平成22年度 第1回水質検査の信頼性確保に関する取組検討会議事録  日  時:平成22年5月17日(月)13:55〜16:30  場  所:合同庁舎7号館(金融庁)904会議室  出席委員:浅見委員、安藤委員、伊佐治委員、小笠原委員、齋藤委員、渋谷委員、       杉本委員、寺嶋委員、佐藤委員代理、西村委員、沼尻委員、松井委員、       山崎委員、吉田委員 ○松田室長補佐  それでは、ただ今から22年度第1回水質検査の信頼性確保に関する取組検討会を開催い たします。委員の皆様方には、ご多忙中にもかかわらずご出席いただきまして、大変あり がとうございます。  ここで、本検討会の開催に当たりまして、主催者を代表して吉口管理官よりご挨拶申し 上げます。 ○吉口管理官  厚生労働省水道課で水道水質管理官をしております吉口でございます。  委員の皆様方におかれましては、日ごろより水道行政の推進にご指導、ご協力をいただ き、また本日はお忙しい中、検討会にご出席を賜りまして、心から御礼申し上げます。  さて、国民生活に欠かすことができない安全で清浄な水の供給を確保することは、水道 の最も基本的な使命であり、そのためには適切な水質の管理が不可欠でございます。給水 栓に水道水を届けるまでの一連の水道システムの中で、水質検査は水道水の品質を最終的 に確認する極めて重要なプロセスであると言えますが、中小規模水道を中心としまして、 その水質検査の一部または全てを登録水質検査機関に担っていただいているところでござ います。現在、登録水質検査機関は200社を超えておりますが、水道事業者がこうした登録 水質検査機関に検査を委託する機会は年々多くなっております。  その一方で、一部の登録水質検査機関において不適切な検査実態が明らかになるなど、 水質検査の信頼性を低下させる行為の発生が懸念されるところでもございます。本年2月 に開催をいたしました厚生科学審議会の生活環境水道部会においても、有識者から、登録 水質検査機関における過度の受注競争などによる水質検査の信頼性への不安が指摘された ところでもございます。  こうしたことから、水質検査の信頼性を揺るがす不適切な行為が生じないように、水道 事業者等が登録水質検査機関に水質検査を委託する場合において、信頼性確保のためにど のような取組を進めるべきかにつきまして、ご意見、ご助言をいただきたく本検討会の設 置をお願いしたものでございます。  本日の第1回検討会では、まず水道法に基づきます水質検査と水質検査機関登録制度の 概要をご説明申し上げ、それらの現状をご確認いただければと存じます。次いで、本検討 会において検討していくべき事項、今後の進め方についてご討議をいただければと考えて おります。  水道水の安全・安心を確保することは水道関係者の最も大きな責務でございます。水道 課としましては、委員の皆様からご意見、ご助言を賜り、水道の水質検査が信頼性をしっ かり保っていけるよう取組を進めてまいりたいと考えております。本日はご審議のほど、 どうぞよろしくお願いいたします。 ○松田室長補佐  次に、お手元の配付資料でございますけれども、議事次第に配付資料一覧を記載してご ざいます。配付資料一覧を読み上げたいと思います。  資料1水質検査の信頼性確保に関する取組検討会運営要領、資料2−1水道法に基づく 水質検査制度、資料2−2水質検査機関登録制度、資料3−1水道事業者等の水質検査実 施状況、資料3−2登録検査機関の概況、資料3−3平成20年度水道水質検査の精度管理 に関する調査結果、資料3−4、登録検査機関における不正行為(農薬類水質検査)につ いて、資料4、今後の検討の進め方(案)について。参考資料は1から3までの資料を付 けております。資料の不足などございましたら、事務局にお申し付けいただくようお願い いたします。  また、別途座席表を1枚お配りさせていただいております。一部、山崎委員と吉田委員 の座席がひっくり返っていますが、今のままの座席の配置でいきたいと思いますので、よ ろしくお願いいたします。  それでは、次に委員の方々を紹介させていただきます。事務局側の座席におられます委 員から、時計回りに委員の方を紹介させていただきます。  それでは、国立保健医療科学院水道工学部水質管理室室長の浅見委員です。 ○浅見委員  浅見でございます。よろしくお願いします。 ○松田室長補佐  次に、名古屋市上下水道局技術本部施設部水質管理課長の伊佐治委員でございます。 ○伊佐治委員  伊佐治と申します。よろしくお願いいたします。 ○松田室長補佐  次に、全国簡易水道協議会技術顧問の小笠原委員です。 ○小笠原委員  小笠原でございます。よろしくお願いします。 ○松田室長補佐  次に、桐生市水道局局長の齋藤委員です。 ○齋藤委員  齋藤でございます。よろしくお願いします。 ○松田室長補佐  次に、一般社団法人全国給水衛生検査協会飲料水検査技術委員会副委員長の渋谷委員で す。 ○渋谷委員  渋谷でございます。よろしくお願いします。 ○松田室長補佐  次に、国立医薬品食品衛生研究所生活衛生化学部第三室室長の杉本委員です。 ○杉本委員  杉本でございます。よろしくお願いします。 ○松田室長補佐  次に、大阪市水道局工務部水質試験所長の寺嶋委員でございます。 ○寺嶋委員  寺嶋でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○松田室長補佐  次に、武蔵野大学環境学部客員教授の安藤委員でございます。 ○安藤委員  安藤でございます。よろしくお願いいたします。 ○松田室長補佐  次に、社団法人日本水道協会工務部水質課長の西野委員が本日欠席ということで、西野 委員の代行で佐藤水質専門官が出席しております。 ○佐藤委員代理  佐藤でございます。よろしくお願いいたします。 ○松田室長補佐  次に、国立医薬品食品衛生研究所生活衛生化学部長の西村委員でございます。 ○西村委員  西村でございます。よろしくお願いいたします。 ○松田室長補佐  次に、茨城県企業局水質管理センター長の沼尻委員でございます。 ○沼尻委員  沼尻でございます。どうぞよろしくお願いします。 ○松田室長補佐  次に、北海道大学大学院工学研究科環境創生工学専攻教授の松井委員でございます。 ○松井委員  松井でございます。よろしくお願いします。 ○松田室長補佐  次に、東京都水道局浄水部長の吉田委員でございます。 ○吉田委員  吉田でございます。よろしくお願いします。 ○松田室長補佐  次に、一般社団法人全国給水衛生検査協会副会長の山崎委員でございます。 ○山崎委員  山崎です。よろしくお願いいたします。 ○松田室長補佐  それでは、続きまして事務局ですけれども、私は水道水質管理室室長補佐の松田でござ います。  また、左は橋口係長でございます。 ○橋口係長  橋口です。よろしくお願いいたします。 ○松田室長補佐  また、マスコミの方におかれましては、カメラ撮りは、恐縮ですけれども会議の冒頭の みとさせていただいておりますので、ご協力お願いいたします。  続きまして、本検討会の座長ですけれども、本検討会の検討事項と密接に関連している 水道水質検査制度の管理検討会の座長を務めていただいている安藤委員にお願いしたいと 考えておりますが、よろしいでしょうか。  これ以降の進行は座長の安藤先生にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたしま す。  それでは、よろしくお願いいたします。 ○安藤座長  それでは、私、座長を仰せつかりました安藤でございます。  これから何回かに分けていろいろ議論をしていただきまして、いわゆる水質検査、それ を本当に正しいデータを出していただく。それによって、いわゆる中小水道の水質が安全 で安心して飲める、そういうふうな状況を作っていきたいと、そういうふうに考えており ます。よろしくご協力のほどお願いいたします。  それでは、早速、議事に入ってまいります。  最初の議題は、検討会の設置についてです。まず、事務局より本検討会の設置趣旨ある いは検討事項、それから公開の取扱い等についてご説明をお願いいたします。 ○松田室長補佐  それでは、資料1の本検討会の運営要領について、お願いいたします。  まず、1.の趣旨及び目的でございます。  水道事業者、水道用水供給事業者及び専用水道設置者にとって、安全かつ清浄な水の供 給を確保することは最も基本的な義務であり、これを常時確保するためには、状況に即応 した水質の管理が不可欠である。このため、我が国の水道においては、水道法第20条に基 づき、水道事業者などが水質検査を行わなければならないとされており、水道事業者など は自らが必要な検査施設を設けるか、地方公共団体の機関または厚生労働大臣の登録を受 けた者に委託することとされている。  水質検査機関の登録制度については、平成15年の水道法改正により導入されているが、 登録制度の運用方針については、厚生科学審議会答申(平成15年4月)において、検査の 質の確保を図るため、GLPの考え方を取り入れた精度と信頼性保証の体制を導入すべき ことが提言されたことを受けて、水道法施行規則に登録の申請書類及び検査方法などに反 映されている。  当該制度が施行され、平成21年度末において登録水質検査機関は200社を超えている状況 にあり、水道事業者などが水質検査をこれらの機関に委託する機会は年々増加している。 その一方、一部の登録水質検査機関において水質検査の実施の不正行為が発覚するなど、 水質検査の信頼性を低下させる行為の発生が懸念される。  このことから標記検討会を設置し、水質検査機関の登録制度が施行されてから現在に至 るまでの水道事業者などの水質検査の委託に関する取組や、登録水質検査機関の検査など の状況を踏まえ、水道事業者などが登録水質検査機関に水質検査を委託する際における水 質検査の信頼性の確保する取組の検討を進めるものである。  2.検討事項。  水道事業者などが登録水質検査機関に委託する際における水質検査の信頼性を確保する 取組について検討する。  3.検討会の構成員。  これは(1)番、厚生労働省健康局水道課長が委嘱し、委嘱期間は平成23年3月末日ま でとする。代理出席も可とする。また、座長については安藤委員のほうに依頼をしました。  それとまた、4.その他ですが、(3)番目の検討会の公開の取扱については、検討会 において検討するということでございまして、この資料1の4ページ目でございますが、 公開の取扱い(案)をお示ししてございます。こちらの2.を見ていただければと思いま すが、厚生労働省所管の審議会等会合に係る「審議会等会合の公開に関する指針」及び 「審議会等会合の公開に関する考え方」における「懇談会等行政運営上の会合」の取扱い に準じて、厚生労働省健康局水道課長が設置する各種検討会は個人情報の保護などの特別 な理由がない限り、基本的には公開とすることとしております。  水質検査信頼性確保検討会は、これに従い検討会を原則として公開することとし、開催 予定、委員の氏名・職業、会議資料、議事要旨についても併せて公開することとする。  その他、本検討会に係る公開の取扱いに関し必要な事項については、座長と協議の上、 厚生労働省健康局水道課長が定めることとする、という案をお示ししております。  また、2ページ目に戻りまして(5)でございますが、検討に当たっては「水道水質検 査精度管理検討会」と十分連携するものとするということでございます。  この点について、特に公開の取扱いについては案ということでございますので、この点 について確認をいただければと思います。 ○安藤座長  ありがとうございました。  ただ今のご説明はいかがでしょうか。ご質問なり何なりといただければと思います。 ○浅見委員  申しわけありません。公開の件についてなんですけれども、原則的には公開としてする ものかなと思うんですが、場合によっては、個別のケースに関しての話ですとか、あと、 抜き打ちという言葉が適切かどうか分からないんですけれども、どのように対策をするか というようなお話の場合には、状況によっては考慮したほうがよろしいのかと思います。 ○安藤座長  事務局のほう、いかがでしょうか。 ○松田室長補佐  例えば、この検討会の委員の方全員出席ということではなくて一部の委員の方に出席し ていただく作業会合などを別途設置して、いろいろと取組を検討する上で非公開という形 にして、作業会合で検討した内容を公開の場の検討会で審議をしていただくことでどうか と思いますが、いかがでしょうか。 ○安藤座長  いかがでしょう。場合によると個別の対応というか、個別のお話が出てくるかもしれな いと。そういう場合は若干のこともあるでしょうし、あるいはこの会に出す前段階でいろ いろ議論するということもございますので、そういうのは公ということじゃないかもしれ ないと。そこいら辺の若干のずれはあるかなというふうには思うんですが、そういうご理 解でよろしいでしょうか。  それでは、最初の趣旨のほうはいかがでしょうか。何かご質問ございますでしょうか。 取組検討会というものを開くわけですけれども、これを開くについて云々ということはご ざいませんか。よろしゅうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○安藤座長  ご異議がないようですので、取組検討会を開くということと、もう一つは、この取扱い というもの、これについて基本的に原則として公開ですよということ。それから場合によ って、そうじゃないことがあるかもしれないけれども、基本的にはそういうものは公開と いうことでまいりましょうと、こういうことにいたします。  ありがとうございました。  それでは続きまして、次の議題にまいります。水質検査及び検査機関の概要について。  この検討会においては、本格的な審議を始める前に、その審議の前提となる水道法に基 づく水質検査体制あるいは登録制度、こういうものがございますが、それについて本検討 会の委員の方々に一応共通の認識を持っていただこうと、こういうことでございます。