2009/09/29 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会 議事録 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会 議事録 1.日時及び場所    平成21年9月29日(火) 15:00〜    厚生労働省共用第8会議室 2.出席委員(18名)五十音順 赤 堀 文 昭、 飯 島 正 文、 大 野 泰 雄、 笠 貫   宏、  神 山 美智子、 黒 木 由美子、 宗 林 さおり、 土 屋 文 人、  西 島 正 弘、 早 川 堯 夫、 藤 田 利 治、 本 田 圭 子、 松 井   陽、 松 本 和 則、 溝 口 昌 子、◎望 月 正 隆、 ○山 口   徹、 吉 田 茂 昭   ◎薬事分科会長 ○薬事分科会長代理   欠席委員(5名)   池 田 康 夫、 井 部 俊 子、 木 津 純 子、 竹 嶋 康 弘、     永 井 良 三、    3.行政機関出席者    高 井 康 行(医薬食品局長) 岸 田 修 一(大臣官房審議官) 熊 本 宣 晴(総務課長) 成 田 昌 稔(審査管理課長)、関 野 秀 人(医療機器審査管理室長)、 山 本 順 二(化学物質安全対策室長) 森   和 彦(安全対策課長)、 國 枝   卓(監視指導・麻薬対策課長)、宿 里 明 弘(監視指導室長) 池 田 一 樹(農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課長)他 4.備考    この会議は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。 ○総務課長 それでは、定刻となりましたので、ただ今から「薬事・食品衛生審議会薬事 分科会」を開催いたします。当分科会員は23名おられますが、うち18名の委員の先生方 に御出席を賜っております。定足数に達しておりますことを御報告申し上げます。  初めに、7月24日付けで医薬食品局ほかの人事異動がありましたので御紹介します。 申し遅れましたが、私は総務課長の熊本でございます。よろしくお願いいたします。続き まして、審査管理課長の成田です。監視指導・麻薬対策課長の國枝です。医療機器審査管 理室長の関野です。監視指導室長の宿里です。医薬情報室長の奥村です。以上のほか、安 全使用推進室長の佐藤、医薬品副作用被害対策室長の横幕、薬事企画官の山本が少し遅れ ているようですが、以上3名追加で異動しております。また、7月14日付けで農林水産 省畜水産安全管理課長に着任しました池田です。  それでは望月分科会長、以後の進行をよろしくお願いいたします。なお、カメラ撮りは ここまでとさせていただきます。恐縮ですが、報道関係者の方々は御退室をお願いいたし ます。 ○望月分科会長 それでは、本日の分科会を始めます。最初に、事務局から配布資料の確 認をお願いします。 ○事務局 資料の確認をお願いします。審議事項については資料1〜7、報告事項につい ては資料8〜20となっております。なお本日、その他事項として2議題が追加となって おります。資料21-1、資料21-2、資料22として本日配布しております。  その他の当日配布資料ですが、資料6-2「添付文書(案)差し換え」、資料23「競合品目 ・競合企業リスト」「議事次第」「座席表」「委員名簿」をお配りしております。また、 文書報告の資料はすでに先生方に送付しておりますが、お手元に参考までに「文書報告一 覧」を配布しております。  続きまして、審議参加に関する御報告をいたします。申請資料作成に関与した委員です が、該当委員はいらっしゃいません。また、本日の審議事項に関する競合品目・競合企業 について、資料23として配布しておりますが、その選定理由等を説明します。いずれも 関係部会で報告した内容となっております。  資料23ですが、1ページ目の「イメンドカプセル80mg、同125mg、同カプセルセット」 です。本品目の申請会社は、小野薬品工業株式会社です。本剤は臨床応用された世界最初 のサブスタンスP/ニューロキニン1受容体拮抗薬であり、国内において現在使用可能な 「抗悪性腫瘍剤投与に伴う悪心・嘔吐」に対する標準的な制吐剤である5-HT3受容体拮 抗薬やコルチコステロイドとは異なる新規作用メカニズムを有しており、5-HT3受容体 拮抗薬やコルチコステロイド併用療法に上乗せして投与するため、競合品目はないと判断 されております。  次に、2ページですが、萬有製薬株式会社及び小野薬品工業株式会社から申請されてい る「ジャヌビア錠25mg、同50mg及び100mg、並びにグラクティブ錠25mg、同50mg、100mg」 です。本剤は、全く新しい作用機序である「DPP-4阻害作用」を有する2型糖尿病治 療薬であるため、現時点で承認されている薬剤の中で、薬理作用、組成及び化学構造式か ら見た競合品目はないと考えられ、そこで現在申請中のDPP-4阻害薬2品目を選定し ております。このほかに、DPP-4阻害薬の上市予定が不明であることから、既存の2 型糖尿病治療薬より選択することとし、本剤上市時点での単剤投与時及び併用薬投与時の 薬剤選択において同様の特長を有すること等を考慮し、本剤と同一の効能・効果を有し、 売上高から見ても最も汎用されている「アクトス錠」を選定しております。  続きまして、3ページのグラクソ・スミスクライン株式会社から申請されている「サー バリックス」について説明します。本剤の予定される効能・効果は「子宮頸癌の予防」で す。本邦で同じ効能・効果を有する観点から、製造販売承認申請中である萬有製薬の4価 HPV組換えワクチンが競合品目として選定されております。  4ページに移ります。ワイス株式会社から申請されている「プレベナー水性懸濁皮下注」 についてです。本剤の予定されている効能・効果は、『肺炎球菌による侵襲性感染症の予 防』です。本剤と同一の効能・効果を有している品目は存在しないが、肺炎球菌による感 染症の予防を効能・効果としている萬有製薬株式会社の『ニューモバックスNP』が国内 で販売されている類似品目と考えられ、競合品目として選定されております。  5ページです。サモフィ・アベンティス株式会社から申請されている「ラスリテク点滴 静注用1.5mg、7.5mg」です。本剤が予定する効能・効果と同じ効能・効果を有する製剤 は存在しないため、本邦で競合品目として選定でき得る薬剤はないとされています。  6ページです。ワイス株式会社から申請されている「ベネフィクス静注用250、500、 1000、2000」です。本剤の予定されている効能・効果は、「血友病B患者における出血傾 向の抑制」です。本剤とほぼ同様な効能・効果及び作用機序を有するヒト血液凝固第IX 因子製剤3品目が国内で承認され市販されていることから、これらが競合品目として選定 されております。  最後になりますが、ファイザー株式会社から申請されている「スレントロール」です。 本剤については、効能・効果、薬理作用、組成及び化学構造式等の類似性等の観点から、 本剤と競合する品目はないとされております。長くなりましたが、競合品目に係る説明は 以上です。 ○望月分科会長 ありがとうございました。ただ今の事務局からの説明について、特段の 御意見はございますか。よろしいですか。それでは、本分科会における審議の際の申合せ 事項については、競合品目・競合企業の妥当性も含め了解をいただいたものとします。  続いて、委員からの申出状況について報告をお願いします。 ○事務局 各委員からの申出状況について御報告します。  議題1「医薬品イメンドカプセル」については、退室委員、議決に参加しない委員は共 にいらっしゃいません。議題2「医薬品ジャヌビア錠」については、退室委員はいらっし ゃいません。議決に参加しない委員は土屋委員です。議題3「医薬品サーバリックス」に ついては、退室委員、議決に参加しない委員は共にいらっしゃいません。議題4「医薬品 プレベナー」については、退室委員、議決に参加しない委員は共にいらっしゃいません。 議題5「医薬品ラスリテック」については、退室委員、議決に参加しない委員は共にいら っしゃいません。議題6「医薬品ベネフィクス」については、退室委員、議決に参加しな い委員は共にいらっしゃいません。議題7「動物用医薬品スレントロール」については、 退室委員、議決に参加しない委員は共にいらっしゃいません。以上です。 ○望月分科会長 それでは、議事1に入ります。議題1、資料1「医薬品イメンドカプセ ル80mg、同カプセル125mg及び同カプセルセットの生物由来製品及び特定生物由来製品 の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否 について」です。  本品目は、既承認の類似薬がない新有効成分を含有する医薬品に係る事項ですので、 「薬事分科会における確認事項」第3項に基づき、医薬品第一部会での審議結果を踏まえ て薬事分科会にて審議を行うこととなっております。初めに部会での審議結果等を御報告 いただいた後、当分科会で審議をしたいと思います。それでは、医薬品第一部会長の松井 委員から御説明をいただきたいと思います。 ○松井委員 御説明いたします。シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与により、高度の悪心 ・嘔吐が発現することが知られております。そのような抗悪性腫瘍剤によるがん化学療法 に伴う悪心・嘔吐を抑制するための標準療法として、現在では、セロトニン(5-HT3)受 容体拮抗薬とステロイドの併用投与が行われております。しかし、それでもなお、抗悪性 腫瘍剤投与後24時間以内の急性期には約25%、その後も通常5日間は約50%の患者で遅 発性の悪心・嘔吐が発現するため、新たな治療法が望まれております。一方、ニューロキ ニン1(NK1)受容体が、悪心・嘔吐治療に対する新たな標的として注目されており、選 択的NK1受容体拮抗薬である本剤が非臨床試験においてシスプラチン等の抗悪性腫瘍剤 による嘔吐を抑制したため、効果が期待され、開発に至っております。  本薬は、2003年3月に米国において承認を取得した後、2009年3月現在、世界69か国 において「抗悪性腫瘍剤投与に伴う悪心・嘔吐」の適応で承認されております。提出され た資料から、国内外で実施された臨床試験において、抗悪性腫瘍剤による悪心・嘔吐の抑 制作用が認められ、有効性は示されていると判断しております。また、安全性についても 大きな問題は認められておりません。  本薬については、去る7月24日に開催された医薬品第一部会において審議し、承認し て差し支えないとの判断に至りました。以上、概要を説明しましたが、事務局から、少し 詳しい説明をお願いします。 ○望月分科会長 ありがとうございます。事務局から補足等の説明をお願いします。 ○事務局 資料1-1、資料1-2「イメンドカプセル125mg、他」の審査の概略について、 臨床試験の成績を中心に御説明します。主な臨床試験に関する資料として、国内第II相臨 床試験1試験と海外第III相臨床試験3試験の成績が提出されております。  有効性に関して、報告書63ページの表55及び表56を御覧ください。国内外の臨床試 験における本薬の主な用法・用量は、初日125mg、2日目以降は80mgを投与することと されております。主要評価項目である抗悪性腫瘍剤投与後「全期間(0〜120時間)におけ るComplete Response(嘔吐なし、かつ救済治療なし)の患者割合」について、対照群であ るセロトニン受容体拮抗剤であるものとデキサメタゾンとの2剤併用による標準治療群 と標準治療に本薬を併用した群の間に有意な差が認められたこと、各副次評価項目につい ても、本薬群において対照群に対して大きく劣る結果は認められていないことが確認され ました。標準治療に対する本薬併用時の有効性は示されていると判断しました。  安全性に関しては、国内臨床試験の有害事象として報告書49ページの表28、主な海外 臨床試験の有害事象として報告書69ページの表62を御覧ください。国内外の臨床試験を 評価した結果、対照群と比較して本薬群について特段注意すべき有害事象は認められてお らず、本薬の安全性については現時点で特段問題にすべき点はないと判断しております。 ただし、本薬は新規作用機序を有する薬剤であることから、製造販売後の安全性情報につ いて一定期間ごとに集計・解析の上、医療現場に対して適切に情報提供することが必要と 考えております。  以上のとおり、総合機構の審査及び医薬品第一部会での審議の結果、本薬の抗悪性腫瘍 剤投与に伴う遅発期を含む悪心・嘔吐に対する有効性は認められ、安全性には特段問題が 認められないことから、承認して差し支えないと判断し、薬事分科会で審議されることが 妥当との判断に至りました。なお、再審査期間は8年、原薬及び製剤は毒薬・劇薬に該当 せず、特定生物由来製品又は生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。 説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。 ○望月分科会長 ありがとうございました。ただ今の御説明について御意見、御質問等は ございますか。 ○土屋委員 確認なのですが、今回80mg、125mgのほかにカプセルセットというのがある のですが、これはあくまで3種類のものが承認されるという考え方ですか。 ○事務局 そのように理解しております。 ○土屋委員 そうしますと、今回包装などを見るとかなり工夫がされているということで すが、処方せんの書き方とか、そういうことも気にしなくてはいけない。というのは、セ ットを1セットと書く書き方もあれば、125を1カプセル、80を2カプセルという書き方 も出てくるものですから、そのときにどう対応付けるかは125を1、80を2と書いたと きにセットで出していいのかどうかとか、そういうことまで含まれてくるのです。処方せ んの書き方については、内容というよりは現場での混乱を減らすために、検討をきちんと した方がいいのではないかという気がします。  もう1点、このように単包化されて、せっかく1カプセルずつ服用日が入っているので すが、以前リウマトレックス等でこのような形態にしていて、何月何日という所が記載さ れないまま使われ、連日投与やいろいろなことで事故を起こした経緯もありますので、こ ういう特殊な包装をさせたときには、そこをきちんと書くように指導することも必要では ないかと思います。 ○事務局 そのようにいたします。 ○望月分科会長 それでは、そのような指導をしていただくことにいたします。ほかには 御意見はございますか。よろしいですか。海外でも使用実績があるし、特に問題ないとい うことですので、御意見がないということで議決に入ります。部会の報告を踏まえ、当分 科会としても本品目について、製造販売承認を可、再審査期間は8年、原体、製剤ともに 毒薬、劇薬に該当しない、生物由来製品及び特定生物由来製品の指定は不要とすることが 適当であると認める旨、議決したいと思いますがよろしいでしょうか。  ありがとうございました。御異議なしと認めます。それでは、薬事・食品衛生審議会規 程第3条第1項の規定に基づき、当分科会の議決をもって審議会の議決とし、厚生労働大 臣に答申することといたします。答申書の文案その他の取扱いについては私に御一任いた だいてよろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただ きます。  次の議題に入ります。議題2、資料2「医薬品ジャヌビア錠25mg、同錠50mg及び同錠 100mg並びにグラクティブ錠25mg、同錠50mg及び同錠100mgの生物由来製品及び特定生 物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の 指定の要否について」です。  本品目は、既承認の類似薬がない新有効成分を含有する医薬品に係る事項ですので、 「薬事分科会における確認事項」第3項に基づき、医薬品第一部会での審議結果を踏まえ て薬事分科会にて審議を行うこととなっております。初めに部会での審議結果等を御報告 いただいた後、当分科会で審議をしたいと思います。医薬品第一部会長の松井委員から御 説明をいただきたいと思います。 ○松井委員 本剤について概要を説明します。本剤は、シタグリプチンリン酸塩水和物を 有効成分とする経口の糖尿病治療薬であり、食事摂取により腸管から分泌されるGLP-1 及びGIPの不活化酵素であるDPP-4を阻害することにより、これらの血中濃度が上 昇し、インスリンの分泌促進とグルカゴンの分泌抑制を介して血糖値を低下させるとされ ております。  本剤は、2009年4月現在、欧米を含む世界80以上の国・地域で承認されております。 一方、国内においては同様の作用機序を有する既承認薬はありません。本申請に添付され た資料によると、HbA1c変化量を主要評価項目とした本剤の単独療法、ピオグリタゾン との併用療法、メトホルミンとの併用療法、グリメピリドとの併用療法についてそれぞれ 第III相試験が実施され、いずれにおいても本剤の有効性が検証されました。52週間投与 時の有効性についてもそれぞれ確認されております。また、安全性については、低血糖を 含め臨床上問題になるような副作用は認められておりません。  