目の、 12時間以内の速やかの検査が可能な区域を対象とするように審査を行っている」。  あとは、検査法告示に関連して、「水質検査の技術向上と自主性を重視して、遵守すべき 最低限必要な要素を記述することを念頭に規定している」。  この部分に対してのまず1つ目の意見。水質検査を行う区域の設定に当たって12時間以 内とする地域を対象。その根拠は、微生物試験は12時間以内に試験をすることとされてい る。これについて、この微生物試験をはじめとする検査項目の試験着手時間と分析結果に対 する信頼性については、本検討では議論されていない。  その後、残留塩素等の関連について記載しているわけですが、最後に検査法告示に記載さ れている試験着手までの時間を検査区域の根拠とされる以上、その試験着手にかかる試験結 果の信頼性について、根拠となるデータを示してほしいという意見が1つ目。  2つ目に、これも12時間の部分で、微生物検査、細菌検査のことが冒頭に触れられてい ますが、2番目の意見については、水質変化による検査の妥当性によるだけではなく、水系 感染症の未然防止を念頭に置いたものと考える。そのほかにも、シアン化物や塩化シアン、 揮発性有機化合物といった迅速性が求められるものがある。これについては、試験開始まで の間に時間をかけずに測定する必要がある。  特に、シアン化物や塩化シアンは時間の経過で減衰が顕著であるということで、検査着手 までの時間を細菌検査と同様に厳しく査定することが必要ではないか。検査法告示にも記述 していただきたい。  3つ目でございますが、これは12時間以内という部分については、分析結果は一刻でも 早いことが望まれる。緊急時の夜中などの検査は例外として、一般に当日採水、当日検査に 取りかかるとすると、多くの機関の勤務時間内である18時ごろまでには分析が開始される ことになる。勤務時間は実質8時間ということで、通常検査であれば、検査機関に到着する のは8時間以内。そのため、開始までの時間をもっと短縮すべきではないかという意見でご ざいます。  次に4つ目でございますが、臭素酸の開始時間について、告示では「速やかに試験する」 とされていますが、上水試験方法では「冷暗所で2週間以内に検査する」とされている。告 示に水質検査開始までの時間を明示する場合は、時間制限の根拠となる資料を公開してほし いという、12時間以内に関連する部分と、臭素酸の試験開始時間に関する意見でございま した。  これについての回答案ですが、今後、検査法を検討する際には、御意見の内容も参考に検 討を進められるべきと考えます。なお、検査法告示に定める微生物項目の試料採取から水質 試験の開始までの時間については、試料水中の微生物が増殖する可能性のみならず、水道水 中に水系感染症発生の原因となり得る微生物の存在可能性の速やかな把握が必要なことも 考慮して、原則的に採水日に試験を開始すべきことを念頭に定めるべきと考えますという回 答案でございます。  次に19番でございますが、検査区域の見直しに関して。  地方の雇用確保、緊急時の水質検査の速やかな実施を実現するためにも、検査施設を設置 している都道府県のみの業務に限定すべき。  これに対しての回答案ですが、近隣の検査機関に水質検査を委託するメリットとして、水 質検査の速やかな実施が確実になる点が挙げられます。その一方、都道府県によって検査施 設を有する登録検査機関の分布にばらつきがあることや、近年の輸送網の整備に伴い、輸送 時間の短縮が可能になっていることから、都道府県の範囲にかかわらず、速やかな検査を実 施することができる区域については、検査区域として認めることは妥当であると考えますと いう回答でございます。  次に20番でございますが、検査機関への立入検査及びクロスチェック。  検査費用の最高価格、最低価格、平均価格と、水質検査のクロスチェックや登録検査機関 への実地調査に関する記載に対する意見ということで、1つ目、50項目の委託価格の最高 価格と最低価格の差は、何が原因で起こるのか検証するため、価格の高い機関と安い機関に 対し、実際に立入調査などを実施し、本当に精度や信頼性にたえ得る検査がなされているか、 国として検証する必要がある。  2つ目、検査機関に対し、国として精度や信頼性を確保できるような不定期の立入検査や クロスチェックの実施を求めた制度を確立することを希望する。  