10/03/01 第45回独立行政法人評価委員会調査研究部会議事録 独立行政法人評価委員会調査研究部会議事録(第45回) 開催日時:平成22年3月1日(月)14:00〜16:09 開催場所:厚労省共用第6会議室 出席者:田村部会長、鈴木部会長代理、武見委員、田宮委員、清水委員、岩渕委員、政安委員、中村 委員、酒井委員 ○田村部会長  定刻になりましたので、ただいまから独立行政法人評価委員会第45回調査研究部会を開催いたしま す。委員の皆様におかれましては、大変お忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうござい ます。本日は市川委員がご欠席です。また、中村委員は遅れて到着されるということです。  まず初めに私から、昨年12月16日に行いました独立行政法人評価委員会総会で審議し、決まったも ののうち、この調査研究部会に関わりのある内容について、ご報告をいたします。  まず1つ目は、議事の公開に関することです。評価委員会をより開かれたものとするため、議事を原 則公開とすることになりました。  2つ目は、評価方法の改善です。我々委員は、これまでも独立行政法人の活動がより良い国民生活の 実現につながるものとなるよう評価してまいりましたが、それでも国民からの厳しい視線が注がれて います。12月16日の総会では、冒頭に長妻厚生労働大臣から、評価をしっかり行ってほしいというご 挨拶もありました。  こうしたことを受けて、12月16日の総会では、長妻厚生労働大臣から、特に評価すべきとして示さ れた項目について厳正な評価を行うことや、法人の業務実績について、客観的な評価ができ、また国 民の皆様にもわかりやすい評価となることから、数値目標に基づく評価を進めていくことについて合 意し、後日、これらについて独立行政法人の理事長に対し、独立行政法人評価委員長名で数値目標の 設定等を要請する通知を発出しています。詳細については事務局からご説明をお願いします。 ○政策評価官室長補佐  政策評価官室の室長補佐をしております安里です。よろしくお願いします。部会長より2点お話があ りましたが、まず議事の公開についてご説明いたします。お手元に参考資料を配付しておりますが、 参考資料1-1、1-2をご覧ください。厚生労働省の審議会では、公開を原則とするところがほとんどで あること、これまでの審議の状況を踏まえて、公開としても公平かつ中立な審議は確保できると考え、 昨年末の総会において原則公開とするべきかどうかについて、ご議論いただき、原則公開とすること が決まったところです。  参考資料1-1が、その決定を踏まえて変更したあとの独法評価委員会運営規程となっています。第4 条に下線を引いてありますが、こちらが変わっています。読み上げます。  「委員会は、原則として公開とする。ただし、委員長は、公平かつ中立な審議に支障を及ぼすおそ れがあると認めるときは、委員会に諮って全部又は一部を非公開とすることができる」と規定してい ます。  この規定は、部会にも準用されることとなっており、準用規定は第6条に書いてあります。  また関連して会議の資料の扱いも含めて細かいことを定めているのが参考資料1-2です。こちらも同 じく評価委員会の会議の公開に関する規程と書かれておりますが、部会についても準用する規定を設 けておりますので、当部会においても、この規定に従った公開をしていくという形になっています。  参考資料1-2について、1点ご説明します。第2条を見ますと、会議資料の公開について書かれてい ます。会議資料については公表すると個人情報の保護や、法人の適正な業務運営に支障を及ぼすもの もあると考えておりましたので、これについて、一部非公開とする旨の規定を置いているのが第2条で す。  第一号から第五号まで規定があります。例えば、第一号は、退職役員の退職金見込額その他の個人 情報。第二号ですと、独立行政法人が譲渡し、又は担保に供しようとする主務省令で定める重要な財 産。第三号はその他という扱いですが、個人又は法人等の権利、競争上の地位その他正当な利益を害 するおそれがあるもの。  第四号は、先ほどご紹介した運営規程で、ただし書としてこの会議を非公開とすることができると されていますが、もし非公開になった場合は、当然関連する資料も非公開ですというものです。  第五号は、前各号に掲げるもののほか、必要と認められるものは委員会に諮って了承を得れば公開 としないという扱いができるという規定になっています。例えば、本日の議事ですと、後ほどご紹介 しますが、基盤研のほうから不動産の処分についての議事が上がっていますが、そちらのほうの財産 の評価額は委員の皆様の資料の中では、これまでどおり記載がありますが、傍聴されている方の資料 中は黒塗りをして公開しない扱いになっています。後ほどまたご注意いたしますが、審議中にその金 額を口に出されることのないようにご留意いただければと思います。こうしたことがありましたので、 本日はマスコミの方も入った形での部会運営となっています。  続きまして、2点目の評価の方法の改善についてご説明いたします。参考資料2-1、参考資料2-2で す。参考資料2-1が、井原委員長名で各独法の理事長に対して出した通知です。こちらを代表して健栄 研の通知を付けてありますが、基盤研、安衛研にも同一内容の文書が送付されています。  内容としては、先ほど部会長からご紹介があったとおり、まず1点目として、大臣からも要請があっ た事項について、厳正に評価をするということをお知らせしています。これは通知本文中に書いてあ りますが、実際に厳正に評価をするという内容は、裏面に別添という形で付けてあります。  大きく3点あって、第1点目は組織のスリム化・適正化に向けた取組みが適切になされているか。給 与水準の話、ポストの見直しの話が入っています。第2点目は、事業費の関係で冗費の点検・削減が適 切に行われているか。契約は適切に締結されているかということで、無駄がないことをやっているか という形で入っています。第3点目は、事務・事業の見直しで、国民の皆様からの意見を踏まえた対応 をしているか、職員の人事評価等で改善を促すようなことをやっているかという点をしっかり評価し ていただきたいと、厚生労働大臣からお願いがあったこともあって、こういう通知になっています。  以上の点を厳正に評価するとともに、評価方法の改善として、より評価を適切に行えるように数値 目標化を進めていきましょうということが、先の総会で決まりました。それを受けて、通知中の1と2 と書かれており、1点目として、特にアウトカム指標の数値目標を積極的に設定してくださいというお 願いをしています。  2点目は、これまでも業務シートの中に自己評価欄があって、法人のほうに記載をしていただいてお りましたが、これをより具体的な説得力のある記載をしていただきたいというお願いを併せてしてい るところです。  参考資料2-2です。こちらはこの委員長通知を受けて、実際に評価の視点を各法人ごとに作ってあり ます。その中に例えば、次のような文言を盛り込む形で、厳正に評価をするといった視点が抜けない ようにしていただきたいという要請を、事務局から法人にしており、ご参考までに付けてあります。 本日は3法人それぞれについて、こうした動きを踏まえて、評価の視点の改善案を審議いただくことに なっています。  部会長からご紹介いただいた点については以上です。本日は参考資料として、ほかにも最近、法人 を取り巻くいろいろな動きに関する資料を付けておりますので、この場でざっと説明させていただけ ればと思います。  参考資料3-1は「厚生労働省所管の独立行政法人における退職公務員の再就職状況について」と書か れていますが、年末の部会においてもご紹介しましたが、人件費という枠組みではなく、お金をもら っている方、嘱託等の扱いになっている方の調査を、長妻厚生労働大臣から指示があって、調査をし た結果です。こちらの動きが、当省独自でやったものですが、その後、他省庁にも波及して、今般、 総務省から、こうした嘱託職員については、ポストの見直しを図るようにという通知がなされました。 そちらが参考資料3-2の2枚目に付いています。  そうした動きも受けて、参考資料3-2の1枚目で、つい先日ですが、厚生労働省としても正式な通知 という形で人件費が充てられているのではないポスト(非人件費ポスト)の対応を各法人に求めてい ます。  内容の詳細はお読みいただければと思います。1点目として、年収1,000万円以上の元国家公務員が 就いている非人件費ポストは新設はしないでください、としています。2点目は、年収600万円以上、 1,000万円未満のポストの新設も原則として行わないでくださいとしています。3点目は、年収600万 円以上の非人件費ポストについては、原則として遅くとも年度内に廃止をしてくださいとしています。 廃止というのは、大臣から、ポストそのものを廃止するようにという要請があったことも付け加えて おります。  いまお伝えした2点目、3点目の年収600万円以上、1,000万円未満のポストについては、原則とい う言い方をしましたが、4点目は、高度に専門的な技術知識の活用が必要だという場合や、コストの節 減を考えれば、外部委託よりは雇用契約のほうがいいという場合には例外的な取扱いを行うことを認 める内容になっています。  参考資料4-1、4-2についてご説明します。参考資料4-1を年末の部会でご紹介しましたが、行政刷 新会議で独立行政法人の抜本的な見直しを行うという方針が打ち出されたのが参考資料4-1で、11月 の資料です。  それを受けて新たに参考資料4-2で、昨年12月25日の閣議決定として、「独立行政法人の抜本的な 見直しについて」というのがなされています。こちらは基本的な姿勢、廃止や民営化も踏まえて検討 しましょうということが、諸々書かれていますが、いちばん気になるスケジュールが明記されており ません。新聞等でもどうなるのかというニュースが流れておりますが、正式にいつまでに何をやると いう連絡はまだ来ていない状況です。こちらについては情報を得ましたら、その都度、情報提供をい たします。  なお併せて、公益法人についても徹底的な見直しを図るという閣議決定がなされましたので、参考 で付けております。公益法人については、つい先日の先週末に「7つの見直しの基準」が発表されてお りますが、独立行政法人については、同じようなものは、特にまだ何も見えてきていない状況です。  参考資料5は「独立行政法人通則法の一部を改正する法律案の概要」です。こちらは先日、閣議決定 をして、独法通則法の改正法案が国会に提出されております。  内容は、昨年の行政刷新会議の事業仕分けの中で、各法人いろいろ積んでいる基金等を国庫に返納 したらいいと言われたものがいくつかありましたので、そういう返納を可能にする改正を行うもので す。  独法の通則法については、それより以前に独法の評価をどうするかという点で、いま各省にこうい う形で皆様に来ていただいている委員会を、総務省で一本化しようという議論もありましたが、その 点については、今回は特に盛り込まれず、まずは財産処分の話だけという内容になっています。  参考資料6は「独立行政法人ガバナンス検討チームについて」です。こちらも昨年末の部会でご紹介 しましたが、仙谷大臣の発案で開始された検討チームです。