10/1/29 第44回中央社会保険医療協議会保険医療材料専門部会議事録 第44回中央社会保険医療協議会保険医療材料専門部会 1 日   時  平成22年1月29日(金)9:11〜9:35 2 場   所   厚生労働省講堂(低層棟2階)  3 出 席 者  小林麻里部会長 白石小百合委員 森田朗委員 白川修二委員           中島圭子委員 北村光一委員 伊藤文郎委員 嘉山孝正委員           鈴木邦彦委員 渡辺三雄委員 三浦洋嗣委員 松村啓史委員           松本晃委員 森清一委員 松本純夫保険医療材料専門組織委員長           <事務局>          佐藤医療課長 木下経済課長 迫井企画官 他                 4 議   題   ○平成22年度実施の保険医療材料制度見直しについて(案) ○小林(麻)部会長  それでは、ただいまより第44回保険医療材料専門部会を開催いたします。  まず、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は関原委員が御欠席です。  それでは、議事に入りたいと思います。本日は、中医協総会に保険医療材料専門部会か ら報告し、昨年12月18日に了承いただいた「平成22年度保険医療材料制度の改革の 骨子」に基づき、「平成22年度実施の保険医療材料制度見直しについて(案)」が事務 局より資料として提出されておりますので、御審議いただきたいと思います。  それでは、事務局より説明をお願いいたします。 ○医療課企画官  医療課企画官でございます。お手元の資料、材−1、「平成22年度実施の保険医療材 料制度見直しについて(案)」をごらんいただきたいと思います。  ただいま部会長から御紹介いただきましたとおり、昨年12月18日、見直しにあたっ ての骨子をおまとめいただきました。先ほど開催されました薬価部会と同様な趣旨でござ いますけれども、このおまとめいただきました骨子に基づきまして、具体的な実務的なも のも含めまして、取扱いあるいは算定のルールを改正させていただくということになりま すので、その具体的な内容を今回お示しするものでございます。  ごくごく簡単に御説明いたしますと、1ページのIから順番に、骨子の内容に基づきま して御説明しております。四角の実線の括弧が骨子の内容でございまして、その後御説明 をさせていただいております。詳細な説明は省略させていただきまして、特にこの場で見 ていただきたい、御検討あるいは確認をいただきたい事項のみ御説明させていただきます。  おめくりいただきまして、2ページでございますが、1ページから2ページにかけまし て、価格調整に関する内容を具体的に記載いたしております。2ページの上のほうの点線 囲いですけれども、かかっております。下線をつけてございますが、御議論ございました とおり、外国平均価格等の参照につきましては、外国平均価格の1.5倍というふうに、 ここの倍率を修正するということで、3カ所、下線が引いてございますが、御議論、骨子 の内容に基づきまして修正をいたしております。  2点目が、2ページの下、2.でございますけれども、原価計算方式における製品原価、 特に移転価格の取扱いにつきまして、2ページの点線囲いのところですけれども、具体的 に記載いたしておりまして、「我が国への移転価格が外国価格と比較して高い場合等必要 に応じ、保険適用希望者等に対し、輸入先国における価格の状況等の輸入原価の参考とな る資料の提出を求めることができる。」というふうに明記いたしております。  続きまして、3ページでございますが、3.イノベーションの評価の部分でございます。 骨子の内容に基づきまして、改正の内容といたしましては、イ、ロ、ハ、ニ、ホとござい ますが、今回ハとニの文言を明確化するとともにホの内容をつけ加えております。下線の 付してあるところが修正部分でございまして、ハの部分は「構造等における工夫」と、そ れから、「患者にとって」ということを明確にする。ニにつきましては、文言の修正をい たしております。それから、ホは新規に追加をいたしておりまして、「構造等の工夫によ り、類似機能区分に属する既収載品に比して、より安全かつ簡易な手技が可能となること 等が、客観的に示されていること。」ということになっております。  おめくりいただきまして、4ページでございますが、保険収載の迅速化等における対応。 中ほどしから下に点線囲いがございますが、決定区分C1とC2に該当いたします保険適 用に関しましては、適用期間開始前の2月前の末日までという形で統一させていただいて、 計画的な材料専門組織の開催等を図り、迅速な保険収載に事務的な効率化を図ってまいり ます。  4ページから5ページにかけてでございますが、II、既存の機能区分に係る事項でござ います。4ページの1.基準材料価格決定のところでございますが、5ページの上の点線 囲いでございますが、ダイアライザーに係る一定幅の見直しを行いまして、全部の材料に つきまして、一定幅が4%、100分の4に相当する額ということで統一されたという内 容でございます。  同じく5ページの下になりますけれども、採算点に係る部分でございます。2.採算点 の下の点線囲いでございますが、これは冒頭の外国価格調整と同じ考え方で、1.5倍と いうことで倍率を修正いたしております。  