3つ目、食品検査と同様に、水道でも定期的な立入検査を行うことが盛り込まれるべきで ある。外部機関に委託してでも、立入検査を実施すべき。  4つ目、現地調査を国が実施することは更に求めたいところでありますが、現実的には各 都道府県に検査区域設定されている登録機関に対する日常の立入調査に関しての権限の一 部をゆだねることを考えるべき。  これに関する回答案ですが、今後、登録検査機関の日常の水質検査業務に関して、適切な 水質検査を実施し、精度が確保されていることを確認する調査及び立入検査を実施する際に は、御意見の内容も参考に検討を進められるべきですとしております。  次に21番でございますが、外部精度管理調査の見直し。  これについては、31ページに外部精度管理調査の記載があったわけですが、1つ目、検 査機関への国の一斉精度管理調査は、登録検査機関の一定の検査能力の水準を評価でき、水 道事業にとって有益に寄与している。水道事業体や地方公共団体の機関の協力を得てのクロ スチェック等の実施については、厚生労働省が行う精度管理の補完業務として、検査機関の 信頼性向上に向けて効果を発揮しているので、今後も継続を望む。  2つ目、外部精度管理調査について、Zスコアの結果で階層化を行っているが、各検査機 関の試験精度が向上し、統一試料調査の提出値がほぼ中央値に集中する傾向にあり、日常分 析において問題とならない程度の値の振れがZスコアに大きく影響している。統一試料調査 の結果は、検査機関にとって大変重いものであり、Zスコアの評価に加え、誤差率などの評 価をあわせる等、精度管理の評価方法及び評価基準について御検討いただきたい。  これらの意見について回答案ですが、今後も外部精度管理調査を実施すべきと考えますが、 御意見の内容も参考に外部精度管理調査の階層化評価の見直しの検討が進められるべきで すとしております。  最後に22番、その他でございますが、意見内容は3つございます。  1つ目、水質検査部門管理者及び信頼性確保部門管理者は、水道検査や精度管理の知識を 有し、精通している者でなければならない。どのような資格を有している者であって、どの ような基準で管理者が定められているのか。役員または該当部門を管理する上で必要な権限 を有する者は、必ずしも水質検査を行っていない場合もあり得るが、部門管理者として登録 されてよいか。  これについては、各管理者についての行うべき業務は施行規則で定められており、その責 任が全うできる者が選任されていると考えます。  2つ目の意見でございますが、この報告書(案)の取組みについて、具体的な運営方法が 明確にされておらず、報告書(案)を行政機関として管理、監督、指導を円滑に運営するた めのチェック機能をどうするのか具体性に欠けており、明確にすべきである。  これに対する回答案ですが、本検討会は、厚生労働省が設置したものであり、報告書(案) を踏まえ、厚生労働省において水道法施行規則の改正等、必要な措置が講じられるものと考 えます。  3つ目、これはビル管法で建築物飲料水水質検査業の登録基準があるわけですが、これに ついて水道法の登録検査機関の登録要件と同様の内容とすることが望ましいという意見で すが、これについては、本検討の検討対象とはなっていないということで回答とさせていた だいております。  また、報告案につきましては、前回お示しした報告案に加えて、パブコメの意見に対する 回答を踏まえた修正以外に、形式的な修正として、35ページ、水質検査の信頼性確保に関 する取組検討会審議経緯がありますが、こちらの方に第6回、今回の会議を追加しておりま す。  以上でございます。 ○安藤座長  ありがとうございました。12番から22番まででございますが、御意見いただけますか。 ○西野委員  2つです。  1つが、報告書を追記するという12番なのですけれども、検査員証を発行して検査員証 を携行する。これは、身分証明書とか検査員証を携行するのは当然のことだと思います。例 えば、作業するとき、検査員証をぶら下げておくのか。要するに、持っていてもしようがな いので、東京都ではその昔、今はなくなったのでないのですけれども、腕章をしていました。 