タイトルからすると、あらゆる独法につ いて検討をしそうですが、まずはNC(ナショナルセンター)の6つの法人についての検討ということ で検討され、昨年末にご紹介をした段階では、とりまとめがまだだったと思いますが、とりまとめた 結果が把握できましたので、今回改めて配付しております。  この理事長を選ぶに当たっては、こういう基準にしようとか、そういうことがいろいろ書かれてい ますが、基本的にNCの運営を始めるに当たっては、出された「NCのガバナンスのあり方について」 に基づいた対応をしているところです。  ガバナンス検討チームが、今後どういう形になっていくかが、いまの段階では見えていませんが、 こちらについても何か動きが把握できましたら、その都度ご紹介したいと思います。長くなりました が、以上です。 ○田村部会長  それでは、ご質問等がありましたらお願いします。いろいろな動きについてご紹介いただきました が、何かございますか。  ありがとうございました。それでは続きまして、事務局から本日の議事の説明をお願いします ○政策評価官室長補佐  本日の議事は3法人あります。まず医薬基盤研究所についてです。1点目は、第2期の中期目標・中 期計画の案について、2点目は、業務方法書の変更についてご審議いただきます。3点目は、中期目標 期間終了時における積立金等の承認に係る意見聴取の取扱いについてご相談させていただきたいと思 っております。4点目は、先ほどご紹介いたしましたが、評価の視点の変更の案を作ってありますので、 ご審議をお願いします。最後に重要な財産の処分についてのご審議をお願いします。  次に、国立健康・栄養研究所についてです。こちらは評価の視点の変更についてご審議いただきた いと思います。  最後に労働安全衛生総合研究所は、評価の視点の変更、役員報酬規程の変更についてご審議いただ きたいと思います。以上です。 ○田村部会長  それでは、医薬基盤研究所の審議ですが、初めに山西理事長から一言ご挨拶をお願いします。 ○医薬基盤研究所理事長  医薬基盤研究所の山西です。よろしくお願いします。一言ご挨拶を申し上げます。私どもの独立行 政法人医薬基盤研究所は、平成17年4月に設立し、ほぼ5年が終わろうとしています。3月で終了し て、4月から第2期に入ることになります。この5年間で大きく3つの事業を行ってまいりました。基 盤的技術研究、生物資源研究、研究開発振興の3つでして、最新の生命科学の成果や、最先端の技術を 活用して画期的な医薬品等の研究開発を促進してまいりました。  特記すべき事項として、この研究の内容に関して、まず世界最大級のトキシコゲノミクスです。薬 を作る前の毒性の評価を遺伝子レベルでチェックするデータベースの整備を行いましたし、複数の感 染症に有効な多価ワクチンの開発、iPS細胞の樹立・分化誘導に関する先行的な研究や支援の実施等の 画期的な成果を挙げてまいりました。  とりわけ平成20年度に、いわゆるスーパー特区の募集があって、全部で24件が採択されたのですが、 そのうちの2つが我々の研究所が応募し、アクセプトされ、いわゆる感染症のワクチンとiPSの細胞を 用いた創薬の応用です。これは非常に特記すべきことだと思っています。  本年4月から始まる次期中期計画において、第1期の成果や厚生労働省の独立行政法人の評価委員会 の評価結果等を含めて、ガバナンスの強化、業務運営の効率化、研究開発能力の強化等を図りながら、 柔軟かつ弾力的に科学技術を振興し、研究所として自律性、柔軟性、競争性の更なる向上を図り、大 学等の基礎研究と製薬企業等で行っている応用研究の橋渡し研究を更に強化しているところです。  第2期中期計画期間においては、当研究所の多様な人材の能力を最大限発揮できるような研究環境を 実現し、研究所全体としての能力を高めていくとともに、社会的なニーズや厚生労働省の政策課題を 効率的に遂行する研究分野に研究の重点化を図っていくことにしたいと思っております。  本日は、当研究所の次期中期計画案等について、ご審議をいただくことになっております。つきま しては、独法評価委員会の委員の皆様方から、忌憚のないご意見を頂戴いただけますようにお願いい たします。非常に簡単ですが、私のご挨拶に代えさせていただきます。よろしくお願いいたします。 ○田村部会長  それでは、第2期中期目標案・中期計画案についての審議を行いますが、まず事務局からご説明をお 願いします。 ○政策評価官室長補佐  独立行政法人の中期目標・中期計画についてご説明します。中期目標は厚生労働大臣が定め、法人 に指示をするものです。法人はこの指示を受け、中期計画を作成し、大臣が認可をするという関係に なっています。この中期目標の策定及び中期計画の認可に当たっては、独立行政法人通則法第29条第 3項及び第30条第3項の規定において、評価委員会の意見を聴くこととされています。そういうわけ で本日は、本年度で中期目標期間が終了する医薬基盤研究所について、中期目標案と併せて、中期計 画案についてもご審議いただきたいと思っているところです。  なお、中期目標の案をご審議いただいて、中期目標が策定されたあとに、また改めて法人からの中 期計画の認可申請を待って、中期計画についてご審議いただくのが本来の形ではございますが、その 都度お集まりいただいて、ご審議いただくことは現実的ではありませんので、本日は1度にご審議をい ただければと思っております。 ○田村部会長  それでは、法人の中期目標案と中期計画案について、所管課及び法人よりご説明をお願いします。 ○大臣官房厚生科学課長  厚生科学課長でございます。本日はよろしくお願い申し上げます。まず、私から今回の次期中期目 標・中期計画のポイントについてご説明したあと、医薬基盤研究所の担当部長から詳細をお話したい と思います。  このたび、説明に用いる資料は、資料1-1-(1)、資料1-1-(2)、そしてそのあとに付いている参考です。 私からはA3の横長の次の「参考」という紙を用いてご説明したいと思います。  「参考」と右肩に打った独立行政法人医薬基盤研究所の次期中期目標・中期計画案のポイントです。 大きく分けますと3点あります。まず1番目が【国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向 上に関する事項】ということで、中身は3点あります。1つは、調査研究の重点化で、いままで6分野 について調査研究を行うとされてきたところですが、それを重点化するということで新興・再興感染 症対策、新薬開発の迅速化、難病対策の3点に重点化したいということです。  また、毒性の検査試験等に用いる分譲細胞を企業の研究者等に提供してきたところですが、この提 供の業務について、業務提携によって分譲するという形態だったものを、医薬基盤研究所自ら実施す るということ。またそれに馴染まない部分あるいは外部に委託できる部分については、一般競争入札 をはじめ、競争性のある契約形態で行うことにすることです。  3つ目は、企業の研究開発を支援するという目的で実用化研究支援事業を行ってまいりましたが、こ の内容について、事業の在り方について次の中期目標期間中に見直しをするということを掲げたもの です。  2番目の大きな柱が【業務運営の効率化に関する事項】で、まず1つは経費の節減ということで、平 成22年度の運営費交付金と比べて、一般管理費を15%、事業費で6.2%をこの期間中に節減するとい うことです。また、給与水準についても検証を行い、その結果等について公表することにしておりま す。  2つ目は契約の点検及び見直しです。随意契約の見直しを更に徹底して行うということ。一般競争入 札等についても、真に競争性が確保されているのか、契約監視委員会で契約の点検・見直しを行い、 契約の適正化を推進するということです。  3番目が、【その他業務運営に関する重要事項】ですが、支所等の廃止です。和歌山県にある薬用植 物研究センター和歌山研究部ですが、ここでは主として近畿圏の薬用植物の栽培を行っていますが、 この事業については筑波にある筑波研究部でも実施できるということを踏まえて、次期中期目標期間 中に廃止することとしたものです。以降、詳細を担当部長からご説明します。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  医薬基盤研究所企画調整部長の木下ですが、私から第2期中期目標案・中期計画案の概要についてご 説明したいと思います。お手元の資料1-1-(1)のA4のパワーポイントの原稿を使いながらご説明いたし ます。  まず1頁ですが、今回の中期目標・中期計画については、第1期と同じく大きく分けて5つの項目が あります。第1が「中期目標の期間」ですが、これは平成22年4月1日から平成27年3月31日まで の5年間を想定しています。第2が「国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する 事項」、第3が「業務運営の効率化」、第4が「財務内容の改善」、第5が「その他業務運営に関する 事項」となっています。  2頁の1の「戦略的な事業の展開」ですが、(1)社会的ニーズ及び厚生労働省の政策課題を踏まえた 戦略的事業展開ということで記載しています。以降の資料の見方について、簡単にご紹介したいと思 います。各頁の左側に記載があるのが中期目標案で、右側にあるのが中期計画案です。一部例外的に 一緒に書いた頁がありますが、概ねそのような書き方をしています。  まず左側の中期目標案ですが、こちらの政・独委の勧告の方向性の内容等を踏まえて、第2期中期目 標においては新興・再興感染症対策、迅速な新薬等の開発、難病対策等に向けて組織的、戦略的、重 点的に研究開発を推進するという案になっています。また、研究開発力強化法の規定等を踏まえて、 プロジェクトの見直しを随時行い、優先順位に応じたプロジェクトの創設や廃止を含めた機動的な事 業運営を行うことが目標では定められています。右側の計画案では、各研究テーマを原則として有期 限として、流動的に業務運営を実施するという規定を置いています。  (2)研究成果の普及及びその促進ですが、まず、中期目標案においては、産学官連携とか、知的財産 戦略といったものを実践していくことによって、積極的に社会へ貢献すべしという規定を置いていま す。また、研究成果については、広く広報をする。施設の一般公開についても、国民目線で具体的に 分かりやすく情報を発信することにより、国民に対するサービスの向上を図るということになってい ます。これに対する具体的な中期計画案ですが、年間100報以上の査読付き論文の掲載、本中期目標期 間中に30件以上の特許出願を行うことなどの規定を置いております。  3頁の(3)外部との交流と共同研究の推進の関係です。こちらにおいては中期目標案として、科学技 術の飛躍的進歩及び経済社会の発展に貢献する具体的な研究成果を創出すべしという規定を置いてい ます。また、広く国内外の研究者等の共用に供すべく利用環境を整備するという規定を置いています。 中期計画案においては、国内外の大学等との研究交流、共同研究の実施等、多様な形でより積極的に 研究を進めていくという規定を置いています。  (4)研究基盤・研究環境の整備と研究者の育成の関係は、研究開発力強化法の規定を踏まえて、中期 目標案として、重点研究の研究テーマへの絞り込み、最先端の研究開発に必要な環境整備、連携大学 院等の活用により、積極的な若手研究者等の更なる育成等の規定を置いてあります。