そ れについてご説明いただきます。  まず、事務局のほうからその検査制度、それから検査機関の登録制度、これについてご 説明いただき、その後皆様方のご質問を受けたいとこういうふうに思います。お願いいた します。 ○松田室長補佐  それでは、まず資料2−1の水道法に基づく水質検査について、その後、資料2−2の 水質検査機関登録制度について、連続して説明したいと思います。  まず、資料2−1でございます。水道法に基づく水質検査ということでございます。水 質検査の意義ということでございますが、これについては、水道によって供給される水が 備えなければならない水質上の要件として、水道法第4条に水質基準として規定されてお りまして、その基準の具体的事項については「水質基準に関する省令」で定められており ます。  水道事業者などにとって、安全かつ清浄な水の供給を確保することは最も基本的な義務 であり、これを常時確保するため状況に即応した水質の管理が不可欠であることから、水 道水が水質基準に適合するかどうかを判断するための水道水質の定期及び臨時の検査を水 道事業者に義務付けております。  水道により供給される水の水質は、水源の水質の変動、使用水量の変動などに伴い変化 することがあることから、定期的な水質検査は、水質を把握し、その異常を発見するため に行うものであります。  2つ目は、水質検査項目の性格に応じた区分ということでございますが、水道の水質検 査には、浄水施設の工程管理の一環として行う検査という性格と、定期的に水質基準に適 合しているかどうかを確認するため行う品質検査という性格があります。水質基準項目の うち、工程管理の一環として行う検査項目としては、色または色度、濁りまたは濁度、消 毒の残留効果、臭気、味、pHが挙げられますが、これらの項目は、検査結果を浄水過程 の調整や万が一の場合の取水停止などに即時的に反映しなければならないものであり、性 格上、水道事業者が検査施設を設けて行う検査(自主検査)が原則になると考えられます。  その他の項目については、健康に関する項目については、病原性微生物を除いて、原則 として長期的な検査結果から評価すべき項目であり、水質汚染事故などにより比較的高い 濃度で検出される場合を除くと、一般的に濃度は低く、その変化は少ないと考えられるこ と。  (2)に、水道水が有すべき性状に関連する項目については、異常な着色、味、においなど の原因となる物質がほとんど含まれていないことを確認するために必要であることなどか ら、工程管理の観点から即時的な対応につながるものではなく、自主検査を原則としつつ、 外部の水質検査機関に委託し得るものだと考えております。  3つ目に、水質基準項目以外の水質検査ということでございます。これについては、水 質基準項目以外に水道水質管理目標設定項目と要検討項目という分類がございます。その 分類につきましては、2ページ目に図に示しております。このピラミッドでございますが、 水質基準項目、赤色のものについては、遵守義務と検査義務がかかっているということで ございます、50項目についてです。その次の黄色いゾーンでございますが、これは水質管 理目標設定項目で、水質基準に係る検査などに準じた検査を要請しているものでございま す。評価値が暫定的なものであったり、検出レベルは高くはないけれども、水道の水質管 理上の注意喚起すべき項目として定めているものでございます。  このほか、毒性評価が定まらないものや、浄水中の存在量が不明なものとして、要検討 項目ということで、これらについては厚生労働省が中心となって知見を収集しているとい うことでございます。  それで、2ページ目の水道事業者等の責務ということでございます。水質検査の実施と いうことでございますが、水質検査はその目的から、水道水を供給している者である水道 事業者などが速やかにその結果を把握し、必要な管理上の措置を迅速にとり得るように行 わなければならない。このため、水道法においては、水道水質の定期及び臨時の検査を水 道事業者に義務付けるとともに、原則として水道事業者などが自ら検査施設を設置すべき ことと水道法に定めている。しかし、小規模水道事業者などでは単独に検査施設を設置し て行うことが困難な事情もあると考えられることから、ほかの者に委託して水質検査を行 わせたほうが水質検査の励行が図れると判断されるため、ただし書きにおいて、水道事業 者などが検査設備を設置しない場合、地方公共団体の機関または厚生労働大臣の登録を受 けた者に委託して行うことを認めております。  この場合においては、当事者間において明確な委託契約を締結して、速やかに検査が遂 行される体制を確立するようにお願いをしているということでございます。  関連する条文は、5ページ目の水質検査に関する参照条文等がございまして、それで水 道法第20条、水道事業者は、厚生労働省令の定めるところにより、定期及び臨時の水質検 査を行わなければならない。この厚生労働省令というのは、水道法施行規則の第15条、こ ちらのほうの5ページ以下の部分に書かれている内容でございます。  また、第3項ですが、水道事業者は、第1項の規定による水質検査を行うため、必要な 検査施設を設けなければならない。ただし、当該水質検査を、厚生労働省令に定めるとこ ろにより、地方公共団体の機関または厚生労働大臣の登録を受けた者に委託して行うとき は、この限りではないとしております。なお、この「厚生労働省令の定めるところによ り」という部分の省令については、現在設定されていないということでございます。  また、ページは3ページ目に戻りまして、定期の水質検査ということでございますが、 これは施行規則の第15条第1項に定めるものでございまして、検査頻度が基準項目ごとに 定められております。1日に1回以上、色や濁り、消毒の残留効果。また、一月に1回以 上、水質基準の基本的項目として一般細菌、大腸菌などですね。また、三月に1回以上と いうことで、基本的項目を除きました水質基準の全項目ということであります。  検査頻度の減少、また検査の省略ということで、過去の検査の結果や水源の状況などを 勘案して、状況に応じて検査頻度を減じたり、検査の実施を省略することができます。こ れは平成15年に施行規則を改正して、明確化したということでございますが、こちらの図 に省略可能かどうか、フローが書いておりまして、過去の検査結果と基準値との関係で省 略ができるのか、回数が減少できるのかどうかという点が施行規則において明らかにして おります。  また、水の採取の場所ですが、これは給水栓が原則ということですが、必要に応じて水 源、浄水池、配水池の水質の検査をするということで、課長通知でお示しをしています。  あと、次に臨時の水質検査ということですが、水質基準に適合しないおそれがある場合 に、水質基準の各項目に関して行うこととされております。  具体的には、通知でどのような場合かということを定めておりまして、水源の水質が著 しく悪化したとき、水源に異常があったとき、水源付近、給水区域及びその周辺などにお いて消化器系感染症が流行しているとき、浄水過程に異常があったときなど、こういった 場合などに検査を行うということになっております。  次に、水質検査計画の作成ということで4ページ目にいきますが、水質基準項目の増加 に対して、より効率的・合理的な水道水質管理を行うために、全国一律的な水質管理では なく、水源種別や過去の水質検査結果、水源周辺の状況などを総合的に見て、自らの判断 で水質検査の内容を計画として定めて、精度管理に配慮して自ら検査を行うか、外部水質 検査機関への委託の実施をするかが求められると。このため、水質検査計画の作成を各水 道事業者に求めるように施行規則に反映をしているということでございます。  それで、水道事業者は、水源の種別、水源の状況など、自らの水道の水質管理上の問題 点を整理をして、水質検査項目の省略指針や水質検査のためのサンプリング・評価の考え 方などを参考にした水質検査計画を策定をして、本計画に基づいて水質検査を行うという ことになっております。  水質検査計画に記載する事項としては、施行規則第15条第7項に定めておりまして、水 質管理において留意すべき事項のうち、水質検査計画に係るもの、水質検査を行う項目、 採水場所、検査回数、また、省略を行う場合はその項目と理由、あとは臨時水質検査に関 する事項、あとは水質検査を委託する場合における当該委託の内容、このようなものにつ いて定めるということになっております。  また、供給を受ける者の水の検査請求ということで、水道事業者から水の供給を受ける 者は、水道事業者に対して供給を受ける水の水質検査の請求をすることができ、その請求 を受けたときは、水道事業者は速やかに検査を行い、その結果を請求者に通知しなければ ならないとされております。  また、水質検査に係る情報提供として、水道事業者は水道の需要者に対し、厚生労働省 令で定めるところにより、水質検査結果その他水道事業に関する情報を提供しなければな らないとされております。これを受けて、水質検査計画、定期・臨時水質検査の結果など を、年1回以上定期、または速やかに水道需要者が容易に入手できるような方法で情報提 供するということとされております。  これに関連する条文として7ページ目以降に、供給を受ける者の水の検査請求、情報提 供関連、こちらのほうの条文をお示ししています。  次に資料2−2でございます。水質検査機関の登録制度ということでございます。  まず、1.の登録制度の導入の経緯ということでございます。先ほど、原則として水道 事業者が自ら検査施設を設置すべきということですが、ただし書きで、厚生労働大臣の登 録する検査機関にも委託することができるということになっておりますが、当初は公益法 人に限定されていたということでございます。それについては、昭和52年に水道法改正で、 当時は指定検査機関制度が設けられまして、水道事業者などが水質検査を行うに当たって、 厚生労働大臣の指定をした者に委託をして行うと。あと、地方公共団体の機関に委託して 行うということが、この52年の改正で明らかになっております。ただ、この52年の水道法 の改正の時点では、品質検査の側面からの公的確認としての性格という水質検査の公益性 などを考慮して、公益法人に限定されており、営利法人は指定の対象外でした。  その後、平成9年3月、規制緩和推進計画が閣議決定され、本計画を踏まえ、当時の厚 生大臣の指定基準について、公益法人に限定する基準を撤廃するとともに、検査担当者の 人的要件、精度管理などの技術的基準の強化、財政的基盤の継続性・安定性を指定基準の 要件に追加をすることで、平成10年11月30日から営利法人の参入が容認されることとなっ ております。  さらに、平成14年3月に閣議決定された「公益法人に対する行政の関与の在り方の改革 実施計画」に基づき、事業者の自己確認・自主保安を基本とする制度に移管することを基 本原則とし、法令などに明示された一定の要件を備え、行政の裁量の余地のない形で国に より登録された公正・中立な第三者機関による検査・検定などを実施することとされた。 これを受けて、水道法第20条第3項の水質検査を受託できる水質検査機関について、平成 15年に水道法が改正され、指定制度から登録制度に移行して、平成16年3月31日から水質 検査機関の登録制度が実施・施行されております。  その登録制度でございますが、これについては厚生労働大臣への登録ということで、水 質検査機関の登録を受けようとする者は、厚生労働大臣に登録の申請を行わなければなら ないことになっております。これは法律第20条の2で定めております。厚生労働大臣は、 登録を申請した者が要件に適合していると認める者から申請があれば登録をしなければな らないということとされております。こういう条文の内容にすることによって、要件を満 たせば登録しなければいけないので、行政裁量の余地をなくすという趣旨でございます。  あと、登録に際しての欠格要件を規定するとともに、登録基準として水質検査に必要な 検査施設、検査員の要件、人数、並びに信頼性確保のための措置について規定をしており ます。また、登録については、水質検査機関登録簿に記載して行うことで、登録機関の名 称や業務対象区域などを明らかにすることとしております。また、一定期間ごとに登録の 更新を義務付けることで要件への適合を定期的に確認しており、3年ごとに登録の更新を 受けなければ失効することになるとされております。  登録基準ということですが、水質検査の登録を受けようとする者は、申請書と必要書類 を添えて、厚生労働大臣に提出しなければならないとされております。厚生労働大臣は申 請した者が要件の全てに適合しているときは、その登録をしなければならないとされてお ります。  申請書類の内容については、2ページ目の黒ポツ以下でございますが、申請書や申請者 の実体を証明する書類、欠格要件に該当しないことを説明した書類、また水質検査を行う ために必要な検査施設を有していることを説明した書類、水質検査を実施する者の氏名・ 略歴、また水質検査を行う専任の部門及び信頼性確保に携わる専任の部門が置かれている ことを説明した書類、また水質検査に係る標準作業書、水質検査の業務管理及び精度管理 に関する文書。これについて、標準作業書については、※印の1番で検査実施標準作業書、 試料取扱標準作業書、試薬等管理標準作業書、機械器具保守管理標準作業書が標準作業と して定められております。また、※印2につきまして、水質検査の業務管理及び精度確保 に関する文書が、3ページ目の一番最初ですが、組織内の各部門の権限、責任及び相互関 係などについて記載した文書、以下いろいろと書かれていまして、例えば内部監査の方法 について記載した文書や精度管理に関する計画を記載した文書など、様々な事項について の文書を定めておりまして、これらについて提出するようにしております。  