おめくりいただきまして、6ページでございますが、III、安定供給に係る事項の下の点 線囲いでございます。ここのところは具体的な内容を明記させていただいておりまして、 報告がなされた医療機器について、つまり安定供給が困難な事態に至ることが判明したと いう場合ですが、「報告がなされた医療機器について、当該医療機器の機能区分に属する ほかの医療機器も含めて流通実態がないことが明らかとなった場合には、直近に予定して いる診療報酬改定の際に、当該機能区分を廃止する旨を中医協総会に報告し、その次の改 定の際に材料価格基準から削除する。」ということで、事実上は2年間の周知期間をもっ て対応するということを明記させていただいたということでございます。  お隣7ページでございますが、同じく安定供給に係る部分、2.でございます。供給が 著しく困難で十分償還されていない特定保険医療材料の手続きに関しましては、別途基準 を策定ということで、I、供給が著しく困難で十分償還されていない医療材料の償還価格 の見直しの基準をお示ししているものでございます。  最後になりますが、8ページでございます。IV、歯科医用貴金属材料の基準価格の随時 改定に係る事項の内容でございますけれども、修正の内容といたしまして、下の点線囲い のところにございますけれども、数値を0.95、1.05に修正し、よりきめ細かく対 応するという形になっております。  事務局から以上でございます。 ○小林(麻)部会長  どうもありがとうございました。  昨年了承いただきました骨子に基づきまして、現行のルールを改定したということでご ざいますけれども、何か御質問等がありましたら、お願いいたします。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  1ページ目なんですが、外国価格というものがどういうものなのか教えていただけない でしょうか。 ○小林(麻)部会長  事務局、お願いいたします。 ○医療課企画官  ここで申し上げています外国価格、すなわち内外価格差の観点から、償還価格と外国の 価格との比較をいたしまして、著しい乖離がある場合にということでございます。この場 合の外国価格と言いますのは、1ページの現行取扱いルールのところに書いてございます けれども、アメリカ合衆国、それから、英国でございますけれども、連合王国、ドイツ及 びフランスの4カ国につきまして、国別の価格を相加平均した額を算出し、比較をしてい るものでございます。  事務局からは以上です。 ○小林(麻)部会長  鈴木委員、いかがでしょうか。 ○鈴木委員  外国価格というと外国のカタログのリストに載っている価格なのか、実際に買う場合の 購入価格なのか、それによって大分違うと思うんですが、現時点ではカタログに載ってい る、日本でいうメーカー希望小売価格のような価格だということで、実際にはそういう値 段で買う方はだれもいないと思うんです、少なくとも我が国においては。ですから、実際 に売られている値段ではない値段を平均しても、それ自体がもともと高い可能性があるわ けですから、外国価格というものをもっと外国における実勢の価格に近づける努力という ものが必要ではないかと思うんですけれども、そういう取組はされているのかどうかお聞 かせください。 ○小林(麻)部会長  リストのプライスではなくて、実勢の価格であるという記述がここにはございませんの で、その点を伺いたいということなんですが、事務局、お願いいたします。 ○医療課企画官  参照する外国平均価格の在り方につきましては、保険医療材料に限らず、長い経緯の下 でさまざまな御議論をいただいたと承知いたしております。最終的に市場価格と償還価格 に乖離があるというのは、日本ももちろんそうですけれども、外国の保険医療制度におき ましても、似たような課題が当然あろうと思います。どういった価格を参照するかという ことにつきましては、実態といたしまして、基準として使用することが適当な価格という ものが、市場実態を勘案しますとさまざまな価格がございますので、いろんな御議論があ る中で、最終的にはまずリストプライスが一つ基準になるということで、これまでこうい った活用の仕方をさせていただいているところでございます。  もちろん、御指摘のとおり、市場実勢価との乖離につきましては、当然そういったもの が存在するということは念頭に置きつつ、特に内外価格差の問題については対応していく ことが必要だと思いますけれども、事務局といたしましては、現在、実務的に活用可能な 価格の目安といたしまして、まずはリストプライスということで、これまでこういった対 応をさせていただいたところでございます。  事務局からは以上でございます。 ○小林(麻)部会長  この問題につきましては、我が国と保険制度が類似しているオーストラリアなどの価格 等も今後検討していくというようなことが議論されたと思いますが……。 ○鈴木委員  ええ。それが今回の文章に入ってないですよね。それに関しては、今回入らないでどう いうふうにされるおつもりなのか。検討というのは永遠に検討されるのか、次回は入れる ということなのか、教えていただきたいと思います。 ○小林(麻)部会長  事務局、お願いいたします。 ○医療課企画官  今回お示ししておりますのは、実務的な観点から、特に取扱い、あるいは、算定のルー ルに係る部分につきまして、骨子を抜き出しましてお示ししております。鈴木委員御指摘 の内容につきましては、御案内のとおり部会のほうでこれまで御議論いただきまして、こ こにお示しはしておりませんけれども、その骨子の内容の中で、先ほど部会長に御紹介い ただきました内容を含め記載されているところでございます。  事務局からは以上でございます。 ○小林(麻)部会長  今回はルールの改定ということで、骨子の内容に含まれているところのオーストラリア 等の価格を参考にするということは含めていないということでございますけれども、鈴木 委員、いかがでしょうか。 ○鈴木委員  前回の話の時にはあたかも次回から入るような雰囲気だったような気がするんですけれ ども、実際の文章になるとそういうものが全く消えてしまうというのは、話の内容が反映 されていないのではないかなと思うんです。もっと具体的にオーストラリアというものを 次回から入れるというようなことをはっきりと記載されたらいかがでしょうか。 ○小林(麻)部会長  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  鈴木委員はオーストラリアを次回から入れるというふうに御主張されていますが、私ど もは合意した覚えはございません。4カ国以外のところについてこれから検討するという ことについては合意をいたしましたが、次回から対象に入れるということについてこの材 料部会で合意したということはないというふうに私は認識をしております。今、事務局か ら説明のありましたとおり、これはルールをこうしますという話で、前回の骨子の時には オーストラリア等について検討するということは記載されておりましたので、それはそれ で正しいというふうに私は思っておりますけれども。 ○鈴木委員  ぜひ次回以降きちっと、また話が振り出しに戻らないように附帯意見とか何か、そうい う形でオーストラリア等もっと我が国の医療制度に近い適切な価格と考えられる国を、例 えばアメリカなどよりもはるかにほかの国は安いわけですよね。ですから、そういった国 をもっと参考にするような方向で進むような、附帯意見でも何でもいいと思いますけれど も、入れられたらよろしいというふうに思います。 ○小林(麻)部会長  鈴木委員の御主張は十分理解できますし、実勢価格とリストプライの乖離があるという ことも事実でございますので、その乖離をなるべく縮小するような方向で、この材料部会 としては検討したいということで、その点では合意を得られていると思いますが、いかが でしょうか。そこで……。 ○白川委員  もちろん結構です。次回からオーストラリアも外国平均価格の対象国にするという御意 見だったので、それは合意はしておりませんと申し上げただけでございます。 ○小林(麻)部会長  趣旨としては、実勢価格との乖離を縮めていくということで、参照する国については今 後さらに検討していくということで、骨子の中にはそのような方針が盛り込まれていると いうことでございますので、御理解いただきたいと思います。  ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。  それでは、ほかに御質問等がございませんでしたら、当部会として……。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  それから、移転価格の件なんですが、移転価格というのが非常に高く設定されているこ とも問題だと思うんですけれども、これはどういう事情なのか。移転価格をさらに安くし ていくための取組というのはどんなことが行われているんでしょうか。 ○小林(麻)部会長  この点については、移転価格というのがこれまで非常に不透明な形でございましたので、 それを薬価と同じように、移転価格について資料の提出を求めるということを明確に記載 したということでありますので。決してこれまで高かったということではなく、明らかに すると、なるべく明確にするという方針でルールに盛り込まれているのだというふうに理 解しておりますけれども、事務局、いかがでしょうか。 ○医療課企画官  部会長の御説明のとおりだと思います。 ○小林(麻)部会長  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  その際、資料の提出をするのを保険適用希望者等に対しということで、同じ人に自分が 損するようなことをさせかねないようなことで、実際に実効的な効果が上がるのかどうか、 ちょっと疑わしい部分もあると思うんです。もっと別な形で価格調査とか、これだけ世の 中、世界が狭くなっている状況ですから、外国価格についても、移転価格についても、業 者頼みではなくて、厚労省や、そういったところが、国内ではこれだけ細かく緻密に我々 の情報を把握してコントロールされるように進んでいるわけですから、ぜひ外国価格や移 転価格についても、みずから少しでも安くという観点で調査をする仕組みをつくられたら いいと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ○小林(麻)部会長  先ほどの議論とも共通しているところがあると思うんですけれども、価格の適正化を図 るといった意味で透明性を高めるという、基礎となる価格については透明性を高めるとい う方向で、医療材料としては薬剤と同じように踏み込んだ記載にしているという理解でご ざいますけれども、事務局、それでよろしいでしょうか。 ○医療課企画官  部会長御説明のとおり、これまで特定保険材料につきましては、価格の設定の方式が類 似機能比較方式と原価計算方式のいずれかで算定するというルールで対応してきておりま すが、その中の原価計算の取扱いの中で、輸入の医療材料につきましては、移転価格を原 価計算の中で、実際にその積み上げの中で活用されているケースがございまして、その根 拠となる資料等につきまして、部会長御指摘のとおり、適正な価格設定をするという観点 から、必要な取扱い、必要な資料の提出を求めるということを今回記載しておりますので、 私どもの理解では、精神といたしましては、鈴木委員御指摘のとおり、なるべく適正な価 格を算定するために参考となる資料の提出を求めるということを明記したということで、 これですべて十分ということではないんでしょうけれども、非常に大きな一歩であろうと いうふうに理解いたしております。  事務局から以上でございます。 ○小林(麻)部会長  部会としては、内外価格差を縮小するという方向で今後も取り組んでいきたいというこ とが、十分、骨子に盛り込まれていると思いますので、そのような方向で進めていきたい と思いますが、よろしいでしょうか。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  確認なんですけれども、1号側の先生方も国民の立場でしょうから、なるべく支払が少 ないほうがいいというお考えですよね。ですから、その考えに沿っていれば、鈴木委員が おっしゃったことを御理解願いたいというふうに思います。 ○小林(麻)部会長  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  それは鈴木先生や嘉山先生のおっしゃるとおりで、私どもも医療材料が安ければ安いほ どいいということは同じでございます。ただ、具体的にどう進めるかということになると いろんな障害があるのは確かでして、リストプライスと実勢価格の差というのは日本でも もちろんあるわけですけれども、特に海外のリストプライスと実勢価格の差というのは、 確かスウェーデンとかオーストラリアの実態調査をやった時に、かなり大きいといった調 査結果がこの場でも説明されましたので、私どもも認識しておりますし、できれば実勢価 格ということでやっていただきたいという思いは同じでございます。  ただ、例えば移転価格の問題で、今、鈴木先生からお話がありましたが、原価の資料を 出せということまで今回求めようということにしているわけでして、私はメーカーに勤め ておりましたので、承知をしておりますけれども、企業が原価の数字を出すというのはか なり抵抗のある話でございまして、そこまで踏み込んでやろうというのが今回ここの文章 に書き込まれておりますので、私は今回はここまでかなというふうに理解をしているとい うことでございます。思いは同じでございます。 ○小林(麻)部会長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  私も、機械メーカーが倒産したりということは困るので、白川委員がおっしゃるように、 原価まで企業の中身まで細かくというのは無理だと思うんです。私が使っていた実験器具 は会社がなくなってしまったりして非常に困るので、その辺は勘案だと思うんですけれど も、基本的には国によってかなり安く買っている、特にアメリカ製品を安く買っている国 があるので、それは企業のほうでも努力していただくということを1号側はもちろん御賛 成ですよね。 ○白川委員  いえ、そうではなくて、2ページの一番下に移転価格の部分がございますけれども、 「輸入先国における価格の状況等の輸入原価の参考となる資料の提出を求める」というふ うに、ここにはっきり書き込まれておりますので、そういう意味では本当の製造原価まで 踏み込めるかどうかは別にして、そこまで考えてこれからやるのだという意図がここには あると私は理解をしております。 ○小林(麻)部会長  いろいろ御議論いただきましたけれども、医療材料につきましても、さまざまな内外価 格差の問題、実勢価格とリストプライスの乖離の問題等ございますけれども、それを縮小 する方向で保険医療材料部会としても検討してきたということの検討結果がルールに落と し込まれているということでございますが、ほかによろしいでしょうか。  それでは、当部会として案のとおり了承し、この後に開催されます総会に提出して、報 告したいと思います。よろしいでしょうか。  それでは、そのようにさせていただきますので、よろしくお願いいたします。  次回の日程につきまして、事務局から何かございましたら。 ○医療課企画官  未定でございます。もってまたお知らせさせていただきます。 ○小林(麻)部会長  それでは、本日の保険医療材料専門部会は、これにて閉会といたします。 【照会先】 厚生労働省保険局医療課企画法令第二係 代表 03−5253−1111(内線3276)