それを踏まえて 計画案では、同じく最先端の研究開発に必要な環境整備等の規定を置いています。  4頁です。2の「適切な事業運営に向けた取組み」の関係です。(1)はコンプライアンス、倫理の保持 等です。こちらは先ほど政策評価官室からご説明がありましたが、独法の抜本的見直しの中にある規 定等を踏まえた項目で、中期目標案・中期計画案とも研究不正や研究費不正の防止、倫理の保持、法 令遵守等について徹底した対応を行うべしという規定を置いています。  (2)外部有識者による評価の実施・反映については、研究開発力強化法の規定等を踏まえて、評価結 果をプロジェクトの見直しや研究資源の配分に反映させるなど、評価結果を積極的に活用し、公表す るという規定にしています。  (3)情報公開の促進は、適切かつ積極的に情報の公開を行い、また、契約業務については、透明性が 確保されるよう留意する。特に契約業務については、先ほどご説明のあった閣議決定の内容等を踏ま えたものです。  5頁です。これからが具体的な業務の中身になります。1の「基盤的技術研究」については、本独法 評価委員会の勧告内容等を踏まえた内容としています。具体的には画期的な医薬品等の開発支援に資 するよう事業を実施する観点から、新興・再興感染症対策や、迅速な新薬開発、難病対策等の国の政 策課題の解決と製薬産業等の活性化を図ることを目標として、(1)〜(3)の研究に取り組むということ です。1つ目が次世代ワクチンの研究開発、2つ目が医薬品等の毒性等評価系構築に向けた基盤的研究、 3つ目は難病治療等に関する基盤的研究です。  具体的な中身は6頁です。まず1つ目の次世代ワクチンの研究開発ですが、こちらで早急に対処でき る次世代ワクチン及び免疫反応増強剤(アジュバント)の開発並びにそれらの投与方法の開発は中期 目標に記載があります。  これを踏まえて中期計画案では、病原体の感染機構や生物学的特性を解析し、感染症に対する次世 代ワクチン及びその投与法の研究開発を行う、また、自然免疫及び獲得免疫機構の基本的な研究に基 づいて、アジュバントの開発とそれに伴うワクチン効果の研究も行ってまいりたいと考えております。  2つ目の医薬品等の毒性評価系構築に向けた基盤的研究ですが、目標案では、各種幹細胞の分化誘導 系を利用し、医薬品・医療機器の毒性等の評価系を構築する。これによって創薬研究の加速化の促進 を行うというものです。  具体的な計画案としては、薬物の新規有効性・毒性評価系の構築を目指して、各種幹細胞から機能 を有した細胞への分化誘導法を開発して、それを用いて創薬研究へ応用しようというものです。また、 新規毒性バイオマーカーの開発等の規定を置いています。  3つ目の難病治療等に関する基盤的研究ですが、中期目標においては、分子病態の解明、画期的な診 断や治療に資する医薬等の開発及び関連する基盤的技術の研究開発を行うという規定を置いています。 それを受けて中期計画案では、新規バイオマーカーの探索研究、創薬ターゲットの同定、難病等に対 する有効なバイオ医薬等のための基盤研究等の規定を置いています。  7頁は2.「生物資源研究」の関係です。こちらも本独法評価委員会の指摘を踏まえた内容にとしてお り、難病対策等に係る国の政策課題の解決を図る研究を重視して、ヒト疾患等に係る生物研究資源の 研究開発提供等を実施するということです。具体的には、難病・疾患資源研究、薬用植物、霊長類の 各項目について規定を置いています。具体的な内容は8頁以降になります。  8頁は、難病・疾患資源研究の関係ですが、中期目標においては、これら難病・疾患資源研究が、国 民の健康と安全を護るために不可欠なものということで、その研究基盤を整備することを目的として 掲げております。具体的には、難病研究資源バンク、細胞資源研究、実験用疾患モデル動物の開発研 究、政策・倫理研究等の規定を置いています。  また細胞資源研究においては、本独法評価委員会のご指摘を踏まえて、他法人が分担している分譲 業務について、医薬基盤研究所自らが実施する形に改め、委託が必要な業務があれば一般競争入札等、 競争性のある契約形態とするという規定を置いています。  また、政策・倫理研究については、いままでなかった項目ですが、これは難病資料等を扱うという ことですので、我が国で初めて専門的に倫理関係の研究を行うということでプロジェクトを興すこと を念頭に置いています。  9頁は薬用植物の関係です。こちらは中期目標として薬用植物が国民の健康に大きく貢献してきたこ とと、創薬資源としての重要性が高いこと。また我が国で唯一の薬用植物等の総合研究センターとし て機能を果たすことが期待されることを踏まえて、薬用植物等の重点的保存、資源化、戦略的確保等 の活用について、応用研究を行うという目標設定をしています。  それを踏まえて計画案では、アで薬用植物等の重点的保存、資源化、戦略的確保等の規定を置いて います。イでは、薬用植物資源のより高度な活用に資するために、薬用植物ファクトリーを作ること とか、薬用植物の遺伝資源ライブラリーに関する応用研究を行うといった項目を置いています。  10頁は霊長類関係です。こちらでは中期目標して、実験用霊長類が医薬品・医療機器開発において 最も重要な実験動物であることを踏まえて、高品質の医科学研究用霊長類の繁殖・育成、品質管理、 供給を行うとともに、ヒト疾患モデルの開発等霊長類を用いた医科学研究を行うという目標設定をし ています。  それを踏まえて計画案の中では、アでは高品質の霊長類の繁殖、育成、品質管理、供給を行うこと、 具体的には、遺伝的背景の明らかなSPFよりも、更にクリーンな高品質カニクイザルを年100頭を安定 的に供給する体制を確立すること、イでは霊長類を用いた医科学研究の推進の中においては、細胞生 物学的研究の推進、動物モデルの開発・探索、ウイルスや細菌等の感染症に対し、病態解明、新規ワ クチン種に関する開発研究等の項目を置いています。  11頁は研究開発振興の関係です。こちらは本独立行政法人評価委員会のご指摘を踏まえて、規定の 整備をしましたが、従来の規定が、各事業ごとに分かれていたわけではなく、非常にわかりにくい面 がありましたので、今回、改めて各事業ごとに規定を整備したということです。  具体的な内容としては、これまでに蓄積した医薬品等の開発支援にかかる専門性を活かし、大学等 と連携を図りながら、医薬品等の研究開発を一層推進するということで(1)〜(3)の事業を実施するこ とになっています。(1)は基礎研究推進事業、(2)は希少疾病用医薬品等開発振興事業、(3)は実用化研 究支援事業及び承継事業です。  まず12頁です。こちらは基礎研究推進事業の関係ですが、こちらの中期目標案については、保健医 療上重要な疾患領域に対する医薬品等の基礎的研究とか、医薬品など開発において共通となる技術基 盤の確立等を目指した基礎的研究を国立試験研究機関や大学等に委託をして実施するという規定にし ており、適正な評価体制の構築、国民の治療ニーズに即した公募テーマの設定、真に優れた新規研究 プロジェクトの採択など、7つの項目を置いています。中期計画案については、それらを踏まえた具体 的な内容の設定をしております。  13頁の(2)希少疾病用医薬品など開発振興事業は、いわゆるオーファンドラッグ・オーファンデバイ スの研究開発を促進すめるために、助成金交付事業などを行うということで、4つの項目の規定をして います。プログラムオフィサー制度の実施、適切な事業の実施、透明性のある事業の実施、成果の創 出という項目を置いています。中期計画案では、それを具体的に記載したものが置いてあります。  (3)実用化研究支援事業及び承継事業については、本独法評価委員会の指摘事項などを踏まえた内容 としております。中期目標案では実用化研究支援事業のあり方の見直し、既採択案件の適切なフォロ ー、承継事業の適正な実施など、5つの項目を置いています。中期計画案はそれを具体的に記載したも のです。  14頁です。第3の項目「業務運営の効率化に関する事項」では独法の抜本的見直しの閣議決定の内 容を踏まえて、ガバナンスの強化などについての規定を置いています。具体的には、中期計画案にお いて、企画・管理機能の強化、業務プロセスの変革などの規定を新たに置いています。  2の業務運営の効率化に伴う経費節減等ですが、こちらは独法評価委員会の指摘等を踏まえた内容と しています。アは、一般管理費(管理部門)における経費の節減の規定を置いており、中期目標期間 中の初年度と比べて15%の節減額を見込んだ内容とするということ。イは、事業費の節減の関係です が、中期目標期間中の初年度と比べて6.2%程度の節減額を見込んだものとするという規定を置いてい ます。  15頁は経費節減等に関することです。こちらも本委員会のご指摘等を踏まえた内容としています。 人件費については、法律の規定に基づいて平成18年度からの5年間で平成17年度を基準として5%以 上削減するという項目を従来どおり置いています。また、「経済財政運営と構造改革に関する基本方 針2006」の規定を踏まえて、人件費改革の取組みを平成23年度まで継続をして実施することにしてい ます。また研究所の給与水準については、(1)〜(4)までの観点からの検証を行うということを置いてい ます。エは、契約の見直しについては、原則として一般競争入札等によるものとし、随意契約の適正 化を推進するという規定を置いています。  16頁の第4の「財務内容の改善に関する事項」ですが、中期目標案としては、経費の削減を見込ん だ中期計画の予算を作成するという規定を置いています。また、競争的研究資金、受託研究費その他 の自己収入の獲得について触れています。中期計画案のほうは、和歌山研究部について廃止・処分を 適切に実施するという項目を置いています。  第5の「その他業務運営に関する重要事項」ですが、1つ目の人事に関する事項として、目標案では、 卓越した研究者等を確保するために人事評価を適切に実施すること。また、職務訓練を通じ、管理部 門の能力開発を行い、研究活動を支援する人材能力を高めること。また流動的で活性化された研究環 境を実現するために、若手研究者等を中心とした積極的な任期制の導入を図ること。任期の定めのな い研究者の採用にあたっては、研究経験を重視すること。研究開発の効率化のため卓越した研究者の 確保を図ること。このようなことを目標として置いてあり、それの計画案が具体的に記載されていま す。  17頁では、セキュリティの確保と施設整備に関する事項を置いてあります。セキュリティの確保に ついては、第2次情報セキュリティ基本計画等の政府の方針を踏まえて、適切な情報セキュリティ対策 を行うことを置いています。  施設及び設備に関する事項としては、業務の円滑な実施を図るため、施設及び設備の整備について 適切な措置を講ずるという規定が置いてあります。また本委員会のご指摘を踏まえて、薬用植物資源 研究センター和歌山研究部については、本中期目標期間中に廃止するとともに適切に処分をするとい うことを目標案で置いており、計画案においては、和歌山研究部について、このあとの議題ですが、 通学路の拡充に伴う土地の一部譲渡の件があって、もともと和歌山研究部は、面積としては非常に狭 い所ですが、更に一部譲渡をしなければならないこともありますので、一旦、平成22年度中に筑波研 究部の和歌山圃場とさせていただきたいと思っています。