最近はエキスパートのバッジとか、そういうあかしが外からわかる方法の方がよりいいと思 いますので、検査員証の後に「等」という言葉を2か所入れてもらう。  文書を追記するのですよね。ですから、趣旨としてはその「等」の中にいろいろなものが あるということで、意見を言っている方も、第三者が発行するとか、いろいろ言っています ので、報告書の方には検査員証の後に「等」という言葉を2か所入れていただいたらどうか と思っております。  もう一つは、こんなことを聞くのは何ですけれども、この回答をするのは、厚生労働省の 方の回答か、この委員会が回答するのですか。 ○松田室長補佐  これは冒頭にも言いましたが、検討会として回答していただくものです。 ○西野委員  わかりました。それなら結構です。 ○安藤座長  最初の西野委員の質問で、検査員証はいろいろあるから、「等」というのはどうかという ことですが、いかがでしょうか。これの背景は、当然具体的に試料採取ということに当たっ て、実際はサンプリングするのには10個以上のボトルというか、瓶が必要なわけですね。 それで、やっと50項目ができるということからすると、相当専門的な知識が必要であろう。 にもかかわらず、ひょっとするとアルバイトではないのという人がかなり見受けられる。こ れがコストダウンにつながっていることは明らかであるということもございます。そこで、 こういう御意見が出てきたのかな。  更に、あかしを携帯する。そこまでは書けないでしょうけれども、もう少しちゃんとわか る状況をつくったらどうかという御意見ですが、いかがでしょうか。「等」を入れた方がい いという考え方でもいいと思われますか、それとも。どうぞ。 ○山崎委員  もう一度お聞きするのですが、「等」というのは、先ほど例示された腕章とか、そういう ものを含むという御意見なのでしょうか。 ○西野委員  勿論、腕章であかしとか、バッジであかしとか、作業現場で作業する人だったらシールを 張るとか、個人としての識別が外からでもわかる。検査員証をぶら下げてもいいのですけれ ども、作業するのにということもありますので。携行は持っていればいい話になりますので、 私は意見も踏まえて、腕章とかバッジとかシールの方が外からすぐわかるので、よりいいだ ろう。そういうふうにここに書けませんので、「等」ということです。 ○安藤座長  できたら、それはちゃんと一目でわかる状況が設定されることが望ましいと思いますが。 どうぞ。 ○山崎委員  多分ここで言っているのは、その人がそのとおりその人だということもわかる必要がある ので、今、私どもの職場でやっていますが、写真を付けて、名前をかけて使用させる。そう でないと第三者の方にわからないので。今、西野委員がおっしゃったように、腕章もわかり ますし、もう一つは、実際に顔写真の付いたものも必要ではないかという気がします。 ○安藤座長  そのほか御意見。どうぞ。 ○杉本委員  ここで採水するのは、腕章とかをしておけばわかりやすいというのはわかるのですけれど も、ここに「等」を付けてしまうと何でもありみたいな感じになってしまうので、先ほど山 崎委員からあったように、ここで示すべきことは、だれがやっているかというのが重要なの で、ここに「等」を入れずに、それとは別に腕章などをやっているという示すものを言える みたいな文章の方がいいのではないかと思います。 ○安藤座長  どうぞ。 ○西野委員  おっしゃるとおりなのです。そうすると、どこまで書くかということになるので、切りが ないのです。  それから、写真についてはあった方がいいのですけれども、いずれにしても会社なり民間 の人が発行するものですね。ごまかすということではないですけれども、とにかく与えられ た資格を持った人がその会社の責任においてやっているということですので、顔写真がなく ても紙を持っていたり、腕章をしていたり、バッジを付けていたりということでいいのでは ないか。  ただ、その書き方がどこまで書くかです。それ以外、だめだというのが、何でもいいとい うわけではないですけれども、それで「等」なのです。限定する必要はないと思っている。 ○安藤座長  皆様方、お三方御意見が出ましたが、思っていることは大体同じかなと思います。あとは 文言の書き方になります。ここでは、検査証という具体的なものと書いてあるわけですけれ ども、あとどういう表現ができるか、ちょっと私にお任せいただけますでしょうか。