10/03/26 第9回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会議事録 第9回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会議事録 1.日時:平成22年3月26日(金)10:00-11:30 2.場所:厚生労働省6階 共用第8会議室 3.出席者:   〈五十音順〉    飯野委員、飯森委員、石名田委員、大井委員、落合委員、嘉山委員、    木下委員、菅野委員、高橋委員、土屋委員、中瀬委員、中田委員、    中谷委員、根本委員、針谷委員、藤原委員、宮地委員、柳澤委員、横田委員、    吉田委員 4.議 事  (1) ICD改訂に関する動向について  (2) ICD-10の一部改正に対する意見提出について  (3) その他 5.議事内容 ○疾病傷害死因分類調査室長 それでは、予定の時刻となりましたので「第9回社会 保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会」を開催いたします。  お手元の資料の確認をさせていただきます。  資料1−1「ICD−11改訂に関する動向について」。  資料1−2−1「内科TAG」。  資料1−2−2「筋骨格系TAG」。  資料1−2−3「精神TAG」。  資料2「ICD−10の一部改正に対する意見提出について」。  参考資料「4月内科対面会議議事案」。  過不足がございましたら、お知らせください。  本日は、伊藤委員、岩下委員、大江委員、北村委員、相楽委員、田中委員、増田委 員、松岡委員、渡辺賢治委員、渡辺重行委員が御欠席でいらっしゃいます。  それでは、以後の議事につきましては、藤原委員長にお願いいたします。 ○藤原委員長 おはようございます。  では、議事1に入らせていただきます。「ICD−11改訂に関する動向について」、 事務局及び各担当者から御報告をお願いいたします。まず、事務局からの御報告、よ ろしくお願いします。 ○疾病傷害死因分類調査室長 それでは、資料1−1をごらんください。前回の委員 会以後の改訂に関する動向についてとりまとめました。  平成22年1月29日に第1回の国内腫瘍TAG検討会を開催いたしました。この検 討会におきましては、ICD−11のα版の発表を受けて、ICD専門委員会において 決定されました担当範囲の内容を検討することになっております。  それから、2月に、WHOの死因分類改正グループ、教育委員会の年次会議がドイ ツにて行われました。続きまして、疾病分類グループ、国際分類ファミリー拡張委員 会の中間年次会議も同じくドイツにて行われております。2月23日には国内内科T AG検討会が行われまして、年間の活動のまとめや、各ワーキンググループの進捗状 況の確認が行われました。  3月に死亡統計の自動化に関する国際共同研究会議、言語に依存しないオートコー ディングシステム会議がドイツにて行われております。  今後の予定ですけれども、4月の初めに内科TAG対面会議が日本にて、その前に 内科TAG消化器WG対面会議が予定されております。また、4月中旬には改訂運営 会議、執行小委員会、iCampがWHOの方で予定をされております。  以上でございます。 ○藤原委員長 ありがとうございました。  それでは、各TAGから御報告をお願いします。まずは、内科TAGの動向につき まして、菅野委員から御報告をお願いします。 ○菅野委員 それでは、資料1−2−1をごらんいただきたいと思います。  先ほども少し触れられておりましたけれども、内科TAGの国際会議は、第1回が 昨年の4月7日〜9日、日本内科学会の協力を得まして、東京国際フォーラムで開か れております。第2回はスイスのジュネーブで、これは参加者がかなり少なかったの ですが、11月3日〜6日、WHOを交えて対面会議を行っております。また、第3回 は、来月初頭にやはり日本内科学会の御協力を得まして対面会議を行う予定でござい ます。  この間に、電話会議を何回か開催しております。ここに記載してあるとおりでござ います。  3番目に、内科には、腎臓、循環器、呼吸器、消化器、肝胆・膵が別個のワーキン ググループと位置づけられておりますが、血液、内分泌、リウマチと8つの領域をカ バーしております。神経に関しましては、WHOの意向もございまして、内科ではご ざいませんで、別のTAGが立ち上がる予定になっております。  各ワーキンググループには、そのほかの領域ですと1つのTAGに当たるわけでご ざいますので、それぞれのワーキンググループは、それぞれの国際会議等々で別個の グループ会議を持っております。これらについては、資料が別にございますし、今日 お見えになっている委員の方がいらっしゃいますので、例えば、腎臓ですと飯野先生、 リウマチですと針谷先生がそれぞれのワーキンググループの議長、あるいは共同議長 を務められておりますので、そちらの方から報告していただきたいと思います。  私は内科ならびに消化器病学会も兼ねておりまして、消化器、肝臓・膵臓のWG、 資料1−2−1の(4)というところを少し触れさせていただきたいと思います。  これにつきましては、既に組織構成が決まっております。消化器病学会の財政支援 の下に、WHOの会議の前に東京で対面会議を開く予定にしております。既に定例カ ンファレンスをこれらのグループ内で始めておりますし、実際にICD−11に関しま しての骨子、フレームワークを出す必要がございますが、これに関しても、既に骨子 案が出され、4回目の改訂がなされているという状況でございまして、これを基に、 ICD−11αについての提案を、5月が最終リミットになっておりますけれども、提 出する予定にしております。ということで、順調に消化器、あるいは肝胆・膵のグル ープのICD−11αバージョンに向けての準備状況は整っているという状況でござ います。  あと、腎臓WGは、詳細は飯野委員から御報告があると思いますが、一番先行して いるグループでございまして、既にフレームワーク、あるいは何回かの対面会議を経 ていると聞いております。  循環器WGは、ワーキンググループ議長の決定が遅れた関係で少し進捗が遅れてお りますけれども、興梠先生がこちらのエディトリアルマネージャーとして任命されて おりまして、Gersh教授が議長になっておりますので、今後、順調に推移してくるも のと考えております。内科対面会議にもGersh先生がお出でになる予定でございます。 委員の構成は決まっておりますので、今後、活動が順調に推移すると考えております。  血液につきましては、既に骨子案は Fibbe先生から出されておりますけれども、 実は、これは日米欧という3極で主な改訂案をつくってしまったところがございまし て、WHOから見ますと、グローバルリプレゼンテーションになっていないというこ とで、少しクレームが入っております。従いまして、委員のグローバルリプレゼテー ションをきちんと重視してくれという要請をこちらから出しているところでござい ますが、基本的な考えは出されていると考えてよろしいかと思います。あとは、そう いったグローバルリプレゼンテーションができた段階で、その改訂案についてのコン センサスを得る必要が出てくることになります。  