その後、本中期目標期間中に予算措置など ができましたら、適切に廃止をしていこうということで、計画の設定をしてあります。概要について は以上です。 ○田村部会長  それでは、本件についてご質問、ご意見などがありましたら頂戴したいと思います。 ○岩渕委員  非常に効率化を進めるというのは、世の流れでして、当然といえば当然ですが、ただ任期制とか、 いろいろな計画が事細かになりますと、研究者にとっては結構がんじがらめに縛られるというか、研 究を進める上で、あまり余裕のないというか、評価評価で明け暮れて、場合によっては、それに対応 するだけで精一杯ということにもなりかねないという辺りも少し配慮して、独法の運営に当たっては、 その辺りを踏まえて対応してもらいたいと思います。特に、ワーク・ライフ・バランスということも あって、これが国の1つの大きな目標にもなっておりますので、浮き足立って研究も身に付かないとい うか、身が入らないことのないように配慮していただきたいと思います。 ○田村部会長  何かご意見ありますか。 ○清水委員  4点ほど教えていただきたい点があります。参考ということでA4の紙を1枚配っていただいていま すが、国民に対して提供するサービス、その他の業務の質の向上に関する事項の2つ目の○の「分譲細 胞の提供業務の見直しについて」ですが、詳細な資料1-1-(2)で、どこにあたるかがよくわからなかっ たので教えていただきたいのですが、分譲見直しとあって、自らが実施するか、あるいは一般競争入 札をはじめ、競争性のある契約形態にするということが書いてあります。自前でやるのか、競争入札 でやるのかというのは全然違うように思いますが、具体的にどういうことなのかを、もう少しご説明 いただきたいと思います。  2点目は、実用化研究支援事業を見直すとありますが、具体的にどうやって見直されるのかというこ とです。いまご説明のあったパワーポイント資料の13頁にあたると思いますが、これまでも再三問題 になっていた委託事業に関するものだと思います。承継事業については、もちろん拡張しないで、こ れまでのフォローアップを行うと思いますが、あり方の見直しとは具体的にどうするのか。委託はス トップということで、どのような形でストップなのかということです。そしてどのように見直される のかを伺いたいと思います。  3点目は、経費の節減のところで、一般管理費と事業費が挙がっていますが、前の中期目標期間にお いて、人件費が5%という数字が出ていたかと思います。平成23年度までについては言及されていま すが、それ以降については言及されていないように思います。それ以降については言及する必要はな いのかどうか。あるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。  4点目は、霊長類の安定供給ということでカニクイザルの話が出ていたと思います。前回の評価のと きに、この事業の採算性が非常に厳しいという話を伺ったかと思います。この点についてはどのよう に対処される予定でしょうか。この4点についてよろしくお願いします。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  一つひとつ担当のほうからご説明いたします。まず1点目の細胞バンクの関係についてのご指摘です。 パワーポイントのほうの資料では8頁になり、中期目標・中期計画の全体を書いた資料1-1-(2)では、 14頁にそれぞれ記載があります。これについては細胞バンクの事業の一体的な運営の件については、 本委員会でご指摘を受けたことですので、基本的に医薬基盤研究所自らが実施する形態とさせていた だくことは間違いありませんが、中に委託する業務があるかどうかについては、今後検討させていた だき、委託する必要があるものについては、一般競争入札等の形態で競争性のある契約形態としたい ということです。この辺りについては、相手のあることですので、今後、更に詳細を詰めていきたい ということです。   ○清水委員  確認です。1点目ですが、業務提携を見直したということでよろしいのですね。業務提携は解消した ということですから。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  次期中期計画においては、一貫して基盤研のほうでやる方向で見直しをするということです。 ○医薬基盤研究所研究振興部長  実用化研究については、中期計画では24頁に記載しておりまして、中期目標期間中に民間の医薬品 や医療機器の開発を支援する方策としての医療の有用性、有効性を検証し、事業のあり方について見 直す、なお、見直しが終了するまで新規募集を休止することとするとしております。  平成21年度から新規募集を休止しておりますが、平成22年度までに継続の委託費の交付を終了して、 欠損金の拡大を止めることとしております。そして、既採択分の指導・助言体制を強化し、事業化に 向け、継続性のある指導・助言などを行っていくこととしております。  また、この欠損金の解消については、本年度から当省で繰越欠損金に関する計画策定委員会を立ち 上げて、収益見込みなどを検討しているところで、こういったことなども踏まえながら、検討してま いりたいと思っております。 ○清水委員  新規の分はストップだということですが、既採択案件のフォローということですが、それとは別の 項目として、あり方の見直しと書いてあります。このあり方の見直しというのをどのようにおやりに なるのかということです。 ○医薬基盤研究所研究振興部長  産業革新機構等の動き等も。 ○清水委員  それはどういう機構ですか。 ○医薬基盤研究所研究振興部長  今年度新たに立ち上がったベンチャー支援、ライフ・サイエンス分野も支援するということで立ち 上がっておりますので、そういった所がどういう形で事業されていくかということも踏まえながら、 我々の事業も検討していきたいと思っております。 ○清水委員  具体的にははっきりしないということですね。 ○医薬基盤研究所研究振興部長  そうです。産業革新機構の事業のやり方が、具体的にまだ見えていないものですから、その辺を踏 まえたいのですが、その具体的なところがはっきりわからないということで、その辺を具体的に把握 して、いろいろ検討していきたいと思っています。 ○医薬基盤研究所総務部長  人件費の削減ですが、平成23年度まで総人件費改革に基づく削減を行うことになっていますが、引 き続き平成26年度まで総人件費改革の対象となる人件費について、1%ずつ削減するということで計画 を立てることになっています。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  4点目は霊長類の施設の運用について、独法評価委員会で、経費的にかなりきついのではないかとい うお話があった点です。これについては、いま国会で議論されている予算案の中に、それなりにご配 慮いただいたということとか、あとは私どもの自己収入の確保などによって、何とかやり繰りをして いこうということで対応する予定です。 ○鈴木部会長代理  重点化の3分野の中に難病対策というのが挙がっていますが、これは多くの期待が集まるところだと 思います。ただ、ひと口に難病と言っても、いろいろな見方があって、厚生労働省は、昨年いわゆる 特定疾患を11増やして56疾患にしています。基盤研は、これらの難病の中から数え上げるとしたら、 いくつぐらいの難治性の疾患を、どういう基準で取り上げていこうとなさっているのかを教えていた だきたいと思います。  もう1つは、研究開発振興の実用化研究支援事業のことです。清水委員からもご質問があったところ ですが、比較表の中に「なお、見直しが終了するまで新規募集を休止することにする」とありますが、 この支援を受ける側の立場で考えますと、見直しの終了時期の目処がどのぐらいと考えておけばいい のかということは、非常に重要なところではないかと思います。厳密な時期はもちろん言えないと思 いますが、およそ目標としてはどのぐらい、何年後ぐらいを目処に作業をするのだということが言え れば示してあげるべきかと思っていますが、いかがでしょうか。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  それでは、1点目の難病の関係ですが、ご指摘は難病については、数が非常に多いと。その中のどの ぐらいのものについて基盤研で対応ができるのかということでしたが、私どもでは、難病研究につい ては、基盤的研究部を中心として、創薬のための競争的基盤技術の開発を行っております。  具体的に成功した例としては、サイトカインをネガティブコントロールしますと、促成分子の発見 などが行われておりまして、サイトカインをうまくコントロールすれば、サイトカインに連動して免 疫系に反応が出るようなものとか、いろいろなものについて治療できる可能性があるということで、 基礎研究を踏まえて、その中でどれが果たして本当に治療に導き得るのかということを、今後研究を 進めた上でやっていくことになろうと思います。  そういうことで言いますと、先生からご指摘を受けたような難病の数、法令でいう130疾患のどれに ついて治療ができるのかという目線では検討しておりませんので、それ以外のもの、サイトカインシ グナルをコントロールするという意味では難病以外のものについても治療ができるはずですので、そ のようなものも含めて、できる範囲で研究を進めていきたいと考えております。 ○医薬基盤研究所理事長  非常に適切なご指摘だったのですが、我々の研究語録はそれほどたくさんありませんので、少なく とも先ほど言いましたサイトカインの研究から数種類の難病に対しては、対処できるのではないかと 思っています。  余談になりますが、もう1つ、難病研究資源のバンクが動き、これは難病のグループから臨床検体を うちのほうにコレクションして、それで分譲するということになり、両面から難病対策を行っていく 計画を立てています。 ○医薬基盤研究所企画振興部長  実用化研究支援事業についてですが、見直していくに当たり、先ほどの他のファンドの状況と我々 が助成したものの成果、両方を見ていく必要があると思っており、他のファンドの状況、産業革新機 構がどのぐらいバイオベンチャー等を投資対象とするかは、たぶん今年度から来年度にかけて明らか になると思っています。そういった情報を摘むのはできると思いますから、我々の投資していたもの がどう成果を挙げていくかは、少し長い目で見ていく必要があると思っています。現在、今年度中に 収益を得られる案件が1件確保されている状況で、また治験が進行している案件などもありますので、 そういったのが製品化に結びつくように支援していきたいと考えています。 ○酒井委員  いまご説明していただいた計画案ですが、大変立派な項目がたくさん挙がっていると思いました。 ただ、実際にあたっては、それに対する行程表が付いて説明がないと、なかなかそのとおり行くのか どうかの検討はしにくいと思います。これは今日の目的ではないと思うので、是非、皆さんの所で行 程表をしっかりお作りになって進めていただきたいと、これは要望です。  質問の1つ目は、参考の1番目で、重点化で6分野を3分野にしたとあります。これは大変結構なこ とだと思いますが、そうすると残りの3分野について、今後どうやって取り扱っていって、そのことと 業務運営の効率化とか、経費の節減だとかとの関連、つまり組織的にそういう重点化することによっ てどうなるのかをお聞きしたい。  