それで、申請書類の内容に戻りますが、標準作業書などの文書など、水質検査を行う項 目ごとの定量下限値や、現在行っている事業の概要というのを、併せて書類として提出し ていただいているということでございます。  また、登録基準の内容でございますが、これは3ページ目にいきまして、登録基準の内 容としては、水質検査を行うために必要な検査施設を有して、これを用いて水質検査を行 うものであること。また、一定程度の知識経験を有する者が水質検査を実施し、その人数 が5名以上であること。水質検査の信頼性確保のため、以下の措置がとられていることと いうことで、水質検査を行う部門に専任の管理者が置かれていること。水質検査の業務管 理及び精度確保に関する文書が作成されていること。当該文書に従い、水質検査の業務管 理及び精度確保を行う専任の部門が置かれていること。これらが登録基準の内容というこ とになっております。  2ページ目に戻りまして、登録基準の文章のところですが、こういった申請書類の内容、 登録基準の内容を踏まえまして、水質検査機関が厚生労働大臣の登録を受ける際の申請に 当たっての手引というのを、厚生労働省水道課水道水質管理室名で公表しております。こ の手引を参照して申請書類を作成して、検査の登録を受けようとする者は申請書類を作成 して、当方に提出をして、書類審査が開始することになります。  法令及び手引に基づく主な確認事項としては、資料2−2の別添資料ということでつけ ております。もともと、先ほど紹介した法令の内容以外に手引を作成しておりますけれど も、この手引につきましては、本検討会の参考資料3に定める、水質検査機関等に係る登 録制度検討会という検討会が平成15年に設置をされまして、こちらの検討会、運営要領を 本検討会の参考資料に付けておりますが、この検討会で、登録申請の際に必要な書類、申 請に当たっての書類審査の注意事項を定めた手引というものを、この検討会の中で検討し ていただいたということでございます。  登録の手引きについての内容は、資料2−2の別添についてかいつまんで説明をします と、申請書類とその申請書類に対応する主な確認事項ということで、先ほど紹介をした書 類に対応しています。例えば申請書について、この中で検査を行おうとする区域及び検査 を行う事業所、所在地を指定された様式に記載ということが左に書かれています。検査区 域については、水質検査の受託義務、信頼性確保を考慮した区域として、関係書類として 検査体制、検査実施手順を踏まえ、適切に検査が実施できることを説明した書類を添付す るということが手引の中に書かれております。  また、検査を行う事業所や所在地が複数ある場合は全てを記載することとされておりま す。このほか、下の4つ目のこの「○」でいうと、申請書、登録を受けようとするものの 実体を証する書面、あとは法20条の3の規定に該当しないことを示す書類、これは欠格要 件に該当しないということです。法20条の4の登録基準に適合することを示す書類として、 必要な検査施設を有していることを示す書類ということで、例えば試料及び機械器具の汚 染防止に必要な設備、適切に区分された検査室を有することを説明した書類ということで、 前処理室や生物学的検査室、理化学的検査室、機器分析室の区分がなされているとか、あ とは、各検査室が同一の建物内にあるなど、一体的な整備がなされているか。また、検査 に必要な面積の確保がなされているか。前処理室でドラフトが整備されているかどうか。 こういったように、まず法律の条文に書かれてある書類に対応して、施行規則でどのよう な内容が書かれているか。それに際してさらに細かい内容として、手引という部分の中で、 どのような事項が必要かということを明らかにしておるということでございます。  2ページ目以降も、検査員の氏名や略歴、水質検査部門や信頼性確保部門が置かれてい ることを説明した書類とか、標準作業書でどのような書面が必要かとかの内容が書かれて いるということでございます。  また、本資料の資料2−2に戻りまして、資料2−2の3ページ、登録検査機関の義務 に戻ります。厚生労働大臣の登録を受けた水質検査機関は、水質検査の委託の申込みがあ ったときは、正当な理由がある場合を除き、検査の受託義務を課しておりまして、公正に、 かつ厚生労働省令で定める方法により水質検査を行わなければならないとされております。 これを受けて、厚生労働省令で定める方法として、水質検査部門管理者、信頼性確保部門 管理者などが行うべき業務のほか、標準作業書の作成及び水質検査の業務管理及び精度確 保に関する文書を定めることとされております。  具体的には4ページ目にいきまして、4ページ目の「●」のところですが、検査の方法 ということで、水質検査部門管理者は以下の業務を行うことと。水質検査部門の業務を統 括すること。また、内部監査、精度管理及び外部精度管理調査の結果に応じて、速やかに 是正処置を講ずること。また、標準作業書に基づき、水質検査が適切に実施されているこ とを確認し、標準作業書から逸脱した方法により水質検査が行われた場合には、その内容 を評価し、必要な措置を講ずると。こういった業務を水質検査部門管理者は行うというこ ととされています。  また、信頼性確保部門管理者が置かれていることということで、その業務内容として、 内部監査を定期的に行うことなどの管理者が置かれていることということが、検査方法と して定めていると。  あとは、水質検査部門管理者、信頼性確保部門管理者が、登録検査機関の役員、当該部 門を管理する上で必要な権限を有する者であることということ。あとは標準作業書などの 文書を作成することということで、登録検査機関における体制と、あとは標準作業書など の作業に関する文書を作成するということが現在の検査方法ということになっているわけ でございます。  また4ページ目の上に戻りまして、また、登録検査機関は水質検査の業務を円滑に行う ことができるよう、水質検査の業務に関する規定(水質検査業務規程)を定め、それに即 して業務を実施することとしております。水質検査業務規程においては、水質検査の実施 方法、水質検査に関する料金など、厚生労働省令で定めるべき事項を定めておかなければ ならないこととされております。  水質検査業務規程に定める事項としては、4ページ目の一番下に書いておりまして、こ の中には水質検査の業務を行う時間や休日、水質検査の委託を受けることができる件数の 上限、あとは水質検査に関する料金、その収納方法などなど、こういったものが定められ ております。営業を始める前に厚生労働省のほうに届出をしなければいけないということ になっております。  また、登録検査機関は、水質検査に関して厚生労働省令で定めるものを記載した帳簿を 備え、保存しなければならないということとされております。これは、登録検査機関に水 質検査の業務の状況を明らかにさせるとともに、厚生労働省がその状況を把握することに より、登録検査機関における業務の適正な運営の確保に資するものであることから、帳簿 の記載及び保存を義務付けているということでございます。  どのような内容を帳簿として保存すべきかという部分については、5ページ目の真ん中 に5行目ぐらいですか、記載及び保存すべき帳簿として、水質検査を委託した者の氏名、 水質検査の委託を受けた年月日、試料を採取した場所、水質検査項目、水質検査を行った 検査員の氏名、水質検査の結果、内部監査及び精度管理の結果、教育訓練に関する記録、 こういったものを記録するという義務付けがなされているということでございます。  次に5ページ目です。厚生労働省の監督ということでございます。登録検査機関に対す る厚生労働大臣の監督規定として、登録検査機関が登録基準に適合していない場合に行う 適合命令、また、水質検査の正当な理由がない受託の拒否や、検査方法が厚生労働省令の とおり行われなかった場合の改善命令、並びに報告徴収・立入検査などについて規定を整 備しております。  また、以下の登録の取消しの要件になると。例えば、欠格要件に該当するとか、厚生労 働大臣の適合命令、改善命令に違反をしたときとか、こういったような場合においては、 厚生労働大臣は当該登録検査機関の登録の取消し、または一定期間の業務停止を命ずるこ とができるということになっております。  これらの仕組みについて具体的な条文としては、6ページ目以降に水道法と施行規則に ついてお示しをしております。これらについては、ちょっと今の資料の中で概要を入れま したので、こちらのほうの条文の説明は割愛をしたいと思います。  以上でございます。 ○安藤座長  ありがとうございました。  ちょっと複雑な、あるいは細かい点もあろうかと思いますが、何なりとご質問いただけ ればありがたいんですが。  何かございませんか。  特に水道事業体の大きいところ、それから小さいところ、それぞれ検査についてはちょ っと見方が違うのかなというふうに思うんですが、いかがでしょう。  どうぞ。 ○吉田委員  東京水道の吉田です。今の資料の部分については既存制度の説明ということだと思いま すので、これからの検討の基礎ということで特段、意見等はございません。 ○安藤座長  そのほかの中小水道はいかがでしょう。あるいは、実際の20条の登録機関から見て、何 かご質問等ございませんか。  どうぞ。 ○渋谷委員  当時、私ども指定検査機関の時代ですけれども、この仕組みはISO9000に、かなりシ ステム的には近い要素があったかと認識しております。当時、私どもの団体でアンケート 調査したところ、約3割が既に9000を取得していました。現状では多分七、八割は取って いるかと思いまして、なおかつ17025を取得している機関も出始めているというのが現状で ございます。ちょっと補足ですけれども。 ○安藤座長  そのほか、いかがでしょうか。  資料の2−1は大体これをご理解いただいたと。それからもう一つ、資料の2について、 あるいはこういうシステムの中でそれぞれ登録機関にお願いしていると、こういう状況だ ということはご理解いただけましたでしょうか。  どうぞ。 ○沼尻委員  茨城県の沼尻です。茨城県の場合、ちょうど1年前に水道GLPを取得しまして、この 内容について十分理解しておりますので、特別質問はございません。 ○安藤座長  そのほか、よろしゅうございますか。  それでは、資料の2のほうは皆様方、大体共通の認識を得られたというふうに理解させ ていただきます。  それでは、制度の概要について把握していただきましたが、さらにもう少し審議を深め ていきたいと。現行制度の不明な点、あるいはそういうことがあれば、またご質問いただ きたいということになりますけれども、次に水質検査の実施状況についての資料、これを 用意しておりますので、そこについてご説明いただきたいというふうに思います。お願い いたします。 ○松田室長補佐  それでは、事務局のほうから、資料3のシリーズについて説明をしたいと思います。  まず、資料の3−1の水質検査の実施状況でございます。これについては水道事業者、 あとは専用水道などについて、どのような体制で水質検査を実施しているかということを お示ししている資料でございます。  まず、資料3−1の1枚目にありますが、2つの表を並べております。上の表が平成19 年度における水質検査の実施主体、下の表の2は平成7年度、まだ登録制度ではなくて指 定制度の際、かつ公益法人だけが指定検査機関だった時代の内容でございます。この2つ を比較することによって、どのように変遷しているかというのを見ていただければと思い ます。  まず、上水道事業、簡易水道事業、専用水道と上から並べておりまして、全事業者数に つきましては、上水道事業、簡易水道事業については平成7年度から19年度にかけて件数 というのが減っているということでございますが、その一方、専用水道が増えてきている ということでございます。それぞれの種別ごとに水質検査の実施のやり方について、自己 検査、共同検査、他の水道事業者への委託、地方公共団体の機関、これは地衛研のような ものだと思いますが、そういった機関に委託をする場合、あとは登録検査機関ということ でございますが、それについては全体の合計の中での割合を見ると、登録検査機関、もと は平成7年のときは指定検査機関ですが、これについての全体の中の割合は、平成7年度 は70%だったものが登録検査機関では84%ということで、割合としては非常に増えてきて いるということでございます。  その一方で、地方公共団体の機関に対する委託する割合というのが、もとは平成7年度 は19%ぐらいあったものが、平成19年のときは4%ということで非常に下がってきている という印象があります。このほか、自己検査、共同検査、他の事業者への委託という点に ついては若干少なくなったり増えていたりしますが、パーセンテージとしてはそれほど変 わらないということでございます。  2枚目にいきまして、上水道事業の検査実施主体の内訳ということでございますが、平 成19年度においては1,599事業体から回答があったと。自己検査・委託検査など複数の検査 体制をとる事業体が330ございまして、また回答の不明分を除いた1,902件のうち、自己検 査・共同検査を行っている事業体は405件、21%と。また、登録検査機関、地方公共団体の 機関など別の者に委託している事業体は1,497件、79%ほどであったということでございま した。  また、平成19年度における簡易水道事業については、この回答の不明分を除いた7,353件 のうち、自己検査・共同検査を行っている事業体は531件、登録検査機関、地方公共団体の 機関などに委託している事業体は6,822件ということでした。専用水道については、こちら のほうにはお示ししていませんが、ほぼ100%近く、別の登録検査機関、地方公共団体の機 関などに委託をしているということでございました。  