呼吸器につきましては、なかなか進捗が遅れておりましたけれども、Ingbar先生が 議長でございますので、厚労省が、委員の選定を急いでくれというふうに督促して、 後から御報告の追加があると伺っております。  内分泌につきましても、少しメンバーの選定が遅れておりましたが、島津先生が議 長でございましたけれども、非常に大きな分野である、糖尿病の議長がやはり必要で あるということで、米国のジョンスホプキンスのSaudek先生にお願いしたところ、 快く引き受けていただけるということで、対面会議にもお出でいただくという状況で、 ようやく準備が整った段階でございますが、まだフレームワークができる段階には至 っておりません。  リウマチについては、これも非常に先行しておりまして、Jonathan Kay先生、それ から、針谷先生が議長、共同議長を務められておりまして、ほぼ骨子案ができている ところでございまして、これについては針谷先生から御報告をいただくということで、 よろしくお願いしたいと思います。  以上でございます。 ○藤原委員長 ありがとうございました。  それでは、腎臓WGの飯野委員、お願いします。 ○飯野委員 それでは、腎臓WGから御報告いたします。資料1−2−1(1)です。  1年間の活動は、そこに書いてありますけれども、裏面を見ていただきますと、腎 臓WGのメンバーが書いてあります。私とLesley Stevensが共同議長として務めさ せていただいて、各国から委員が決まっております。  戻りまして、1−2−1(1)ですけれども、2009年4月7日〜8日、菅野委員から既 に御紹介のとおり、内科TAGに出席しております。  それから、2009年5月24日にミラノで行われました国際腎臓学会の会期中に腎臓 WGの第1回目の対面会議を行いました。  それから、6月3日に日本腎臓理事会・総会で今までの経過を報告いたしました。 既に日本腎臓学会ではICDの改訂の委員会をつくっております。  9月22日〜10月2日まで、iCampに参加しております。  10月に入りまして、アメリカ腎臓学会でグループ員と意見交換並びに国際腎臓学会 の会長への要請を行いました。  続いて、11月3日〜6日まで、内科TAGの対面会議に参加しております。  今年の3月に入りまして、腎臓WGの電話会議が行われました。  今後の予定では、毎月電話会議をワーキンググループで行う予定になっております。 その中では、移植後の拒絶反応とか、そういう分類、あるいは電解質代謝、高ナトリ ウム尿症を入れるかどうか、そういうものを検討しております。それから、オーバー ラップをしております高血圧、あるいは内分泌の疾患、そういうものも検討を行って おります。  以上です。 ○藤原委員長 ありがとうございました。  それでは、呼吸器については、事務局から、よろしくお願いします。 ○疾病傷害死因分類調査室長 事務局から簡単に報告いたします。  呼吸器につきましては、アメリカ呼吸器学会のDr.Ingbarが議長でありまして、メ ンバーリストにつきましては、菅野委員から今、御報告があったとおりでございます が、来週初めにはWHOに提出できそうだということでした。  また、構造提案につきましては、既に日本の呼吸器病学会から案が提出されており ますので、それに基づいた案をワーキンググループとして作成する予定だということ です。  以上でございます。 ○藤原委員長 ありがとうございます。  続きまして、針谷委員から、リウマチについて、よろしくお願いします。 ○針谷委員 それでは、資料1−2−1の(7)をごらんください。  リウマチWGは、University of Massachusetts Medical SchoolのJonathan Kay 先生を議長にして、私が共同議長になりまして、資料の裏面にあるようなメンバーで 会を構成しております。  今年1年の動向ですけれども、まず、昨年の4月にKay先生が来日して、内科の東 京国際フォーラムで開かれた会議に出席していただきました。そこで彼が持ってきた 原案を発表して、その後、10月の米国リウマチ学会の期間中にフィラデルフィアで対 面会議を持ちました。そこでKay先生からメンバーに、今回の改訂に関する紹介、彼 の原案の提示がありました。その後、10月から12月にかけて、その原案に関して幾 つかメールで意見交換が行われております。  今年に入ってから、皮膚科のTAGとのメール会議がありました。一般にリウマチ 性疾患に関してはConnective Tissue Diseasesという名称がICDの中でも使わ れていますが、これに関して皮膚科の方から、もう少し全身性リウマチ性疾患にふさ わしい名前にした方がいいんではないかという提案がありました。候補としてMulti system auto immune/autoinflammatory diseasesという名称が挙げられております。13章の中に リウマチ性疾患が入っているわけですが、ICD−11でも13章のままにするのか、 あるいは、こういった名称の下に全身性リウマチ性疾患を別の章として取り出すのか に関しては、まだ最終的な合意はできておりません。  最後に、5月までに提出するαドラフトの準備ですけれども、Kay教授が出した原 案を基に、私の方でプレαドラフトの内容例示表をつくりまして、エディトリアルマ ネージャーにそれを一回送って、チェックしていただきました。これからそれをリウ マチWGのメンバーに提示して、更に皆さんの意見を入れて、5月までには改訂の概 要を踏まえたαバージョンを出せるように準備を進めております。  以上でございます。 ○藤原委員長 ありがとうございました。 ○藤原委員長 よろしいですか。それでは、以上で内科TAGを終わらせていただき まして、続いて、眼科TAGの動向につきまして、増田委員が本日御欠席ですので、 代理として柏井国際WG協力員より御報告をお願いいたします。 ○柏井国際WG協力員 実は、本来だったら2月中に眼科のフレームワークを終了し て、WHOにそれを出す予定でしたが、新年明けても我々学会のワーキングが全員冬 眠中で、何ら音沙汰なく静かにしていましたところ、3月10日にWHOのサラ・コ トラ係官と電話で連絡し合いまして、寝ていたらいけないということで、3月25日 に眼科の構造について意見をまとめて、3月29日には最終の形を送るようにという 連絡を受けまして、みんなびっくりいたしまして、急遽全員に連絡して、現在、その 構造を、ワードですけれども、表にまとめている最中です。  3月11日にロバート・ヤコブ担当官と同じく電話で連絡いたしまして、特に眼科 の場合には、視覚の方の障害の程度に関する程度分類があるんですけれども、これは ICD−10の形をとりあえずα版の場合には続けて、大きく改造しないようにという 指摘を受けまして、現在、それについて、ビジョンのグループが鋭意テーブルの方の 形をまとめている最中です。実際、昨日25日が締切だったんですけれども、10ある ワークグループのうち8グループはそれぞれワードの形で送ってきてくれました。2 グループがまだ来ていないんですけれども、中身はかなりオーバーラップしているエ リアなどがありまして、かなり調整しないといけないので、実際29日には非常に難 しい状況です。  眼科の方は、まとめますと、現在、10あるワーキンググループからの構造の提案に 関して、とりあえず受け付けたわけでありますけれども、中身についてはまだ検討し ていない段階という状況です。  