もう1つ、皆さんの所では倫理規程のことが述べられており、特に適切な事業運営に向けた取組みと して、コンプライアンス倫理の保持等とあって、これはこれまでも年次評価でもいろいろ説明は伺っ てきているところですが、皆さんの取組みは非常に大事だと思って、何か特別に世の中で常識的に言 われていること以上のことを検討されているのですか。特に8頁にある難病・疾患資源研究のエで「政 策・倫理研究」と謳っておられて、研究としても倫理研究をやるのだということと、皆さん方自身の 法人の中のこういったコンプライアンス等の関連がどのような議論をされているのか、もしありまし たらご紹介いただきたいと思います。 ○医薬基盤研究所理事長  先ほどの6分野を3分野に減らした、その3分野はどうなるかと。実はこの5年間を私は運営してい て、非常にオーバーラップしている部門もあり、もっと共同研究を進めていくべきだと思い、3分野が 減ったという意味ではなくて、6分野のものは一部廃止したものもありますが、3分野に集中させて行 っていきたいというので、減ったという感覚は私は全然ありません。それとともに、この前たしかご 説明したと思うのですが、今度は生物資源の研究部門も一緒になってやっていこうと。そのためには3 分野に集中させたほうがいいのではないかと思って、このように計画しました。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  2つ目の政策・倫理の関係について、いままで私ども基盤研でやっていたのは、私ども研究所の中で 広い意味での臨床研究を推進する上で、厚労省で作成された倫理指針に合っているかどうか、それを きちんと評価していくのが、第1期において行っていたことです。これは第2期でも当然行うのですが、 今回、それ以外に新たに難病資料の収集等も始めるので、そうすると難病資料をバンクとして提供す る際には、患者に対する倫理的な配慮等も十分必要になってまいりますし、また、逆に研究を活発に 進めるためには、それ以外にも考えなくてはいけないことがいろいろあろうと思います。今度はそう いうところをいままでのものに加えて研究項目として別項目で検討を進めていきたいということです。 ○医薬基盤研究所理事長  実はいままで倫理のことをやっていたのですが、うちは細胞培養を分譲していて、これに関して非 常に重要だと思ったのですが、今回は支援研究の中に新たなグループを形成し、全体を見ていこうと しています。そういう意味で細胞バンクの中ではなくて生物資源全体をここで検討して、国内外を調 査しながら、皆さんに使いやすく、またはきちんと倫理が担保されるものにしていきたいと思い、新 たなプロジェクトを立ち上げたということです。 ○田村部会長  貴重なご意見等をいただきましたし、また、いろいろとご指導等をいただきました。 ○清水委員  先ほどの人件費のことですが、1%ずつ平成26年度まで続くというお話だったのですが、それはどこ に書いてあるのですか。A3の資料ですと。 ○医薬基盤研究所総務部長  そこについて、言及はそこまでされていません。ただ、予算の策定の中で引き続き1%ずつ総実験費 改革に基づく削減を行うということで、一応計画を立てるということで作成しています。 ○清水委員  それは書いていただいたほうがよろしいのではないかと思うのですがね。いまそういうお話を伺っ ていても、実際評価するときにそういうものが書いてなければ。 ○医薬基盤研究所総務部長  一応、ここの書きぶりは、他の法人と同様で、横並びに合わせた形での書きぶりをそろえてはいる のですが。 ○清水委員  横並びかどうかはわからないのですが、でもそれは重要な目標値だと思うのです。それは横並び云 々の話ではなく、書いていただいたほうがよろしいのではないでしょうか。むしろそうでなければ、 後々評価がしにくいと思うのです。 ○大臣官房厚生科学課長  この目標については、現在、省内・省外、調整が残っている部分も若干あります。そういう意味で、 今いただいたご意見なども踏まえて対応したいと思っています。 ○田村部会長  かなり時間も経ってまいりました。いろいろご意見をいただいたことですので、当部会としては、 本件について特段異存はないということで厚生労働大臣にお伝えするということでよろしいですか。 もちろん今日いただいた意見は、今後の研究を進める中でご配慮いただきたいと思います。よろしい ですか。 (各委員了承) ○田村部会長  ありがとうございました。なお、先ほど所管課からの説明で、まだ調整中の部分があるということ でしたが、この取扱いについては事務局に何かご提案はありますか。 ○政策評価官室室長補佐  はい、所管課から当該調整が終わり次第、事務局のほうに報告を受け、それを部会長と相談の上、 委員の皆様にご報告又は改めて意見をお伺いするといった対応をしたいと思っています。 ○田村部会長  いまの点も含めて、次の過程で本日ご審議いただいた中期目標・中期計画案の内容に修正があった 場合の取扱いについては、私が事務局と調整して決めるということでご一任いただいてよろしいです か。 (各委員了承) ○田村部会長  ありがとうございました。続いて、医薬基盤研究所の業務方法書の変更案についてです。まず事務 局からご説明をお願いします。 ○政策評価官室室長補佐  業務方法書は法人が作成するものですが、通則法の第28条第1項において、これを作成又は変更す るには、厚生労働大臣の認可が必要とされています。また、認可に当たっては、独立行政法人の通則 法第28条第3項の規定において、評価委員会の意見を聴くこととされています。 ○田村部会長  法人からご説明をお願いします。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  ご審議をいただく資料については、資料1-2-(1)から資料1-2-(3)までですが、概要を記載したものが 資料1-2-(1)ですので、こちらで紹介をします。今回、私ども医薬基盤研究所の基盤的研究及び生物資 源研究業務関係業務方法書等の改定の概要ですが、Iにあるとおり、先ほどご審議をいただいた中期 目標・中期計画案の中にありましたとおり、難病研究資源バンクの実施ということが今回大きく挙げ られているので、それに伴い生物資源として従来の細胞遺伝子等のほかに、「血液、組織等」を新た に収集する必要があり、その関連の規定の追加です。また、関係法令の用語の改正があり、それに伴 う用語の修正等もあります。施行時期については、厚生労働大臣からご認可をいただいた日から適用 するということで予定しています。 ○田村部会長  ご質問等がありましたら、お願いします。いかがですか。よろしいですか。当部会としては、本件 について異存がないということを厚生労働大臣にお伝えすることにしたいと思いますが、よろしいで すか。 (各委員了承) ○田村部会長  ありがとうございました。なお、今後の手続きの過程で、ただいま審議を行いました業務方法書の 内容に修正があった場合の取扱いについては、私が事務局と調整して決めるという形でご一任いただ けますか。 (各委員了承) ○田村部会長  ありがとうございました。続いて、「医薬基盤研究所の中期目標期間終了時における積立金等の承 認に係る意見聴取の取扱いについて(案)」です。まず事務局からご説明をお願いします。 ○政策評価官室室長補佐  資料1-3をご覧ください。独立行政法人が中期目標期間終了時に保有する積立金については、大臣が 承認をした場合に、次期の中期目標期間に持ち越すことができ、また大臣が承認しなかった分につい ては、国庫に返納するという取り決めになっています。基盤研については、根拠条文を資料1-3の2枚 目のいちばん後ろのほうに付けています。独立行政法人医薬基盤研究所法第19条において細かい根拠 が書かれています。  こちらはご相談ですが、この法律にも書かれていますが、大臣の承認、または国庫に返納すると、 そういうことに関しては、事前に評価委員会の意見を聴くことが決められていますが、それぞれ財源 等に充てるためには、例えば6月30日までに代表の承認を受けたり、7月10日までに国庫に返納する という必要があります。いま申し上げたことは、資料1-3の2.に書いています。(1)で「積立金の処分 は次の2つによる」と書いてあり、(1)として「承認を受けた額を次の中期目標期間の業務の財源に充て ます」。ただし、この場合は「6月30日までに承認を受ける必要がある。」、(2)として「承認を受け た以外の額については、国庫に納付する」としていますが、この場合は「7月10日までに国庫に納付 する必要がある。」、(2)で関連する「財務諸表」の承認を得る際に、「評価委員会の意見を聴かなけ ればならない」という形になっています。  ただ、委員の皆様方はご存じだと思うのですが、だいたい業務運営上、どうしても部会の開催時期 が6月30日から7月10日までに開催できるかというと、非常に厳しいところもあり、そこで今日はご 相談ですが、1-3の1.の下線の付いている所ですが、いまご紹介した意見聴取については、もし部会の 開催が困難な場合には、時期的に難しいとなりましたら、皆様宛てに関係文書を送付し、書面等でご 意見をお伺いし、それを集約した上で部会長と最終的なご相談をして、部会長のほうで評価委員会の 意見としてこういうことだと取りまとめをいただくと、こういう部会の持ち回り開催というか、そう いった形にさせていただけたらと思っています。  実際、開催しない場合のスケジュールがどうなるかをお示ししています。これは「財務諸表」に関 するものですので、いま皆様に意見をお伺いしたあとで部会長とというお話をしましたが、それに先 立ち財務担当の委員の方には、6月上旬に独法の財務諸表と次の中期目表期間の業務の財源に充てる額、 これをどう考えているかを説明し、6月中旬から下旬にかけて財務担当委員のご了解をいただいたあと に、各委員の皆様に関係書類を送付して、書面により意見聴取を行い、6月下旬に皆様からのご意見を 部会長にご報告し、部会としてのご意見をまとめる、という形にしてはどうかと思っています。  7月以降に例年どおりおそらく各部会を開催していくこととなると思いますので、その際にどういう 意見になったかを改めて報告すると、こういう流れにさせていただければと思っています。この点に ついて、ご意見をいただければと思っています。 ○田村部会長  先ほどの件について、ご質問等がありましたらお願いしたいと思います。いかがですか。よろしい ですか。本取扱いについては、了承するということでよろしいですか。 (各委員了承) ○田村部会長  ありがとうございました。続いて、平成21年度以降の業務の実績評価を行う上での評価の視点の変 更案についてです。まず事務局から、詳細のご説明をお願いします。 ○政策評価官室室長補佐  資料1-(4)となっているものを見てください。冒頭でご紹介しましたが、委員長名での通知を発出し、 人件費、契約、業務改善について等々、評価をしっかりしていただきたいということと、アウトカム 指標を中心に評価をしやすいような指標の設定をしてはどうかということを考え、そういう観点で評 価の視点の見直しをしているものです。早速、説明していきたいと思います。  1-2です。こちらは先ほど紹介した委員長通知で、再就職ポストの見直し等を図るようにといったこ とを記載しているものです。  