それでは、精度管理の実施状況はどうなっているかという点について、2番目に、3ペ ージ目以降に示しております。これは、登録検査機関と水道事業者と衛生研究所を対象と した調査ということで、平成21年5月に調査を実施したものでございます。これについて、 調査内容でございますが、まず内部精度管理の実施状況について平成21年では、登録検査 機関の実施回数として1回以上行う機関ということで214機関、回答がないもの、機関あり まして、1回から5回以上までのものがお示しされております。1回というのが一番多い わけですけれども、その一方で5回以上行っている場合もあったりするということでござ います。この実施をしている内容の内訳が分かりませんので、どのような内部精度管理を 行っているのかというのはちょっと分からない。また、項目によって回数を分けている場 合、もう少し回数が実際に増えてしまうということはあるかもしれません。  また、(2)番目に、水道事業者などにおける平成20年実施の有無ということですが、実施 を行ったというのが108機関、未実施(検討中)、未実施(検討なし)というのが136機関 あったということでございます。  次にいきまして、衛生研究所などの実施の状況ということでございますが、これについ ては40機関が実施をして、未実施(検討中)、未実施(検討なし)というのが86機関あっ たということでございました。  次に(2)番目にいきまして、外部精度管理の実施状況でございますが、これは登録検 査機関における実施回数、これは21年の計画ということでございますが、これも1回から 5回以上までの分布があるということでございます。多かったのは2回、3回行うという ことで、恐らく厚生労働省の外部精度管理調査と合わせてプラスアルファということなの かなというふうに思いますが、一番多かったのは2回、3回行うというところが多かった ということでございます。  次に、水道事業者などにおける20年の実施の有無ということで、外部精度管理調査のほ うについては実施をしているのが83%ぐらいあったということでございました。その一方 で、未実施の機関が43機関あったということでございます。  また、衛生研究所の20年の実施の有無については、実施が76機関と。ですから、未実施 のところが49機関ほどあったということでございました。このような精度管理実施状況だ ということでございます。  次に、資料の3−2にいきまして、登録検査機関の概況ということでございます。これ については、登録検査機関の数はどのようになっているかとか、登録検査機関の規模がど うなっているかということをお示ししている資料でございます。先ほど制度の概要でご説 明しましたけれども、当初は公益法人に限定していたものを、平成10年11月30日に指定制 度の変更を行って営利法人の参入を容認することになったと。これに伴って、平成9年度 に69機関だったものが平成15年までの6年間で118機関も増加をしたということでございま す。さらに、平成16年3月31日から登録制度に移行したわけですけれども、その登録制度 の発足時に指定機関を登録検査機関に移行するとともに、その後、毎年10機関程度が新規 に検査機関として登録されて、4機関程度が毎年廃止をするということで、平成15年度か ら21年度にかけて31機関増加をして、平成21年度、これはことしの3月末ですが218機関、 検査機関が存在しているということでございます。  2ページ目にいきまして、登録検査機関の地域分布でございます。これについては、登 録検査機関というのは必ず検査施設を持っているわけでございますけれども、その検査施 設がどこかの都道府県の中にあるということで、その検査施設がどこの都道府県に置かれ ているかという分布を示すというとともに、また、その登録検査機関については、その検 査施設が所在している都道府県だけではなくて、都道府県の通常近隣の別の都道府県も営 業区域にしておりまして、それについては複数の都道府県を対象として検査を実施するよ うな形になっております。それについて、都道府県別にどれだけ検査区域に設定している かという点について、表の3のほうの右のほうにお示ししております。ですから、表の3 の左側の検査施設というのは、都道府県の中における検査施設の実際の数と。右のほうは そこの都道府県の中で営業して、実際に検査ができる検査機関の数ということでお示しし ているということでございます。  この表の3を見ていただくと、東京都などの大都市圏で10カ所以上検査施設が所在する ということですが、奈良県、鳥取県のように検査施設が1カ所しかない都道府県もあり、 検査施設の所在に関してはばらつきが大きいと考えられるというふうに、こちらに書いて おります。その一方、登録検査機関の検査区域については、北海道や沖縄を検査区域に設 定する検査機関数は、ほかの場合は都府県ですけれども、ほかの都府県と比べて少ない。 その他の都府県については、20機関以上が検査区域に設定されているということでござい ます。  この検査区域の設定につきましては、一般的に水質基準項目の公定法、検査法におきま して生物項目、一般細菌、大腸菌は試料採集後12時間以内に検査を行うということである ということを踏まえて、採水から12時間以内に検査が可能な地域を対象とするようにして おります。ですから、検査施設から実際に採水から12時間以内に試料を持ってくることが できる場所というのを、この区域にしているということでございます。  次に3ページ目にいきまして、水質検査機関の規模でございます。  (1)番目、検査員の人数ということでございますが、これについては平成21年度末の 検査員の人数ごとの登録検査機関数を図の2に示しております。検査員の数は登録基準で 5人以上ということになっておりますので、最低が5人ということでございますが、全登 録検査機関の3分の1程度が5から9名の機関、8割程度の機関が5から19名の機関とな っているということでございました。その一方で、検査員が40名以上の登録検査機関も4 機関存在して、最も検査員人数の多い機関では75名もの検査員が所属しているということ でございました。  次、(2)番目でございますが、検査機器の保有台数。平成21年度末の登録検査機関に おける検査機器の保有台数の分布を、次の4ページ目以降に示しております。特に我々、 注意して見たものとしては、受託件数に影響を与える機器として誘導結合プラズマ発光分 析装置ICP、またICP/MS、イオンクロマトグラフ、イオンクロマトグラフ−ポス トカラム、あとはガスクロですか、この5つの検査機器について着目をしております。そ れでICPとICP/MSの検査機器の分布については、表4と図3に示しております。 この表の4と3に示しておりますが、ICPを所有していない機関は40機関、ICP/M Sを所有していない機関は54機関でしたが、全ての機関でどちらか1台以上所有していた と。どちらか1台所有していればオートサンプラーを用いた一斉分析が可能となるという ことで、大量の検査が可能になると考えています。  次に4ページ目にいきまして、登録検査機関が有する検査機器数のうち、IC、IC− PC、ガスクロの検査機器数の分布を表5に示しております。回答した機関のうち、204機 関がイオンクロマトを1台以上所有していたと。ICを所有していない登録検査機関は5 機関あったけれども、いずれもIC−PCを所有して、うち3機関が2台所有していたと いうことでございました。これらはICを1台所有していればオートサンプラーを用いた 一斉分析が可能であるため、大量の陰イオンの検査が可能であると考えております。  IC−PCについては、回答した全機関のうち、1台も保有していないのが1機関、1 台のみを所有するのが80機関であったと。1台しか所有していない場合は、シアンと臭素 酸の分析に当たって反応試薬の交換作業が必要となるため、大量の検査を行うには限度が あるものと考えております。また、ガスクロにつきましては、所有台数が1台の登録検査 機関は8機関あったと。ほかの検査機器と比較して複数台数所有する検査機関は多くて、 6台以上所有する検査機関も18機関存在して、最大で15台所有しているということでした。 ガスクロで測定するVOC、ハロ酢酸類、ホルムアルデヒド、フェノール、カビ臭物質に ついては、前処理や注入方法、カラムがそれぞれ異なるということで、注入装置やカラム の交換作業が必要になるので、ガスクロ1台で大量の検査を行うには限度があるというふ うに考えております。また、その他の検査機器の所有台数の分布は表6に示しております。  次に資料の3−3、水道水質検査の精度管理に関する調査結果でございます。これにつ いては厚生労働省が実施している調査でございまして、登録検査機関や水道事業体、あと は都道府県の検査機関の水質検査の技術水準の把握や向上を目的として実施している、い わゆる外部精度管理調査でございます。これは平成20年度公表資料をお示しをしておりま して、これは389機関を対象としております。登録水質検査機関は基本的には全機関が検査 を実施しているということでございまして、あとは水道事業者、あとは地方衛生研究所の 機関については、それぞれ136機関、42機関ということで、これについては、この外部精度 管理の中で検査ができない項目がある機関については調査の対象から外れているというこ とでございます。参加をしていないということでございます。  この20年度の調査につきましては、無機物1項目、塩素酸、有機物2項目ということで、 ジェオスミンと2−メチルイソボルネオールですか、この3項目を対象としておりまして、 参加機関に対してこれらの検査対象項目を一定濃度に調製した統一試料を送付して、参加 機関がこの統一試料の検査を実施して、その結果を当方に送付をしていただいて、その上 でその結果が、実際の標準試料として想定していた濃度とどれだけばらつきがあるのかと いうものを結果を出すということでございます。  それで、その評価としてはZスコアーということで、これについては2ページ目にいき まして、2ページ目の参考1にZスコアーということでお示しをしていますが、これにつ いて各データとデータの第2四分位数や第3四分位数、データの第1四分位数などを基に してZスコアーというのを算出して、2よりも小さければ満足と、2から3の場合は疑義 があると、3より大きかった場合は不満足ということを評価の対象にしているということ でございます。  これらを基に、Zスコアーの絶対値が3以上となった場合の検査機関、これは登録検査 機関が27機関、また水道事業者でも24機関、衛生研究所は2機関というような結果になっ ております。これは5ページのほうに具体的な結果が示されております、調査結果として ですね。これで、塩素酸、ジェオスミン、2−メチルイソボルネオールごとにZスコアー がどのようになっているかというのをお示ししております。  また、6ページ目は水道事業者、7ページ目は衛生研究所ということで、分析方法が異 なる場合はそれごとにどのような結果になっているかというのをお示しをしております。  また、Zスコアーの絶対値が3以上となる機関を対象に、原因とその改善策について回 答を求めているということでございますが、それについて原因として、分析機器の保守管 理の不備、分析機器の部品の劣化。これに対する改善策としては、これらの分析機器の点 検項目の見直し、定期的な部品交換。また、ほかの原因としては、標準液の調製ミス、標 準原液の劣化、あと、この他の原因としては不適切な検量線濃度範囲の設定、また分析結 果の記入ミス、ピーク面積の算出方法が不適切、前処理操作が不適切、こういったような 原因が考えられたということでございます。この原因については、実際には8ページ目以 降に登録検査機関、あとは水道事業者、あと衛生研究所ごとに、この原因とそれぞれの改 善策をお示しをしております。  また、さらにこれらのZスコアーが高かった機関については、実際に実地調査というこ とで、厚生労働省の職員と、外部精度管理の調査を行うための厚生労働省に設置している 検討会の委員の方が現地調査に行って、実際に問題がないのかどうなのかという点を確認 をする作業というのをしているということでございます。それについては13ページに実地 調査ということで書いておりまして、特に(1)の改善すべき事項ということで少し事例 を紹介しますが、実地調査の結果、対象機関の状況に関する問題点で特に多かったものと しては、標準作業書が実効性のあるものになっていないこと、標準作業書どおり検査を実 施していないことであると。その他、教育訓練や内部監査、分析機器の点検・メンテナン ス、標準原液の管理体制といったような、かなり基本的な点が指摘されているということ でございます。  2ページ目に戻りまして、それで4.の水道水質検査精度管理検討会がこの外部精度管 理調査の取りまとめをやっているわけですけれども、ここで先ほど実地調査がZスコアー が3よりも上だった機関に対する評価というものを踏まえて、以下の事項が重要だという ことで、適切かつ実効性のある標準作業書の整備及び運用の徹底、分析機器や標準物質の 管理状況のチェック体制の充実、検査機器のチェック体制の充実、教育訓練による水質検 査、精度管理に対する知識の蓄積と意識の向上、また内部・外部精度管理の結果などの検 査体制のフィードバックということで、これらが重要だということでございました。  厚生労働省は、この外部精度管理調査の結果を受けて講習会を実施していまして、20条 の検査機関などに結果をお伝えして、特に改善をしなければならない点については周知は しているということでございます。  また、併せてこの調査については、階層化評価というのを行っておりまして、S、A、 B、Cの4段階で行っていまして、Zスコアーの数値によって、全項目のZスコアー評価 値が2より下であれば満足ということでS、またAということでZスコアー評価に不満足 及び欠測がなかった機関はAということで示しております。