今後の予定としては、5月3日にフォートローダーデールで眼科TAGとワーキン ググループとの対面会議を予定しています。たしか5月10日がデッドラインですの で、その前の調整として、その会議を予定しています。ただ、この会議に関しては、 この段階で幾ら調整を言っても、αバージョンには反映できないという指摘を受けて いますので、この辺のところをもう一度、サラさんとロバートさんに最終の形をどう いうふうにまとめるかを交渉しないといけないと考えています。  そして、6月5日から9日にベルリンで行われます国際眼科会議でもう一度、TA Gの対面会議を予定しています。この際、国際眼科会議のボードとの合同のミーティ ングになる予定としています。  以上が我々の状況です。 ○藤原委員長 ありがとうございました。  続きまして、医療情報TAGの動向について、中谷委員、よろしくお願いします。 ○中谷委員 それでは、医療情報TAGの活動について御報告させていただきます。  2009年度に実施された内容といたしましては、まず、5月に第1回対面会議をスイ スのジュネーブで行いました。その次に、8月にiCAT meeting、ツールに関する ミーティングをやはりジュネーブで行いました。その後、数名の先生が御参加されま したiCampを9月から10月にかけてジュネーブで行いました。その後、今年に入り まして、2月に第2回対面会議をやはりジュネーブで行いました。そのほかに、実は、 電話会議を月1〜2回程度行ってきておるんですが、いろいろ案件が増えてきたとい うことで、2月からは電話会議を毎週行っております。2009年度は主にツールである iCAT、それから、iCampについてのディスカッションを行いました。  ほかに、関連会合への参加というのが医療情報TAGの場合、必ず発生するんです が、それは昨年の3月にRSGに、それから、昨年の11月、内科TAGに参加させ ていただいて、あと、昨年は筋骨格系TAGに若干参加させていただいたこともあり ます。今年に入りまして東洋医学関係の会合がちょっと増えていて、そこにときどき 参加させていただいております。  HIM−TAGの今後の活動ですが、これまでとHIM−TAGの体制を少し変え まして、2010年度からは新たにサブコミティーという形で、メンバーを分割しまして、 その分割発足したサブコミティーごとに活動するということになっております。電話 会議は4月からはとりあえず毎週1回、それから、対面会議を10月に、まだ内容が 完全にはっきりはしていないんですが、iCamp2というものを4月に行う予定でお ります。  以上でございます。 ○藤原委員長 ありがとうございました。  続きまして、筋骨格系TAGの動向につきまして、石名田委員から、よろしくお願 いします。 ○石名田委員 整形外科の石名田でございます。  前回と同様に日本整形外科学会のICD検討委員会の委員長をしております杏林 大学の望月先生からお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○望月先生 整形外科学会の望月でございます。  資料1−2−2をごらんいただきたいと思います。表裏2枚になっておるんですが、 最初は前回の報告事項をまとめたものでございます。  1年前に東京で開かれました内科TAGの対面会議と同時期に開催させていただ きました第1回の筋骨格系の対面会議以後、筋骨格系TAGの組織構成は以下のよう になっております。本部はスウェーデンのルンドに置かれております。ここで皆さん に特に記憶にとどめておいていただきたいのは、マネージングエディターがスウェー デンで雇用されたAnnett Dahlさんで活動しております。ワークグループは以下の 8つのワークグループになっております。  2枚目を見ていただきたいと思います。2枚目の後半の部分が今回の報告事項でご ざいます。IIIのaです。本年の1月25日に、昨年の5月に提出した日本整形学会試 案を更に見直しまして、各ワークグループにこういうものはどうだろうというたたき 台で送っております。昨年と違うのは、整形科領域の腫瘍の部分と、骨粗鬆症とリハ ビリテーションのJOAの案を一応、提出しております。これにつきましては、IC D室に情報提供済みでございまして、皆様のところにも行っていると思いますので、 省略させていただきます。  したがいまして、bのことになるんですが、1月末にチューリッヒで開催予定であ った第3回の対面会議が中止となりまして、各ワークグループが独自にα版の最終稿 を出してくれというのが議長からありまして、それでまた各ワークグループがあたふ たしておりまして、先ほど針谷先生から紹介いただきましたRheumatologyは我々の ワークグループとかなり重複しておりますので、そのグループと、もう一つのグルー プ以外のワークグループから、改めて1月の末から2月にかけて、日本から委員の推 薦をしてくれということで、推薦した委員を中心に、5月10日のαバージョンの最 終締切に向けて活動しております。  昨日の情報でございますが、脊椎の部門については、既にAnnettさんの方に作業 を進めてくれという最終稿が届いて、鋭意活動している状況でございます。  以上でございます。 ○藤原委員長 ありがとうございました。  続きまして、外因TAGの動向について、横田委員、よろしくお願いします。 ○横田委員 国際委員の行岡先生に外因TAGメンバーとして入っていただきまして、 グーグルサイトのクローズなウェブを使って、、ウィキページ上で書込みをしながら 討議をしております。ただ、行岡委員以外は入ることができませんので、彼を介して 情報を得ておりましたが、正直なところ、昨年の12月にそれが立ち上がって、1月 ぐらいまでは熱心に討議をされていたようですが、最近ちょっと討議が止まっている ということです。  ディスカッションされている項目は4つございまして、1つは、外傷、脳損傷のと ころの分類を見直してはどうかということ。それから、20章に相当する、原因に関し て、自損の分類の位置づけをどうするかというディスカッション、3つ目が、原因の 構造、20章の枠組みといいますか、構成をどうするか。おおむね今のICECIの構 造をそのまま引き継ぐのかどうかといったディスカッションがされているようです。 4つ目が、ICDの章以外の外傷のコードをどうするか。  項目は挙がっているけれども、中身はないという話でした。ということで、ハリソ ン委員長そのものが、外因といいますか、外傷の分類よりも、疫学調査に資するとこ ろのディスカッションに集中しているものですから、日本からかねがね解剖学的な損 傷病名と多発分類をどうするんだということを投げかけているんですけれども、委員 からは何の反応もないということで、頓挫しているというのが正直なところでござい ます。  以上でございます。 ○藤原委員長 ありがとうございました。  では、精神TAGの動向について、飯森委員、よろしくお願いします。 ○飯森委員 資料1−2−3です。  昨年の秋に「精神および行動の障害のための国際アドバイザリー・グループ:AG」 の下部組織として「Formative Field Study Coordinating Group」というもの が組織されまして、このグループが中核的な役割を担っていくことになりました。