2-2です。こちらは下線を引いていない所もありますが、2-2と2-3で同じく委員長通知の関連で、 例えば2-2のいちばん下のほう、「総人件費改革は進んでいるか」「国と異なる又は法人独自の諸手当 は適切であるか」などの視点が盛り込まれています。  これまで政・独委から指摘があったこともその都度追加をしていますが、政・独委の指摘をそのま ま文言として入れていた箇所がいくつかあるのですが、当部会としての評価の視点として、文言が適 切ではないのではないかという所がありましたので、その点文言の修正もしています。  4-3の真ん中辺りの「評価の視点」で「内部統制」があり、こちらも文言の修正をしています。  6-2になりますが、こちらは「数値目標」で、いままで対象となる期間が明確に書かれていなかった 所に「中期目標期間内に」というのを追加しています。  7-3ですが、こちらも同じく「中期目標期間内に」というのを追加しています。  8-3です。こちらは下線を引いていますが、達成の有無が明らかになる部分ですので、新たに「評価 の視点」に追加をしました。  11-3です。こちらも昨年まで、平成22年度はこうなっていたところを平成21年度においても同じ 目標ということで、「21年度においては」と修正しています。  13-3です。こちらは実用化支援の事業の関係ですが、評価の視点の2点目ですが、新規採択を休止 している関係で文言を修正しています。3点目のマルは、例えばいままで「適切に行われているか」と いう形で書いていたのを、より具体的に「アンケート調査を実施するとともに案件採択に反映してい るか」という形でより評価がやりやすくなるように文言を修正しています。  14-5です。こちらは下線が下から4点目にありますが、こちらも新規採択を休止した関係での文言 の修正をしています。  17-2、17-3になりますが、こちらも横並びというか全体の話ですが、政・独委の指摘を受けた文言 について、表現を修正したり、また、毎年ある意味で同じ指摘がされていたりするものをそのまま追 加してきたのですが、関連する部分は2つをまとめて併せて書くなどしてわかりやすさを図っています。 非常に駆け足ですが、以上の点を修正しています。 ○田村部会長  いまご説明いただいた修正等について、何かご質問等はありますか。文言の修正、わかりやすい形 での表現、できるだけ評価しやすい形での表記、そういった点にご配慮いただいた修正ではないかと 思うのですが、何かご質問はありますか。よろしいですか。 ○田宮委員  細かいことになるかもしれませんし、具体的な平成22年度の計画に対応するものではないことも了 解はしているのですが、先ほどに関連して、倫理の所、政策・倫理のことが研究に組み込まれたこと は、非常に重要なことだと思うのです。研究に組み込まれたとなった場合に、研究成果としての指標 もいずれ具体的な話で出てくるかと思うのです。そのときに研究成果は、論文の数や特許の数など、 いままでそういう数値で評価してきた部分があるので、その辺を研究に組み入れたことの意義と、実 際にどういう機能を期待しているかを鑑みて、今後、その辺も検討して評価の視点として入れていた だければと思います。もし、いまの段階で何かあれば、ご説明いただいても結構ですが。 ○田村部会長  いまの時点で特に何かありますか。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  いまの時点では、具体的に何がどうという数字データまで出せるほどの言葉では詰めきっていませ んで、今回、中期目標・中期計画でご承認いただければ、実際に政策・倫理をスタートしてよいとい うご確認をいただいたわけになるので、今後、まさにその辺については検討していきたいと思います。 ○田村部会長  今後ということでよろしいですか。 ○田宮委員  はい、お願いします。 ○田村部会長  ほかにはありますか。評価の視点等の変更については、先ほどいただいた点も踏まえて当部会とし て了承するということでよろしいですか。 (各委員了承) ○田村部会長  ありがとうございました。法人は夏の評価に向けてご準備のほうを進めていただきたいと思います。 よろしくお願いします。次に、医薬基盤研究所の重要な財産の処分についてです。まず政策評価官室 より、重要な財産の処分に関する手続きについてご説明の上、法人から内容をご説明していただきた いと思います。よろしくお願いします。 ○政策評価官室室長補佐  資料1-(5)のとおり、医薬基盤研究所から厚生労働大臣に対し、薬用植物資源研究センター和歌山研 究部の土地の一部の処分に係る認可申請がありました。薬用植物資源研究センター和歌山研究部の土 地については、独立行政法人医薬基盤研究所法令により重要な財産とされており、重要な財産につい ては独立行政法人通則法第48条第2項において「厚生労働大臣が財産処分の認可をしようとするとき は、あらかじめ評価委員会の意見を聴かなければならない」とされているために、今回、ご審議いた だくものです。  なお、会議の冒頭でもご説明しましたが、当該議事に係る資料の取扱いですが、資料1-(5)の中に不 動産の評価額が記載されていますが、この額が公開されてしまうと契約実施上支障が生じてまいりま すので、この資料の取扱いについては契約締結までは非公開としたいと思っていますので、委員の皆 様におかれてもご留意いただければと思います。また、評価額に関するご発言をお控えいただくよう お願いします。 ○医薬基盤研究所総務部長  資料1-(5)ですが、これの別紙(5)を見ていただきたいと思います。これは平成21年7月ですが、和 歌山研究部がある日高川町から当基盤研究所のほうに提出された依頼の文書です。和歌山研究部です が、これは道路に面して大成中学校という中学校があり、この通学路が研究部に面して道路がありま す。この中学校あるいは地元の地区から歩道設置の要望があったということで、道路の調査をいろい ろした結果、道路が狭い、あるいは勾配があるということで、いろいろ通学に危険が生じるというこ とで、今回、道路拡張のための改良工事を行いたいということで、つきましては、和歌山研究部の一 部の土地を提供いただきたいということでの要望があったものです。  その状況について、別紙(2)-7を見ていただきたいと思います。この真ん中のほうに「国立医薬品食 品衛生研究所和歌山薬用植物栽培試験場」と書いてありますが、ここを赤い線で括っている部分が和 歌山研究部です。この左手のほうに、ちょうど真ん中の道路ですが、左から右に流れている道路です が、これがいま申し出のあった道路の部分で、この左手のほうに中学校があります。中学校から研究 部の道路に沿って右手のほうに下りていくのが通学路になっており、これが右手のほうに下った急な 坂になった道路で、幅は狭く、また勾配もあるということです。そのために歩道を設けるということ で、いま赤い部分で道路に沿ってカギの形で色を塗っていますが、この部分について道路を取得した いということでお話がありました。  当研究所としても、和歌山研究部については、来年度次期中期計画中に廃止を考えているというこ と、また要望の内容が地元の住民の方々、また中学校の通学路の危険、住民の方々の安全を図るとい うことから、これはやむを得ないと判断して、今回申請したものです。資料1-(5)ですが、土地の面積 としては823.34平方メートルです。日高川町は、この土地については買上げの方針です。 ○田村部会長  ご質問等がありましたら、お願いします。よろしいですか。当部会としては、本件について異存は ないということを厚生労働大臣にお伝えするということでよろしいですか。 (各委員了承) ○田村部会長  法人においては、厚生労働大臣の認可を受けた後は処分に向けて手続きを進めていただければと思 います。よろしくお願いします。ここで法人の入替えをします。どうもありがとうございました。 (法人及び所管課入替) ○田村部会長  よろしいですか。それでは国立健康・栄養研究所についての審議に入りますが、入る前に徳留理事 長から一言ご挨拶をいただきます。よろしくお願いいたします。 ○国立健康・栄養研究所理事長  独立行政法人国立健康・栄養研究所理事長の徳留でございます。一言ご挨拶を申し上げます。私ど も研究所におきましては、国民の栄養、身体活動の観点から、健康増進、疾病予防、QOLの向上への貢 献という目的に沿いまして社会的役割を踏まえつつ、独創的、創造的な研究を行い、重点的研究を実 施いたしますとともに、将来に向けまして発展が期待される萌芽的な研究を実施しております。独法 を見る国民の目が厳しい中、私どもは目標の達成状況をしっかり把握いたしまして、効果的、効率的 な運営を行うよう日頃から進めております。このような定量的な目標設定を行うことは、厳正な評価 を受けるという観点から必須でございますが、その目標に照らしまして業務の進捗状況を把握し、組 織全体として的確かつ機能的な業務運営を行うという観点からも重要だと認識しております。  本日は委員の先生方に、平成21年度以降の業務実績評価を行う上での評価の視点の変更(案)につ きまして、ご審議いただくということになっておりますが、何とぞよろしくご審議のほどをお願いい たします。 ○田村部会長  ありがとうございました。それでは平成21年度以降の業務の実績評価を行う上での評価の視点の変 更(案)についてです。まず、事務局から詳細なご説明をお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  資料2-(1)をご覧ください。変更のポイントは先ほどと同じく最近の動きを踏まえたもの、また夏の 評価部会で言われたことを受けての修正です。  2頁目です。いままで書いてあったものをより具体的にという視点、また研究した成果が世の中にち ゃんと役に立っているかどうかというご指摘が夏の部会でありましたので、その関係でだいぶ細かく 書いてあります。例えば「食事摂取基準・運動基準のエビデンスに採用されているか」、「具体的な 成果として生かされているか」という点を入れています。またいちばん下に書いてありますが、長期 的な観点から成果を評価をする必要がある調査研究について、長期的なものだから評価が無理という のではなくて、具体的な成果に関する将来展望をどう考えているかといったことを評価していただき たいと思い、評価の視点に記載しています。  3頁目です。こちらも同じように、より具体的なものをという指向で書いています。例えば日本人の 食生活の多様性を科学的に評価するとありますが、いままでは「栄養疫学研究の進歩に寄与するもの であるか」という書き方をしていましたが、より具体的に「日本人の食生活の多様性を科学的に評価 するための指標及び調査手法の開発を目指しているか」といった書き方にしています。同様に、デー タベースのことを盛り込んでいたり、また「国や地方自治体が実施する施策の立案や評価に用いるこ とができる客観的なものとなっているか」という視点を入れています。  続きまして5頁目です。こちらについては数値目標も追加をしてあります。「データベースの閲覧が 1日平均6,000件以上維持できているか」というのを盛り込んでいます。それ以外にも「必要な情報が 提供できているか」、「効果的な取り組みが常に検討されているか」というようなことも盛り込んで います。  6頁目の数値目標で2点追加をしています。