基本的 に検査証ということでもいいでしょうし、あるいはもっと具体的に写真もちゃんと携帯しな さいよという話にもなるでしょうし、あるいはもっと具体的に、私は水をとりに来たのです という証明がほしいというお話になるわけで、皆様方の御意見は一致しているのかなと思い ますので、あとは文言の整理ということで対応させていただきたいと思いますけれども、よ ろしゅうございますか。 (「異議なし」と声あり) ○安藤座長  ありがとうございました。  そのほか、いかがでしょうか。どうぞ。 ○寺嶋委員  17番の(4)でございますが、検査項目について、更に充実をということでございます。回 答案の(4)に農薬分析と書かれているのですけれども、項目を限定した方がいいのではないか と思います。その方が整合性がとれますので農薬という表記の方が適切ではないかと思いま す。  もう一つ、生物、金属、VOCとありまして、この生物というのは微生物、いわゆる細菌 のことを指していると思いますけれども、ここでの記述は生物になっております。18番の 回答では微生物という記述で作成されておりますので、この辺は同じものであるということ がわかるような工夫をしておいた方がいいのかなと感じました。  以上です。 ○安藤座長  ありがとうございました。具体的な項目を明確にするということが1つ。つまり、GC/ MSを使う、あるいは固相抽出を使ってGC/MSを使うという手法について、具体的な項 目をつくるかどうか。  もう一つが、生物と書いてあるけれども、水道関係の方の言う生物は2つあって、1つは、 いわゆる大腸菌とか一般細菌を生物とするか、もう一つは、原水の処理の段階で大きな問題 になる、いわゆる藻類等の生物という表現、両方かかってしまうということからすると、ど ちらかにちゃんと統一した方がよろしいというお話ですが、それはいかがでしょうか。はい。 ○西野委員  全くおっしゃるとおりで、この生物は20条の方に提示しているもので、この間見たので すけれども、そこは微生物と書いた方がいいと思っています。  それから、農薬分析については、農薬とした方が、寺嶋委員と同じ意見です。 ○安藤座長  いかがでしょう。今のお二方の御意見でよろしいでしょうか。どうぞ。 ○渋谷委員  今の農薬のところなのですけれども、あくまでも登録検査機関の要件が50基準項目限定 ということですと、農薬というのが現状、含まれているのかいないのかということにもつな がってくるのかなと思います。ですから、当然、要監視とか、いろいろ含めてのことにする のか、50の限定登録要件だけにするのかという辺りでも、検査員としての資格要件が精査 された方がいいのかなと思います。 ○安藤座長  どうぞ。 ○西野委員  その反論なのですけれども、これは同等以上の知識を持った人ということなのです。だか ら、基準項目を仮にやっていなくても、農薬という試験に携わっている人については、その 人は基準項目ができるよといって位置付けてもいいだろうと言っているので、それは基準項 目だけではなくて、幅広く可能であれば目標設定項目でいいと思っています。だから、ここ では幅広く、こういうものをやっていてもいいのだということの位置付けという理解なので す。 ○安藤座長  今の御意見、いかがでしょう。 ○渋谷委員  決め打ち的に具体的になると、それに外れたものはだめなのかという議論によけいなりか ねないかなと思いますので、文言の整理をしていただく方がよろしいのかなという気もしま す。 ○安藤座長  私も、西野委員あるいは渋谷委員のお話、両方わかります。つまりどういうことかという と、農薬そのものは50項目にはほとんどない。ですが、50項目を検査するという意味の中 に、抽出してGC/MSをやるという作業は当然入ってくるという考え方があるかなという ことです。したがって、この中には入れてもいいのかなと思う。  ただ、具体的に登録というか、縛りがかかるところに水質管理目標設定項目でしたか、こ こに入れるかいうと、そこまで入れないかなという立場だということですね。だけれども、 技術的にはそこまでいってもらわなければ困りますよと理解していただければ。本来、全体 を考えれば、確かに管理目標設定項目までできなければ、登録機関として手を挙げていただ いても困りますよと言いたいのですが、この段階ではそこまで書けないというのが正直なと ころだと思います。