本剤については、去る7月24日に開催された医薬品第一部会において審議し、国内臨 床試験成績、重度腎機能障害患者に対する投与の可否、製造販売後調査について議論し、 承認して差し支えないとの判断に至りました。以上、本剤の概要を説明しましたが、詳細 については事務局から説明をお願いします。 ○望月分科会長 ありがとうございます。事務局から補足等の説明をお願いします。 ○事務局 資料2-1、資料2-2「医薬品ジャヌビア錠25mg、グラクティブ錠25mg他」(シ タグリプチンリン酸塩水和物)の審査の概略について、臨床試験の成績を中心に御説明し ます。有効性及び安全性に関する資料として、国内で実施された第II相試験、第III相試験、 及び海外臨床試験の成績が提出されております。  有効性に関して御説明します。国内第III相試験として、HbA1c変化量を主要評価項目 とした本剤の単独療法試験が実施され、審査報告書57ページの表19に示したとおり、本 剤群と対照薬であるボグリボース群におけるHbA1c変化量の群間差は0.39%であり、 その95%信頼区間の下限値が事前に設定した非劣性限界値である-0.2%を上回ったこと から、本剤群の対照群に対する非劣性が検証されました。このほかに、国内第III相試験と して、ピオグリタゾンとの併用療法が59ページの表21、メトホルミンとの併用療法を62 ページの表24、グリメピリドとの併用療法を65ページの表26に示し、その試験もそれ ぞれ実施され、いずれにおいても本剤の有効性が検証されました。また、52週間投与時 の有効性についてもそれぞれ確認されております。  安全性に関しては、74ページに示したとおり腫瘍発生との関連性、筋骨格系及び結合 組織障害、心臓障害との関連性について評価したところ、一定の傾向は認められませんで した。また、75〜77ページにお示ししているとおり、単独療法と他の薬剤との併用療法 ごとに低血糖症を中心に安全性を評価したところ、大きな問題は認められておりません。 ただし、血液透析又は腹膜透析を要する患者を含む重度腎機能障害患者に対しては、国内 で検討症例はなく、販売予定製剤では適切な用量調節ができないこと等を踏まえ、安全性 の観点から、現時点では投与禁忌とすることが妥当と考えております。  疾患の性質から、本剤は長期間投与されることが予想されるため、89ページ中ほどに お示しするとおり、経過観察を3年間、調査予定症例数を3000例とした長期使用に関す る特定使用成績調査を実施し、本剤長期投与時の安全性、有効性、心血管イベント及び腫 瘍の発現・発生等の情報が収集される予定です。また、観察期間を1年間、調査予定症例 数を100例とした腎機能障害患者を対象とした特定使用成績調査も実施される予定です。  以上、総合機構の審査及び医薬品第一部会等の審議の結果、本剤は「2型糖尿病」に対 する有用性が認められ、承認して差し支えないと判断し、薬事分科会で審議されることが 適当との判断に至りました。なお、再審査期間は8年、原薬及び製剤は毒薬・劇薬のいず れにも該当せず、特定生物由来製品及び生物由来製品のいずれにも該当しないと判断され ました。説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いします。 ○望月分科会長 ありがとうございました。ただ今の説明につきまして御意見、御質問等 ございますか。特に御意見はないということでよろしいでしょうか。本薬も外国での実績 があるということですので、特に問題ないと判断してよいかと思います。  それでは、特段の御異議がないということですので、議決に入りたいと思います。  土屋委員におかれましては、寄付金等に関する申出に基づきまして、議決への参加を御 遠慮いただくこととします。  部会の報告を踏まえ、当分科会としても本品目について、製造販売承認を可、再審査期 間を8年、原体、製剤ともに毒薬、劇薬に該当しない、生物由来製品及び特定生物由来製 品の指定は不要とすることが適当であると認める旨、議決したいと思いますが、よろしい でしょうか。  ありがとうございました。御異議なしと認めます。それでは、薬事・食品衛生審議会規 程第3条第1項の規定に基づき、当分科会の議決をもって審議会の議決とし、厚生労働大 臣に答申することとします。答申書の文案その他の取扱いについては私に御一任いただい てよろしいでしょうか。それでは、そのようにさせていただきます。  次の議題に入ります。議題3、資料3「医薬品サーバリックスの生物由来製品及び特定 生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬 の指定の要否について」です。  本品目は既承認の類似薬がない新有効成分を含有する医薬品に係る事項ですので、「薬 事分科会における確認事項」第3項に基づき、医薬品第二部会での審議結果を踏まえて薬 事分科会にて審議を行うこととなっております。初めに部会での審議結果等を御報告いた だいた後、当分科会で審議をいたしたいと思います。医薬品第二部会長の吉田委員から御 説明をお願いします。 ○吉田委員 サーバリックスについて概要を説明します。子宮頸癌は、世界中の女性で乳 癌に次いで多く発症する癌です。その主要原因ですが、これはヒトパピローマウイルス(H PV)の感染とされております。HPVについては、これまでに100以上の遺伝子型が報 告されております。そのうち、およそ10数種類のウイルスが癌原性のHPVとして知ら れており、その感染が持続すると子宮頸癌の発症リスクが高まるとされております。中で も16型及び18型の2種類が、全世界の子宮頸癌の約70%と高頻度に検出されているこ とが報告されております。  本剤は、このHPV-16型及び18型の外殻(キャプシド)を構成するたん白質を、バキ ュロウイルス発現系を用いて昆虫細胞によって産生させ、得られたウイルス様粒子たん白 質を新規有効成分とするワクチンです。免疫賦活剤、いわゆるアジュバントとして、アル ミニウムのほかにサルモネラ菌由来のリピドA誘導体であるモノホスホリルリピドA(M PL)を含有しております。MPLを含有するアジュバントの添加により、高い抗体価の 持続と細胞性免疫の誘導が見込まれております。  本剤は、2009年8月の時点で、欧州など96か国で承認を取得しております。現時点に おいて、本邦で既承認の類薬はありません。本邦の人口動態統計における2005年の子宮 頸癌による死亡率は、人口10万人あたり3.8人とされており、近年20〜30歳代の女性に おいて増加傾向が認められるということが報告されております。子宮頸がん予防策とし て、子宮がん検診に加え、HPVワクチンの臨床使用を求める医療上の要望及び社会的関 心が高まってきており、このような背景を踏まえ、平成19年9月26日に本剤の製造販売 承認申請がなされました。なお、本品目は優先審査品目に指定されております。  本剤については、去る8月31日に開催された医薬品第二部会において審議した結果、 承認して差し支えないとの判断に至りました。以上、本剤の概要を御説明いたしましたが、 事務局からさらに詳しい説明をお願いしたいと思います。 ○望月分科会長 ありがとうございます。事務局から補足等お願いします。 ○事務局 資料3「サーバリックス」の審査の概略について、臨床試験成績を中心に御説 明します。本剤の有効性及び安全性に関する資料として、国内で実施された第II相試験及 び第III相試験、並びに海外臨床試験の成績が提出されております。  まず、有効性について御説明します。臨床試験の主要評価項目については、HPVの感 染から発癌に至るまでの期間が長期にわたり、その頻度も低く、真のエンドポイントであ る子宮頸癌の予防を指標とした臨床試験を実施することは現実的に困難であることから、 海外で実施された主要な試験においては、HPV-16型及び又は18型に起因する子宮頸 癌の前駆病変(子宮頸癌上皮内腫瘍、即ちCIN、のグレード2以上)の予防を主要評価項 目として試験が実施されております。  審査報告書45ページを御覧ください。表17にお示ししておりますように、本剤群に比 べて対照群で前駆病変が多く認められ、HPV-16型及び又は18型に起因する前駆病変 の予防に係るワクチンエフィカシーの97.9%信頼区間の下限が0を上回り、本剤群と対 照群との有意差が示され、本剤の有効性が確認されたとしております。本邦においては、 HPV-16型及び又は18型による6か月以上の持続感染を指標に試験が実施されました。 資料の35ページを御覧ください。表4にお示ししますように、持続感染が認められた例 はいずれも対照群のみで、ワクチンエフィカシーの99%信頼区間の下限は0を上回り、 有意差が認められております。  低年齢層を対象とした試験においては、国内外とも免疫原性を指標としております。国 内の臨床試験成績において、審査報告書37ページの表7にお示ししますように、本剤接 種により、接種前の血清抗体の有無に関わらず、自然感染時を大幅に上回る血清抗体価が 得られることが示されております。また、海外臨床試験成績から、本剤接種により、少な くとも数年間、高い抗体価が維持されることが報告されております。なお、本剤の追加接 種の要否については現時点では明らかになっておりません。また、試験成績から16型、 18型以外のHPV型に対する予防効果は不明であり、すでに感染している場合の有効性 は期待できないと判断しております。  次に、安全性についてですが、52ページ以降を御覧ください。52ページ以降に本剤の 安全性について記載しております。国内、海外とも接種部位反応が顕著に認められました が、これらの症状は一過性であり、忍容可能と判断しております。また、全身症状につい ては54ページにお示ししますように、現時点で、特段問題となる事象は報告されており ません。しかし、本剤はToll-like receptor4のリガンドで免疫応答を誘導する新規ア ジュバント成分であるモノホスホリルリピドAを含有すること、また、本邦初の昆虫細胞 をたん白質発現細胞として用いた遺伝子組換え製剤であること等を踏まえると、特に慎重 に安全性情報を収集し、適切に情報提供していくことが重要であると考えております。  製造販売後につきましては、審査報告書65ページを御覧ください。(9)に示しており ますように、日本人における長期の有効性及び安全性に係る情報収集のため、HPV-032 試験の被験者を対象とした長期追跡調査の臨床試験としての実施及び1000例を対象に全 3回接種の情報を収集する使用実績調査の実施が予定されております。  以上、総合機構の審査及び医薬品第二部会での審議の結果、本剤は「ヒトパピローマウ イルス16型及び18型感染に起因する子宮頸癌及びその前癌病変の予防」に対する有用性 が認められ、承認して差し支えないと判断し、薬事分科会で審議されることが適当との判 断に至りました。なお、再審査期間は8年、原薬及び製剤は劇薬に該当し、生物由来製品 に該当するとされております。説明は以上です。御審議よろしくお願い申し上げます。 ○望月分科会長 ありがとうございました。ただ今の説明について御意見、御質問等はご ざいますか。 ○神山委員 使用方法というか、接種年齢がよく分からないのですが、今の製造販売後の 審査についても、10歳〜15歳で100例得られている。10歳とか15歳のような子供に1 か月とか6か月とかで3回投与して、それで長期の有効性が分からない、そんなことでわ ざわざ投与する必要があるのでしょうか。子宮頸癌については、最近若い娘さんたちの問 題はあるのだと思いますが、10歳というのはいくら何でも、10歳から子宮頸がん予防の ためのワクチンを接種するということに非常に違和感を感じるのです。 ○望月分科会長 ただ今の点について、事務局からお答えいただけますか。 ○機構 10歳以上という年齢については、審査の中でも議論になりましたが本剤の場合 にはあくまで予防的なワクチンであること、すでに感染している場合にはその発症を抑え る効果はないこともあって、試験成績等から10歳以上の女性に接種することについて有 効性、安全性の観点から特に問題ないと判断しております。 ○望月分科会長 今のはお答えになっていますでしょうか。 ○神山委員 例えば、普通の子供の定期の予防接種は、予防接種があるのだということが 分かると思うのですが、子宮頸がんの予防のためのワクチンは、どうやって誰が接種した いと思い、接種を勧めたりするのかということの想像がつかないのですが。 ○望月分科会長 いかがでしょうか。そういう方向からのお答えをお願いしたいと思いま す。 ○機構 パピローマウイルスは、子宮頸癌の主要な原因ウイルスですが、先ほど御説明し ましたように、一度感染してしまうとこのワクチンの効果はあまり期待できないというデ ータが得られております。したがって、セクシャル・アクティビティが開始する前の年齢 に接種することでより有効であろうということで、低年齢についても安全性等の確認をし ております。  類似ワクチンであるガーダシルが既に米国では承認されており、同様の考え方から、州 によっては低年齢の女子に対して接種を義務づける動きも出ております。国内において は、現時点ではそのような対応はなされておらず、希望者に接種するという位置付けにな っております。 ○望月分科会長 ありがとうございました。神山委員、よろしいでしょうか。 ○神山委員 すごい世の中ですね。 ○笠貫委員 サロゲート・エンドポイントで有効性を認めるには当然限界があると思いま す。これはサロゲート・エンドポイントとして許可し、65ページに市販後調査での臨床 試験と書いてあるのですが、そこで初めてサロゲート・エンドポイントが真のエンドポイ ントになるかを検証する段階という位置付けになるのだと思います。もしそうだとするな ら、この臨床試験でサロゲート・エンドポイントと認めた上で、癌を予防するのかを検証 し得る臨床試験になっているかについて、批判的に吟味しているかをお聞きしたいと思い ます。 ○機構 御指摘のとおり、サロゲート・エンドポイントでの評価には限界があると私ども も考えております。海外においてはすでにいろいろな試験が先行しており、中には10〜 20年にわたる調査もあり、情報収集されているところです。私どもとしましても、これ らの結果については十分情報提供されるように努めてまいりたいと思います。 ○笠貫委員 そうしますと、世界中での長期にわたるサロゲート・エンドポイントではな くて、真のエンドポイントが有効だというものはどれぐらいあるのかについて、ワクチン を使うにあたって十分情報として提供しなければいけないと思います。その数値がどのよ うになっていて、どこまでその使用にあたっての説明がインフォームドコンセントに入る のかについてお聞きしたいと思います。 ○機構 真のエンドポイントの情報収集も途中段階で、まだ明確に数値はまとめ切れてい ない状況と思いますが、重ねて申請者に確認してまいりたいと思います。 ○笠貫委員 情報収集をどう徹底するかという問題と、先ほどの臨床試験を具体的にどう いう規模で、実施するという担保をどうしているのか、申請者がするということだけでな く、これは非常に大変な臨床試験になりますので、市販した後も厳しく申請者には確認し ていただきたいということをお願いしたいと思います。 ○望月分科会長 よろしいでしょうか。機構の方で十分検討した上で、申請者に確認を取 るということです。 ○機構 そのようにさせていただきます。 ○吉田委員 両委員からの御指摘の点は、実際に部会でも問題になりました。今笠貫委員 がおっしゃった真のエンドポイントでの有効性については、世界中で誰も知らないわけで す。要するに、グローバルで一応科学的と考えられる方法で有効性を推定しているに過ぎ ないわけです。決定的な予防薬ができたということではなくて、基本的に予防の可能性が 高いワクチンができているという御理解でいていただければと思います。  もう一つ、神山委員の御指摘ですが、これはがん予防、つまりがん対策の一環としてど うしたら一番効果的であるかということを前面に押し出しているので、確かに実際の使い 方は難しいと思います。しかし、小児と言っても10歳以下はいくら何でも大変だろうと いうことで、一応10歳から線を引いてありますが、10歳から必ずやれと言っているわけ ではなくて、現場の判断として12歳からでも15歳からでも、適当と思われる方法でやっ ていただければ、審査する側としてはそれで十分ではないかということで審議は終わって おります。 ○宗林委員 今のお話のとおりだと思いますし、重ねて確認することになるかもしれませ んが、実際に予防接種をした子供は、どのぐらい経ったときに何をどう確認して、どう注 意すればいいのでしょうか。例えば、10年後ぐらいに抗体価を調べるというようなこと を、最初に打った人に対して説明をすることがないと、打ったらもう大丈夫と思ってしま っては、検診を受けることのマイナスの要素にもなってしまうかもしれませんので、この 承認にあたっては、打った方がその後どのぐらい経ったときにどういうことに気をつけて いくかという説明がセットでないと、逆効果もあり得るのではないかと思うのですが、い かがでしょうか。 ○機構 まだ案の段階ではありますが接種にあたり、接種される方への説明文書を用意し ております。お手元の資料1.13.2に「サーバリックスの接種をご希望の方へ(案)」をお 示ししております。