「高齢者の介護予防の観点から年1回以上のワークショ ップを開催し、広く情報提供を行う」。「栄養教育・食育について、職能団体等への支援を年5回以上 行う」というのを盛り込んでいます。また、いままで「関連団体との連携」という書き方をしていま したが、具体化いたしまして、「食育推進会議等への参加により行政施策に寄与しているか」という 書き方にしてあります。  7頁です。こちらは頑張って数値目標を設定していただいているところですが、これまで、学術論文 の掲載数のみを数値目標としておりましたが、より具体化いたしまして、インパクトファクターの話 ですとか、研究者一人当たりの論文引用度ですとか、まさに国民の関心がある事項の研究をしている ところですので、〔数値目標〕のいちばん下ですが、テレビ・ラジオ等のメディアによる報道件数も 目標として設定をしています。〔評価の視点〕の中に1点追加しまして、このような指標について、当 然、研究分野ごとの分析を行っているかという視点追加をしています。  8頁目です。こちらは〔数値目標〕を一部修正をしていまして、いままで「民間企業及び大学等との 共同研究を毎年2件以上増加をする」という目標を設定していましたが、諸事情で毎年2件以上増加と いうのが厳しいようなところもありましたので、いままで括弧内に書いていた「民間企業との共同研 究を年間10件程度行う」、こちらの最終的目標を大きく書くという形の修正をしています。特許の出 願及び再申請等は、いままでは「維持」と言っていましたが、維持というのは再度申請をすることで すので、「再申請」という表現に修正をしています。  10頁目です。「年1回オープンハウスとして研究所を公開する」というのが現行の数値目標でした が、よりアウトカムなものに変えていただきまして、「外部からの所内見学者を毎年度300名以上受け 入れる」としています。「食事摂取基準・運動基準の普及・啓発のための講演会の開催もしくは講師 の派遣を年10回以上やりましょう」ですとか、「セミナーを年5回以上やりましょう」と。加えまし て、「アンケート調査で、非常に役に立った、役に立ったという回答を70%以上得る」という目標を 追加しています。評価の視点もいままでありました視点を、より具体的なものにするような修正を行 っています。  12頁ですが、こちらは実績を踏まえまして、目標数を大幅にアップさせています。「研究員をいま まで20名程度」と書いていましたが、「100名程度受け入れる」、派遣も「年間5名」としていまし たが、「年間30人程度派遣する」という言い方に直しています。  14頁です。こちらのほうも〔数値目標〕として、「国民健康・栄養調査の集計について、7ヶ月以内 に集計を完了させて、厚生労働省へ提出しているか」、「特別用途食品試験については、回答までを2 カ月以内に行う」ということを追加しています。それ以外に、いままでの評価の視点をいずれもより 具体的な書き方に直しています。  15頁です。〔数値目標〕自体は「年6回」で一緒ですが、連携を強化するという方向性を併せて記 載する形にしています。そのほか、同じように「年6回程度」、「年1回以上」というような具体的な 数字を評価の視点に書いています。  16頁です。こちらも〔数値目標〕の数値自体はそのまま一緒ですが、方向性として「途上国の健康 ・栄養問題解決に貢献する」という視点を追加しています。具体的にということで、例えば「海外に 向けての情報発信を適切に」ということを「タイムリーに」というような表現に直しています。また、 いちばん最後の「研究成果が、社会への還元や知的財産の獲得に」というところにも「国民の健康の 保持増進にどのように結びついているか」という視点を明記しています。  17頁目ですが、NRの関係です。こちらはいままで数値目標を置いておりませんでしたが、数値目標 として2点、「年6回以上の研修会の開催」、「今後5年間でさらに4,000名程度のNR認定者の輩 出」という目標を設定しています。評価の視点のほうで、夏の部会でも皆さまからいろいろご指摘い ただきましたが「活動状況を適切に把握しているか」、「認知度の向上、職域の拡大に適切に取り組 んだか」という視点を追加しています。なお、NRの認定者数は、これまで6年間で「4,000名程度」と なっておりましたので、これを踏まえまして、次は「5年間で4,000名程度」という目標にしています。  18頁です。ホームページのアクセス数についての目標設定です。ホームページを更新していくとい うことが非常に重要なことだと考えておりますので、「更新数を年間2,000件以上」としています。こ れも実績を踏まえた目標値の設定になっています。  20頁です。網掛けが入っている部分は、健栄研独自というよりは、委員長通知を受けまして、また 政・独委の視点のほうの修正でございまして、他法人との並びもありますが、基盤研のときにもご説 明したように、表現をいままでただ置いていたものをわかりやすく修正をしたり、関連するものを圧 縮したりしています。  21頁も同様でございまして、業務改善の取組みについて、評価委員長の通知を受けて追加していた だいています。  24頁です。こちらは夏の部会での委員の方からの評価コメントでしたが、「縮減した結果が実際ど うなっているのか説明がほしい」ということがありましたので、その点を評価の視点に加えています。  26頁です。人事の評価、予算等の関係ですが、「これらの評価を予算や人員配置、個人の人事評価 に適切に反映して、研究の質の向上へ向けつなげていくというインセンティブが作り上げられている かどうか」という視点でありますが、夏の部会のご発言を受けたものになっています。  28頁です。こちらは他法人にも同様に追加をしている部分です。給与水準、総人件費改革の話です。  29頁です。こちらはいままで評価の視点のほうに競争的な研究資金の獲得状況はどうかとしていま したが「増減の要因を分析しているか」という視点を加えています。夏の部会での皆様のご意見を受 けたものになっています。  31頁は他法人と一緒ですが、委員長通知等を受けた修正になっています。  32頁です。セキュリティの関係ですが、〔数値目標〕を設定していただきました。「年に2回以上 のセキュリティチェックが行われているか」ということを数値目標としています。評価の視点といた しまして「職員に対するセキュリティ意識の向上に向けた研修会がしっかり行われているか」という ことを追加しています。以上です。 ○田村部会長  ありがとうございました。それではただいまご説明いただいた点につきまして、ご質問等ございま すでしょうか。 ○武見委員  国の指摘を受けて、非常にたくさんの数値目標を具体的に設置されたことは素晴らしいと思うので すが、あまりに短時間の説明で、果たしてそれが妥当かどうかというのが、全部わからないところも あります。  もう1つは、あまりにも縛りすぎたことが、逆に業務を矮小化したり、難しくしたり、不適切にする ような懸念も一方で心配されるというのが率直な感想ですが、そういうことを全体として感じました。 例えば、まず1つは3頁の評価の視点で、栄養疫学研究の進歩に寄与するかというのは、確かに大枠過 ぎてわからない、評価もしにくいと思うのですが、一方でそれを具体的に食生活の多様性を科学的に 評価すると。いわゆる食事面の評価に絞り込んでいるわけです。しかし、栄養疫学的な研究とは必ず しもこういうことだけではない。これが当面の21年度のということであればいいのですが、狭くし過 ぎてしまっていることが、研究として必要なことができる方向になるのかという辺りが気になりまし た。  データベースのことやホームページのところも、確かに国民がどのぐらいアクセスするかというの は、評価としてはわかりやすいのですが、それは結果であって、どのぐらいのものをどう出せるかと いうほうが、研究所として評価すべきことで、例えば健康食品の安全性、有効性情報も、どのぐらい 新しいエビデンスで更新がかけられているかとか、そっちを出すことのほうが、アクセス数を見るよ りも大事なことなのではないかとか、いくつか気になったことがあったので、細かく全部は言えない のですが、その辺をもう少し、本当は時間を持って、こちらも意見を言いたいなというのが率直な気 持ちです。 ○政策評価官室長補佐  今回、部会の日程と、法人と事務局側の作業の関係で、おそらく皆さまこの場でご覧になっている と思いますので、部会長とご相談ですが、いろいろな数値目標を設定しましたので、期間を区切って、 ご意見をいただいて、それを基に事務局と法人と所管課とやり取りをさせていただいた結果を、再度 ご紹介するという形にさせていただいてもよろしいですか。 ○田村部会長  そうしましょうか。よろしいですか。たくさんの数値目標が挙がっていますので、その辺りを見せ ていただいて、妥当かどうかを含めてご意見を集約して、法人とも相談した上で、最終的に部会とし てまとめるということにいたしましょうか。スケジュール的なことはあとにいたします。 ○中村委員  武見先生と同じで、あまり細かくやれということは、縛ることになるのではないか。研究者にとっ ては辛いなと思うのですが、一方でこういう形で具体化しますよというと、具体化されていないので はないかということにもなってしまう。例えば12頁に、〔評価の視点〕とあるのですが、どのような ものかというのがたくさん並んでいます。これは状況説明であってどうでもいいわけです。はっきり 言えば、ちょっと忸怩たるものがあるのですが、やはり具体的な目標を何かもうちょっと工夫された ほうがいいのではないか。  同じように18頁にも、内容をわかりやすく充実したものにする取組みはどのような状況かとありま すが、取組みには工夫が見られるかとか、やったものをそのまま我々が評価できるような文言に変え ていただきたいという気がします。どうかとか、状況説明で済んでしまうようなところが、結構あり ますので、どのようなものかという表記を、省として適切なものに変えていただければいいと思いま す。決してキリキリ縛りたいという意図はないのですが、評価するときにできるだけ我々がやりやす いように書いていただければと思います。 ○政安委員  武見委員と同じような意見なのですが、やはり数値目標が気になるところがありますので、ここを もう少しよく見させていただいて、逆にこれは数値目標を設けたほうがいいのではないかというとこ ろも、見受けられるので、その辺を今後検討させていただければと思います。 ○田村部会長  この点についてはいつまでにご意見をいただくことにしましょうか。まず各委員に見ていただいて、 疑問な点をご提出いただいて、それを基に法人ともご相談いただいて、再提案という形でいかがでし ょうか。 ○田宮委員  いまの資料とも関係すると思うので伺うのですが、評価の視点で新しい数値目標がたくさん出てき ています。例えば7頁の研究の成果の具体的な数値が随分出ていますが、その場合に、現在はどの程度 なのかというのを見せていただかないと、フィージビリティの評価もできないと思われます。是非こ の資料をお作りいただく際に、例えば論文の引用度を一人当たり2.5以上と書いてありますが、現状は どのぐらいなのかとか、この数値について、併せて資料をいただけますと、より検討できると思うの ですが。 ○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹  ちょっと一言申し上げますが、この数値目標を出すに当たりましては、私どもは研究所内で各研究 部門のリーダーとよく話し合いをいたしまして、ここ数年、大体5年程度の業績を全部ピックアップい たしまして、インパクトファクターとか、講演の回数とか、すべて調査をした上でこの水準であれば、 現在の我が研究所のポテンシャルが下がっていかないということを前提にすれば、実現可能な数値で あるというところで、一応お出ししたというところです。データのベースになっているところは、あ とできちんとお渡しいたします。 ○田村部会長  根拠があるということですね。それではいつまでにしましょうか。 ○政策評価官室長補佐  資料を整えた上でご連絡を改めてさせていただいて、1週間ぐらいで区切ってさせていただきたいと 思っておりますので、よろしくお願いいたします。 ○田村部会長   資料をご準備いただいて、各委員の先生方にお配りいただいて、それを見てご意見をいただくとい うことですね。わかりました。それはそういうことで対応させていただきたいと思います。基盤研は よろしいですか。 ○政策評価官室長補佐  基盤研のほうは、おそらく文言の修正をしているだけなのです。実は基盤研のほうにもいろいろ目 標を追加する話も検討したのですが、中期目標自体がガラガラと変わりますので、基盤研については、 確定した中期目標・中期計画を基に、また新たな視点をやるときに、しっかり見ていただければと思 っております。 ○田村部会長  基盤研についてはそういう取扱いにさせていただきます。健康・栄養研究所につきましては、いま お話がありましたように、法人とも連絡を取っていただいて、資料をいただけるということですので、 それを見ていただいてご意見をいだくということにさせていただきます。 (各委員了承) ○田村部会長  ありがとうございました。そういったことも踏まえて、夏の評価に向けて、是非またよろしくお願 いいたします。どうもありがとうございました。  それでは法人所管課の入れ替えをさせていただきたいと思います。 (法人及び所管課入替) ○田村部会長  それでは、労働安全衛生総合研究所について審議に入ります前に、前田理事長さんから一言ご挨拶 をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○労働安全総合研究所理事長  前田です。本日は評価の視点の変更と役員報酬規程の変更についてご審議いただきたいと思います。 私どもも、これから決まりましたことをしっかりと守っていきたいと思っておりますので、よろしく ご審議のほどお願いいたします。 ○田村部会長  ありがとうございました。それでは、「平成21年度以降の業務実績評価を行う上での評価の視点の 変更について」です。事務局から詳細を説明お願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  資料の3-1をご覧ください。2頁目と3頁目に最初の変更がありますが、こちらは各法人並びの変更 で、委員長通知等を受けた文言の修正又は追加になっています。  続いて4頁目です。こちらも文言の修正です。いままで政・独委の方でイニシアティブについて書い ているところを主語を追加したり等しています。  6頁目、7頁目も契約の関係とか、事業費の見直しの関係とかです。7頁にいきまして、福利厚生と か、諸手当の件とか並びの修正になっています。  16頁目です。より具体的なということで、「いままでニーズや社会的・経済的意義等が精査され、 プロジェクト研究へ重点化されているか」としていましたが、プロジェクト研究の修飾として、「研 究の方向及び明確な到達目標を定めたプロジェクト研究へ重点化しているか」という表現に修正して います。これは夏の評価の際、重点化によって、どのような方向を目差すのかを明らかにしてくださ い、という話があったことを受けたものです。数値目標の説明を忘れていましたが、こちらは、いま まで「20%減少させ」と書かれていましたが、20%程度の減少は20年度に既に達成しましたので、「30% 程度の減少」という形で目標を修正しています。  17頁です。いままで〔評価の視点〕のほうに書いていました「3ヶ月以内にホームページ等に公表」 を数値目標として、上に移動させています。  18頁です。「労働安全衛生に関する国内及び国際基準の制改定等のための検討会議に参加する役職 員数を20人以上とする」目標を設定しています。JISやISOの実績を調べましたところ、3年間で平均 して21.6名参加していますので、その実績を踏まえたうえでの目標の設定としています。  19頁です。いままでの〔数値目標〕の講演・口頭発表数や論文発表数に加えて、「他論文への引用 件数が10件以上となる原著論文数を評価対象年度の前年度までの3年間で10報以上とする」という目 標を追加しています。  20頁目です。「ホームページ上の「研究業績・成果」、「Industrial Health」、「労働安全衛生研 究」へのアクセス件数を年間50万回以上とする」という目標を設定しています。これは平成19年と平 成20年度の実績の平均をとりましたところ47.9万回となっています。それをそのままというより5% 増して、50万回以上という目標を設定しています。  22頁です。アンケート調査による評価を数値目標として追加しています。21年度は、既にこのよう なアンケートを実施していますが、22年度以降はさらに講演会で得た知識を、例えば会社内で普及し ているか、または実務に生かす予定があるかというようなよりアウトカム的な調査をする予定にもし ています。  24頁です。〔数値目標〕として追加しています。「労働災害の原因の調査等の報告書を送付した労 働局・労働基準監督署において、同報告書が、災害の再発防止のための指導や送検・公判維持のため の資料として活用したとする割合が80%以上となること」を目標としています。  26頁目です。「「Industrial Health」のインパクトファクターが0.8以上となることを目標とす る」としています。こちらは実績が、平成19年度においては0.79、平成20年度0.75となっています ので、それを踏まえたうえで0.8以上を目標としています。  28頁目です。研究指導等を実施する若手研究者等の受入れ人数について目標を設定しています。 「年に44人以上を目標」としていますが、こちらの数値は平成18年から20年まで3年間の平均をと りましたところ、41.6名となっていまして、これを5%ぐらい増やすということで、44人という形にし ています。  31頁です。数値目標として、「競争的研究資金、受託研究等について、年間30本以上を獲得す る」という目標を設定しています。こちらも平成19年、20年の平均を踏まえたものですが、平成19 年は32件、平成20年は37件、平均すると34.5件ですが、近年の財政事情とか、企業経営の環境が悪 化していることから、年々困難となりつつありますので、年間30本以上を目標としています。  中頃にあります「当期総利益云々」の文言については、横並びで修正をしています。政・独委の評 価の書き方の修正です。その下の利益剰余金のところの修正も文言の修正です。  32頁です。中期目標における削減率を落し込んで数値目標としていただいています。「中期目標期 間中において、新規追加・拡充部分を除き、平成17年度運営交付金から一般管理費について15%、事 業費について5%に相当する額を節減すること」という目標を置いています。  駆け足ですが、以上です。 ○田村部会長  ありがとうございました。ご質問等ありましたら伺いたいと思います。先ほどお話がありましたが、 今回は先ほどご説明のあった中で数値については、その辺の根拠もご説明いただいたところですが、 これでよろしいですか。大体実現可能な範囲内の努力目標という理解でよろしいですか。ほかに何か ご質問ありますか。よろしいですか。 ○武見委員  内容についてというより、実際にこの評価の視点等のところで、〔数値目標〕と〔視点〕というふ うに分かれて、そういう意味ではとても整理された形で出てきてて、今度、夏に私たちが評価する時 は、数値目標は数値目標として評価し視点にある部分も評価するわけですね。そこの部分は必ずしも 数値目標でないから、こちらもある程度質的な評価と言うんですか、という考え方で理解すればいい のですか。 ○政策評価官室長補佐  そうです。 ○田村部会長  それでは、「評価の視点等の変更」については、当部会として了承ということでよろしいですか。 (各委員了承) ○田村部会長   ありがとうございました。それでは、法人はその評価に向けて準備を進めていただきたいと思いま す。よろしくお願いします。  続きまして、「労働安全衛生総合研究所の役員報酬規程の変更について」です。変更内容について、 法人のほうからご説明をお願いいたします。 ○労働安全衛生総合研究所理事  労働安全衛生総合研究所理事の高橋です。いちばん後ろに、資料3-2-(1)と横長の3-2-(2)の資料が付 いていると思います。私どもの役員報酬規程の改正についてのご報告です。1番目にありますように、 私どもの役職員の報酬については、国家公務員の一般職の職員の給与に関する法律に基づいておりま す。したがって、役員報酬規程についても、当然、この一般職の給与に関する法律の変更に伴って変 更したものです。  平成21年度の人事院勧告によって、6月のボーナスから役員についても、以前は期末特別手当と一 本化していたものを、職員と同様に期末手当と勤勉手当というふうに分けましたので、それに伴って、 12月のボーナスについても期末手当と勤勉手当の割合を改正したという内容です。新・旧対応表が2 枚目にありますように、期末手当と勤勉手当の割合を6月1日、12月1日それぞれについてパーセン トで決めているわけです。いずれにしても、これは国家公務員の指定職と全く同じ割合で改正したも のです。以上です。 ○田村部会長  ありがとうございました。本件について、何かご質問等ありますか。 ○清水委員  従来、一時期に支給されていたものが、2回に分けてという理解でよろしいのでしょうか。 ○労働安全総合研究所理事  違います。6月、12月それぞれ、職員は期末手当、勤勉手当だったのですが、役員については期末特 別手当と一本化していたのです。それを、昨年の6月から国家公務員の指定職や職員と同様に期末手当 と勤勉手当の2つに分けたのです。それに伴う改正です。 ○清水委員  要するに、水準としては変わらないということですね。 ○労働安全総合研究所理事  はい、変わりません。全く同じです。 ○清水委員  ありがとうございました。 ○田村部会長  そのほかに何か質問等ありますか。よろしいですか。  それでは、「役員報酬規程の改定」については、当部会として了承するということでよろしいです か。 (各委員了承) ○田村部会長  それでは、そのような形でやらせていただきたいと思います。本日の審議は以上です。本日は長時 間にわたって活発なご審議をいただきまして、ありがとうございました。これで閉会といたします。                                           (了)                         照会先:政策統括官付政策評価官室 企画係                         連絡先:03−5253−1111(内線7783)