はい。 ○杉本委員  ちょっと話を戻すのですけれども、生物と微生物という話です。藻類が微生物に分類され るのか、それとも普通の生物か。多分言葉の定義によると思います。大きいものもいるとす れば微生物ではないかもしれないので、この定義について調べた上で、微生物と変えた方が いいのかというのは、検討すべき話なのかもしれないと思います。 ○安藤座長  いかがでしょう、何かございますか。はい。 ○西野委員  おっしゃるとおりなのですけれども、この間の報告書を私が見たときに、生物と書いたと きに、一般細菌とか大腸菌、これは水道界では微生物と言うのではないでしょうかというこ とで、報告書を微生物にしてもらっているのです。別に20条の中で生物ができるかできな いかというと、ちょっと別問題なのですけれども、そこを含めて、こちらの表現は考えてく ださいということなので、いいと思います。 ○杉本委員  はい。 ○安藤座長  よろしいですか。いわゆる水道で言う生物は、どちらかというと藻類系統を何となく指し ている。ここでは、具体的に水系感染も含めた問題を微生物と表現しているということだと 思います。  そのほか、いかがでしょう。どうぞ。 ○齊藤委員  18番の回答の方ですけれども、時間については、試料中の微生物が増殖する可能性のみ ならずという形で、次の水系感染症発生の原因となり得る微生物の存在可能性の速やかな把 握の必要性も考慮してという文言になっているのですけれども、全く性格が違うところかな と感じております。速やかに検査する必要性は非常に高いのですけれども、12時間という 中でのとらえ方と、また別のものが一緒に書かれているのではないかと感じております。  このこと自体は非常にいいことなのですけれども、定期検査としても月に1回程度行われ る検査で迅速性を求める部分というのは、検査法の中の12時間とはまた別の性質のものか なと感じております。  以上です。 ○安藤座長  ということは、微生物が増殖する可能性があるから云々と、これでも構わないではないか という考え方でしょうか。 ○齊藤委員  それだけでよろしいのではないか。 ○安藤座長  水系感染ということは、結局同じようなことだから要らないのではないか。 ○齊藤委員  勿論、そのことですから。 ○安藤座長  というお話ですが、説明し過ぎではないかということでしょうか。皆様方、いかがでしょ う。やはりここら辺まで書いた方がいいということでしょうか。 ○齊藤委員  要するに、微生物以外のもの、すべて当てはまると感じたものですから。 ○安藤座長  どうぞ。 ○西野委員  私ばかりですいません。どんな検査でも基本的に速やかにやるのが原則だと思います。で きないから、いろいろ順番にやっているということがあるので。だから、我々、検査する方 は、原則的にはできるだけ早くやる。それは、決まっている。  ただ、前段の今、齊藤さんが言われたところだけで終わってしまうと、増殖しないからい いだろうということのみならずというのは、増殖しなければいいということになってしまう のですよね。そういうデータがあると。増殖のみならずというところで終わってしまうと、 増殖しないかわりに、意見を言っている人が言っているように、増殖しない可能性が、我々 も24時間までというデータを持っているのですけれども、そこだけになってしまうと、増 殖しなかったらということになってしまうので、水系感染症の原因も心配だからということ は足しておいてあげた方がいいような気が私はします。  ただ、原則的に速やかにやるのだということは、細菌だけではなくて、全部そうなのです ね。左側で臭素酸の上水試験法のことが言われていますけれども、これだって早く臭素酸を やるにこしたことはないけれども、遅くてもこれだけですよと言っているだけなので、遅い 方だけ見てもらうと困るので、速やかにやらなければいけないと思っています。 ○安藤座長  ここは、特に(3)に対する答えでしょうか。 ○西野委員  (3)と(1)と両方です。 ○安藤座長  つまり、それに対する回答ということからすると、ちょっと丁寧に説明しておいた方がい いだろうという趣旨だろう。