メ キシコ、アメリカ、ブラジル、フランス、スペイン、ナイジェリア、中国、インド及 び日本の9か国が含まれておりまして、日本は私どもの方から丸田が行っております。  前回のAG会議で、より専門性の高い知識が必要とされる分野として、「児童及び 思春期の精神障害」、あと「知的及び学習障害」「パーソナリティ障害」「物質関連 障害」及び「プライマリケア」の5つが挙げられまして、ここでそれぞれワーキング グループを組織することが決定されました。これは前回報告しました。その後、WH OからAGメンバーを通して、各ワーキンググループの適任者を、これはface−to- faceで関与するんですけれども、推薦するように要請があったため、それぞれの関連 学会を通してWHOに履歴書等を送付しております。現在のところ、人選が行われて いる模様なんですけれども、どういうメンバーになるのかは公表されておりません。  上記の「Formative Field Study Coordinating Group」には、ウェブサイト を用いて「StudyA」と「StudyB」という2つの研究が準備されております。2つ の精神障害間の近似性を評価するというのが「StudyA」でして、あと、60の精神障 害を仕分けする「StudyB」が準備されていまして、特にこれはClinical Utility の向上に向けて世界規模の調査研究が行われる。ですから、専門性の高い幾つかの分 野、これは5つか6つになるかもしれませんけれども、「StudyA」と「StudyB」 が行われていて、あと、世界精神医学会WPAから日本精神神経学会にICD−10 の使用状況に関するアンケートを施行するように要請がありまして、アンケートの最 終版が完成次第、精神神経学会の会員に対してアンケートをやる予定になっておりま す。  次回のAG会議は6月21日と22日にWHOで開催予定で、当然のことながら、こ れにも出る予定でおります。  以上です。 ○藤原委員長 ありがとうございました。  では、神経TAGの動向について、中瀬委員、よろしくお願いします。 ○中瀬委員 神経TAGの動向について御報告いたします。内科等のTAGに比べて 立ち上がりが非常に遅れていたんですけれども、昨年から今年の1月にかけて2回ほ どジュネーブでミーティングがありまして、TAGの構成が決まりました。TAGの 議長は、Shakir教授が英国で議長を取っております。参加メンバーとしましては、7 か国からのメンバーがあって、合衆国、南アフリカ、インド、日本、ホンジュラス、 レバノンの8か国で構成されております。日本のメンバーとしましては、昭和大学の 河村教授にお願いしております。  このTAGはメンバー的に英語圏に偏っている印象はありますけれども、もう一つ の特徴として、11の関係諸団体の代表がその中に参加するという形になっております。 関係団体としては、Alzheimer's Disease International、International Brain Rese arch Organization、International Child Neurology Association、International Headache Society、International League Against Epilepsy、International Neuro psychological Society、Movement Disorders Society、Multiple Sclerosis Interna tional Federation、World Federation of Neurosurgical Societies、World Federa tion of Neurology、World Stroke Organizationと、かなり大きな分野の諸団体が 代表を送り込んでいると、そういう形になっています。 しかし、実際に活動の内容 がどこまで進んでいるかというと、構成は立派なんですけれども、中身の方は余り進 んでおりません。ICD−10から11に移行するところで、神経関係のものとしては、 ICD−10が一体どこから手をつけたらいいのかというのが非常に問題となるとこ ろですけれども、派生分類であるICD−10NA、neurology adaptationの第6章を 主に議論する。第6章のところを見ますと、神経内科をやっているものとしては、か なり合理的に出ている分類ですので、たたき台となるに値する分類であると考えてい ます。 今後はタイムスケジュールに沿ってやっていこうと思っておりますが、分野 に広いわけですから、国内の体制が本当に神経学会単独でいいのかどうか。これは全 体の動向を踏まえて、また関係諸学会の方々にお願いすることではないかと思ってお ります。 以上でございます。 ○藤原委員長 ありがとうございました。  続きまして、皮膚TAGの動向を宮地委員、よろしくお願いします。 ○宮地委員 皮膚科TAGは、前回御説明しましたように、世界皮膚科学会連合とい う世界じゅうの皮膚科学会の連合体の傘下につくられておりまして、私はそこの理事 をしていますが、理事はICD−11の委員になれないという規定がございますので、 日本からは関西労災病院の幸野先生に委員になっていただいています。先々週、マイ アミビーチで米国皮膚科学会の際に会議が開かれましたが、河野先生は残念ながら御 出席になれませんでしたので、まだ理事会には正式な報告が上がっておりませんので、 申し訳ありませんが、進捗を承知しておりません。  1つ理事会に報告があったのは、各皮膚科学会からのドーネーションが随分集まっ て、日本皮膚科学会も2万ドル出しましたが、10数万ドル集まって、資金は潤沢にあ るという報告のみ受けております。  以上です。 ○藤原委員長 ありがとうございました。  最後に、その他のTAGの動向について、事務局、よろしくお願いします。 ○疾病傷害死因分類調査室長 資料はございませんが、前回の専門委員会以降、情報 を得ました3つのTAGの状況につきまして御報告いたします。  1つは、腫瘍TAGについてです。今月上旬にIARCで会議が行われているそう で、既に議論が進んでいるようです。もし日本から参加される方があれば、履歴書を 送っていただきたいそうです。  2つ目は小児科TAGですけれども、アメリカの小児科学会に検討依頼が行ってい るようです。ただ、アメリカ小児科学会以外の追加の資金提供が必要とされているよ うです。TAGの形成につきましては、進捗していないという状況でございました。  3つ目が、maternal・neonatal・urogenitalTAGというのが形成をされておりま して、既にmaternalに関しましては構造の提案が提出されているようです。こちら も日本から参加希望があれば、CVを、WHOの方に送付していただきたいとのこと でした。  以上でございます。 ○藤原委員長 ありがとうございました。  以上で本日準備させていただいた御説明は終了いたしましたが、ここで質疑、意見 交換したいと存じますが、いかがでございますか。  どうぞ。 ○菅野委員 消化器のKコードのところの関係では、歯科のTAGが別に立ち上がっ ているんですけれども、活動状況は全く不明でございまして、Kコードの最初の5分 の1ぐらいは歯科・口腔領域なんですけれども、それについての情報は把握されてい らっしゃいますでしょうか。 ○疾病傷害死因分類調査室長 申し訳ありません。