SとAとB、Cということで すが、Bの機関が41機関ということで全体の19%ほどでございました。こちらが資料3− 3であります。  次に、資料3−4でございますが、登録検査機関における不正行為の事案について紹介 をしている資料でございます。これについては経緯として、農薬の分析を委託していた香 川県の水道局から、平成18年度と19年度の業務に関して、委託先の登録検査機関が過去の データの流用などの不正行為を行っていたと。これが県を経由して当方に報告があったと。 また、香川県の多度津町の委託業でも同様な行為が行われているということが分かったと。  そこで、我々としては事実関係を確認をして、その原因を明確にするために、この検査 機関に対して我々のほうに来ていただいて、不正行為の内容などについて報告を受けてお ります。香川県の水道局では、検査機関の行為が悪質と判断をして、平成19年11月16日に 1年間指名停止措置を行って公表しております。  この件については、水道法に基づく水質基準項目以外の検査ということですが、水質検 査機関の水質検査と信頼性確保体制の不備などに起因するものであり、登録水質検査制度 に対する信頼性を損ねかねない問題であることから、厚生労働省の水道課として、この不 正行為を行った登録検査機関に対して調査を行うとともに必要な指導を行っております。  不正行為の具体的な内容については、過去の分析データの流用、また検量線の不正作成、 過去に作成した検量線の流用、汚染のあるブランクデータの使用、過去のブランクデータ の流用ということでございました。また、これらの不正行為をチェックできる体制ではな かったということで、体制についても問題があったということでございました。  水道課の対応としては、この登録検査機関に対して実効性のある再発防止策を講じるよ うに課長名の文書で改善指導を行うということで、また、ほかの検査機関に対しても法令 順守と適正な検査の徹底に努めるように指示をしていると。また、水道事業者の方にも、 本件に関する情報提供を行っているということであります。  また、これらのほかの機関についても、このような事案がないかということを調査を行 ってきたところですが、現時点ではここまでの不正行為というのは明らかにはなってはい ないということでございます。  以上、資料3−1から資料3−4まで、事務局からの説明でございました。 ○安藤座長  ありがとうございました。  いわゆる本題に入ってきたかなと思うんですが、ご質問いただければと思いますけれど も、いかがでしょうか。  どうぞ。 ○山崎委員  今、最後に登録検査機関に不正があったということのご指摘を受けたわけですあります けれども、登録検査機関の約70%が全国給水衛生検査協会に入っております。協会の会員 に対しては、検査の品質確保ということを機会あるごとに会員に徹底を図っておりまして、 そういった研修とか講習もずっと毎年おこなっております。そういうことで、外部精度管 理につきましても、年に大体2回から3回登録検査機関はやっておりますけれども、私ど も協会としても独自に外部精度管理をやっておりまして、少なくとも国の外部精度管理、 それから協会の精度管理、に参加していると思っています。また、県が実施しているとこ ろでは、積極的に受けるようにしているところであります。  以上です。 ○安藤座長  ありがとうございました。  20条の登録機関では、それなりにおやりになっているというお話ですが、そのほか、い かがでしょうか。  どうぞ。 ○松井委員  先ほどご説明いただきました、資料の3−3でZスコアーについてご説明いただいたの ですが、表から登録検査機関のZスコアーの統計値が一定以上の機関の割合というのが、 全体的に見ると最大でも14.3%。それに対して水道事業者の結果というのを表の4で見る と20%まで、10%から20%まで。それから衛生研究所の結果については、サンプル数が少 ないですけれども1けた台のパーセンテージ。ということからすると、Zスコアーとかそ ういう面で見た精度管理については、登録検査機関については大きな課題は余り見られな いというような認識でよろしいのでしょうか。 ○松田室長補佐  ちょっとこれは、外部精度管理調査の結果として、この登録検査機関、水道事業者、衛 生研究所で、Zスコアーから見ると水道事業者というのが一番Zスコアーがよくなかった というのは、これはこれで事実だとは思うんですが、この結果をもって登録検査機関が水 道事業者のZスコアーの成績が良いから、それほど問題がないということではないと我々 は思っています。もちろん水道事業者に対しても、このZスコアーが高かった部分につい ては精度管理に日ごろから努めていただいて、もっとよりよい精度を目指していただきた いなとは思うんですけれども、登録検査機関の部分については、さらに13%ある部分につ いてもっと精度を向上していくためにどういう事項が必要かということで、実地調査など も行って、改善をすべき点をこの調査の中で抽出をしていると。それについては毎年度、 周知もしているという状況でございます。  水道事業者と登録検査機関の比較をして、登録検査機関の結果がそれほど問題がないの ではないかということではなくて、Zスコアーに問題がある事業者には、この結果を通じ て、是正していただきたいというふうに考えております。 ○安藤座長  よろしいですか。 ○松井委員  もう1カ所、表の見方で変動係数と書いてある、これはどういう意味でしょうか。ゼロ %。表の3ですと変動係数、※の3のところについては全部、検査機関の割合がゼロ%に なっていますが。 ○松田室長補佐  この資料の5ページ目、6ページ目、7ページ目でそれぞれ※3ということで、変動係 数は塩素酸については10%、ジェオスミン及び2−メチルイソボルネオールについては20 %を超えた機関数ということで、この資料の中ではこういう整理をしておるということで ございます。 ○松井委員  例えばそうしますと、この資料は塩素酸については120μg/LのAという試料であれば、 この分析しておられて、その結果が120の20%ですから144ですか、144とか、それ以上、以 下になるかとか。 ○伊佐治委員  精度管理検討会の委員の伊佐治と申しますので、ご説明させていただきます。  各機関のほうに試料を送るんですが、それで5回ずつはかっていただくんです。それで 5回ずつはかった中の変動係数が10%を超えているか20%か。 ○松井委員  その中でですか。 ○伊佐治委員  中で。室内の変動係数のことになります。 ○安藤座長  そのほか。  どうぞ。 ○小笠原委員  データの読み方なんですが、資料3−1の表の1、一番最初のところですが、ここで水 質検査の実施主体がどこかということですが、簡易水道事業、これが3%ぐらいが自己検 査ということになっておりますが、簡易水道というのは皆さんご承知のとおり5,000人以下 の水道事業でして、自ら検査できるということはまずないと考えられます。大きな町の上 水道のほうで水質検査の施設を持っておりまして、同じ町で運営する簡易水道事業の検査 もそこで行うということで、3%の二百何十カ所が自己検査というデータが出てきている と思いますが、それでよろしいですよね。 ○松田室長補佐  そのとおりです。 ○小笠原委員  ちょっと確認だけです。 ○安藤座長  実際には、簡易水道では具体的にやっているわけではなくてということですね。  そのほか、どうぞ。 ○西村委員  資料3−2の表の3のことについて。ここで、それぞれの例えば県に対して、検査区域 に指定している機関数というのは近接する県とかいうのがあると思うんですけれども、基 本的に例えば微生物等の細菌等では12時間以内ということにはなっていますが、実際にこ れを、登録のときの要件なんですけれども、それが12時間以内に運べるかどうかとか、運 んでいるかとかいうのは、何かシミュレーションをして登録のときに審査しているのか、 実際に例えば委託をするときに何かそういうことをきちんと担保できるようなシステムと いうのはあるのかどうか、ちょっとお聞きしたいんですけれども。 ○松田室長補佐  まず我々としては、登録する際に検査機関に対して最初に営業区域の案を、その検査機 関が持っているわけなんですけれども、その営業区域の広さを示す根拠として検査施設ま でどれぐらい時間がかかりますかというのを、根拠としてどのような輸送機関を使って、 例えば高速道路で自分で検査員が自ら採水をして検査施設まで持っていく場合に、どれだ け時間がかかるかというデータを出していただいて、その上で我々は、これであれば12時 間以内に検査ができるというふうに判断して、それであればこの登録時も、この営業区域 で設定してもよいのではないかということで認めているということでございます。 ○西村委員  よく分かりました。どうもありがとうございました。 ○安藤座長  そのほかいかがでしょう。  どうぞ。 ○渋谷委員  資料3−1でちょっとご質問なんですけれども、3ページ目に内部精度管理と外部精度 管理の実施状況の表があると思うんですが、登録検査機関については登録の要件で内部精 度管理、外部精度管理を複数回やれとかという、多分仕組みがあると思いますので、そう いったときにはかなりの数字が上がってきている。半面、水道事業者様とそれから衛生研 究所様で未実施とかいうのが、ある程度数があると思うんですが、この辺のいわゆる国の 指導がどの辺にあるかをちょっとお聞かせいただければと思います。 ○松田室長補佐  我々としても、水道事業者や登録検査機関においても、やはり精度管理についてしっか り取り組んでいただきたいという思いもありますので、この点については法令に基づく規 制というのはございませんけれども、精度管理の取組を実施していいただくようにお願い はしてはいるというところでございます。ただ、登録検査機関については、検査方法の中 に精度管理の実施についての規定がありますので、そこの部分で実質的な義務付けという ことになっているのかなというふうに理解をしております。 ○安藤座長  そのほか、いかがでしょうか。  どうぞ。 ○杉本委員  ちょっとお聞きしたいんですけれども、資料3−2の図2なんですけれども、検査員の ことですが、75名以上とか人数が5名からばらばらとあるんですけれども、いっぱい検査 員がいるところは、やっぱりキャパとしていっぱい検査をしているというところなんです か。 ○松田室長補佐  検査員の数と検査の受検の数について関係を見るという部分は、まだちょっと我々事務 局も行っておりませんが、例えばこの件数が検査員の数が多いところと受検数がどうなっ ているかという関係を見ることはできるかと思いますので、今後の会議の中でそういう資 料もお示しできればなというふうに思います。また、必ずしも検査員の数は、ある検査施 設の中に全員いる、そういう機関ももちろんあると思うんですけれども、中には出先のよ うな機関に検査員を配置させている検査機関もございますので、広域的に営業を行ってい る機関が多いのではないかなというふうに思います。 ○安藤座長  この数は、場合によると検査施設の総人数かもしれない。例えば環境関係の水質をやっ ている、あるいは食品をやっている、これも入っているかもしれないということはありま せんか。 ○松田室長補佐  ちょっとそこは、兼業の部分がどこまでどうなっているかという部分までは、我々がい ただいている資料の中で兼業しているということは明らかではありませんので、ちょっと 分かりませんが。採水を担当している検査員も中にはいるだろうと思います。 ○安藤座長  どうぞ。 ○西村委員  採水も含めている場合もあるし、今、座長の安藤先生がおっしゃったように環境試料に ついてもですけれども、たしか要件のときに、やはり水質検査をするときには検査をでき るということをたしか何か評価をして指定するというか、何かあったような気がするんで すけれども、その辺は兼任であってもしてあれば含める、ちょっと忘れましたけれども、 なかったですか。 ○松田室長補佐  また、ちょっと資料2のシリーズに戻りましてですね……。 ○安藤座長  検査員の要件に関わる問題なんですね。 ○松田室長補佐  3ページ目にいきまして、「一定程度の知識経験を有する者が水質検査を実施し」とい うことになっております。それで、実際にどのような要件があるかと申しますと、ちょっ とお待ちください。 ○安藤座長  結局、大ざっぱな科学を知っているとか、そういう感じですか。 ○松田室長補佐  そうですね。例えば、この資料にはお示ししていなかったんですけれども、大学や専門 学校なんかで理学や医学、薬学、工学、衛生学などの課程を卒業して1年以上水質検査の 実務に従事をした経験を有する者であること、こういった要件が代表的なものですけれど も。こういう方が水質検査を実施する知識経験を有する者というふうに考えて、法律で定 められております。 ○安藤座長  ですから、西村先生がひょっとすると思われている、いわゆる本当にできるのという話 とは、ちょっと違うのかなと思うんですけれども。 ○西村委員  ただ、そういう点で、ある要件さえ備えていれば、それはそれなりにいいのかなと思い ます。 ○安藤座長  どうぞ。 ○伊佐治委員  資料3−2で表1の上のところに書いてあるんですが、毎年10機関程度が新規に検査機 関として登録されて、4機関程度が廃止されるということになっておりますけれども、こ の廃止される理由というのがちょっとよく分からないのでお聞きしたいんですが、毎年登 録機関様は何か登録機関であるとやらなければいけないということは、外部精度管理だけ ということの理解でよろしいでしょうか。あとは、受託を必ずしなければいけないのでも うやめてしまうとか、そういうのは主な廃止する理由というのはどうなんですか。 ○松田室長補佐  廃止する理由という部分について整理をしていなかった部分はあるのですが、機関によ っては、水質検査機関を実施していくに当たって、余り受託をして金銭を稼いだりする部 分というのがなかなか難しい場合もあるのではないかと。