今御指摘があったような追加接種の要否についてまだ十分な情報が得 られていないこと、ほかの型についての効果は確認されていないことなど、過度な期待を 持たれぬよう注意喚起しております。 ○西島委員 アジュバントとして今までにない新しいものを使われているということで、 安全性が非常に問題だと思うのですが、有効性についてはノンアジュバントと比べての成 績が出ておりますが、安全性についてはノンアジュバントとアジュバントを使ったときで 何かデータがあるかどうかを教えてください。 ○機構 厳密な比較ではありませんので例えば、国内で実施されている試験において、ア ジュバントの異なる対照群を置いて試験をした場合には、本剤で接種部位反応等が高く出 る傾向が認められております。ほかの試験においても、対照薬としてアジュバントの違う もの、もしくはMPLを含まないものに比べると、やや高めの反応が出ております。ただ し、一過性の症状であることも踏まえますと、リスクベネフィットの観点から忍容可能か と判断しております。 ○笠貫委員 患者様への説明文書、インフォームドコンセントは、有効性と安全性と比較 考慮を十分できるように情報提供して決めることになると思うのですが、希望だからとい うことではなくて、希望でやるという根拠を考えるときの有効性について、今の科学で分 かる範囲の情報を最大限分かりやすく示すという意味で、これで十分かどうかという点で 疑問を感じるのです。また、今の御指摘のようなアジュバントの新しい安全性という問題 の不確定な危険性を、もう少し説明文に具体的に盛られないと分からないのではないかと 思うのですが、いかがでしょうか。 ○機構 こちらでお示ししているものは説明文書の一部で、このほかにもう少し分かりや すく、図表等も入れた説明文書を申請者の方で用意しております。中途段階でしたので、 この場で御提示するのは差し控えさせていただきました。 ○望月分科会長 いずれはきちんと揃うということですね。 ○機構 その予定です。また、今回、先生方から御指摘があったことも申請者に伝えてま いりたいと思います。 ○松井委員 お伺いしますが、「サーバリックスの接種をご希望の方へ(案)」という書類 ですが、これは誰が必ず読んで、誰が同意をするという、どのような対象なのかがはっき りしないように見えるのです。私の読みが足りなければ御指摘いただきたいのです。10 歳以上〜15歳となると、親に説明して親が承諾すれば注射をしていいということには、 子供によってはならない点があると思いますが、この説明の対象は誰なのでしょうか。 ○機構 こちらは接種者及び未成年の場合にはその保護者が対象ということで、続いてお 示ししている「接種予診票」、こちらもまだ案ですが、そちらと併せて御覧いただき、本 剤の特徴を御理解いただいた上で接種するかお決めいただくといった趣旨の文書です。 ○松井委員 そうしますと、子供によっては、説明を受けて承諾を得て接種をするという ことでしょうか。 ○機構 そのとおりです。 ○山口分科会長代理 今の「御希望の方へ」の一番最後に、「ワクチンを接種した後も、 定期的に子宮頸がん検診を受診してください」とありますが、10歳の子供に子宮頸がん の検診のシステムがあるのでしょうか。 ○機構 現在、子宮頸癌の検診の対象にそのような低年齢層は入っておりませんので、そ の説明、また将来的には癌検診をきちんと受けるようにということを記載した説明文書を 作成するように指導してまいりたいと思います。 ○望月分科会長 いかがでしょうか。説明文書の問題ではなくて、そういう癌検診のシス テムが今の日本にあるかどうかという御質問かと思うのですが。 ○山口分科会長代理 ないでしょう。 ○機構 御指摘は、そういう低年齢層の子供たちに接種をしても、効果が確認できない、 あるいはカバーするような体制がないという意味でしょうか。 ○山口分科会長代理 この説明文書に、それをやっても、そのあと定期的な子宮頸癌の定 期検診が必要であると書かれているわけですから、10歳の子供に打ったら、そのあと定 期的に検診を受けなければいけないと理解をするわけですね。そうすると、そういうこと が実際できますか。 ○機構 子宮頸癌の検診制度の対象年齢に達したら検診を受けてくださいという御説明 ということにしたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○事務局 補足しますと、ここで検診のことを書き込んだ趣旨は、予防接種を受ければ検 診が不要だということではないということを喚起する意味で、検診は必要だと記載しまし た。もちろん、年齢層に応じて対応は変わってくると思いますので、そこは年齢層ごとに 合わせた形の説明文書で、誤解がないようにしたいと考えております。 ○望月分科会長 よろしいでしょうか。修正した文書をきちんと書くということですが。 ○神山委員 定期的に検診を受けてくださいというのは、打ったらそれで終わりではない ですよ、という意味ではそうだと思いますが、定期的というのは10歳の子供はいつとい つに受ければいいのかも分からないし、打った子供には全例子宮頸癌の定期検診を受ける のだという体制を整えて、そういう制度がありますという上で、10歳でも接種するとい うことでないと、無責任のような気がするのです。 ○黒木委員 この点に関して、海外で低年齢層に打った場合のフォローや、実態を教えて いただけますか。 ○機構 現時点では、そのあと定期検診をどのように行っているか等についてはまだ情報 がありませんので、至急確認したいと思います。 ○飯島委員 今、定期検診の場合、現在のがん検診は公費負担が一部入っておりますが、 この場合の費用についてはどのようなことを考えておられるのでしょうか。 ○審査管理課長 このワクチンを定期接種にするかどうかは、承認された後このワクチン をどう取り扱うかを、ほかの部局で検討させていただく話かと思っております。先ほど神 山委員からお話がありましたが、これはがん予防ということですが、がん対策の一環でど うするかについては、がん対策の中でこのワクチンをどう位置付けるかを、別途検討いた だくことになると思っております。ここでは、サーバリックスという子宮頸癌の予防が期 待されるワクチンについて、使用していいかどうか御検討をお願いしたいと考えておりま して、位置付けについては、改めて別の場で検討されることになろうかと思っております。 ○望月分科会長 ごもっともな意見です。 ○大野委員 がん対策、子宮頸癌の発症予防ということですが、本質的にはHPVの感染 予防ということですね。感染はしているけれども、症状は出ていない人に対してはどうな のですか。やって意味があるのでしょうか。 ○機構 接種前の血清抗体価の有無にかかわらず、抗体価は顕著に上昇することが認めら れております。ただし、既に感染している場合に、その発症を防げるというようなエビデ ンスは全く得られておりません。したがいまして、感染とリンクする抗体価の値そのもの につきましては、具体的な数値は現時点で明確になっておりません。私どもとしては、既 に感染している場合には余り効果は期待できないということのみ、現在のところでは考え ております。 ○大野委員 そういうことが添付文書に書いてないので、感染していても、病変が出てい なければ十分有効なのだというニュアンスに読めてしまうのですが。 ○望月分科会長 これは予防薬で、治療薬ではないということですね。 ○機構 治療薬ではなく、予防薬という位置付けで考えています。その点の表現が不十分 との御指摘ということで、添付文書の記載について検討させていただきたいと思います。 ○神山委員 がん対策の中にどう位置付けるかはこれから考えるというお話ですが、これ が優先審査になっている理由は何なのでしょうか。 ○審査管理課長 今まで子宮頸癌について、その予防が期待できるような薬は全くないわ けです。そういう意味で臨床上有用であろうということです。もう1つは、外国でも既に 使われておりますので、開発もかなり期待できる。その2点の観点から優先審査という形 にさせていただきました。 ○宗林委員 そうしますと、抗体価がない人、感染していない人に対しての接種が原則で しょうか。例えば希望、任意で受けたい方が自費で受けられるというような文章になって いますが、最初に抗体価を調べて、マイナス、あるいは非常に低い方が受けるというよう なものなのでしょうか。その点を確認させて下さい。 ○機構 事前スクリーニングの要否につきましては、審査の過程でも議論されました。今 回のワクチンは16型と18型に特化しておりますが、これまでに得られている情報により ますと、この両方の型のHPVに感染している頻度は、どの年齢層においても1%に満た ないと報告されております。また、もし既感染者に接種した場合でも、特段安全性上の問 題も認められないということが報告されております。あらかじめスクリーニングをするこ とで有用な情報が得られるとも考えておりますが、それを必ずしも接種前に課すものでも ないと考えております。 ○宗林委員 逆にその年齢を超えた、もっと年のいった人でも、抗体価がなければ打って 有用という考え方も当てはまるのでしょうか。 ○機構 申請者から提出された資料によれば、年齢層が上がるにつれ徐々に本剤接種の有 効性は下がるということが予想されますが、例えば45歳を超える場合でも、ある程度の 効果が認められると報告されております。 ○望月分科会長 今までの議論から、ワクチン自体には特段の問題はないけれども、使い 方やその環境、あるいは説明文の書き方に非常に大きな問題があるということで、その点 を十分理解していただいて申請者、あるいは機構で検討していただくということでよろし いでしょうか。 ○神山委員 私は、この申請はまだ時期尚早だと思います。 ○望月分科会長 時期尚早の意味というのは、ワクチン自体に問題があるということです か。 ○神山委員 ワクチン自体と接種の方法と一緒でなければ。使い方の問題というのは、薬 の場合には非常に大きいわけです。その使い方をこれから考える、ワクチンそのものには 問題がないからいいのではないかというのは納得ができないのです。 ○審査管理課長 使い方という面で、ワクチン自体は、抗体価ではありますが、サロゲー トマーカーが上がれば、パピローマウイルスの感染の防止になるだろうと思います。その 結果、子宮頸癌の予防になるだろうということはかなりの確率で分かっておりますので、 ワクチンの効果はあるのではないかと。ただ、がんの予防という全体の中でどういう使い 方をするかについては、これからかと思っています。また、添付文書や患者向けの説明文 書をもう少し分かりやすくということですが、その点については各先生の御指摘もごもっ ともだと思いますので、変更させていただきたいと思います。医薬品のワクチンとしての 効果、用法・用量、あるいは品質に関しては特に問題はないのではなかろうかと考えてお りますが、いかがでしょうか。 ○望月分科会長 神山委員は、医薬品はその使い方と両方セットで承認するものであっ て、効果だけで承認するのはまだ早いという御意見ですね。 ○神山委員 そうです。 ○望月分科会長 ということなのですが。何かうまく噛み合わないですね。 ○神山委員 先ほどから何度も出ていますし、宗林委員も言われたように、これを受けた ら、ずっと効果が続くのだということでもない。きちんと定期検診を受けなさいというこ とを説明しておきながら、定期検診の仕組みもできていない。では、どうするのかという 話になるのです。また、なぜ10歳からなのかということも分からない。いろいろな資料 を見ていると、15〜20歳の女性の結果がいろいろ書いてありますが、10歳から子宮頸が んの検診を受けるなどという話は聞いたこともないのです。そういうあり得ないような検 診システムを前提にして、でも定期的に調べてくださいと言うことが夢物語のような気が するものですから、そういう医薬品は効果があるから認めてもいいのではないかというの は納得できないのです。 ○機構 このウイルスは、感染してすぐに発症につながるものではありません。性交渉の 開始年齢から接触による危険があり、かなりの割合の人が一生に1回は感染するだろうと 言われております。感染を繰り返すうちに、ごく一部が持続感染し、また、持続感染が数 年とか、ある程度の期間以上になりますと、最終的に子宮頸癌につながると考えられてお ります。したがいまして、10歳などの低年齢で接種しなくてもいいのではないかという 御意見もあるかもしれませんが、まず感染を防ぐという意味で、早めにこのワクチンを接 種する必要があると考えられております。  10歳から打つので、その時点から子宮頸癌の検診を整える必要があるかという点です が、発症のリスクはある程度年数が経たないと高まってきませんので現在のがん対策の中 で、リスクを考慮すべきある程度の年齢以上の人たちに対して検診のシステムが出来上が っていると理解しております。  もう一つの問題として、低年齢の人に接種した場合にどれぐらい持続性があるのかにつ いては、現在、海外での調査等を含めて、情報収集がされているところです。追加接種が もし必要であった場合に、何年後に必要か等について、現時点で情報が得られておらず、 そういう情報を集めるのにはこれから5年、10年かかるであろうと考えられます。その 結果を得てからこのワクチンを導入するべきということになりますと導入はかなり先の こととなります。年間にかなりの数の方が子宮頸癌で命を落とされていること、かなりの 確率で有効性が期待されるということから、現時点で、とりあえず、世の中で使えるよう にする方がよいのではないかと判断した次第です。情報提供につきましては、いくつか修 正すべき点があるかと思いますが、その辺を整理させていただいて、今回この場でもう一 度検討していただくということはできませんでしょうか。 ○審査管理課長 機構から説明いたしましたように、現時点で子宮頸癌で亡くなる方が年 間2000人とか3000人いらっしゃると伺っておりますが、それに対しての直接的な予防薬 というのはございません。そういう意味で、ある程度の確率でサロゲートマーカーではあ りますが、これから本当にトゥルーマーカーを見るということになりますと、あと何年か かるか分かりません。そのような状況を踏まえて、各国でも使用実績がございますし、現 時点で、データがある程度まとまった段階で使える状態にしていただいて、それについて は当然ながら接種者の判断というのはございますが、そういう形で接種できるようにさせ ていただきたいと思っております。 ○望月分科会長 今日は説明文その他の問題点が指摘されましたが、それに対する対応と いうのは、早急に出来上がるのでしょうか。 ○事務局 それについては早急に対応させていただきたいと思っております。 ○望月分科会長 ということですが、いかがでしょうか。 ○赤堀委員 委員の先生方の質問に対しての事務局からの回答が明確でなくて、これから 検討するということが非常に多いのです。それが示されない限り、この時点で承認という のは非常に難しいという意見もごもっともだと思います。  委員の先生方の質問、使い方についてはこういう対応をしていくのだという具体案は、 いつぐらいに出来ますか。一番大事なところがあやふやな状態で承認できないというの も、ごもっともな意見ではないかと思います。 ○望月分科会長 どなたかお答えをいただけますか。では早川委員、コメントをください。 ○早川委員 これは答えではありませんで、医薬品第二部会で審議に加わった者としての 感想です。これはあくまで予防薬です。年間8000人近くの女性が子宮頸癌になる。その うちの2割が20代、30代で、今回対象になっているウイルスによって子宮頸癌になると いう事実が1つあるわけです。そして、海外でも治験が得られている予防薬が日本でもあ った方がいいだろうということです。いろいろな質問の中で、例えば定期検診の話が出て おりますが、ここの意味は、10歳で打ったら、打った人は定期検診を受けてくださいと いう意味では全くないと思うのです。がんの予防対策として、定期的な子宮頸癌検診とい うのは普通にやっているわけです。普通にやっているサイクルの中に、投与された方も、 投与したからすべて安心するのではなく、検診を受けてくださいと、ここで書かれている のはそういう意味ですね。ですから、10歳で投与したら直ちにその時点から無理やり定 期検診を受けなさいということではないと思うのです。先ほど来説明されているように、 もしかかったとしても、発症はかなりの時間の後で出てくる可能性もある。打っても出て くる可能性は皆無ではないので、そこは打たれた方も安心しないで、普通の定期検診の中 で動いてください、ということを書いてあるのですが、そこの書きぶりが誤解を招くとい うことであれば、そういうふうに書き直せばいいわけであって、私の解釈からすれば、や り取りの中で答えられていないと思わないのです。ですから、ここの文章は、10歳の方 が打ったら、すぐ定期検診のサイクルに入れということは決して言っていないので、もし そういう誤解を招くのであれば、そういう書きぶりはあるのかと思います。それ以外のイ ンフォームドコンセントに関する書きぶり、それはあるのだろうとは思うのですが、それ は御指摘を受けた上で整備していけばよろしいのではないかと思います。つまり、ここで このワクチンの承認を遅らせると、その間に、このウイルスによって感染される方があり 得るわけですから、遅らせることのリスク、つまり、もしかして罹患される方に対するリ スクも考えなければいけないと思います。 ○宗林委員 このワクチンは、海外に比べて承認が遅いと思っています。