特に情報は来ておりません。 ○横田委員 横田ですけれども、外因のところから少し質問させてもらいたいのは、 かねがね外傷のところでは、複数の表記をどうするかというところで、なかなかディ スカッションが前へ進まないという実態がございました。特に内科系のTAGの活動 が進んでいるようですので、ちょっとお伺いしたいんですけれども、1つの体に複数 の病名といいますか、原因は1つなんでしょうけれども、表現系が複数ある。そうい ったものをどういうふうに表現していくかといったような表現のストラクチャーを 検討されたか、動きはどうなっているのかということが1点と、もう一つは、それぞ れのTAGのディスカッションのところは、ICD−10の改正のように、単に分類を 変えましょうというような、あるいは最近の医学の流れで、こちらの分類はこちらに 移した方がいいといったディスカッションにとどまっているのか。いっそのこと、か なり前とのマッピングがずれてもいいから、11の際は大きく動かしても変えようとし ているのかといった2点について、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。 ○菅野委員 それでは、わかる範囲でお答えしたいと思います。もともと11への移 行というのは、先生おっしゃるような、今までのリニアな形の分類ではなくて、多軸 といいますか、多層的な構造体系で柔軟な分類の下にさまざまな分類の集計ができる ようにという基本概念があったわけでございます。そのための仕掛けとしては、イン フォメーションモデルというものが考えられておりまして、それぞれのクラスターに おいて集計できるという考え方だろうと思いますが、これが現在のコンテンツモデル に受け継がれているのですが、それ自体の設計がぐらついておりまして、いまだに最 終版になっておりません。  特に外因に関しましては、コンテンツモデルと極めて相性が悪いようです。James Harrison先生の興味は外因の原因の方に集中している関係がございまして、いわゆる 疾患の方の考え方とマッチしない。特に外因分類は、溺れ死ぬ場合も、溺れ死に方が どうかとか、場所はどこかとか細かくなっていきますので、コンテンツモデルに全く 合ってこないのです。ですから、ICD−11からは切り離して別のクラシフィケーシ ョンをつくった方がいいんではないかという極論も出ているようでございます。そこ の議論はどうなるのか、まだ予断を許しませんが、そういった極端な意見も出てくる 状況でございます。  内科系では、例えば、遺伝疾患でFAPのようなものがございます。大腸腺腫症で す。これは目にも出たり、骨軟部組織にも出たり、勿論、大腸その他、多臓器にわた った発現をするわけでございますし、遺伝子の変異部位によっては発現のパターンが 違ったあらわれ方をする、さまざまなバリエーションがあることがわかっております。 そういったものはコンテンツモデルの中で、例えば、遺伝という領域のところに遺伝 子座を設ければ、きちんと把握できる。どこにあらわれようが発揮できるという形に なろうかと思います。  それから、我々のところはさまざまな領域とオーバーラップをしております。例え ば、オンコロジーですと、消化器ですと肝がんでございますとか、あるいは肝炎は感 染症です。これはまだTAGが立ち上がっておりませんが、そういったところとオー バーラップしておりますが、それもある意味で原因のところの病因論、あるいはそう いったところのコンテンツを通せば、ある程度共通した枠組みで議論ができる。それ ぞれのところで一応はつくってみて、あとはハーモナイゼーションを行おうという考 え方で進めておりますので、オーバーラッピングについてはそういうふうになってお ります。  また、リウマチに関しましては、先ほど御説明がございましたように、針谷先生の ところのJonathan Kayが筋骨格系の委員も兼ねておりますし、エディトリアルマネ ージャーが共通になっておりますので、領域間のハーモナイゼーションもできる。つ まり、こちらの見方と、内科系、あるいは整形外科的な見方がある程度マッチしてい て、実際には医学的にインコンパティブルな状況は起きていないと考えておりますし、 また、皮膚科と、例えば、針谷先生のところのConnective Tissue Diseasesのデ ィスカッションがございましたけれども、それも医学的な考え方でミスマッチが起こ っているわけではないと理解しております。  もう一つ、TAG間の相違やディスカッションが起こり得るのが、希な疾患TAG で、これについて報告はございませんでしたけれども、彼らは非常に大きな組織を持 っておりまして、レアディジーズ、定義としては2,000人に1人起こるというのがレ アディジーズの彼らの定義でございますが、それを血液、内分泌、今度、神経に関し まして出されまして、非常に先行しているものですから、神経のTAGが、この前の RSGの電話会議では激怒いたしまして、おれたちの領域を侵すのかと言って恫喝し たりしておりましたけれども、そんなことは決してないんだというふうになだめてお さまったわけですが、既にそういった提案もなされておりますので、そういったもの をいかに取り入れていくかというのが今後の考え方でございます。彼らは、レアディ ジーズに特化して、それをどこに割り振っていくのかということを集中して討議して いるわけでありまして、決して我々の領域を侵しているという考え方で進める予定は ございませんと言いましたら、大変感謝されまして、神経の方も御納得されたという ことがございましたので、領域間のハーモナイゼーションは、まずαドラフトを出し た後で、βに移行する間にさまざまな対面会議、あるいは電話会議等で調整を行って いくことになるのではないかと思います。  いずれにしましても、コンテンツモデルというのがぐらついておりますので、その 辺りは中谷先生の方がお詳しいと思いますので、一言追加していただければありがた いと思います。  以上でございます。 ○中谷委員 ほとんどは菅野先生の御説明でよろしいかと思うんですが、今、確かに コンテンツモデル、まだ修正段階にございます。それを早くしなければいけないとい うことで、毎週電話会議を行って、コンテンツモデルについて討論を行って、修正を 行っております。  先ほどの御質問の中で、まず、多面的な表現は可能かという御質問があったと思い ますが、それについては、可能とするようにしている。ただ、多面的というのは、現 在のところはどういう多面的かと申しますと、例えば、内科と外因というようなもの ではなくて、プライマリケアとモービディティーといったような、用途によっての多 面性をあらわすというような方向性で今、議論が行われて、モデルがつくられており ます。  もう一つの御質問として、分類を大きく動かしてもいいのかという御質問があった と思います。それにつきましては、菅野先生がおっしゃられたとおり、結論としては 多分よいのだろう。具体的なプロセスがαドラフトの場合と、今後、βドラフトにな っていくわけですが、そこでちょっと変わってきておりまして、まず、構造を大きく 動かす。それが例えば、外因の場合に、こういうふうにしたいというのが出てきた場 合に、それをまずTAGマネージングエディターがまとめて提案する。そうすると、 次に、構造に関する議論をする場であるクラシフィケーションエキスパートを交えた 場所で、クラシフィケーションエキスパートからのアドバイスを受けながら調整をす る。