その辺はまだ我々のほうには伝 わってこない部分はあるかと思いますけれども、そういう事情もあって検査機関を続ける よりも廃止をしたほうがいいという判断があって、やめられている部分もあるのかなと思 います。ただ、廃止する部分の理由については、過去何例か見て、次回の検討会にでも紹 介をしたいとは思います。 ○安藤座長  どうぞ。 ○松井委員  先ほどの西村先生の質問にある、表3の検査区域に指定している機関数というのがちょ っと私も気になるんですけれども、この検査区域というのは基本的に都道府県という単位 で見ているのでしょうか。例えば北海道ですと、札幌市が12時間以内に分析できる範囲だ と北海道が検査区域だ、というふうな形でシミュレーションというようになっているので しょうか。 ○松田室長補佐  北海道を考えると、確かに松井委員から言われたような話もあるかと思いますので、こ こは事実関係を確認した上で回答したいと思います。北海道と沖縄の部分については、沖 縄は離島があったりしますから、その部分どういう書き方になっているかという点は事実 関係を見て。通常は例えば、何とか県全域とかいうことが一般的だったとは思うんですけ れども、事実関係を見て回答したいと思います、次回の検討会ですね。 ○松井委員  関連して、その議論の基になっているのが、一般細菌、大腸菌の12時間以内の検査とい うことなのですが、ほかの化学物質についてもこういった採水から検査までの時間という のでは規定があるんでしょうか。ちょっと私、不明にして知らないものですから。 ○松田室長補佐  金属類については設定をしております。ただ、それ以外の例えば消毒生成物のようなも のについては速やかに検査を実施するとか、あとはVOCも速やかに検査を実施するとい うようなことになっていまして、時間を明示はしていないということでございます。 ○松井委員  すると、その実態というのは、例えば検査結果を5年間保存することとあるのですが、 例えば先ほどの大分前の資料のところで、保存すべき項目というのには受託を受けた年月 日、検査を受けた年月日とあるんですが、受託を受けた年月日というのは採水という意味 ではないですよね。そうすると、採水というのはいつであったのか、実際に検査を受けた 日がいつであったのかということは、トレースすることは可能なのでしょうか。それで、 12時間以内にきちっと試料が運ばれてきて分析されているということのトレースは可能な のでしょうか。 ○松田室長補佐  今の法律上、保存をしなければいけない資料については水質検査結果としか書いていま せんので、結果については採水した資料がどのぐらいの、例えば50項目、濃度は幾らだっ たかという表でもいいということになってしまいますので、そういう場合はトレースがで きないということはあり得ると思います。 ○安藤座長  今の松井先生のお話は、まさに本来の本題に入ってくるお話かなと思うんですけれども、 それはこれからいろいろな議論が明らかになってくる中でお話が出てくるかなというふう には思うんですけれども、まさに検査方法を作る立場では「速やかに」としか書きようが ないのかな。それを例えば大腸菌だと、そういうのには具体的に12時間を越えちゃうと増 えちゃうから駄目よと、こうは言えるけれども、例えばVOCの場合は2日はいいけれど も、その保存状況によっては1週間大丈夫かもしれないと、こういうこともあり得るわけ ですよね。ですから、具体的に何日となかなか言えないという、そういう面があるんだろ うと思うんですね。そういうことも含めて、これから議論をしていくんだろうと思うんで す。  そのほか、いかがでございましょう。  どうぞ。 ○吉田委員  資料2−2の中で登録検査機関の義務という中で、先ほど来、何回か話が出ていました けれども、水質検査の委託の申込みがあったとき、正当な理由がある場合を除いて受託義 務があると。登録検査機関にすると、受託義務を課せれられているということで結構負担 があると思うんですけれども、ちなみにこの「正当な理由」というのは、大体どういうも のを想定されて制度ができたのかというのを教えていただけますか。 ○松田室長補佐  実際に起きている事例というのは聞いたことはないのですが、登録水質検査機関によっ てもキャパシティーがありますので、検査の委託をしたい者がいっぱいあって、検査を多 く受託することで検査機関が飽和状態になる場合があるわけですね。受託件数の上限とい うのが水質検査の業務規定というところで定めていまして、例えばその上限を超えるよう な検査をお願いされた場合に、もう受けることはできませんといった場合は正当な理由が あると、それは拒むことはできるだろうということだと思います。 ○吉田委員  そうすると、物理的に受けられなければ、それは受けられない、そういう一般的な考え 方の話ということですか。 ○松田室長補佐  そうです。 ○吉田委員  特段何か登録制というものをとっているので、国として厳しいハードルを設けていると いうことではないのですか。 ○松田室長補佐  受託義務という部分については、我々として厳しいものを求めているわけではないと言 われると答えにくい部分はあるのですが、その登録検査機関が検査の実施が可能な場合に おいて検査を委託されれば、当然のごとく受けてくださいということを条文に書いている 程度ということでございます。 ○安藤座長  そのほか、いかがでございましょう。  どうぞ。 ○渋谷委員  今の点なんですけれども、一つ私が知り得ているのは、資料3−2の表の3で都道府県 で検査機関を区域にしているというお話がございまして、ここのところで検査区域を、私 も登録機関の人間なんですけれども、自分が登録している検査機関以外の県から委託があ ったときには、これは当然できませんよというのが一つの正当な理由になっていると思い ます。それが結局、今、航空便であれば沖縄でも北海道でも島でも飛行機で数時間で来れ るので、全てのエリアはどの検査機関でも日本全国を検査区域にしても物理的には大丈夫 だなというのが多分、国のもしかしたら見解になっているのかもしれません。ちょっとそ の辺はよく分かりませんが。 ○松田室長補佐  今、渋谷委員からもお話がありましたが、我々の登録に当たって営業区域を設定するわ けですけれども、その営業区域以外からお願いされた場合は、それは検査できないという ことになります。  例えば、先ほどの受託義務の部分のところの「正当な理由がある場合を除き」、この正 当な理由の中には、今言った営業区域以外の場合はこの中に入るということにはなるのか ということでございます。  あとは全区域が対象になるかという部分については、ちょっとここも全区域を対象にし ている検査機関があるかどうかというのは我々、データとして今持っていませんので、こ こはもう少し今の我々の登録の情報を整理してみたいなというふうに思います。 ○安藤座長  今のは、いわゆるコストが関係したお話じゃありませんからね。理論的にはできるよと、 こういう話ですよね。コストを考えればそれは不可能だろうと、こういうことになるわけ ですから、あり得ないとはなるかと思いますけれども。  そのほか、いかがでございましょう。  大体、水質検査の実施の状況ということについては、皆さん方にご理解いただけたかな というふうに思います。水質検査の信頼性確保の取組については水道事業者、それから検 査機関に、現在、厚労省のほうで取組のアンケートについて実施されております。ですか ら、次回ぐらいにそういう資料が出てこられるのかなというふうに思っています。そのと きにまた、もう少し詰めたお話ができるかなというふうに思います。  それでは、次の議題3に移りたいと思います。今後の進め方でしょうか。近年、水道事 業者あるいは検査機関、これの検査状況の取組ということを踏まえて、本検討委員会で検 討すべき事項というもの、これについて事務局といろいろ相談してまいります。そういう ことについて具体的に事務局のほうからご説明いただきます。お願いいたします。 ○松田室長補佐  それでは、安藤座長と相談をして作成させていただいた「今後の検討の進め方(案)」 についてご説明いたします。資料4でございます。  まず、冒頭の文章にありますが、近年の水道事業者などの水質検査状況、登録検査機関 の検査状況、あと我々の登録検査機関に対する指導・監督状況などの水質検査を取り巻く 状況を踏まえて、水質検査の信頼性を確保するための取組の基本的方向性や具体的な方策 の検討を行うということで、具体的な内容としては、検討内容のところに書いてあるとい うことでございます。  水質検査を取り巻く状況としては、水道事業者などの水質検査状況、登録検査機関の水 質検査状況、あとは我々の登録検査機関への指導・監督状況について、現状と課題につい て、現行制度の仕組みとかあとはアンケート調査結果などを踏まえて整理をいただくとい うことで考えております。  水道事業者などの水質検査の状況としては、まず1つ目の「○」に、「水質基準等強化 や分析技術の進歩を受けた水質管理向上による検査体制への影響」はどうなのかという点 でございます。あと、近年平成15年に水質管理目標項目が導入されたり、また基準項目や 水質基準値が改正をされて強化をしたりとか、そういう部分が強化されているという部分 や、またICP/MSなどの機器分析の性能が向上されることを受けて、それらに対応し て検査体制にどういう影響があるかということを書いております。  次に、「水道水質の自主検査」ということで、水質検査部門の維持、精度管理の確保と いうことでございます。これについては、水質検査部門の中の水質検査の担当職員という 部分の維持というのが可能なのかどうなのか、それが現在どうなっているのかという点で すね。あとは、市町村の水道事業体における組織の維持という部分の中で、水質検査部門 がどう位置付けられているのかという点、この点とか、あとは精度管理についても、先ほ ど内部精度管理や外部精度管理を実施しない部分があるという部分がありますが、この点 をどう考えているかという部分でございます。  次に、「水質検査委託時の委託形態」ということで、具体的には水質検査の機関の選定 する理由はどういうものなのか、または契約形態としてどうなのか、契約内容としてはど ういうものがあるのかということでございます。水質検査の機関の選定については、いろ んな理由が考えられると思うのですが、精度管理が高い20条機関を選定するのか、近いと ころにするのか、安いところがいいのか、こういういろんな理由があるかと思うんですが、 その点の事情がどうなっているのか。あとは契約形態として、直接的な契約は実施されて いるのかどうか、この辺の事実関係を整理するという部分だと思います。  次に、「水質検査委託時の水質検査内容の確認」ということですが、水道事業体の方が 水質検査を委託する際に、検査結果書は当然提出していただくのですが、それ以外にどの ような内容を確認をしているのかという点の整理をする必要があるかというふうに考えて、 こちらのほうに示しております。  また、「緊急時等の臨時水質検査」ということですが、濃度が非常に高かった場合に、 日ごろ行っている水質検査以外に緊急的に行う必要があると。あとは、委託者の方から水 質検査を依頼された場合の臨時水質検査というのをどう考えるのか。この点、水道事業体 で今、どのような体制で行っているのかという点も整理する必要があるかというふうに考 えております。  次に2番目に、登録検査機関の水質検査状況ですが、「水質検査料金」ということで、 水質検査の業務規定に基づく届出をしている料金とか、実際に水質検査を受託するときの 料金、この点がどうなっているのかという部分でございます。また、水質検査の料金につ いて、算定の根拠はどうなっているのかとか、その根拠を公開することはできるかという 点もこの中に含まれるということでございます。  また、「水質検査の受託状況」ということですが、受託件数や営業区域、契約形態は直 接契約しているかどうなのかとかいう点とかですが、あと委託者への助言ということで、 水質濃度がある程度高かった場合に、その水質の検査の委託者に対して何らかの助言がで きるかどうかという部分について示しております。  次に、「検査方法」ということで、本日の委員会の中で議論がありましたが、試料採取、 輸送についてどのようなやり方でやっておられるのか。あとは、分析や検量線作成という ことで、実際に検査を行う内容についてどのようなことをやっておられるのかという点で あります。  あとは、「水質検査の結果の提供及び保管」ということですが、検査結果書以外にどう いう内容を提供できるのか、また、どういう内容を保管しているのかということでござい ます。  次に、「精度管理調査の実施状況」ということで、内部精度管理調査と外部精度管理調 査についての整理をすると。  次は、「水質検査時の技術的問題の発生状況」ということですが、これは委託者とも関 係するわけですが、採水時の問題とか再委託などの問題もあるということも考えられます ので、この点も整理をする必要があると。  次に3番目に、厚生労働省の登録検査機関への指導・監督状況ということですが、「登 録検査機関の登録・更新手続き」の内容はどうなっているのか。検査体制、標準作業書な どの文書等の確認が中心になっているということでございます。  また、次の「水質検査業務規定の審査」、受託件数の上限や検査料金というのが業務規 定に書かれているわけですが、こちらのほうの内容の整理をしておく必要があると。  次に「外部精度管理調査」、現在、階層化評価、あとはZスコアーがよくない場合の実 地調査による改善指導を行っているわけですが、この点の事実関係を整理をしていく。  次に、「水質検査機関の日常的な検査業務の指導・監督」でございます。