ですから、大変 多くの方が早く承認されて接種されることを望んでいます。優先品目でもあることです し、有効性が認められた原剤としての承認は、今回すべきだと思っています。ただ、今、 先生方からもいろいろ出ましたし、今、人間ドックを受けても、ヒトパピローマウイルス のチェックが項目に入っているぐらいの時代になっていますので、そこから先、いろいろ な人がどう使えるのかという、先ほどから議論になっていることは資料をお見せいただく ような場を作ってはいただけないでしょうか。物としての有効性は承認が早く求められて おりますし、私はこれで十分だと思いますが、どう運用していくのかという点について、 この分科会なのか、ほかのどこになるか分かりませんが、報告いただくという形はいかが でしょうか。 ○吉田委員 いろいろと問題にされている点は、理解できますし、同じような議論が部会 でもありました。部会長としてではなくて、個人的な意見として言わせていただくと、ま ず、これは自由意思による接種です。ですから、10歳になったら必ず受けなさいと言っ て国が予防接種をするわけではないのです。10歳というのが引っかかっていますが、一 番若いときにやるとして10歳です。その基準を決めてあるだけであって、10歳以上の方 を対象にしているのだということです。  従来の薬ですと、薬を認める際には用法・用量などの使用法を決めていますが、これは 予防薬なので、今動いているがん検診・予防システムの中にどうやって本薬を組み込んで いくか。例えば、欧米と日本とでは検診システムが違いますので、違うシステムの中で、 どう取り入れたら良いのかを考えなければなりません。その中で、私たちの部会としては、 薬の有効性や基本的な用法用量についてはこういうことで認めてやっていいだろう。た だ、その使い方に関しては、医薬の世界ではなくて予防の立場の方々に決めていただいた らいいのではないかという判断になりました。確かに、使い方に関していろいろ議論はあ りましたが、そういった形で一応収束したということをもう一度申し上げたいと思いま す。 ○笠貫委員 予防医学として新たな薬剤を認可するときの根本的な姿勢が問われている のだろうと思うのです。ドラッグ・ラグはよくないということも理解していますし、ニー ズがあります。年間1600人の発症者をどう予防するかというところで、HPV-16、HP V-18にどれぐらい感染して、どれぐらいの人たちが子宮頸癌になるのかということにつ いて、ある程度の数字がないと、有効性をどの程度評価するかということは難しいと思い ます。その有効性についても、安全性もそうですが、フォローのデータベースがきちんと あって、有効性と安全性のシグナルをきちんと発見するシステムが必要です。  これは非常に大事な問題だと認識しつつ、この薬剤の有効性、安全性の代理エンドポイ ントと、真のエンドポイントの限界を十分に承知し、認めたとしても、いかに安全に使っ ていくかということについては、委員会として共有した方がいいと思います。それは決し て遅らせるということではなくて、どういう使い方をするか、そして、その後の安全対策 をどうするかです。薬のライフサイクルの中でどういうふうに有効性、安全性を見ていく のか、その道筋を示していただくと、薬を国民に提供するのに、有効性も安全性も現時点 の科学でいいという共通認識が持てるのではないかという感じがします。もし次回に今日 議論があったものをお示しいただいて、認可することがどれぐらいの患者さんに不利益を もたらすかどうかということもあると思うのです。これから予防医学において、アジュバ ントのような新規の薬剤を、しかも、今の科学で有効性、安全性の予測に限界があるとい うものを認可するときの枠組みをここで議論できたらと願っています。 ○西島委員 言う必要もないかとは思うのですが、今の予防の議論の中で、主として個人 の予防ということを皆さん強く意識されているのですが、ワクチンの効果としては、個人 だけではなくて社会全体の予防にもなるので、その点も考えて我々は議論しなくてはいけ ないと思っております。その点は分かっているかと思いますが、意見として述べさせてい ただきました。 ○松井委員 私も今の西島委員の意見に賛成です。この次の機会は1か月後ぐらいでしょ うか。 ○望月分科会長 12月です。 ○松井委員 できれば、もっと早い方がいいのかもしれませんが。私は実はHPVワクチ ンについての専門家のお話を聞いたことがあるのですが、そういう方をお呼びして、そし て予防効果、単なるこの薬の有効性というよりは、むしろ社会的な予防効果について、そ れから、どのようにしたらシステムとしてこの社会に定着することができるかといったよ うな展望を話していただければ、委員の皆さんも納得していただけるのではないかと思い ますので、そのような機会を、できれば早く設定していただけないでしょうか。 ○機構 申請資料の「開発の経緯」の1.5の3ページに記載しておりますが、日本での子 宮頸癌の発症率、罹患率は10万人当たり8例です。我々も真のエンドポイントによるデ ータが何とか欲しいということで、申請者にも、追加の情報が何とか得られないか、せめ て治験に参加した人たちの実際の発症の防止がどれぐらいできるかを検討できないか打 診いたしました。が、この年齢層の人たちは就職あるいは進学、結婚等でフォローするの が難しく、他の分野の治験等でも、同様のことを聞いており、1社の国内でのデータの確 認できる範囲を少し超えるだろうと考えております。  発現が10万例中8例の症例について網を張って情報を取るというのは、申請者の責任 で実施するというよりも、日本国内でのがん対策といいますか、がんの調査などの対策の 中でやらないとカバーし切れない部分もあるのではないかと考えております。  海外でも臨床試験が、万の単位の症例数で行われております。その継続的な情報収集の 範囲では、中間段階ではありますががんの発症は抑えられているという情報を得ておりま す。確定的なデータが報告されるのはもう少し先になると考えられますので、現時点で我 々が入手可能な情報、1品目の承認により申請企業に対して求められる対応、それから、 我々の審査とその後の対応としてできる範囲には限界があると感じるところです。 ○溝口委員 私も医薬品第二部会の委員ですので、そこでも議論をさせていただきまし た。このワクチンは、欧米先進国ではもう認められているのに、日本では認められていな いということで、日本女医会などもその点を問題にいたしました。優先審査になったこと に関しましては、いろいろな要望があったからされたのだと思います。  HPVに関しましては、DNAのタイプがもう100以上あります。その中で、この16 型と18型が子宮頸癌に関連するということが分かってきたのですが、そこら辺にいるウ イルスですので、繰り返し感染を受けたり、持続すると子宮頸癌になりやすいということ でしたら、10歳からやっても早すぎることはないと思うのです。10歳から始めなければ いけないということではなくて、任意接種ですから10歳以上でしたら何歳からやっても いいのではないかと考えます。  有効かどうか、本当に発症を予防するかどうかというのは、長期観察が必要ですので大 変難しいとは思いますが、抗体価が上がることは確かです。今後の問題として、追加免疫 がいつ必要かですが、これは海外のデータを参考にできると思います。がんの検診に関し ては、それなりの年齢になってからやるべきものだと思います。  これは任意接種ですので、私が心配しましたのは、こういうことでは希望する人はいな いのではないかということで、こういうものがあるということをどういう方法で広げてい ただけるかということを第二部会では質問させていただきました。今日伺いますと、接種 を受ける人あるいはその親への説明の仕方とか、接種方法にはいろいろ問題があるかとは 思います。仮承認という言い方があるかどうか分かりませんが、余り遅れないうちに今回、 遅くとも次回には承認していただきたい。その後の接種方法その他は早急にまとめて、委 員の方々に伝達して承認を得る必要があるかと思いますが、絶対廃案にはしていただきた くないと考えております。よろしくお願いいたします。 ○山口分科会長代理 インフォームドコンセントに、20年後に始まるような検診のこと も書かれているのであれば、抗体価の持続が20年は高くなりそうだとは言われています が、20年後にはどうなるか分からない現時点でのインフォームドコンセントであれば、 当然追加免疫が必要である可能性があることを明確に書くべきではないかと思います。最 後に黒字で書かれているのは、これが有効であることは確認されているということ、また、 20年後の検診を受けなさいと書いてあるのであれば、そのころには抗体価が下がってい る可能性は十分あり得るので、そのことも最初に明確に書くべきであろうと思います。 ○溝口委員 御希望の方への案とか、いろいろ問題がありすぎるということを私も認識し ておりますので、この点の改善をお願いしたいと思います。 ○吉田委員 先ほどから何回も同じことを言っているようで恐縮ですが、御指摘のよう に、検診はこういうシステムの中でやって、こういうインフォームドコンセントをとって、 こういうトライアルとしてやる、という細部まで決めなければだめだとなると、一企業に とって余りにも負担が大きくなりすぎると思います。一般の医薬であれば、臨床現場との ルートもあるので、市販後臨床試験もできますが、これは通常の医薬品とは違うので、が ん対策といった通常のルートではないところ、例えば検診学会と組んで、こういうプロト コールが出来ました、それでやりましょう、といようなことになるんだろうと思います。 そうした場合に、プロトコールの細部まで明らかにならないと承認しないとなると、私と しては少々越権ではないかとさえ思います。 ○望月分科会長 ワクチン自身の有効性、安全性については、現段階のサイエンスではあ る程度認めていいだろうということだと思います。そういう意味でワクチンを認めること はやぶさかではないのだけれど、申請者が出す説明文書は問題が多すぎるという点が随分 指摘されたかと思います。それに対して、赤堀委員あるいは宗林委員、溝口委員から、そ の点だけを早急に処理することが可能かどうかという質問が出されたのですが、早急では なくて、どのぐらいのタイムスケールでできるのかというのを教えていただいて、それを 前提に審査をいたしたいと思います。 ○審査管理課長 分科会長から御指摘いただきました説明等の文書につきましては、でき るだけ早急に直したいと思っております。  先ほど会長からもお話がありましたが、基本的にこの承認の可否については有効性、安 全性についてどうかというところです。使用上の注意や添付文書等については、情報提供 のところでどうかということかと思っております。情報提供に関しては、先生方からの御 指摘はごもっともでございますので、改めてその部分について先生方にお送りして御確認 をいただくということではいかがでしょうか。ここでは有効性、あるいは直接的な安全性 が科学的には認められるということで御承認をいただいて、使い方についての情報提供に 関してはもう少し丁寧に、という御指摘かと思っております。早急に直し、確認していた だいた上で実際に投与、販売するという形でいかがかと思います。また、がん対策の一環 ということになりますと、薬事審議会の場ではなく、新たな場でこれをどう活かしていく のか、どういう形にするのかという点について御議論を別にいただければと思います。 ○望月分科会長 早急というのは、次回の分科会より前にということですね。 ○審査管理課長 そうです。次回になりますと3か月後になりますので、一旦ここで御了 解をいただけるのであれば、承認の御答申をいただく。情報提供の分についてはできるだ け早く直しますので、それを御確認いただいたうえで、実際には承認されてからでも、接 種の準備ができるまでに数か月かかりますので、その間に齟齬のないようにするという形 ではいかがかと思っております。 ○望月分科会長 いかがでしょうか。そのような形でまとめていきたいと思うのですが。 ○飯島委員 極論すれば、これの薬学上の有効性については問題がないということだと思 うのです。結局、ワクチンをしたからといって安心しないで、きちんと通常のがん検診を 受けてくださいということが周知徹底できればいいのですが、その文章が書けていないと 思うのです。そんなことまで企業に求めるのは無理だと思うので、むしろ医療全体として、 要するに、医師も含めてそれを対象者に周知徹底して覚えさせておくということが一番大 事だと考えますので、そこを具体化していただければいいのではないかと私は考えます。 ○望月分科会長 そういうことでありますので、ワクチンとしての認可をするかどうかと いうことで、ここで議決に入りたいと思うのですが、これについて、いかがでしょうか。 神山委員、よろしいでしょうか。 ○神山委員 全会一致でなければいけないのですか。 ○望月分科会長 全会一致だと私は理解しているのですが。それとも、1人の反対者がい たというようなことが今まであったのでしょうか。 ○事務局 今までにはございません。 ○望月分科会長 いろいろな意見があったということを加えることはできるかとは思う のですが、議決の場合は、皆さんで一致してこれをお認めいただいたということにしたい。 是非そうしたいのですが。そして、あくまでもこれはワクチンとしての安全性、有効性と いうことでいかがでしょうか。。 ○神山委員 最後までこだわって、迷惑をおかけして申し訳ないのですが、例えば「開発 の経緯」の1.5-p.4に「本ワクチンは世界45か国以上において、26歳以上の女性に対す る適応も取得している」と書いてあるのです。そして「欧州での適応は、15-25歳の女性 を対象とした有効性の評価結果および10-25歳の女性を対象とした免疫原性の評価結果 に基づいている」と書いてあるのですが、私はどうして10歳からにしなければならない のかというのが分からない。がん予防という観点からしても15歳。通常、小児というの は15歳までだと思うのですが、15歳以上の女性ということではいけないのか。10歳で子 宮頸がんの予防ワクチンを打つというのは、何とも現実性がないような気がするものです から、有効性とか安全性の問題を離れて、15歳以上ではいけないのかという素朴な疑問 があります。 ○望月分科会長 ただ今の疑問に対しまして、事務局からお答えいただけますか。15歳 からに変えることが可能かどうかということなのですが。 ○飯島委員 要するに、感染前に打たないといけないわけです。15歳で適切なのか10歳 でいいのかというのは、低年齢化が進んでおりますので、それはそういった専門家にお聞 きになられる方がいいのではないかと思うのです。15歳では遅いという印象を持ってい ますが。 ○望月分科会長 いずれにしましても、ワクチンとしての有効性、安全性の問題ではなく 別の問題で、ここでの議論では先に進みようがないと思います。機構あるいは申請者から それを含んだ説明をしていただいて、それをいただいて委員が承認をするという形にいた したいと思います。ただ、ワクチンについてはここで承認していただいて、説明文書その 他については後に出していただくという形でまとめさせていただいてよろしいですか。 ○宗林委員 それで結構だと思うのですが、このワクチンを多くの国民にとって本当に有 効に利用する仕方というものを、先ほど、感染者が1人減り、2人減れば社会全体で減る というお話がありましたが、有効に利用されるということについてはどこで検討されて、 どういう形になっていくのでしょうか。国民全体に対してもそうですし、私ども承認をし た側としては、これがどういうふうに利用されることになったか教えていただけますか。 ○審査管理課長 ここは医学・薬学的にこの物がどうかを御審議いただく場ですけれど も、これががん対策あるいは健康対策、保健の関係からどうなるかという観点については、 別のところがございますので、そういうところで、このワクチンが使えるようになった場 合にどう取り扱うかということが検討されるものと思っております。例えば、子宮頸がん の定期検診についてもそこで推奨されているわけですので、その中でこのワクチンを推奨 するのか、しないのかということになろうかと思います。 ○望月分科会長 一応、問題をここから提起していただくことはできるけれども、その答 えをここで出すわけにはいかないということです。 ○宗林委員 ここで答えを出すわけではないのですが、こういう形で利用されるようにな るということをきちんと、国民に対しても、承認した側に対してもお知らせいただく時期 というのが、いつごろになるのかお尋ねしたかったのです。 ○審査管理課長 これが承認されれば、基本的には任意接種ですので、希望者に対して、 こういう子宮頸癌ワクチンが承認されたけれども打ちたいという方に対して接種する、当 面はそういうことになろうかと思います。それを日本全体におけるがん対策の一環でどう するかということについては別途、先ほど申し上げたようなその他のところで検討される ことになると思います。今回承認されたということについては、当然ながら、こういう形 で承認されて、こういう限界もあるということについては担当の方に連絡するということ になろうかと思います。 ○望月分科会長 そういうことでありまして、現段階では申請書に関しての問題点は多々 御指摘を受けましたが、それについては責任を持って事務局及び機構から申請者に出して いただいて、それを早急に。