それが次にTAG同士の話し合いになっていく。そういったようなプロセスを現 在、ワークフローとして考えておりまして、その意味では、あるべき姿を最初にお考 えいただいて、この際でございますので、それをTAGマネージングエディターを通 じて御提案されるのが多分、一番よろしいのではないかと思います。  以上でございます。 ○横田委員 大体、進捗状況はわかりました。もう一つ質問しますと、外因の方は、 James Harrisonがかなり熱心に議論していますので、11になったときに、臨床応用 なり、そういった意味での外傷の分類については、御存じのように、現行、中身を見 ると、解剖学的に診療科が分断されております。だから、私どもは救急で外傷を扱う ことが多いので、こういうところでディスカッションしますけれども、基本的には頭 部、顔面ということで、ニューロサージャンの人たちの分類は一体現状ではどうなの か。それから、分量として非常に多いのが整形外科の部分で、先ほど望月先生から、 日本の中で、整形外科で松下先生が外傷のところも少し関与されますよみたいなこと をお聞かせ願ったんですが、いわゆるディーテールのところを触ってディスカッショ ンしていこうとすると、その領域の診療科の先生方、特に国内の先生方の意見も反映 してハリソンにぶつけないと、彼はどうもオーストラリアモディフィケーションを例 にして、桁を足せば、おまえたち、できるではないかみたいなことで、ぽんと返って きてしまいます。その辺が突破できなくて困っているというのも、御事情を知ってお いていただきたいなと思います。  以上です。 ○木原委員 ちょっとお聞きしたいんですけれども、私は泌尿器科なんですけれども、 泌尿器科ですと、前立腺を中心にした腫瘍とか、神経、内分泌、腎とか、感染とか、 いろいろ領域があるんですけれども、その領域ごとにTAGができているんです。腫 瘍TAG、神経TAG、内分泌TAG、腎TAG。先ほど菅野先生は感染TAGもで きるんではないかという話で、そうすると、病気としては全部ほかのTAGの中に分 断されるような形になって、今後のTAGの予測がもし何かありましたら教えていた だければ、例えば、泌尿器科のTAGというのはできないとか、個々の中に入ってい くものだとか、そういった予想を聞かせていただければと思います。 ○菅野委員 尿路といいますか、TAGはもうできていることになっていますが、新 生児と一緒になってしまっておりまして、そこに入ることができるのかというのは、 厚労省を通じて打診すればウェルカムだとは思うんです。一応、コードは腎臓とも関 係あるんですが、このように別のTAGになっております。ただ、別のTAGはネオ ネイタル、産婦人科領域と、先生のところの尿路系が一緒になったような妙なTAG でございまして、その辺りは多分、ICD室長が御存じだと思います。 ○疾病傷害死因分類調査室長 先ほど申し上げた以上の情報はありませんので、もし 御参加希望の方がいらっしゃいましたら、事務局通じてWHOに交渉いたします。 ○藤原委員長 そうですね。これは議論してしまうと尽きないと思うんです。それぞ れの立場からいっぱい出していただいて、事務局でまとめていきながら、また全体会 議の中で主張していただくということしか、とりあえずないんではないですかね。先 ほど神経TAGでしたか、中身が何もない、レアディジーズが問題だという話もあり ましたが、新しいものはそういう方向性でやるしかないんではないでしょうか。 ○柳澤委員 先ほど事務局から小児科TAGのことをちょっと触れられましたけれ ども、日本小児科学会としては、小児・思春期TAGを立てるべきだということは数 年前から言っていたわけです。それが紆余曲折というか、いろんな動きがあって、非 常に困難だという状況、これは折々、ICD室長からいただいている情報以上のこと ではないのですが、内科TAGの菅野先生の下にあるコチェアに小児科の方がおられ て、その方が中心となって、内科TAGの各ワーキンググループの中で小児の疾患に ついても検討されていくということでありました。それがまた小児・思春期TAGと いう話が持ち上がってきて、先ほどの御報告だと、WHOからアメリカ小児科学会に 照会している。ただ、そこで追加的な資金が必要だということになって、話が頓挫し ているということをICD室の方から報告いただいていて、それ以上の情報がないの ですが、こういう状況について、私としても、小児科学会の方に、学会としてどうい う対応をしていくのかということを問いかけていきたいとは思っています。  ただ、先ほどWHOから、アメリカの小児科学会と言いましたが、アメリカ小児科 学会といった場合には、普通、American Pediatrics Societyで、APSなのです が、もう一つ、世界小児科学会議にアメリカの代表として出ているのは、American Academy ofPediatrics、AAPという大きな団体があって、そのどっちかというこ とはわかりますか。 ○疾病傷害死因分類調査室長 申し訳ありません。把握しておりません。 ○柳澤委員 日本の小児科学会は、それと対応するアメリカの小児科学会としてAP Sといろいろ連携をしているので、そちらだと割と話が通じやすいという感じがござ います。 ○石名田委員 整形の石名田ですけれども、ただいまのことにもちょっと関係するん ですが、整形外科学会としては、小児整形外科という部分で1つの章をつくってくれ という要望で、周産期における筋骨格系の異常から染色体異常によるもの等、小児整 形外科に関する特有の疾病・傷害を1つの章として提案しているところですけれども、 望月先生、その辺はわかりますか。MSKTAG内で小児の取り扱いについて説明を お願いします。 ○望月先生 整形外科の中でも、小児整形外科学会という国際組織、勿論、日本の組 織もございますが、そういう組織がございますので、かなりオーバーラップした部分 もございます。今回、筋骨格系TAGの組織構成を考えるに当たって、運動期の10 年という、WHOの、ちょうど2010年で終わるんですけれども、その本部を中心に して委員を原案として推薦しております。そういう経過で、小児整形外科というワー キンググループができた経緯がございます。  以上でございます。 ○藤原委員長 ありがとうございました。  私の方から、ちょっと話題を変えて、医療情報TAGで、東洋医学の話も出ている と先ほどあったんですが、本当に真面目に取り上げていただけるんでしょうか。 ○中谷委員 東洋医学については、WHOの中の医療情報TAGそのものの中で議題 として今、挙がってきているという状況はございません。ちょっと報告の仕方が悪か ったんだと思うんですけれども、私が関連会合への参加という形で、東洋医学会の中 で、今、WHO側に、東洋医学としてのコンテンツモデルのようなものを提案したり ということをされておられると思うんですが、そこのところに行ってお話をさせてい ただいたり、いろいろ検討会に参加させていただいたりということが発生しておりま すという御報告でございました。ちょっと混乱を招きまして申し訳ございませんでし た。 ○疾病傷害死因分類調査室長 伝統医学に関しましては、主に東アジアの伝統医学に ついて改訂の作業で取り上げられておりまして、先週、TAGのような組織をつくる ための準備会議がWHOで開かれております。