確かに同じことで、本来は増殖するからだめなのだ、これだけ でもいいのですが、もう少し説明を加えるということで、この文言を加えるという御理解で いかがでしょうか。よろしいでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○安藤座長  ありがとうございます。ということは、このままでまいります。つまり、基本的には、私 どもは微生物の増殖ということだけでいいのですが、質問に対する回答としては、もう少し 丁寧に説明しようということから、この文言はそのままにしておこうということにいたしま す。  そのほか、いかがでしょう。はい。 ○浅見委員  済みません、今のに若干関係するのですけれども、試料水中の微生物が増殖する可能性の みならずというのがあると、かえってその時間が長くても大丈夫ではないかというのが懸念 として残ってしまう。逆に、ここはそれがない方が趣旨が通るのではないかと思います。  ただし、そのほかに(4)とかも受けてなのですけれども、試験法としては、どのぐらいの時 間が本当に必要なのかどうかを別途検討する予定ですというのを、恐らく今、検討されてい るところかと思いますので、別のところで、それは明らかに科学的な根拠をお示しすると検 討されていると思いますので、それを逆に書いていただいた方がいいのではないか。これだ けだと、かえって両方の趣旨が入っていてわかりにくい気がいたします。  もう一つ、関連してなのですけれども、14番でも、検量線の範囲とか点数の明確化とい うのを別途検討される御予定と理解しているのですけれども、それについて、検討会なので 人ごとで書くしかないかもしれないですけれども、全然知らないで書いているような感じに 見えてしまうので、検量線の濃度範囲や点数の明確化についても検討しているところだとい うのを、もう少しわかるように書いていただいた方がいいのではないかと思います。  以上です。 ○安藤座長  まず最初の18番は、むしろ文章は、微生物の増殖する可能性があるから。 ○浅見委員  ではなくて、早く測定した方がいいから12時間を設定しているということを明確に言っ た方がいい。微生物に関してはです。 ○安藤座長  こういうこともあるから。 ○浅見委員  微生物の項目に関してはそうだと思いますけれども、ほかの項目に関しては、工程によっ てはもう少し時間を置けるものもの出てくると思いますので、それは今後もうちょっと明ら かにされればいいと理解していますが。 ○安藤座長  いかがでしょう。もっと具体的に12時間というものを出した方がいいではないか、ある いはそれとは別に、いろいろな項目があるけれども、それについても今、検討しているのだ よという表現。具体的には臭素酸がありますけれども、そのほかにもいろいろな項目が若干 あいまいなところがあるから、そういうことについてもやっているのだというお話にもうち ょっと変えた方がいいのではないかということでしょうか。それでもよろしいでしょうか。 ○西野委員  検討委員会の方で検討しているのですか。 ○寺嶋委員  するという方向性は、一応出されているようですよ。 ○西野委員  告示法の。 ○安藤座長  ええ。  では、ここの文言は私の方で若干考えさせていただきます。今の方針を踏まえて考え方を 出させていただくということにいたします。 ○松田室長補佐  できましたら、「試料水中の微生物が増殖する可能性のみならず」をとった方がよいかど うかだけはここで議論していただいて、とることでよろしいということであれば、それを踏 まえて、浅見先生の御意見を踏まえて修正案を検討するとした方がよろしいかなと思ったの ですが。 ○安藤座長  どうぞ。 ○寺嶋委員  今の状況を整理いたしますと、技術的な根拠から時間を設定して、その時間内に検査した 方がいいですよということをまず書いて、それから水質検査という精度という面から見ても、 これは迅速にやられるべきですよという両論を書くべきかどうかという話になっていると 思います。  一方で、このパブリックコメントに寄せられた内容は、(1)から(4)まで、すべて私は技術的 な根拠を明示してくださいということをおっしゃられているのかなと理解しました。したが いまして、このパブリックコメントに対する回答としては、基本的に技術的な観点からお答 えする。技術的な根拠がないものについては、今後検討されるべきですと。