早急にというのは3か月も先ではなくて、ごく近く委員に出 して回していただく。それを見て、書類に関しての承認はいただきたいと思うのです。ワ クチン自身については、ここで議決をさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか。 部会の報告を踏まえて、当分科会としましても本品目について製造販売承認を可、再審査 期間は8年、原体、製剤ともに劇薬に該当し、生物由来製品に指定することが適当である と認める旨議決いたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。  異議はないと認めさせていただきます。御異議なしでありますので、薬事・食品衛生審 議会規程第3条第1項の規定に基づき、当分科会の議決をもって審議会の議決とし、厚生 労働大臣に答申することといたします。答申書の文案その他の取扱いについては私に御一 任いただいてよろしいでしょうか。ありがとうございます。それではそのようにさせてい ただきます。  では次の議題に入ります。議題4、資料4は「医薬品プレベナー水性懸濁皮下注の生物 由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並 びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」です。本品目は既承認の類似薬がない新有効成 分を含有する医薬品に係る事項ですので、「薬事分科会における確認事項」第3項に基づ き、医薬品第二部会での審議結果を踏まえて薬事分科会にて審議を行うこととなっており ます。初めに、部会での審議結果等を報告していただいた後、当分科会で審議をいたした いと思います。それでは、医薬品第二部会長の吉田委員から御説明いただきます。 ○吉田委員 資料4「プレベナー水性懸濁皮下注」について、概要を説明いたします。本 剤は、肺炎球菌の莢膜血清型4、6B、9V、14、18C、19F及び23F、それぞれの莢 膜ポリサッカライドと無毒性変異ジフテリア毒素の結合体を有効成分とする小児用ワク チンです。肺炎球菌は、小児における化膿性髄膜炎等の侵襲性肺炎球菌性疾患、中耳炎、 肺炎等の主要な起炎菌の一つであり、侵襲性肺炎球菌性疾患は症状の進行が早く、重症度 が高いことから、適切な治療を施しても、死亡あるいは重症の後遺症が残る場合があるた め、本剤は、医療上の要望の高いワクチンです。  本剤は、「肺炎球菌(血清型4、6B、9V、14、18C、19F及び23F)に対する侵襲 性感染症、肺炎、中耳炎の予防」を効能として申請され、優先審査に指定されております。 海外におきましては、平成21年9月現在90か国で承認を取得しており、米国をはじめ 38か国で定期接種に取り入れられております。  本剤につきまして、8月31日に開催された医薬品第二部会において審議した際には、 効能、用法等について議論されましたが、「肺炎球菌(血清型4、6B、9V、14、18C、 19F及び23F)に対する侵襲性感染症の予防」を効能とし、承認して差し支えないとの判 断に至りました。中耳炎等が抜けたということです。  以上、本剤の概要を説明いたしましたが、詳細については事務局から説明していただき ます。 ○望月分科会長 ありがとうございます。事務局から補足等お願いします。 ○事務局 「プレベナー水性懸濁皮下注」の審査の概略について、臨床試験成績を中心に 説明いたします。侵襲性肺炎球菌感染症に対する予防効果の評価については、審査報告書 の49ページ以降を御覧ください。具体的には50ページの5行目に記載がありますが、予 防効果を検討した複数の臨床試験成績の情報に基づいて肺炎球菌結合型ワクチンの侵襲 性肺炎球菌感染症に対する予防効果に必要な血中IgG抗体濃度については、WHOの Technical Report Seriesにおいて、0.35μg/mLとされております。  本剤の有効性の評価におきましては、審査報告書50ページの表23、また次のページの 右上の表24に記載しておりますように、国内で実施された7vPnCV-01試験において、初 回接種後の血中IgG抗体濃度が0.35μg/mL以上となった被験者の割合が97.0〜100%、 追加接種後においては98.0〜100%で、侵襲性肺炎球菌感染症の予防効果が検証された海 外臨床試験のD118-P8試験との特段の違いは認められなかったことから、国内において も侵襲性肺炎球菌性感染症に対する予防効果が期待できると判断しております。  なお、申請時の効能・効果として、侵襲性肺炎球菌性感染症のほか、中耳炎及び肺炎も 含まれておりましたが、審査報告書55ページの下から6行目(6)「効能・効果について」 及び審査報告書67ページの(4)「効能・効果について」に記載があるように、国内臨床 試験で検討されたIgG抗体濃度から、中耳炎及び肺炎の予防効果を評価することは困難 であること、国内外のワクチン含有血清型の分布の違い、肺炎については海外臨床試験で も予防効果の検討を行うことが治験実施計画書で規定されておらず、また評価項目が、開 鍵前後のどの時点かは不明ですが、途中で変更される等適切な評価を行っていなかったこ となどから、効能・効果に中耳炎及び肺炎を加えるのは適切でないと判断しております。  次に安全性ですが、審査報告書51ページの下から7行目以降に記載しておりますよう に、国内臨床試験において、局所反応の発現率が高く、また、全身反応は国内既承認の小 児用ワクチンよりも高い傾向が示唆されておりますが、重篤な有害事象・副反応はほとん どなく、本剤接種による局所及び全身反応は忍容可能と判断しております。  用法・用量については、57ページの表26及び表27に記載しておりますように、国内 臨床試験の結果から、日本人ではIgG抗体濃度が海外よりも高くなる可能性が示唆され ております。安全性につきましては、58ページの表28、表29に記載しておりますように、 国内臨床試験ではIgG抗体濃度が高い場合に副反応の発現率が上昇する傾向が示唆さ れており、国内で副反応の発現率が海外より高くなる可能性は否定できません。しかしな がら有効性の観点からは、特に血清型6Bに対するIgG抗体濃度が海外臨床試験と同程 度であり、用量又は投与回数を減らすことにより、これまで得られている2億ドーズに及 ぶ海外使用実績で得られているのと同程度の有効性が得られなくなる可能性が考えられ ること、また、国内臨床試験の有害事象及び副反応の転帰はいずれも良好であり、これま でアジア地域において他の地域と異なる安全性の傾向は特段報告されていないことから、 用法・用量は海外と同じ接種用量及び標準接種スケジュールを設定することで差し支えな いと考えております。  一方、本剤の承認後においてはDTPワクチンと本剤の同時接種が想定されております が、本剤とDTPを同時接種された場合の安全性に関する情報が得られていないことも踏 まえ、審査報告書63ページの3行目以降「製造販売後調査等について」、あるいは71ペ ージ16行目以降に記載しておりますように、製造販売後調査において本剤の実際の使用 実態下で安全性情報をさらに収集する必要があると考えております。具体的には71ペー ジに記載がありますが、製造販売後調査は特定使用成績調査として、1000例を対象に全 4回接種の情報を収集する予定とされております。DTPワクチンと本剤の同時接種につ きましては、審査報告書の60ページ下から9行目、及び70ページ14行目以降に記載し ているように、製造販売後臨床試験を実施し、DTPに含まれる各抗原について、同時接 種による免疫応答への影響を検討することが計画されております。  以上、総合機構の審査及び医薬品第二部会での審議の結果、本剤は血清型4、6B、9 V、14、18C、19F及び23Fの肺炎球菌に対する侵襲性感染症の予防に対する有用性が 期待できることから、本剤を承認することは可能と判断し、薬事分科会で審議されること が適当との判断に至りました。なお、本剤は新有効成分含有医薬品であることから、再審 査期間を8年とし、劇薬及び生物由来製品に該当すると判断いたしました。説明は以上で す。御審議をよろしくお願いします。 ○望月分科会長 只今の説明につきまして、御意見、御質問等はございませんか。 ○大野委員 この薬の名前について「無毒性変異ジフテリア毒素結合体」と書いてあるも のと書いてないものとがあるのですが、どちらなのでしょうか。  と申しますのは、あとの方で一般名称の何とかと書いてあるところには(案)とあるの で、まだ決定していないのであれば、一般的にこういう分野ではどのように名前を付ける のかよく知らないのですが、「ジフテリア毒素結合体」と書いてあると、ここの所が非常 に重要に思えてしまいます。これは本質とは少し違うことですから、変えることができる のであれば、この辺は略語ぐらいにしておいた方が誤解がなくていいのではないかという 感じがしました。 ○事務局 名称についてですが、審査報告書3ページの審査報告(1)に記載してあるもの は申請時の名称で、最終的には審査報告書の表紙にある「沈降7価肺炎球菌結合型ワクチ ン(無毒性変異ジフテリア毒素結合体)」という名称で承認したいと考えております。 ○望月分科会長 この名称で承認するということです。 ○大野委員 その名称は決定ということですか。名称については生物製剤基準で何とかと 書いてあるのですが、本質と違うところを名称によって非常に大きな字数を占めているわ けです。医師が扱うので間違いはないと思いますが、名称の付け方としては少し変かとい う気がしたのです。 ○望月分科会長 いかがでしょうか。名称、特に括弧内を付けたということですか。 ○事務局 名称については生物学的製剤基準においてもこの名称になっておりまして、具 体的には本日配布の資料14の基準の報告事項として挙げております。直近では「アクト ヒブ」の際も同じような考え方で名称を付けておりまして、最近承認したものについては 同様の考え方で行っております。 ○大野委員 実際に使用される現場では誤解はないと思いますので、結構です。 ○望月分科会長 小児の肺炎球菌の予防に非常に役立つ大切なワクチンですし、外国でも 認められ、安全性、有効性も問題ないとのことですから、他に御意見がなければ議決に入 りたいと思います。部会の報告を踏まえて、当分科会としても本品目について製造販売承 認を可、再審査期間を8年、原体、製剤ともに劇薬に該当し、生物由来製品に指定するこ とが適当であると認める旨議決したいと思いますが、よろしいでしょうか。  ありがとうございます。御異議なしと認めます。それでは、薬事・食品衛生審議会規程 第3条第1項の規定に基づき、当分科会の議決をもって審議会の議決とし、厚生労働大臣 に答申することといたします。答申書の文案その他の取扱いについては、私に御一任いた だいてよろしいでしょうか。ありがとうございます。それではそのようにさせていただき ます。  次の議題に入りたいと思います。議題5、資料5の「医薬品ラスリテック点滴静注用 1.5mg及び同点滴静注用7.5mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造 販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」です。本 品目は、既承認の類似薬がない新有効成分を含有する医薬品に係る事項ですので、「薬事 分科会における確認事項」第3項に基づき、医薬品第二部会での審議結果を踏まえて薬事 分科会にて審議を行うこととなっております。初めに、部会での審議結果等を御報告いた だいた後、当分科会で審議をしたいと思います。医薬品第二部会長の吉田委員から御説明 をお願いいたします。 ○吉田委員 資料5「ラスリテック点滴静注用1.5mg、同7.5mg」について概要を説明い たします。本剤の有効成分であるラスブリカーゼは遺伝子組換えの尿酸オキシダーゼであ り、尿酸を水溶性の高いアラントインに変換し、腎臓から排泄させることによって高尿酸 血症を改善すると考えられております。がん化学療法施行中の悪性腫瘍患者では、腫瘍の 急速な破壊に伴い、細胞内の核酸、カリウム、リン酸等が血中に大量に放出され、高尿酸 血症、高カリウム血症、高リン酸血症などを始めとする腫瘍崩壊症候群が認められること があります。  尿酸は、通常、腎臓から排泄されますが、多量に産生された場合、十分に排出できず析 出することがあるため、がん化学療法により高尿酸血症に至った患者の一部では、腎機能 障害や急性腎不全が発現し、致命的な経過をたどることがあります。がん化学療法に伴う 高尿酸血症に対しては、通常、アロプリノールの投与、大量輸液、尿のアルカリ化等の支 持療法が行われていますが、現在の支持療法では血中尿酸値が管理できない患者もかなり 存在しております。本剤は現在の支持療法では血中尿酸値の管理が困難と予想される患者 におけるがん化学療法に伴う高尿酸血症に対して、有効性を示す薬剤として申請されまし た。本剤は海外においては55の国又は地域で承認されております。本剤については、去 る8月31日に開催された医薬品第二部会において審議し、承認して差し支えないとの判 断に至りました。以上、本剤の概要を説明いたしましたが、事務局からさらに詳しい説明 をお願いいたします。 ○望月分科会長 事務局から補足等の説明をお願いいたします。 ○事務局 資料5の「ラスリテック点滴静注用1.5mg、同7.5mg」の(ラスブリカーゼ(遺 伝子組換え))の審査の概要について説明いたします。品質、毒性、薬理、ADMEについ て大きな問題は認められませんでした。主な臨床試験成績として、海外で実施された一つ の第III相試験と国内外で実施された四つの第II相試験が提出されました。有効性につい て、審査報告書40ページ11行目以降と45ページ10行目以降に示すように、海外第III相 試験の結果、白血病又はリンパ腫の患者に本剤を投与した場合、アロプリノール投与に比 べ、投与後96時間までの血漿中尿酸濃度のAUCが低値を示し、また、国内外での第II 相試験においても本薬投与により血中尿酸値が管理可能であったことから、本剤の有効性 が示されたと判断いたしました。  安全性については、審査報告書50ページ5行目以降に示すように、本薬の使用におい て注意すべき有害事象として、過敏症、溶血反応が認められており、国内臨床試験におい ても海外臨床試験と同様の事象が発現しております。本剤は、抗悪性腫瘍剤と必ず併用さ れることから、これらの有害事象は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化 学療法に精通した医師による慎重な観察と適切な処置により対応可能と判断しておりま す。しかしながら、本剤の日本人における検討症例は限られていることから、審査報告書 85ページ6行目以降に示すとおり、製造販売後の調査において安全性情報を収集し、医 療現場に情報提供する必要があると判断しております。  以上のとおり、総合機構の審査及び医薬品第二部会での審議の結果、本剤は「がん化学 療法に伴う高尿酸血症」を効能・効果とし、承認して差し支えないと判断し、薬事分科会 で審議されることが適当との判断に至りました。なお、再審査期間は8年とすることが適 当であり、原薬及び製剤は劇薬に該当し、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれに も該当しないと判断いたしました。説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいた します。 ○望月分科会長 ただ今の説明について御意見、御質問があればお願いいたします。 ○黒木委員 添付文書2ページ目ですが、本剤は過酸化水素が出ることから、重大な副作 用としてメトヘモグロビン血症が挙がっています。メトヘモグロビン血症については適切 な処置を行うことと書かれています。しかし過量投与のところにはメトヘモグロビン血症 が起こるとは書いていないのです。メトヘモグロビン血症の解毒薬として海外ではメチレ ンブルーが知られていると思いますが、こちらに記載がないのは日本では未承認だからと いうことでしょうか、それとも何らかの理由があるからですか。それについて教えてくだ さい。 ○望月分科会長 事務局からお答え願います。 ○機構 メトヘモグロビン血症に関しては、教科書的にはメチレンブルーの投与が対症療 法として認められておりますが、承認はされていないので記載されていないということで す。 ○黒木委員 もし承認されれば、きちんと記載されるという状態であるということです ね。以前審査したものの中では適応上の注意に、海外ではメトヘモグロビン血症に対して はメチレンブルー投与などの方法もあるといった記載がされたものもあると思いますの で、8の過量投与の最後に、「なお、本剤に対する解毒法は確立していない」とはっきり 書かれるのはいかがなものかと思います。それについてはどうでしょうか。 ○機構 過量投与によってメトヘモグロビン血症のリスクは高まることがあると思いま すが、過量投与自体とメトヘモグロビン血症の管理というところとは直接関連しないとい うことで現在のような記載になっております。 ○黒木委員 ただ、発生機序から言うと、過酸化水素が出ているので溶血性貧血はもちろ んのこと、メトヘモグロビン血症も考えられるわけです。