第1回のTAG様組織の会合が5月に 開かれる予定となっているという情報を得ております。 ○石名田委員 もう一つだけ済みません。最初から非常に気になっていることですが、 耳鼻科関係については全く情報がございません。これは日本は全く関与できない形で 進むということでしょうか。ちょっとお教えいただければと思います。 ○疾病傷害死因分類調査室長 耳鼻科関係のTAGについては全く情報がないです。 ○高橋委員 私は耳鼻咽喉科ですが、世界国際会議とかでも全然話題に出ていないし、 日本耳鼻咽喉科学会にも何の打診もないというのが現状です。先程の泌尿器科と同じ ように、耳鼻咽喉科疾患もいろんなところに入る。耳だけは固有のものですけれども、 鼻は気道系、呼吸器の隅っこに置かれたり、喉頭も同様です。そういう状態で、いず れ何かの国際会議のときに話題に出るかなと思っていますが、今のところありません。 耳鼻咽喉科関連の学会や日本耳鼻咽喉科学会の理事会でも、そういう話題があれば必 ず私のところに振られてくると思っていますが。 ○藤原委員長 まだまだこれからということですね。日本からいっぱい意見を上げて いくということがまずはすべてのスタートですね。今の状況下では、それしかないと いう気がいたします。 ○根本委員 腫瘍TAGのことについてお聞きしたいんですけれども、将来的に各領 域に腫瘍性疾患がまたがってくると思うんですけれども、さっきの室長の話ですと、 腫瘍TAGに関しては、IARCの方で進んでいる方ですけれども、将来的に日本の 腫瘍TAGもIARCで進んでいる内容を基軸にしていくという方向性なんでしょ うか。 ○疾病傷害死因分類調査室長 αドラフトができた時点でこちらの委員会にお諮り し、その作業を担っていただくことになるかと思います。 ○藤原委員長 それでは、時間も押しておりますので、次に、議事2に入らせていた だきます。「ICD−10の一部改正に対する意見提出について」、まずは事務局から 御報告お願い申し上げます。 ○疾病傷害死因分類調査室長 それでは、資料2をごらんください。「ICD−10 一部改正に対する意見提出について」でございます。  今回は、日本口腔科学会、日本産婦人科学会、日本小児科学会、日本皮膚科学会、 日本法医学会、日本診療情報管理学会から御意見をいただきました。御協力いただき まして誠にありがとうございました。  いただいた提案につきまして、委員長に御相談いたしまして、次の5件に絞って提 出をすることとしたいと考えております。  1つ目は、脳動静脈奇形の破裂についてでございます。I60.8に現在、内容例示と して「脳動静脈奇形の出血」がございますけれども、これをI61.8に移動するという 提案でございます。  2つ目につきましては、心房細動、粗動に関する提案でございまして、現在、I48 に両方とも載っておりますけれども、それを細動と粗動に分けまして、更に細分化を するという提案でございます。  3つ目は、心房ブロック、脚ブロック、その他の不整脈に関するコードの整理でご ざいまして、こちらも教科書レベルの分類に整理し直すという御提案でございます。  次のページに移りまして、Hodgkin diseaseに関する提案です。これは誤字脱字の 修正でございまして、2008年にHodgkin lymphomaと修正をされまして、2010年1月 より適用となっておりますが、Hodgkin diseasesが残っている部分がありますので、 それを修正するという御提案です。  最後の御提案は、自己免疫性肝炎についてです。現在、K73.2慢性活動性肝炎の下 に Lupoid肝炎という内容例示がありますけれども、これをK75.4自己免疫性肝炎の下 に移すという御提案でございます。  この5つについて提出をすることといたしたいと考えております。  次のページの資料2別紙でございます。こちらにつきましては、第5回の委員会資 料でございますが、再度申し上げたいと思います。  「WHOに対する意見提出スケジュール及び今後の対応について」です。特に(2) にありますように、各学会から御提出された意見につきましては、特段の国内の調整 を必要とせず、国際的な議論にも十分耐えられるエビデンスが準備でき、WHO内で の合意形成が見込まれるものという観点から、委員長と御相談の上、選ばせていただ きました。今後、いただいた意見を、プラットフォームというのがWHOのホームペ ージにありまして、そこに提出をすることとなります。WHOの方から提案として、 採用された後は、関係者との議論になりますので、その過程で質問の回答や根拠の資 料の提出を求められることがありますので、こちらの作業に当たりましても、各学会 の皆様方の御協力をお願いしたいと存じます。  なお、今回提出された提案につきましては、3月31日までにWHOのホームペー ジのプラットフォームに提案を掲載する予定でございます。  それから、意見掲載後のWHO内での手続につきまして、(6)でございますが、 URCメンバーというのがありまして、11のWHO協力センター、日本ではICD室 長が投票権を持っておりますが、そこで投票が年2回行われます。「yes」、「no」、 「can’t decide」によって意思表示をいたしまして、それが決着がつかない場合、1 0月の年次会議で議論を行うことになります。  それから、前回委員会におきまして、日本診療情報管理学会から、ICD改訂全般 に向けての御意見をいただいておりまして、更に御意見がないかどうか、委員の皆様 方にお願いをしたところでございますが、特段の意見がございませんでしたので、提 出の準備を進めさせていただきたいと思います。  以上でございます。 ○藤原委員長 そうしますと、意見提出のあった学会は6学会、23件あったけれども、 5つに絞った、その理由としては、国内の調整を特段必要としなくて、国際的な議論 にも十分耐えられるエビデンスが準備できている、そしてWHO内での意見掲載が見 込まれるものに限ったということでしたね。 ○疾病傷害死因分類調査室長 はい。 ○藤原委員長 そういうことでございますが、何か御意見ございますか。 ○木下委員 私、歯学、口腔科学を担当している者ですけれども、2年前から意見提 出しておるんです。例えば、具体的に言いますと歯周病のところですけれども、現在 の国際歯周病学会のクライテリアは、今のICD−10とは大幅に変わっているんで す。その辺の整合性を持たせるように意見提出したんです。そのほかにまだ2つほど 重要なことがあって、例えば、顎関節症という病気がありますけれども、これが先天 的な顎変形症同じ三桁分類項目に分類されており、現状の臨床病態から合わない。ほ かにもまだありますけれども、私たちの学会の各分科会から出ている意見が、今後こ ういうものにどのように反映されていくのか、引き続き検討され続けるのか、国内で 調整ができるのか。 ○藤原委員長 これは今年度のURCへ提言する意見ということで、先ほど申し上げ たような観点で若干絞り込んだということですが、その一環として、もし取扱いでき ることであればですね。いかがですか。私は専門性が違うので。 ○木下委員 ICD−11αは出るわけですね。 ○藤原委員長 いずれはそちらですね。 ○木下委員 その後でも、そういう改正が、おいおいできるのかどうかということな んです。 ○藤原委員長 むしろ11の方に向けた御意見のようにも伺えるんですが。 ○木下委員 その辺の取扱いをどうされるのかということを国内で検討していただ ければ。 ○大井委員 日本診療情報管理学会の大井です。私どもの提出の案件が多く見えます が、実はこれはICD−10のアップデートの問題なのです。ですから、ICD−10 の骨格を崩してしまうような提案は、実はリビジョンの方に提案すべきことになりま す。  内情をお話ししますと、私どもの学会でも、ICD−10の一部改正に対する意見を 会員に協力を呼びかけたら、20数件の申し出があった。実際には私どもの学会の国際 疾病分類委員会の11名が集まって、その23件を検討した結果、6件に絞りました。 17件はアップデートには適さない。一番多かったのは、それはリビジョンの問題でし ょうというのが非常に多かったのです。ICD−10の骨格を崩してしまうような提案 は、実際にWHO-FICの会議に出ていても取り上げてくれませんので、そういう意味で、 使い分けをしていかないといけないんではないだろうかと思います。私どもの方では、 今回、絞りに絞って6件提案して、このうちの4件がこの中に出ているということに なります。あとの2件に関しては、一応、私としては納得しているということで、御 提案いただいているうちの会員に対しても、そういうふうに説明していこうと考えて います。  ただ、使い分けは必要なんですが、はっきりした、こういうわけですから適さない ということは、どこかで明確にしておかないと、それぞれの学会の内部の統制がつき にくくなりますので、明確にする必要はあるのかもしれません。 ○藤原委員長 よろしゅうございますか。要するに、WHOは、11は2015年を目指 してやってはいますけれども、10についても、今、一部でも改正できるものがあれば という、ある程度レールを敷かれた中での話をしている。そういうことですね。 ○大井委員 はい、そうです。毎年その手の話は出てきますので。 ○藤原委員長 事務局の方で、11に向けての方がよろしいかどうかを、大井先生の御 意見などをいただきながら、挙げられるものならということでしょうね。私は、素人 ながら、聞かせていただければ、むしろ11の方に向けて提言される方がよろしいか と思います。 ○木下委員 11αのドラフトの時期もあるわけですね。5月ですね。そうすると、そ れには勿論、間に合わない。 ○菅野委員 歯科TAGが別にございますので、先生たちのだれかが恐らく入られて いると私は理解していたんですが、そこと連携が取れているのか、立ち上がったまま、 冬眠状態のままでいるのか、全く情報が入ってこないんですね。そういうTAGの議 長は電話会議をやることになっているんですけれども、参加された気配がございませ んので。 ○木下委員 さっき私がちょっと申し上げたような改正すべき点は、ICD−11αは そのまま10と同じようになる可能性はあるということでしょうか。 ○菅野委員 まずα版があって、それからβ版になるんですけれども、α版が5月1 5日が締切、その間、1年間更にもんで、β版に移行するというところは予定は決ま っておりますけれども、先ほど申しましたように、まだ穴が空いているTAGがござ います。それから、活動が十分行われていないTAGがあります。ですから、本当に 5月15日に彼らが言うようにできるのかというところは非常に不安なわけです。彼 ら自身の腰も実は据わっていないところがあって、昨年、小児科TAGはつくらない と言っておきながら、途中からつくると言いだしておりますが、我々のところがこの ため昨年WHOからの要請を受けて小児科医を取り込んでいます。実はつくるという のが途中から方針が変更になったり、WHO自体もリソース、ディペンデントにそう いうTAGが立ち上がれば、お金があればどうぞみたいなところもまだあります。 ○木下委員 くどいようですけれども、ICD−11が最終的に出るまでには、それが 改まる可能性は、時間的にはあるということですね。 ○菅原委員 勿論、そのためにICD−11になるわけでございます。ですから、TA Gのチェアは決まっておりますので、先生の方でTAGのチェアと御連絡を取られて、 厚労省の方か、WHOに連絡すれば取れると思いますので、そこと協議をされるとい うのが、TAGを通した形での提案を一番しやすいのではないかと考えます。 ○木下委員 わかりました。ありがとうございました。 ○藤原委員長 よろしゅうございますか。  では、議事の3「その他」に入らせていただきます。4月内科対面会議について、 事務局から御説明をお願いいたします。 ○疾病傷害死因分類調査室長 参考資料をごらんください。WHOの第3回内科TA G対面会議を日本内科学会の御協力を得まして開催をいたします。  1日目は、WHOからICD改訂計画の進捗状況、課題、改訂作業、iCATの概 要についてなどを御報告いただきまして、各ワーキンググループの議長からは、分野 別の構造に関する提案や、ワーキンググループ間、TAGとの重複、欠落の検討結果 の御報告などをいただく予定です。  2日目は、Dr.ChuteRSG議長、Dr.Musen医療情報TAG部会長との電話会議を予 定しておりまして、1日目の議論のまとめに入る予定でございます。  以上でございます。 ○藤原委員長 ありがとうございました。  この会議はWHOの担当官が来日するということですので、できたら多数の方に傍 聴いただければということをよろしくお願いしたいと思います。  今の説明に何か御質問でもございましたら、どうぞ。よろしいですか。とりあえず、 このとおり進めていただくということですね。できたら、ちょっとでも御参加いただ ければありがたいと思います。  続いて、事務局から4月以降の組織改正と委員の交代について御説明をお願いいた します。 ○疾病傷害死因分類調査室長 それでは、組織改編につきまして御報告いたします。 ICD室、正式には疾病傷害死因分類調査室でございますが、4月1日より、現在の 人口動態・保健統計課から企画課の下の組織となりまして、名称も国際分類情報管理 室となります。人事異動等もございますので、改めて4月1日以降にメール等にて御 連絡をさせていただきたいと存じます。  2つ目は、4月以降の委員につきましてですが、今年度の専門委員会は2回、本日 で終了いたします。次年度も2回程度の開催を予定しております。現在の委員の任期 が本年の8月7日をもって終了いたしますので、任期終了までに1回、現委員での開 催を考えております。4月に入りましたら、委員交代等の手続につきまして、事務局 より資料等、御提出をお願いすることがあるかと思いますので、お手数ですが、御協 力をお願いいたします。  以上でございます。 ○藤原委員長 ありがとうございました。  ほかに、全体を通じて何か御質問なり、御発言ございましたら、どうぞ追加してい ただいて結構です。よろしゅうございますか。  それでは、以上で本日の「第9回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分 類専門委員会」を閉会させていただきます。  次回につきましては、事務局から日程調整の連絡が入ると思いますので、どうぞ御 協力のほど、よろしくお願い申し上げます。本日はどうもありがとうございました。 照会先 厚生労働省大臣官房統計情報部企画課 国際分類情報管理室 電話:(代表)03-5253-1111(内線)7493