現在は、外部 精度管理調査の実地調査が実質的な日常的な検査業務の指導・監督になっているのかなと 思いますが、この点の今の事実関係を整理していくということでございます。  これらの現時点の今の取組などを整理をするという部分が、まず1.でございまして、 これらの水質検査を取り巻く状況を踏まえまして、以下の視点から取組の基本的な方向性 を検討いただけないかと。  まず1つ目が、水道水質検査の特徴ということで、「基準項目等の逐次改正や検査法の 向上に伴う水道水質管理の向上への柔軟な対応」。あとは「医薬品分野や食品分野と比較 した水道水質検査の特徴」。商品としての信頼性はどうなのか。水質濃度が極めて清澄で あると。あとは、その一方で原水など汚染事故の可能性があると。この点、ほかの分野と 比較した水道水質検査というのはどうなのかという点ですね。  また、2番目に水道事業者等の水質検査ということですが、「水道事業者等の水質検査 実施の責任を踏まえた水道水質の精度管理の確保」と。水道法20条に基づいて水道事業者 は水質検査を実施しなければならないというふうになっておりますので、水質検査の実施 については、自主検査の場合も委託する場合も一定の責任を持っているというふうに考え ますが、そのための精度管理の考え方をどう考えるのか。  また次に、「水道事業者等の水質検査委託時における適切な水質検査実施の確保」とい うことで、業務委託をするときにどのように適切な業務委託を保つのか。あとは、検査結 果の確認をどうすべきか。緊急時の対応をどうするべきなのか。  また、次に「水質異常時の危機管理体制の確立」と。事故などが起きたときに検査依頼 の速やかな対応をどのように体制を確保していくのかという点をこちらに書いています。  3番目に登録検査機関の水質検査ということですが、1つ目に「適切な検査を確保する ための検査料金の確保」と。これについては競争入札による価格競争と、その一方で、適 切な検査の確保という部分がトレードオフになっているのかなと思うんですが、この点を どう考えていくのかという点。  あと、次の2つ目、「登録検査機関の適切な水質検査の確保」ということですが、登録 検査機関が登録時において定める検査体制、標準作業書に示される検査方法の履行、精度 管理の確保、また不適切な検査の是正、この点をどう考えていくのか。  また、「水道事業者等の水質検査に関する能力」。これは水質検査部門や技術系職員の 有無などに応じた登録検査機関が果たすべき役割をどう考えるのかと、こういう点が考え られるのかと思います。  また、4番目として厚生労働省の登録検査機関への指導・監督ということですが、「水 質検査委託時の水質検査の信頼性を確保するための厚生労働省の登録検査機関への指導・ 監督」をどう考えるか。今、登録をする際に書面審査を行っていますが、その取組の方向 性、また日常業務の検査についてどう考えるのか、あとは現行の外部精度管理調査と日常 業務の検査というのをどう考えていくのかという点がこちらのほうに書いてあります。  3.に具体的な方策の検討でございますが、2.の取組の基本的方向性を踏まえて、水 質検査の信頼性確保に関する具体的な方策を、以下の事項ごとに検討をお願いできないか と考えています。  1つ目が、水道事業者などが水質検査を登録検査機関に委託する際の取組に関する事項 ということで、例としては委託の条件または契約内容、水質検査計画の内容、あとは検査 結果の確認事項の具体化などが考えられるのかなと考えております。契約内容、検査結果 の確認事項については、日本水道協会に設置する作業会合で原案を検討いただけないかと いうことで、日本水道協会の西野委員にお願いをしているということでございます。  次に、登録検査機関が実施する検査方法に関する事項ということで、検査の実施行為の 追加。現在、検査方法は標準作業書などの文書の作成と、あとは体制の整備が主なものな んですが、中に検査の実施内容について追加するということが考えられのではないかと。 あとは、検査公定法に定める検査内容を具体化するというのがあるのではないかというこ とが書いてあります。  また、厚生労働省による登録検査機関への指導監督に関する事項としては、登録など書 面審査事項の充実、帳簿備付け事項の追加、あとは外部精度管理調査とは異なる日常水質 検査業務の検査の実施などが考えられるかなと考えております。  この点、今、事例としてお示ししておりますが、取組の基本的方向性と併せて具体的な 方策というのを検討会でご議論いただければというふうに考えております。  それで、今後のスケジュールの予定ということですが、第1回は本日ということですが、 第2回は6月7日に2時からということで、先ほど座長から紹介ありましたが、水道事業 者に対するアンケート、あとは登録検査機関に対するアンケートというのを厚生労働省が 実施していますので、その調査結果をお示しすることを考えています。また、委員の方の ヒアリングも第2回と、あと第3回に分けてお願いしようというふうに考えております。 次回はそういったアンケート調査結果と委員のヒアリングを受けた議論ということでお願 いしたいと思います。  第3回目は、委員のヒアリングも一部ありますが、それと併せて課題・論点の整理、あ とは日本水道協会さんのほうで検討をお願いしている契約内容、検査結果の確認事項等に ついてご議論をお願いしたいと考えております。  報告については、年内を目途に取りまとめをお願いしたいと思っております。第3回終 わった後も3回程度開催をして、取りまとめをお願いしたいというふうに考えております。  以上です。 ○安藤座長  ありがとうございました。  いかがでしょう、今後の検討の進め方ということでございますけれども。  どうぞ。 ○西村委員  アンケートはもしも追加のアンケートが可能であれば、今日実際に内部精度管理を実施 した機関数の統計がありましたけれども、できればそこで、全部パスをしているのかもし れませんけれども、そこで何か問題・課題が挙がったかどうか、また、その是正措置をど うしていくかというところまで踏み込んで、もしもアンケートがとれたらば、とっていた だけたらなと思っています。精度管理、ここでは釈迦に説法かもしれませんけれども、す るという行為自体ではなくて、何か課題を抽出をして、それを是正するというところで多 分満足すると思いますので、その辺のところまでちょっとアンケートがとれたらというこ とでお願いしたいなと思います。 ○松田室長補佐  次回の検討会まではちょっと間に合わないかもしれませんが、考えていきたいと思いま す。 ○西村委員  はい。次の機会にでも、また機会があればということでお願いしたいんですけれども。 ○松田室長補佐  分かりました。 ○安藤座長  この問題は、アンケートをとってその実態を知りたいというこちらの意思はあるんです が、それが正確なアンケート結果になって出てくるかなという若干の疑義もありますので、 本当にこれをよくする、つまり登録機関にお願いしている検査機関が安全な水を市民に供 給できるという、その最後のとりでなわけですから、問題点をつまびらかにしていただく ようにお願いしたいなというふうにつくづく思います。  そのほか、この今後の進め方で、ここはこうしたほうがいいんじゃないか、あるいはこ れを加えてほしいというご意見がございますでしょうか。  はい。 ○杉本委員  意見というか、ちょっとお伺いしたいところなんですけれども、一番最後の具体的な方 策の検討のところで委託条件とか契約内容とかがありますが、全体的に水道の水質検査の ほうの信頼性を確保するという意味で、資料3−4で不正行為というのが出てきたんです が、これについても委託条件とか契約内容からチェックができるような内容に詰めていく という方策をとるということでよろしいんでしょうか。 ○松田室長補佐  資料3−4にお示ししたように、例えばここで資料3−4で香川県の内部で分かったの は、やはりクロマトグラフの情報ですね。委託者側が内容を見て、それが昨年のデータと 余り変わらないじゃないかということで不審に思って発覚したということがありますので、 例えばこういう資料3−4に基づくような措置というのも一つ参考になるのかなと。検査 結果の確認事項の具体化に当たって、どういう書類というのを見るようにするのかという 点で参考にはなるのかなというふうに思います。 ○杉本委員  何か余り厳しくし過ぎても負担が増えるばかりというところもあるわけですし、結局こ ういう不正がないような、そういうチェックができるような何か取決めができれば全体的 に信頼性も上がるのかなと思うんですけれども、そういうことも含めているんですね。と いうことですか。 ○松田室長補佐  負担が非常に大きくなるという部分もあろうかと思いますので、その点の配慮もしつつ、 ただチェックをしようにもチェックができないというのは、やはり問題だと思いますので、 チェックをする場合にどういう点を見ればいいのかという点を明らかにしていければとい うふうに思います。 ○安藤座長  はい、どうぞ。 ○吉田委員  今のに関連することですけれども、この委員会ではもともと登録水質検査機関さんに事 業体が水質検を委託するときの不正が何件かありましたということで、そういう不正が発 生しないような仕組みづくりということをまず検討するというのと、あともう一つは、不 正ではないんだけれども精度が余りよくないねと、その精度を向上させるためにはどうす ればいいのかと、この二つが本検討会の成果品のイメージということでよろしいんでしょ うか。その上で、当然チェックするサイドの発注者としての水道事業者としての精度管理 はどうあるべきだとか、そういう検討が付随しているということでとらえていいのかどう か。  というのは、最後の資料のところに、かなりいろんな登録検査機関以外の、例えば水道 事業者とか地衛研の精度管理の実態とかそういうものも入っているものですから。もっと も検討会の運営要綱では、あくまで登録水質機関に委託する際の信頼性向上ということが 書いてあるわけですけれども、実際の検討は水道事業者、地衛研、20条登録業者全ての 者の水質検査の信頼性を向上させるためにはどうすればいいんだという検討まで広げると いう意味なのかどうかというのを、教えていただきたので。 ○松田室長補佐  今、事務局として考えているのは、あくまでも登録検査機関、水道事業者等が登録検査 機関に委託をする場合の取組というのを中心に考えております。ただ、今回の会議資料に は、今の水道事業者や地衛研の結果というのも、現在の実施体制の中でどうなっているか ということで、参考までにお示ししたというもので。ただ、こちらのほうの水道事業体や 地方衛生研究所の精度管理の取組については、これはこれで大事なものだと思っています ので、これは引き続き実施をお願いするような形で、我々からもお願いしていきたいとい うふうには思っています。  こちらのほうの具体的な方策の検討で、登録検査機関が実施する検査方法に関する事項 というのを書いておるわけなのですが、まず、ここの文を書いている趣旨というのは、登 録検査機関に対しては今、水道法上、厚生労働省による指導・監督の規定があるというこ とで、本日、資料2−2に基づいて説明をしたところなのですけれども、例えば厚生労働 省が登録検査機関の実際にやっている検査を見るに当たって、検査方法が水道法に基づい て定められているわけなのですけれども、この部分について今、水道法で定められている 検査方法というのは検査の実施体制と標準作業書などの文書を作成することということに なっておりまして、この検査の実施内容については書かれていないという部分があります ので、例えばこういった点をもう少し具体化をしていただくことによって、厚生労働省に よる登録検査機関に対する指導というのもできやすくなるようにお願いできないかなとい うふうにも考えておりまして、その点でこの登録検査機関が実施する検査方法に関する事 項ということで入れさせていただいておるというところでございます。  ですから、水道事業者さんが水質検査機関に委託をする場合の取組と、それと登録検査 機関さんが実施する検査方法と、あとは我々が登録検査機関に対する指導・監督をどのよ うに充実していくか、この3つを組み合わせることで水質検査の信頼性というのを確保す るようなことを考えていたということで、こちらのほうに資料として書いているといった ことでございます。 ○吉田委員  分かりました。 ○安藤座長  どうぞ。 ○西村委員  今、松田室長補佐さんのほうからご意見がありましたけれども、その辺について検査法 の内容自身も少し考えなければいけないかなというところも幾つか今日のご説明であった と思うんですけれども、例えば精度管理でまず大きなところでいくと、SOPを作らなけ ればいけないということは書いてあっても、それが実際、精度管理の検討に、私もやって いましたし、今やっていらっしゃるところで今日も指摘があったと思うんですけれども、 そのまま丸写しになっていて、実際SOPはそれぞれの検査機関で独自のものを作ってい くというのがあるんですけれども、そういうところの不備もあるということもありますし、 また、検査方法のところで、できるだけそういう点でSOPをそれぞれの機関で大筋は間 違えないようにしておいて、ある程度フレキシブルというか、自由というわけではないん ですけれども、自由度を高めた形で作ろうということで今のところできているところです けれども。  やはり今日は精度管理の報告のところで課題として挙がっていましたように、例えば検 量線が不備であるとか、それから標準液が不備であるとかいう、原則的なところも結構課 題として挙がっているというところで、その辺はこれから議論だと思うんですけれども、 例えば検量線をどう引かなければいけないかとか、標準物質はどう作ってどう保存するか というところを細かいところまで、ある程度どこかで書くと。その辺はどこにどう書くか というのもあると思いますけれども、やはりそういうところまで踏み込んでいくところも あってもいいのかなと。