ですから、解毒法は確立してい ないというのはどうか、と思うのですが、いかがでしょうか。 ○審査管理課長 御指摘がありましたが、類薬ではどのような表現がされているかを確認 し、できるだけ合わせるようにしたいと思います。 ○望月分科会長 よろしいですか。 ○黒木委員 結構です。 ○望月分科会長 その他何かあればお願いいたします。これも非常に重要な薬で、抗がん 剤使用の初期に出てくる高尿酸血を抑えるための薬ですが、特段の御異議がなければ議決 に入りたいと思います。部会の報告を踏まえ、当分科会としても本品目について製造販売 承認を可、再審査期間を8年、原体、製剤ともに劇薬に該当し、生物由来製品及び特定生 物由来製品の指定は不要とすることが適当であると認める旨、議決したいと思いますがよ ろしいでしょうか。  ありがとうございます。御異議なしと認めます。それでは薬事・食品衛生審議会規程第 3条第1項の規定に基づき、当分科会の議決をもって審議会の議決とし、厚生労働大臣に 答申することといたします。答申書の文案その他の取扱いについては、私に御一任いただ いてよろしいでしょうか。ありがとうございます。それではそのようにさせていただきま す。  次の議題に入ります。議題6、資料6の「医薬品ベネフィクス静注用250、同静注用500、 同静注用1000及び同静注用2000の生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製 造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」です。 本品目は既承認の類似薬がない新有効成分を含有する医薬品に係る事項ですので、「薬事 分科会における確認事項」第3項に基づき、医薬品第二部会での審議結果を踏まえて薬事 分科会にて審議を行うこととなっております。初めに部会での審議結果等を御報告いただ いた後、当分科会で審議したいと思います。それでは、医薬品第二部会長の吉田委員から 説明をお願いいたします。 ○吉田委員 資料6、「医薬品ベネフィクス静注用250、同静注用500、同静注用1000、 同静注用2000」について概要を説明いたします。本剤は遺伝子組換え血液凝固第IX因子 製剤であり、血友病B患者の血中第IX因子活性を補うことにより、出血傾向を抑制する 薬剤です。本邦における血液凝固第IX因子製剤としてはヒト血漿由来の製剤が存在して おりますが、本剤は製造工程中でCHO細胞以外の動物由来原材料を使用しないことか ら、血漿由来製剤に比べ感染症リスクの低減が見込まれております。海外においては1997 年に米国と欧州で承認されて以来、現在までに48か国以上で承認されております。本剤 については、去る平成21年8月31日に開催された医薬品第二部会において審議し、承認 して差し支えないとの判断に至りました。以上、概要を説明しましたが、事務局からさら に詳しい説明をお願いいたします。 ○望月分科会長 事務局から補足等の説明をお願いいたします。 ○事務局 資料6、「医薬品ベネフィクス静注用250、同静注用500、同静注用1000、同 静注用2000」の審査の概略について御説明いたします。まず、本剤の開発の経緯につい て説明いたします。審査報告書7ページを御覧ください。7ページには本剤の開発の経緯 等を記載しております。本剤は、本邦において1996年に希少疾病用医薬品に指定された 後、日本人患者3例を対象にした国内臨床試験が行われ、海外での臨床試験成績と合わせ て19□年に承認申請が行われたものです。しかしながら、7ページに記載があるように、 海外の臨床試験に対して、EMEAからGCP上の問題が指摘されたため、日本人3例の 成績のみでは有効性、安全性の評価が困難とされて、20□年に申請が取り下げられたとこ ろです。今回、この国内臨床試験成績に加え、追加実施された海外臨床試験3試験の成績 を添付し、再度、承認申請が行われたものです。  審査の概略ですが、本剤の品質、毒性、薬理、ADMEについて大きな問題は認められ ませんでした。有効性については審査報告書63ページを御覧ください。表4-32に示して ある出血エピソードに対する初回投与時の評価で著効又は有効と判定されたものが大部 分を占めていること、止血に要した本剤の投与回数は、多くが1回又は2回であることな どを総合的に判断し、血友病B(先天性血液凝固第IX因子欠乏症)患者の出血時の治療的 投与における有効性は示されたと判断いたしました。  安全性については審査報告書66ページ以降に示してありますが、臨床試験成績から忍 容可能なものであると判断しております。特に、血友病治療において問題となるインヒビ ターについては67ページ以降に記載がありますが、本剤の発現率が血漿由来製剤に比べ て高いという結果は得られておりません。なお、インヒビター及びアレルギー様徴候等に ついては、添付文書で注意喚起を行うこととしております。以上、提出された臨床試験成 績から、本剤の有効性及び安全性は認められるものの、国内での治験症例は3例のみと極 めて限られていることから、本剤の承認に当たっては、本剤を使用した全症例を対象に製 造販売後調査を実施することが適当と判断しております。  以上のとおり、総合機構の審査及び医薬品第二部会での審議の結果、審査報告書5ペー ジに示している承認条件を付した上で、本剤を承認して差し支えないとし、薬事分科会で 御審議いただくことが適当と判断しております。なお、本剤は希少疾病用医薬品であるこ とから、再審査期間を10年とすることが適当であり、原体及び製剤は毒薬又は劇薬のい ずれにも該当しないと判断いたしました。なお、本剤はCHO細胞を用いて産生されるこ とから、生物由来製品に該当すると判断しております。なお、医薬品第二部会の後に、添 付文書(案)の副作用発現頻度に誤記がありましたので、本日修正版を資料6-2として配布 しております。以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。 ○望月分科会長 ただ今の説明について御意見、御質問があればお願いいたします。特段 の御異議がないようですので、議決に入りたいと思います。部会の報告を踏まえ、当分科 会としても本品目について、製造販売承認を可、再審査期間を10年、原体、製剤ともに 毒薬、劇薬に該当しない、生物由来製品に指定することが適当であると認める旨議決した いと思いますが、よろしいでしょうか。  ありがとうございます。御異議なしと認めます。薬事・食品衛生審議会規程第3条第1 項の規定に基づき、当分科会の議決をもって審議会の議決とし、厚生労働大臣に答申する ことといたします。答申書の文案その他の取扱いについては、私に御一任いただいてよろ しいでしょうか。ありがとうございます。それではそのようにさせていただきます。  次の議題に入ります。議題7、資料7、「動物用医薬品スレントロールの製造販売承認 の可否、再審査期間の指定及び毒劇薬の指定の要否について」です。本品目は、既承認の 類似薬がない新有効成分を含有する動物用医薬品に係る事項ですので、「薬事分科会にお ける確認事項」第3項に基づき、動物用医薬品等部会での審議結果を踏まえて薬事分科会 にて審議を行うこととなっております。初めに、部会での審議結果等を御報告いただいた 後、当分科会で審議したいと思います。それでは動物用医薬品等部会長の赤堀委員から御 説明をお願いいたします。 ○赤堀委員 それでは、私の方から「スレントロール」の概要について説明いたします。 「スレントロール」はファイザー株式会社から製造販売承認申請されたジルロタピドを有 効成分とするイヌの抗肥満薬で、あらかじめ適用した食餌療法の効果が不十分な肥満にお ける体重の減量を効能とする製剤です。ジルロタピドは小腸のミクロソームトリグリセリ ド転送蛋白の阻害剤であり、腸管でのキロミクロンの構築と分泌を妨げ、体循環における 脂肪吸収を阻害することにより、体重を減少させます。本剤は1日1回経口投与するもの であり、最初の14日間の投与量は体重1kg当たりジルロタピドとして0.05mg、次の14 日間の投与量は0.10mgとします。投与28日目からの投与量は前月の体重減少率に応じて 調整します。本剤の投与終了後は体重が再度増加する可能性があり、食餌療法や運動療法 を実施する必要があると考えられますが、本剤の肥満犬に対する投与は一定期間の減量治 療の手段であるとともに、飼育犬の健康増進に役立つものと考えられております。  本剤は米国で2006年に承認された後、オーストラリア及び欧州においても承認を取得 し、2007年より米国で市販が開始されておりますが、我が国では初めての新有効成分を 含有する動物用医薬品として、動物用医薬品等部会の審議を経て本日御審議をいただくも のです。詳細については事務局から説明があると思いますので、よろしくお願いいたしま す。 ○望月分科会長 事務局から追加の説明をお願いいたします。 ○事務局 資料7を御覧ください。「概要」と書かれた緑の紙をめくって概要書の1ペー ジを御覧いただくと、表イ-1にあるように、本剤はジルロタピドを主剤とし、海外で開 発され、日本に導入された動物用として初めての抗肥満薬です。先ほど赤堀部会長から説 明があったとおり、本剤は小腸のミクロソームトリグリセリド転送蛋白の阻害剤であり、 腸管でのキロミクロンの構築と分泌を妨げ、体循環における脂肪吸収を阻害することによ り、体重を減少させます。なお、溶剤として配合されている中鎖脂肪酸トリグリセリドは 人用医薬品としては広く用いられているものであり、各種毒性試験結果から安全性に問題 がないことは確認されております。  96ページには本剤の主成分であるジルロタピドの毒性試験成績の一覧が出ております。 ラットにジルロタピドを経口投与して行った急性毒性試験では、LD50は2000mg/kg以 上との結果が得られております。慢性毒性試験はラット、イヌともに3か月の経口投与で 行っており、投与に関連した変化が認められております。対象動物に対する安全性につき ましては118ページを御覧ください。ボディコンディションスコア(BCS7以上)の肥満 ビーグル犬で試験を実施しております。概要の159ページの表チ-3にBCSの基準を示 しておりますが、体型から9段階に分け、スコア5を理想体型としております。ビーグル 犬に本剤をジルロタピドとして0.5mg/kg、1.5mg/kg及び2.5mg/kgを3か月連日強制経口 投与し、その後1か月の休薬期間での回復を見ております。  成績は121ページの表ホ-14にありますが、1.5mg/kg及び2.5mg/kg群で認められた体 重、摂餌量、BCSの減少に加えて、毒性指標としてのALT、ASTの上昇、血中の脂 溶性ビタミンの低下等は、休薬により回復する可逆的な所見であったとされております。 142ページからの開始用量設定試験、144ページからの用量調整法確認試験の結果から、 ジルロタピド0.05mg/kgを開始用量とし、投与14日後から倍量に増量、その後の用量を 体重減少率により調整する投与法を設定しております。158ページからが臨床試験です。 国内の19施設において、BCS7以上のイヌに対し、臨床適用の用法・用量で投与した ものを被験群、コーン油を投与したものを対照群として行っております。有効性は体重減 少率とBCSで見ており、本剤の有効性が確認されております。  安全性については嘔吐、吐出及び下痢・軟便の発現率が被験群でやや高い傾向にありま したが有意ではなく、臨床適用上、問題はないものとされております。血液学的検査にお いては、表チ-29のとおり、被験群でASTが有意に上昇しましたが、その他の項目では 変化はありませんでした。以上の成績から、臨床試験での本剤の安全性も確認されており ます。  最後に、本剤の毒・劇薬の指定についてですが、概要108ページを御覧ください。イヌ については表ホ-5の結果から、無作用量は0.25mg/kg/日未満とされております。本剤の 用法及び用量において、投与開始28日以降の用量の上限が0.2mL/kg、つまりジルロタピ ドとして1.0mg/kgとなるので、通常の用法・用量どおりに使用したとしても、この無作 用量を超える場合があります。また、本剤は体重を減少させるという非常に特殊な効能を 持っていること、投与期間も長期にわたることから、本剤については劇薬として指定する こととしたいと考えております。以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。 ○望月分科会長 ただ今の説明について御意見、御質問があればお願いいたします。特段 の御異議がないようですので、議決に入りたいと思います。部会の報告を踏まえ、当分科 会としても本品目について製造販売承認を可、再審査期間は6年、劇薬に指定することが 適当であると認める旨議決したいと思いますが、よろしいでしょうか。  ありがとうございます。御異議なしと認めます。薬事・食品衛生審議会規程第3条第1 項の規定に基づき、当分科会の議決をもって審議会の議決とし、厚生労働大臣に答申する ことといたします。答申書の文案その他の取扱いについては、私に御一任いただいてよろ しいでしょうか。ありがとうございます。それではそのようにさせていただきます。  これより報告事項に入ります。御担当の部会ごとに区切って報告をいただくこととしま すので、まずは副作用・感染等被害判定第一部会及び副作用・感染等被害判定第二部会の 関係の議題8から簡単に説明をお願いいたします。 ○事務局 資料8を御覧ください。平成21年6月ないし同年8月に開催された判定第一 部会及び判定第二部会の結果について報告いたします。資料は3回分のまとめがありまし て、その後ろに各部会の判定結果を示しております。1ページの判定結果(まとめ)に沿っ て報告いたします。副作用被害判定については新規200件、継続19件、現況67件、改定 1件の計287件について御審議いただきました。結果は、「支給決定とすることが適当と 考えられるもの」が272件あり、その内訳は「請求どおり支給決定するもの」が147件等 となっております。また、「不支給決定することが適当と考えられるもの」は14件あり、 その内訳は「疾病、障害又は死亡が医薬品の副作用により発現したと認められないため、 不支給とすることが適当である」が9件等です。感染被害判定については3事例について 御審議いただきました。結果は、「支給決定することが適当と考えられるもの」が1件、 「不支給決定することが適当と考えられるもの」が2件でした。以上、副作用・感染等被 害判定第一部会及び第二部会の結果の報告です。  次に、神山委員から事前に御質問を二ついただいております。一つ目は6月25日の第 2回の98についてで、急性気管支炎にPL顆粒、フロモックス、ボルタレンサポを投与 するのは不適正使用に当たらないかというものです。これらの医薬品については、患者が 医療機関を受診し、診断がされ、処方されております。診断書によれば咳があり、痰が多 くなる、発熱といった症状が記載されております。また、フロモックス錠、ボルタレンサ ポには急性上気道炎について効能・効果に含まれております。当該判定部会において、本 事例の適正目的、適正使用について不適正であるとの御意見はございませんでした。  二つ目は7月23日の第2回、8月27日の第3回について、原因医薬品名なしで申請さ れているのはなぜかという御質問です。資料16ページの55について、資料26ページ124、 125等についてです。資料の表中、原因医薬品名欄は請求書において原因としている医薬 品を掲げているものではありません。判定部会において、原因医薬品はないとの御意見を いただいた場合、この原因医薬品名欄が「なし」となっているわけです。事前にいただい た御質問については以上です。 ○望月分科会長 委員の方々から御意見、御質問があればお願いいたします。特段ないよ うですので、本件については御確認いただいたものといたします。続きまして、医薬品第 一、第二部会の関係の議題9から15についての説明をお願いいたします。 ○事務局 資料9を御覧ください。「エリザスカプセル外用400μg」です。本剤はアレ ルギー性鼻炎を効能・効果とする新規の糖質コルチコイド製剤です。本剤については本年 7月に開催された医薬品第一部会において御審議いただき、承認して差し支えない旨の御 意見をいただいたところです。  次に、資料10を御覧ください。「オベスケアカプセル10mg、同カプセル15mg」です。 本剤はノルアドレナリン及びセロトニンの再取り込み阻害作用を有する肥満症用薬で、効 能・効果をBMIが25kg/m2以上で内臓脂肪蓄積を伴い、2型糖尿病及び脂質代謝異常を 有する肥満症における体重管理(ただし、食事療法・運動療法を行っている患者で十分な 効果が得られない場合に限る)としております。本剤については、本年7月に開催された 医薬品第一部会において承認して差し支えない旨の結論をいただいたところです。  次に、資料11を御覧ください。「ミリプラ動注用70mg」です。本剤は脂溶性白金錯体 であるミリプラチンを有効成分とし、ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル(ミリプラ用 懸濁用液として報告したものです)に懸濁して肝動脈内に投与される抗悪性腫瘍剤です。 本剤については、本年7月に開催された医薬品第二部会において御審議いただき、承認し て差し支えない旨の結論をいただいたところです。  