当検討会ではし ないですけれども、別の場所ですべきですという形での回答の方が適切かなと考えます。で すから、後ろを外してしまうという意見です。 ○安藤座長  いかがでしょう。今の御意見は、質問から来るものは、技術的なお話について、それを明 確にしてくれというお話だということからすると、むしろ後ろの文章、つまり、感染症云々 ということではなくて、最初の段階のお話でいいのではないかということですね。 ○寺嶋委員  そうです。 ○安藤座長  いかがでしょう。どうぞ。 ○浅見委員  それから言うと、もうちょっと長くてもいいということになってしまう可能性があると思 うのですけれども、むしろ結果が早く出て迅速に対応できることを目指して、技術的な問題 ではなくて、これは必要性の観点から短くしているのだということがわかった方が、そこが 質問者の方とこちらの意図していることがかみ合っていないところかなと思いますので、そ の部分を書いていただいた方がというのが思っていることです。 ○安藤座長  それぞれおっしゃっていることは、集約点は同じなのですが、その書き方ということで、 質問に対してそれだけ答えればいいではないかというお話と、もう一つは、その背景も含め て書いた方がいいというお話と理解できるのですが、そのほかございませんでしょうか。大 体、御意見としては、今の幾つかの考え方でよろしいということになりますと、ここは書き 方をどうしようかなということがございますので、私の方に預けていただけませんでしょう か。大体、御意見の御趣旨はわかりました。  いずれにしても、基本的な姿勢は速やかにやるのだ。その速やかというのは、非常に日本 語的な言葉ですけれども、とにかく早くやるのが建前でしょう。それが前提ですよ。それに ついては、この質問の内容は、技術的にこうだから云々なのだけれども、それもひっくるめ た表現として、ここで回答を出すか否かというお話かなと思います。私の方で具体的にどう いうふうに書くかというのは、ちょっと考えさせていただきたいと思います。よろしいでし ょうか。 (「異議なし」と声あり) ○安藤座長  ありがとうございました。  そのほか、いかがでしょうか。 ○西野委員  14番を確認していただきたいのですが。先ほど浅見先生が。 ○安藤座長  浅見先生の14番というのは、もう一度。 ○浅見委員  ひょっとしたら私の勘違いかもしれないのですけれども、検量線の濃度範囲や点数の明確 化については、別のところで検討される予定かと思いますので、そういう予定ですと書いて もいいのかなと思います。これだと、ほかのところで何とかされるでしょうという感じに読 めましたので。 ○安藤座長  やった方がいいのではないのということではなくて、やっています。たしかやっているの でしたよね。 ○松田室長補佐  この検討会とは別に、検査法検討会を水道課内に設置しております。本日は欠席されてお りますけれども、西村委員が座長をしていただいていて、検討はスタートし始めたばかりで ございます。そういう意味で言うと、今の浅見委員の御指摘を踏まえれば、この御意見の内 容を参考に、検査法検討会で検討を進める予定ですということを、この検討会の案として出 すべきか。  我々に聞かれれば、我々は、それは今後、検査法検討会で検討していきますということで すが、この検討会としての回答案ということであれば、そこまで言うべきかということもあ りまして、今の回答案にとどめておったところです。もし先生方が、やはり検査法検討会で 検討を進める予定ですとすべきということであれば、そういう案でいかがかと思いますが。 ○西野委員  ここでは、こういうことも一つに検討を進められるべきですという回答ですよね。私はこ れがすべてではないので、このままでいいような気がします。ここでの回答としては。 ○安藤座長  いかがでしょうか。どうぞ。 ○吉田委員  14番以降、「今後……べきです」というのが非常に多いですね。14番、15番もそう、17 番の途中段階また、先ほど議論のあった18番、20番にも。いずれも、「どこが・・・すべき」 という主語が入っていないのです。当然、ここの検討会としては入れようがないのではない か。  国が答える場合には入れやすいと思いますけれども、強いて言うと、今後、関連する何と かにおいてとか書けば、少しはわかりやすいのでしょうけれども、そうすると全部「国にお いて」という言葉が入ってしまうのかな。