それがあれば、今ご指摘のあったところで、例えば指導とか監査 とかいうところで、こういう点でチェックポイントがあるんだよというところが見えてく ることもあるのかなというふうに、ちょっと今聞いていました。  例えば検量線、何点引けばいいかと。ある程度、今までは分析学の自由度で何点引けば いいというのがありますけれども、じゃ2点でいいのか3点でいいのかと、これは議論が あるので、やはりその辺のところも明確にする必要があるのかなというのは、ちょっと聞 いていてありました。  もう一つ、そういうことがはっきりすれば、例えばそういうところを、協会さんのほう で作っていらっしゃると思うんですけれども、契約のときにそういう情報をある程度書い て、そういうものを出しなさいと。また、それに対するデータも出すようなという、そこ は検討していただくと思うんですけれども、そういうところに反映もできるのかなという のをちょっとお聞きして、次回からそういう議論になると思うんですけれども、実はちょ っと私、次回欠席の指定になっていますので、そういうところも含めてちょっとお話しさ せていただいたので、議論していただければと思っています。 ○寺嶋委員  私の理解が正しいかどうかということで、ちょっと確認したいんですけれども、登録検 査機関については登録の要件というのが定められていますよね。そういったことについて は今現在、それは一応想定どおり機能しているんだと。その登録の要件をさらに効果的に 活用するような方策について、ここで議論できないか。そういうことをここで検討するん じゃないかなというふうに理解したんですけれども、それでよろしいでしょうか。 ○松田室長補佐  登録要件については必要最小限なものが定められていますので、これはこれで現時点で 我々もワークしているんだというふうに理解しております。ただその一方で、登録した後 の検査機関の検査の内容がどうなのかという点がありますので、その点の取組について必 要な事項を検討していただければというふうに考えているということでございます。 ○寺嶋委員  それで、この資料4の取組の基本的方向性のところで、登録検査機関について今後、水 道事業者等の水質検査に関する能力に応じた登録検査機関の果たすべき役割ということで 示されているんですけれども、これについては登録の要件にはたしか入っていなかったの かななんていうふうに理解しているんですけれども、この点について、特に小さい規模の 事業体さんなり専用水道の方で、どのような要望をお持ちなのかというのも、どこかの時 点で調査していただければなというふうに思います。よろしくお願します。  以上です。 ○安藤座長  私の個人的な意見も若干申し上げますと、今日は非常にソフトなお話なんです。一番大 きなお話は、検査料金がやたら下がっている。下がることは基本的にいいことだと思うん ですね。ですが、西村先生もあるいは杉本先生も、検査法を作っている立場からすると、 これはあり得ないだろうという料金で受けている。ということは、何が起きるだろうかと いうことをお考えいただきたいということなんですね。当たり前のことわざで「悪貨は良 貨を駆逐する」という、まさにこれが起こり得るということになるわけなんです。ここの 問題というのは非常に大きくて、それが結局、検査データにはね返ってくるということに なる。つまり、中小の水道事業体の方は実はそれは分からない。これはまずいだろう。だ れがその恩恵というか、逆のネガティブなお話を受けちゃうんだろうか、これを考えなけ ればいけない。この検査については、それを知っている方というのはそう多くはないとい うことなんですね。  そういうことからすると、この検査制度というのはちゃんと精査しなければいけないと いうことだということは思うんです。この動きというのは、別に水道の水質検査だけでは ないんです。環境省サイドの検査体制でもいろいろ問題が起きている。もちろん食品でも 起きる。そのほか、いろんな分野で起きる。例えば最近の核拡散防止条約、あれを考えて みても、監査をどうするかというのはものすごい議題なんですね。それは日本がその技術 を出しますよ、つまりそういう議題なんです。つまり、データを出すということは、それ に対する保証というのが必ずつきまとう。それをちゃんと考えていただかなければいけな い。  確かにコストは上がるかもしれない。だけど、だれがその恩恵を受けるか、これを考え つつ皆さんと議論をしていただきたいなというのが私の切なる願いでして、特に大きな水 道事業体はさほど、自前でもしとんでもないデータあるいはどこかでチョンボをすれば、 自分の水道事業体の受給者が迷惑をこうむるわけですから、それはそれで構わないとは申 し上げませんけれども、中小の水道事業体は何もないわけですから、ちゃんと我々が担保 してあげないといかんだろうと。その体制を作るべきだというのを私は常々思っていまし て、今の体制になったら、体制としては非常にちゃんとやっているようには見える。見え るけれども、じゃ、その中身は本当にちゃんとチェック体制ができているのかというと、 これは極めて危なっかしいなというふうにならないようにしていただきたいなというのが、 つくづく私の思うところであります。  ちょっと私自身のコメントを申し上げまして、申しわけございません。  そのほか、ございませんでしょうか。 ○吉口管理官  今、安藤座長のほうから、料金の面で厳しい競争があるというご指摘があったわけでご ざいますけれども、料金の設定自体につきましては、各登録検査機関によって実施の体制 ですとか事情の異なる面がありますので、差が出てくること自体は仕方がない面もあろう と思います。ただし、座長ご指摘のように、受注競争のために水質検査の適切性・信頼性 を損ねるようなことが横行するようなことについては、私どももこれを防がねばならない と思ってございますので、そういった意味で、今日のペーパー、たたき台にも示してござ いますように、委託に当たってどういった取組を進めるのか。それから、登録検査機関の 方が検査いただく際にどういった取組を進めるのか。我々、登録審査しまして指導・監督 をする厚生労働省としてさらに何ができるのかといった面から、取組を進めることによっ て受注競争によって信頼性が損なわれる、そういったことがない方向でまとめていければ と事務局のほうでも考えてございますので、ご検討をよろしくお願いしたいと思います。 ○安藤座長  そのほか、ございますでしょうか。  どうぞ。 ○山崎委員   私どもは、登録検査機関の集まりでありますけれども、今、安藤先生がおっしゃったよう に、安いだけがいいわけではない。当然のことでありまして、私どもも、きちんとした検 査をするためには一定の経費がかかります。ただ、私どもは受注する立場でありまして、 発注者が料金の安いほうを契約するということになりますと、私どもは弱い立場でありま すから、だんだん料金を下げないと受注できないという状況になります。実はそういう状 況にあるということをご理解いただいて、私どもは決してそれを望んでいるわけではあり ませんので、できればきちんと検査の精度や管理ができている体制、それが評価される契 約ができるような形をお願いしたい。そういうところの議論をお願いしたいと思います。 ○安藤座長  どうぞ。 ○小笠原委員  今、受けられるほうの立場でお話しされたと思いますが、発注者側の立場としても非常 につらいところがあるんですね。今のお話の繰り返しになるかもしれませんが、先ほど座 長が言われましたように、どの分野でも発注業務というのは随意契約というのは極めて難 しい状況に置かれまして、やはり指名競争なり一般競争にしろというのが、市町村の方針 ということが基本に据えられておりまして、どうしても価格競争に巻き込まれてしまうと。 それを何とか、その中にあってもいかに精度を保っていくかというのが非常に難しいこと だと思いますが、何とかやっていかなければならないんだろうなと思います。  先ほどのデータにもちょっとありましたけれども、自治体の委託料が減っているという のはそういうところにあると思います。自治体の水質試験検査料というのは条例で定めら れておりまして、安くすることはできないというので競争力はまったく働いておりません で、どうしてもいろんな登録機関と価格を比較した場合には安いところへ安いところへ委 託してしまいます。財政当局が了解しないという事情があるわけですね。そういった中で、 実際に中小の水道の現場の方々が悩んでいるのは、本当は今まで頼んでいたところにずっ とやってほしいんだと。例えば事故があったときにでも、現場をよく知っていただいてい るので、すぐ助言なり対応をしていただけると。それが、毎年毎年発注先が替わっていく と、それもできない。継続的な指導も受けられない。そんな悩みもありますので、一番悩 みの多いところだと思いますが、この検討委員会でぜひ検討願えればありがたいなと思い ます。 ○安藤座長  今、お話を伺った話、まさに大事なところでございまして、松田さんが最初のところで おっしゃったように、水道の水質というのは基本的には水道事業体自らがやるんだと。そ れができない場合はこうやるんだ。それは水質基準に適合している否かのみじゃないんだ というお話なんですね。そこが完全にこの制度になって抜けちゃったなというのは非常に 私も危惧しておりまして。そこいらも含めてちゃんと考え直さなきゃいけないなと。確か に随意契約ということで、それはいかんということになっちゃってもおりますので、ここ を何か仕組みをちゃんと考えないとまずいなというのをつくづく思うということですね。 私ももっともなお話だと思いますけれども。  はい。 ○齋藤委員  私、群馬県の中小事業体の代表みたいな形で出席させていただいています。  そういう中で、やはり県内においても平成15年の法改正、以前は各事業体みんな水質検 査機関を持っておりました。そういう中で、この15年の法改正以降、10万、20万、プラス の事業体が水質検査を委託するような傾向が出てきております。そういう中で、一番のこ ういう問題の起きる原因というんですか、そういうところは、やはり事業体の中に水質を どれだけわかっている職員がいるか、緊張感を持って登録検査機関に委託できるか、お互 いがですね。そういうことかと思うんですよね。登録検査機関同士の料金の緊張感が一番 のウエートになっていて、登録検査機関が検査の結果に対する事業体との間の緊張感です か、そういうものが薄れてくると当然こういう問題が生じてくるのかなというふうに考え ております。  登録検査機関の登録基準にはかなり厳しいものがありますから、そういう中でもこうい うことが起きてくるわけですから、この辺は単に登録検査機関だけの内容を検討すればい い問題ではなくて、そこに仕事を出す側の水道事業体側のスタンスはどうあるべきかとい うところまで掘り下げるというか、そこまでいかないと、こういう問題というのはいつに なっても必ず起きるんではないかなと感じております。意見です。 ○安藤座長  私も実はそう思っていまして、この問題というのは、いわゆる依頼する側の水道事業者 側が、どれだけそこの給水の人方の安全を考えているかということにもなるわけで、まさ に事業者側も相当考えていただかなければ困るという観点からすると、水道協会が中小水 道事業体の管理者に対して、いろいろと教育なり何なりをしていただきたいなというのが つくづく思うお話ではございますが、何かございます? ○佐藤委員代理  直接、安藤先生に対する回答にはならないかもしれませんけれども、先ほど齋藤委員も おっしゃったように私たちがある件でアンケートをとり水質検査結果を頂いたのですが、 多くの場合、検査結果は定量下限値未満(mg/L未満)等の表記方法で記載されているのが 普通なのですが、なかには、どのような標記方法が良いかどうかの判断ができずに、基準 値未満という標記の検査結果書を平気で受け取っている事業体さんもあるんです。まさに さっきから話に出ているように、委託に出す側をどう教育するかということが重要だと思 うのです。  また、私たちは、水安全計画に関する検討のなかで、小さな事業体、人口が2万人くら いのところに協力をいただいたことがあります。その事業体は水道課という課はあるので すけれども、技術者は1人しかいないのです。その人は、浄水場の運転管理から水質検査 の委託までやっているということでした。実際は土木職とか機械職とかの方が担当してい る場合がほとんどだと思うのです。このように、水質に対する知識をあまりもっていない というのが実態なのです。  そういう方々に、本当に民間に仕様書を作って委託にしろよと言っても多分できないと 思うので、そういう意味も込めて私たちは本当に小さなところでも何とかなるような仕様 書を作っていこうかなというふうに考えております。 ○安藤座長  これから日本水道協会もそういう方向にいろいろ検討していただければありがたいなと いうふうに思うんですが、そのほかご意見ございますでしょうか。  よろしゅうございますか。  それでは続いて、その他として事務局、何かございましたらご説明願います。 ○吉口管理官  その他は特にございませんが、本日、長時間にわたりましてご検討をいただき、また、 ご協力によりまして予定の時刻どおりとなってございます。本日ご議論いただきました議 事の要旨ですとかあるいは議事録につきましては、各委員の先生方にご確認をいただきま して、その上で公開をしてさせていただきたいと考えてございます。  それから、次回の検討でありますけれども、今日の説明の中で松田のほうから申し上げ ましたように、6月7日の午後2時からということで予定をしてございます。第2回検討 会ではアンケート結果の報告をさせていただきますとともに、委員の先生方の中からヒア リングをさせていただくことなどを考えてございます。また次回につきましてもよろしく お願い申し上げます。  本日はどうもありがとうございました。 ○安藤座長  どうもありがとうございました。 (了)