続きまして、資料12、13については毒薬及び劇薬の指定の要否です。まず、資料12を 御覧ください。本剤は遺伝子組換え活性型ヒト血液凝固第VII因子製剤です。資料の「劇 薬除外概要」という緑のタブをめくると、今回の対象となる「ノボセブンHI静注用5mg」 については、現在薬事法施行規則において原体及びその製剤は劇薬とされ、ただし書とし て「1バイアル中本成分4.8mg以下を含有する注射剤」は除くということで、実際に承認 されている製品を劇薬から除外しているところです。2.ですが、今般申請があった「ノ ボセブンHI静注用5mg」については増し仕込みのため、1バイアル中、本成分5.2mgを 含有することから、現行の規定のままでは劇薬に該当するものです。しかしながら、本剤 の臨床薬用量における副作用の発現率及び重篤性は、既承認の製剤と差がなく、高くない ことから、本剤についても劇薬の指定から除外することが適当であると考えております。 以上のことから、下の3.の改正案として、現在は4.8mg以下を劇薬から除外としていま すが、5.2mg以下を含有するものを除外するといった変更をしたいと考えております。  次に資料13ですが、本剤も同様の劇薬からの除外です。ワルファリン(フェニルアセチ ルヒドロキシクマリン)については、化合物及び製剤が劇薬に指定されており、資料13の 一番下、3の「旧」の表にあるとおり、一錠中フェニルアセチルエチルヒドロキシクマリ ンとして5mg以下を含有するものの他、3種類のものが除外されております。2.として、 今般、ワルファリンK細粒0.2%「NS」及びワルファリンK細粒0.2%「YD」は、1 g中にワルファリンカリウム2mgを含有する細粒剤であり、現行の規定では除外にかか らないので、劇薬に相当することとなります。しかしながら、本剤は劇薬から既に除外さ れている「ワーファリン錠1mg」を細粒とし、用量調節を可能にしたものであることから、 また、同錠剤との生物学的同等性の基準を満たしていることから、同様に劇薬から除外す ることが適当であると考えており、次のページの上に記載してある「新」の(4)として、 0.18%以下を含有する細粒剤を除外したいと考えております。  次に、資料14は生物学的製剤基準の一部改正です。ページをめくると概要があります が、ワクチン及び血液製剤の承認に当たっては生物学的製剤基準において、その製法、性 状、品質、貯法等に関する基準を定めております。今般、本日の審議事項、議題3及び4 で御議論いただきました「サーバリックス」及び「プレベナー」の承認に伴い、これらワ クチンの生物学的再剤基準を追加として定めるというものです。  最後に、資料15は「希少疾病用医薬品の指定について」です。ページをめくると概要 があります。医薬品の名称は「ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン」です。予 定される効能又は効果は全身型重症筋無力症(胸腺摘除術、ステロイド剤又はステロイド 以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)としております。本品目については、 本年8月の第一部会で御審議をいただき、希少疾病用医薬品として指定することに差し支 えないとの答申をいただきまして、こちらに記載があるとおり、9月11日付けで指定し たところです。以上です。 ○望月分科会長 医薬品第一部会長の松井委員から追加の御発言があればお願いいたし ます。 ○松井委員 特にありません。 ○望月分科会長 医薬品第二部会長の吉田委員から追加の御発言があればお願いいたし ます。 ○吉田委員 特にありません。 ○望月分科会長 委員の方々から御意見、御質問等があればお願いいたします。 ○宗林委員 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□ 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□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□。□□□、□□□□□□ □□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□。 ○笠貫委員 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□ □。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□ □□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□。 ○機構 □□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□、□、□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□ □□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□、□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。 ○望月分科会長 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□ □□□□□。 ○審査管理課長 □□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□□□□□、□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□、□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。 ○望月分科会長 □□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□。 ○審査管理課長 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□ □、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。 ○笠貫委員 □□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。「□□□□□□□□□□」□□□□□□ □□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□、□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□。 ○望月分科会長 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□。 ○機構 □□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□ □□・□□□、□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、「□□□□ □□□□□」□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □、□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。 ○宗林委員 □□、□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□ □□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□、□□□□、□□□□ □□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□・□□ □□□□□□□□□□□□、□□□□・□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□。 ○山口分科会長代理 □□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□、 □□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□、□□□□□□□□□□□ □、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□ □□□□□□□。 ○機構 □□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□、□□□□□・□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、 □□□□□□□□□□□□□□□□□、□□、□□□□□□□□□□□、□□□□□□□ □□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□・□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□。  □□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□、□ □□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□、□□□ □□□□□□□、□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□、□□□□□□、□□□□□、□□□□□□、□□、□□□□・□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□・□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。 ○笠貫委員 □□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□。□□□、□□□□□□、 □□□□□□□、□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□、□□□□□□□、□□□□□□。□□□□□□□□□□□□ □、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。 ○機構 □□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□、□□□□、□ □□□□□□□□□□□□・□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□、□□□、□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□、□□□□□□□□□□。  □□□、□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□□ □□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□、□□□□□□□□ □□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□ □□□□□。□□□□□□□□、□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□、 □□、□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□。 □□□□□□□□□□□□□、□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□ □、□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□、□□□□□□□□。□□ □□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□。 ○飯島委員 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、 □□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□ □、□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□□□。 ○審査管理課長 分かりました。いろいろと先生方に御指摘いただいています。この薬剤 を使うに当たりどういう縛りにするかというところの御議論かと思いますので、それにつ いては、また整理させていただいて、御報告させていただきたいと思います。それでよろ しいでしょうか。 ○松本委員 □□□□□□□・□□、□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□、□□□□□□ □□□□□、□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□。 ○望月分科会長 以上に基づいて、検討していただき、報告いただくということでよろし いでしょうか。 ○神山委員 □□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□、□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □。 ○望月分科会長 よろしくお願いします。それでは、資料10については、今申し上げた ような処置をさせていただきたいと思います。ほかの点については、よろしいでしょうか。 それでは、10を除きまして御確認いただいたものとします。続きまして、日本薬局方部 会の関係の議題16について、説明をお願いします。 ○事務局 資料16の「日本薬局方の一部改正」の概要について御報告させていただきま す。まず一つ目の「一般試験法の改正」についてですが、今回改正する溶出試験法は、日 米欧の三薬局方で調和合意された内容を反映するというものです。二つ目の「医薬品各条 の改正」については、一昨年の12月以降、米国を中心として、異物混入ヘパリンによる 有害事象が多発したことを受けまして、昨年7月、緊急対応として局方等を改正したとこ ろです。その後、応急対応した試験法について、より適切な試験法を設けることにより、 チェック体制の強化を図ることができるものと考えまして、欧米並みの規制を設けること とし、ヘパリンナトリウム及びヘパリンカルシウムに関して、確認試験及び純度試験に係 る規定について設定を行うというものです。本件については、平成21年8月25日開催の 日本薬局方部会において御審議いただき、日本薬局方の一部を改正することに御了承をい ただいたというものです。今後の予定としましては、平成22年1月末に告示予定として います。 ○望月分科会長 ありがとうございます。日本薬局方部会長の早川委員から追加の御発言 はありますか。 ○早川委員 特にありません。 ○望月分科会長 委員の方々から御意見、御質問等ありますでしょうか。  特にないようですので、本件について御確認いただいたものとします。  続いて、医療機器・体外診断薬部会の関係の議題17、18について説明をお願いします。 ○事務局 資料17、18については、6月23日開催の医療機器・体外診断薬部会における 審議の結果です。まず資料17ですが、「血管狭窄部貫通用カテーテル」というものです。 すでに冠動脈の貫通用のカテーテルについては、別途一般的名称がありまして、承認され ているものがあるわけですが、冠動脈ではなく末梢の方の血管で使うものが新たに承認申 請されまして、こちらについて一般的名称の作成をするものです。下の表を御覧いただき ますと、一般的名称は、先ほど申し上げたとおり。クラス分類としてはIV、特定保守管理 医療機器へは非該当、生物由来製品非該当ということとなっています。  資料18ですが、2ページ、3ページを御覧ください。「血球細胞除去用浄化器」とい う希少疾病用医療機器、これはこれから開発されるものですが、開発の支援ということで して、患者さんが非常に少ないこと、医療上の必要性があるということ、開発の可能性を 御審議いただきまして、難病である膿疱性乾癬、非常に患者数が少なく、2300人と推定 されると。「医療上の必要性」については、再燃と寛解を繰り返す原因不明の皮膚疾患で、 重篤度が高いということ。この品目は潰瘍性大腸炎、クローン病ですでに承認されていま して、サイトカインなどのもととなる血球細胞を除去するという作用機序からしまして、 今後、開発された場合に開発の可能性が高いということから、希少疾病用医療機器として 指定して差支えないとされたものです。 ○望月分科会長 ありがとうございます。医療機器・体外診断薬部会長の笠貫委員から追 加の御発言はありますか。 ○笠貫委員 特にありません。 ○望月分科会長 それでは、本件について委員の先生方から御質問等ありますでしょう か。よろしいですか。それでは、本件について御確認いただいたものとします。  続いて、指定薬物部会の関係の議題19について説明をお願いします。 ○事務局 資料19を御覧ください。指定薬物については、麻薬に類似した違法ドラッグ、 いわゆる脱法ドラッグの乱用が社会問題化しまして、これに対応するため、平成18年の 薬事法改正により指定薬物の制度が設けられているところです。