ということであれば、この検討会としては、主語 なしでこういう書き方以外ないのかなと、私はこれを見ていて、今、思ったのですけれども。 ○安藤座長  そのほかよろしいですか。今の御意見は、私もそう思っていまして。結局、ここの検討会 では、一つの考え方の方向性はこうしてほしいということであって、それは絶対やってくだ さいよと書けないわけで。私は、これをずっと読んでいる中で、すべきであるとか望ましい とか、いろいろな言葉が表現としてあるのですね。  望ましいというのは、将来はそうなってほしいなということで、具体性がどこまであるか というのは、どうしても疑問符が付いてしまう。べきであるということは、そこについては 多少方向性として行きますよというお話かと思います。ここでは幾つかの御意見があります が、これも皆様方の基本的な御意見はさほど違っているお話ではなくて、表現の話かなと思 います。  このままでいかがでしょうか。よろしいでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○安藤座長  それでは、このままにさせていただきます。この検討会では、具体性のことを頭に描きな がら、なおかつどこまでできるかということをどうしても考えてしまいますので、そういう 部分が出てくるかなと思いますが。  そのほか、いかがでしょうか。御意見としては、大体以上でしょうか。 (「はい」と声あり) ○安藤座長  それでは、若干の修正なりがございますが、あるいは私どもの方に預からせていただいた ということもございますが、基本的には意見を含めて報告書をまとめてまいるということに いたします。修正がないところは、原案どおりということを御確認いただきましたというこ とにいたします。本日の議論を踏まえた修正については、幾つか、3つぐらいでしょうか、 私の方にお任せいただくということ。まとまり次第、この検討会の報告書にいたしたいと思 っております。そういうことで御了解いただきたいということです。  また、意見でも、特記仕様書あるいはチェックリストという具体的なものが欲しいという 御意見が非常に多くございました。この点につきましては、日本水道協会において検討が更 に進むと思いますので、またそれをお願いしたいと思っております。  それでは、今回の議事は以上ということになりますが、そのほかございますでしょうか。 はい。 ○松本管理官  6回にわたりまして御議論いただきまして、ありがとうございます。  今後のスケジュールについて、私の方から簡単に御説明させていただきますと、先ほど座 長の方からございましたように、本報告書をまとめていただいた後に公表いたします。その 上で、今年度中に安藤座長が委員をされております厚生科学審議会生活環境水道部会におい て検討会の報告という形になります。  また、検討会の報告をいただいた厚生労働省の方から、それを具体的な施策に生かしてい く取組みについて御審議いただくことを予定しているところでございます。パブリックコメ ントの中にも書いてございましたが、本報告を受けた取組みを具体的な施策に反映させてい くということで、その準備を進めていきたいということで考えておりますので、よろしくお 願いいたします。  本当にどうもありがとうございました。 ○松田室長補佐  あと、事務的なお話でございますが、本日の議事要旨と議事録については、また各委員の 方に送らせていただきますので、御確認いただき、その上で公開することとさせていただき ます。  事務局からは以上でございます。 ○安藤座長  非常に短い時間でおまとめいただきました。短い時間だったからこそ、非常に濃密な御意 見が出てきたかなと思います。この後は、具体的に厚生労働省の方で施行について、どこま で踏み込めるかということが非常に大事なことかなと思います。これだけの御議論をいただ きましたので、これがまさにこの検討会が設置された、そのものが実効あるものになるよう に期待するのが、皆様方、一致した御意見かなと思います。  本日は、どうも長い間ありがとうございました。 <照会先> 厚生労働省健康局水道課水道水質管理室 代表 : 03(5253)1111 内線 : 4032 ・ 4034