「指定薬物」とは、薬事 法において中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用を有する蓋然性が高く、かつ、 人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物として厚生労 働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聞いて指定するもの、とされています。指定薬物 の指定により、その乱用防止の観点から、製造、輸入、販売、授与及び販売の用に供する ための貯蔵、陳列等が禁止されることとなります。本年8月25日に指定薬物部会が開催 されまして、国内で新たに確認されました資料に記載されている6物質について、指定薬 物に指定することの可否について御審議いただいたところです。御審議の結果、指定薬物 として指定することが適当である、との御意見をいただいています。現在、当該6物質を 指定薬物として指定することに関して、パブリックコメント等を行っているところでし て、その結果をもとに、今後、関係省令の一部改正のための手続きを行う予定です。 ○望月分科会長 ありがとうございます。部会長である私からは、特に補足する点はあり ません。以上の点に関しまして、委員の先生方から御質問等はありますでしょうか。  よろしいですか。それでは、本件について御確認いただいたものとします。続いて、化 学物質安全対策部会の関係の議題20について、説明をお願いします。 ○事務局 資料20を御覧ください。化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、「化 審法」と略していますが、こちらの法律に基づく第一種特定化学物質に相当する化学物質 及び今後の措置等について、化学物質安全対策部会において御審議いただきましたので、 その結果について御報告します。  まず、「1.第一種特定化学物質の指定について」ですが、この第一種特定化学物質と いいますのは、化審法において製造、輸入、使用が原則禁止されている物質です。この新 たな指定の背景ですが、本年5月の残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約の会 合におきまして、新たに国際的に廃絶あるいは制限の対象とする物質として12物質が指 定されたところです。これを受けまして、化審法においても、第一種特定化学物質の指定 要件である高蓄積性、難分解性、長期毒性の要件にこれらの12物質が該当し、これらに ついても化審法において厳格な管理措置を講じるべきとの判断がなされまして、第一種特 定化学物質に指定することが適当という結論が得られています。  この指定に伴う措置として、「2.上記の第一種特定化学物質指定に伴う措置について」 でございますが、この化審法については経済産業省及び環境省との共管法でして、その2 省の審議会との合同審議を行っています。新たに指定する12物質の一つ、PFOSにつ いては、現段階で代替性がないということで、例外的な使用を認めるということです。例 外的使用を認めた用途によって作られる製品に加えて、現在製造の中止はされています が、泡消火薬剤についても、現時点で切り替えることが困難ということで、これらを含め た4製品について表示の義務等を課すということが適当とされています。第一種特定化学 物質の指定に当たって、輸入を禁止する製品も指定しておりまして、こちらについては、 工業用のメッキ処理剤等を指定して、輸入禁止するということが適当とされています。  「3.第二種特定化学物質に係る措置について」は、条約対応ではなく、今般の化審法 改正に伴う措置です。第二種特定化学物質、製造、輸入の制限がかけられる物質ですが、 これらについて、今般の化審法改正において、第二種特定化学物質が使用されている製品 を取り扱う業者についてもその義務が課せられるという改正がなされています。その技術 上の指針、あるいは表示義務の対象の製品として、接着剤等これらの製品を指定すること が適当という結論が得られています。  「4.今後の対応について」ですが、現在、関係政令の案についてパブリックコメント を実施しています。この結果を受けて、来年4月をめどに施行の予定を考えています。 以上です。 ○望月分科会長 ありがとうございます。化学物質安全対策部会長の西島委員から追加の 御発言はありますか。 ○西島委員 特にありません。 ○望月分科会長 ありがとうございます。それでは、委員の方々から御意見、御質問はあ りますでしょうか。  特にないということで、本件について御確認いただいたものとします。続いて、その他 事項の議題21について説明をお願いします。 ○審査管理課長 本日配布資料ですが、資料21-1、21-2について説明させていただきた いと思います。これについては、新型インフルエンザの取扱いの現状について御説明させ ていただくものです。  資料21-2は、9月6日〜9月13日まで「新型インフルエンザワクチンの接種について」 ということでホームページ上に掲載して、意見募集をさせていただいたものです。内容を 簡単に御説明させていただきます。  1ページですが、接種の目的については、「死亡者や重症者の発生をできるだけ減らす こと及びそのために必要な医療を確保すること」を目的として接種をするということで す。2ページは、優先接種の必要性ということで、確保できるワクチンの量が限られてい るということで、優先的に接種する対象者を決めるべきであるということで、3ページに 優先接種対象者を示しています。医薬品に直接に関係するのは4ページ辺りからですが、 国産ワクチンについては早急に必要量を確保すべきということです。5ページですが、輸 入ワクチンの確保に当たっては、今後の感染の拡大やウイルスの変異等のおそれを踏まえ ると、重症者の発生などの健康被害を防止するために、国内での製造ワクチンだけでは十 分な供給量とは言い難いので、健康危機管理の観点から海外企業から緊急に輸入し、一定 量のワクチンを確保する、ということとしています。  6ページですが、輸入ワクチンについては国産ワクチンと比較して(1)〜(5)等の違いがあ るということで、安全性に関してはより慎重を期すべき、という専門家からの意見もあり ます。ということで、健康危機管理の目的から、特例的に通常の承認の要件を緩和して、 緊急に承認を与える場合であっても、薬事・食品衛生審議会において、承認審査の際に添 付される海外臨床試験成績等の資料により、その安全性について確認するとともに、国内 での臨床試験中に中間的に安全性について確認するなどの対応を講じるということで考 えているということです。また、安全性情報の収集、評価についても、安全性情報の速や かな収集に努める、迅速な安全対策を講ずるということを考えているところです。また、 積極的な情報開示、情報提供についても示しています。  輸入ワクチンに関するところですが、参考資料1、「新型インフルエンザワクチンに関 する基礎資料」の11ページを御覧いただきたいと思います。国産ワクチンについては 1,800万人分ですが、現時点では、製造量、製造株の増殖率、1mLバイアルあるいは10mL バイヤルのバランスを考えまして、現時点では2700万人分ほど年度内に供給できるので はなかろうかという状況になっています。  ただ、それでも輸入ワクチンが必要だということですが、輸入ワクチンについては、現 時点で2社ほどが輸入の候補に挙がっています。その概要について簡単に御紹介します。 A社のものについては、12ページの(4)にありますように、現在開発中のものです。A 社のものは、国産と同じように鶏卵培養により抗原を作るものですが、国産ではアジュバ ントを使っていませんが、このA社のものについてはアジュバントが使われているという ものです。(4)にありますが、現在開発中のものでして、アジュバントは新しいものです が、欧米では1万例以上の使用例があるという状況です。  B社のものについては、抗原の作り方が国産とは異なりまして、MDCK細胞を用いた 細胞培養により抗原を作ります。アジュバントを添加しているということでも違っていま す。使用の実績を御覧いただきますと、これについても現在ヨーロッパにおいて開発中で す。また、季節性インフルエンザということで、細胞培養ではありませんが、鶏卵培養の もので同じアジュバントを使ったものについては、4000万ドーズの使用実績があります。 同じ培養法ですが、アジュバントのないものについては、2007年に EUで承認をされて いるという状況です。  細胞培養について、MDCK細胞については、14ページの下の方にありますが、EM EA(欧州医薬品庁)での評価がされていまして、この細胞の安全性については、腫瘍原性 (細胞そのものが投与された動物の体内で腫瘍を形成する性質)、増殖する性質を有すると いうことを示していますが、細胞の可溶化物、DNA抽出物ではがん原性は示されていな いということです。当該細胞については製造工程で除去されるということで、最終製品に ついては安全性は問題ないと評価をされています。また、15、16ページについては、今 御紹介しましたMDCK細胞についてのアメリカ、ヨーロッパ、あるいはWHOにおける 状況をまとめています。  17ページですが、このような輸入ワクチンが申請されています。現在開発中ですが、 申請されてくる場合の取扱いとしては、このようなことを検討しております。また、緊急 に承認を下ろさなくてはいけないという状況にあります。通常の開発審査を行っていると 時間がかかるということで、薬事法第14条の3に「特例承認」という規定がありますが、 その適用はできないかということで検討しているところです。要件としては、ここにも書 いてありますが、輸入ワクチンが本邦と同じ水準と認められる医薬品の製造販売承認制度 を有している国で承認されているものであること、ということが前提条件ですが、その前 提条件の下に、臨床試験成績、その他の申請データに基づいて評価をさせていただいて、 特例的に承認するというスキームです。  このスキームについては、もう少し御説明させていただきたいと思います。資料21-1 を御覧ください。特例承認のスキームですが、医薬品の開発の資料と比較しての資料を作 っています。前提条件としましては、ここにもありますが、日本と同等の製造販売承認制 度を有する国において承認されているということが前提です。今想定しているのはアメリ カあるいはヨーロッパの国々というところを考えています。通常ですと、非臨床試験、臨 床試験のデータを出していただくわけですが、臨床試験成績以外については申請添付資料 から提出を猶予することができるという規定が、薬事法第14条の3の規定でして、この 薬事法14条の3の考え方を踏まえて、品質・有効性・安全性に関する審査及び調査に関 する承認が可能ということになりますので、審議会の御審議をいただいて対応を図りたい と考えています。先ほどのパブリックコメントの資料にもありましたが、臨床試験その他 の試験については現在ある資料に基づいて審査をお願いすることになろうかと思います が、特例承認はこのようなスキームがあるということです。  資料21-1の参考1が、薬事法第14条の3の規定です。第14条の3第1項第1号です が、「国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある疾病のまん延その他の健康 被害の拡大を防止するため緊急に使用されることが必要な医薬品又は医療機器であり、か つ、当該医薬品又は医療機器の使用以外に適当な方法がないこと。」となっています。そ れから、第2号ですが、本邦と同水準にある国での承認があること、というようなことが 要件になっています。  次ページの参考2ですが、この特例承認は「できる規定」です。通常ですとイ〜トまで の資料を出していただくことになるわけですが、場合によってはイ〜ヘまでの資料を猶予 することができるという規定になっています。今後、新型インフルエンザワクチンについ て輸入の申請が想定されますが、今のところ、このようなスキームに沿った対応を考えて いるところです。その際には、薬事・食品衛生審議会の方に御審議をお願いすることにな ると思っています。現在の状況について御紹介させていただきました。 ○望月分科会長 ありがとうございます。委員の方々から御意見、御質問はありますか。 ○土屋委員 少し外れているかもしれませんが、優先的に出すところに「診療に従事する 医療従事者」とあるのですが、調剤に従事している薬剤師というのは患者さんとは接触し ませんが、こういうものは含まれていると考えるのでしょうか。 ○審査管理課長 これにつきましては、パブリックコメントでも約4000ほど意見があり まして、担当部局の方で今整理をさせていただいています。具体的なところは、また改め て御説明させていただくことになろうかと思います。優先接種対象者に関しては、今検討 させていただいているところです。 ○審議官 「診療に従事している」というところがキーワードです。医療従事者の中でも いろいろな枠があり、いろいろな人たちがいるでしょう。そういうキーワードの中で考え たい、というのが基本的なスタンスです。資料の8ページに、大体どれぐらいの対象者が いるのかが書いてありますが、診療に従事する医療従事者というのは100万人ぐらいと想 定しています。 ○望月分科会長 ほかに御意見、御質問はありますか。 ○西島委員 関連ですが、優先対象者は日本は1歳からですが、CDCのrecommendation は6か月ということです。この辺の違いについては特に何か説明はありますか。 ○審査管理課長 これに関しては、小児科学会から、0歳児についてのエビデンスが十分 ではないのではないかという御意見をいただきまして、1歳児以上にさせていただいてい ます。その代わりに、0歳児の保護者を接種対象にするという案に、今のところなってい ます。 ○望月分科会長 ほかにはご質問ありますか。よろしいですか。  それでは、引き続き、その他事項の議題22についての御説明をお願いします。 ○審査管理課長 当日配布資料22について御紹介させていただきます。未承認薬・適応 外薬の解消に向けての検討の状況です。未承認薬等については、未承認薬の使用問題検討 会・小児薬物療法検討会で今まで検討させていただいていますが、さらに取組みを強化す るということで体制を考えているところです。現在、未承認薬あるいは適応外ということ で、各学会の皆さん、患者団体の皆さんから、本年の6月〜8月の2か月間、意見を募集 していたところです。その意見は、海外での承認や、使われているということが前提です が、現在のところ、約200の団体・個人から、約600の要望をいただいています。その中 で、薬剤と効能・効果の組合せということで重複を外しますと、約370件の要望をいただ いています。これらに関しては、開発について、製薬会社それぞれについて、どう考えて いるかということの意見を聞こうとしているところです。それらの意見を踏まえまして、 有識者会議、これは、先ほど申し上げた未承認薬の検討会議・小児薬物療法検討会議を発 展的に改組したものを想定していますが、そこで御検討いただきまして、製薬企業の承認 申請に向けた開発の実施について開発支援の取組みをさせていただこうと考えていると ころです。具体的には、希少疾病用医薬品の指定等による開発の支援、あるいは、医学・ 薬学的に公知である場合につきましては、評価報告書を作成することによって審査を早く するという支援、あるいは、必要な試験等の指導ということです。そのような取組みを進 めるにあたり、評価報告書等の事前評価等につきましては薬事・食品衛生審議会の御意見 をいただくという形を考えています。 ○望月分科会長 ありがとうございます。ただ今の説明に何か御意見、御質問はあります か。 ○赤堀委員 一つ、お願いがあります。有識者会議、あるいはワーキンググループの中に、 是非、日本トキシコロジー学会が認定している認定トキシコロジスト、これは国際的にも 認められているトキシコロジストですが、薬物の承認については、安全性の面からの検討 が非常に重要になってくると思いますので、こういったメンバーを考えるときに認定トキ シコロジストを加えることの御検討いただければありがたいと思います。 ○望月分科会長 よろしくお願いします。御検討ください。 ○審査管理課長 安全性の観点も含めて、メンバーについては検討させていただきたいと 思います。 ○黒木委員 今後の流れといいますか、有識者会議は大体いつごろ開催の予定ですか。 ○審査管理課長 8月に各団体からの意見を募集させていただきまして、やっと整理がつ いたところですので、各個別の企業に、それぞれどのような状況であるかを確認させてい ただいているところです。それを受けまして、12月ぐらいに開催させていただければと 思っています。 ○望月分科会長 ありがとうございます。ほかに御意見はありますか。特にないというこ とで、本日の議題はすべて終了いたしました。司会不手際で時間が非常に延びてしまいま して、申し訳ありませんでした。次の薬事分科会は12月21日(月)14時からを予定して います。よろしくお願いします。それでは、これで薬事分科会を閉会させていただきます。 本日は、長い時間、どうもありがとうございました。 ( 了 ) 連絡先: 医薬食品局 総務課 課長補佐 菊池(内線2714)