09/09/09 平成21年度第7回診療報酬調査専門組織・慢性期入院医療の包括評価調査分科会議事録 平成21年度第7回診療報酬調査専門組織・慢性期入院医療の包括評価調査分科会議事録 (1)日時  平成21年9月9日(水) 15:00〜17:00 (2)場所  厚生労働省共用第8会議室 (3)出席者 委員:池上直己分科会長、高木安雄分科会長代理、猪口雄二委員、           大塚宣夫委員、左柳進委員、椎名正樹委員、武久洋三委員、           三上裕司委員        事務局:佐藤医療課長、佐々木課長補佐、他 (4)議題  1 平成20年度慢性期入院医療の包括評価に関する調査について        2 平成20年度慢性期入院医療の包括評価に関する調査報告書         (修正案)について        3 その他 (5)議事内容 ○池上分科会長  それでは、ただいまより、平成21年度第7回診療報酬調査専門組織(慢性期入院医療 の包括評価調査分科会)を開催させていただきます。  本日の委員の出欠状況につきましては、酒井委員が御欠席と伺っております。それから、 高木委員が間もなくいらっしゃると思いますが、猪口委員につきましては、今日いらっし ゃられるかどうかまだはっきりしませんけれども、いらっしゃられるというお話も伺いま したので、一応お席は用意させていただきました。  次に、厚生労働省において異動がありましたので、事務局より紹介をお願いします。 ○佐々木課長補佐  それでは、事務局の異動について紹介させていただきます。  9月7日付で保険局医療課保険医療企画調査室長に着任しました渡辺由美子でございま す。 ○渡辺保険医療企画調査室長  渡辺でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○池上分科会長  それでは、まず資料の確認を事務局からお願いします。 ○佐々木課長補佐  資料の確認をさせていただきます。  まず議事次第、1枚物でございます。それから座席表、これも1枚物、名簿でございま す。それから、慢−1と右肩に打っておりますが、これも1枚物でございまして、指摘事 項をまとめたものでございます。それから、慢−2、冊子でございますが「コスト調査 (病院)」と書いたものでございます。それから、慢−3といたしまして、これも1枚物 ですが、医療区分変動に関する分析というものでございます。それから、慢−4といたし まして「報告書」、前回提示させていただいたものの修正版というものでございます。こ れも冊子でございます。それから、最後に参考資料といたしまして、委員の方の意見の主 なものをまとめたものをお付けしております。  資料は以上でございます。 ○池上分科会長  資料についてはよろしいでしょうか。  それでは、平成20年度慢性期入院医療の包括評価に関する調査についての議題から行 いたいと思います。  事務局から説明をお願いします。 ○佐々木課長補佐  では、資料の慢−1、それから慢−2、慢−3を用いまして御説明をいたします。  まず、慢−1といたしまして、第6回分科会等における指摘と書いた1枚物でございま す。これも、前回までの分科会、または前回の分科会から本日までの間に委員の方から指 摘等ございましたもののデータを追加で出したと、こういうものでございます。  まず1つ目、慢−2でございますが、これはどういうものかと申しますと、前回、これ はコスト調査の分に関しましてのデータで、共通病院のものに置きかえたのでございます けれども、それのデータの数字と共通病院以外の25病院、全体の病院でやったものと数 字が変わらないのではないかと、こういう御指摘をいただきまして、いろいろと調べた結 果でございます。資料としては実は前回と同じものではございますが、ちょっと詳細に説 明をさせていただきます。  まず、めくっていただきまして1ページ、2ページを見ていただきたいのですが、今回 の資料も左側が第3回分科会に出させていただいたデータ、右側が第6回、前回の会に提 出したデータというようなつくりになっております。まず、コスト調査の費用の話でござ いますけれども、各ページ右上に書いておりますとおり、費用についてはまず、もともと が共通10病院、それから賃金別職員賃金だけ25病院というやり方で調査しておりまし た。これを共通病院だけのものにするべきではないかという御指摘がありましたので、前 回作業いたしました結果、2ページの右肩のほうに書いてございますが、費用につきまし ては共通の10病院、ここは一緒なのですけれども、賃金別職員だけ25病院という共通 病院以外も入れておりましたので、その共通病院のうちの賃金別、職種別賃金が出せる5 病院というようなことに限ったものにしておりまして、そういう面でこの表ができ上がっ ております。ですので、この1ページ目、2ページ目に関しましては、実はこれは既に共 通病院10病院でつくっていたデータでございますので変更はございません。これは参考 までに提示をさせていただいています。  実は、次のページ、3ページ目、4ページ目、ここから共通病院のみのデータに直した 結果、修正が生じておるところでございます。まず、3ページ目、4ページ目、両ページ の図表3、図表5というのが、上段の表がございますが、ここはいわゆる時間の調査です。 タイムスタディーを20年はやっていませんので、18年のデータを使っております関係 上、全く同じものでございます。図表4と6、これが異なっておりまして、前回はこの図 表4、3ページの左下のほうでございますが、この表については25病院を用いて職種別 賃金のデータということを出しておりました。ですので、これを共通病院のみにかかわる ところに直すということをいたしますと、4ページ目の右側、下の段でございますが、図 表6のとおり20年と18年ということで、各職種の賃金、これは左右見比べていただけ ればと思いますが、異なっている。左側の図表4は25病院でつくっておりまして、右側 の図表6は5病院でつくっているということで、この部分につきましては共通病院のみと いう修正の結果、変更になっているところでございます。  続きまして5ページ目、6ページ目もこの3ページ目、4ページ目のデータを使って重 み付けケア時間というのを算出しておりますので、ここの図表9、それから図表10とい うようなものも両方、全体的に左側の図表なら図表8ということが変わっているというこ とでございます。  それで、やっと前回の御指摘のページに近づいてきたのですが、7ページ目、8ページ 目を見ていただきたいのですが、この表の中で、共通病院にしているにもかかわらず、変 動費用についてよく見ていただきますと、図表11、図表12、左右見比べていただきま すと、平成18年、20年とも変動費用のところは同じ金額が入っております。これは前 回も同じ金額が入っておりました。  実は、これはどのようなつくりになっているかと申しますと、ちょっとページ、行きつ 戻りつで恐縮ですが、1ページ目、2ページ目を見ていただきたいのですが、これは実は 図表11、12の11,848円、変動費用のところはどうやって出しているかと申しま すと、この図表1、2、これは同じ数字ですからどちらでも構わないのですが、人件費と 材料費という欄がございますけれども、これを足し合わせた金額が11,848円でござ います。これに関しては、もう既に共通10病院のデータで算出しておりましたので、こ れは実は3回目のときもここの部分については10共通病院でやっておりまして、賃金別 職員に係るところだけ共通病院でなかったという関係上、実は総額につきましては前回提 出させていただいた資料で変更する必要がないということでございました。私が第6回、 前回のときにそこの点を御説明できませんでしたので申し訳ございませんでした。  というわけで、ここは変わらないのでございますが、また7ページ、8ページにちょっ と戻っていただきたいのですけれども、何が変わっているのかと申しますと、この変動費 用の人件費と書いておりますところのうち「重み付けケア時間算出対象人件費」、それか ら「リハスタッフの人件費」「その他人件費」というものがありますが、これの配分につ いて左右を見比べていただきますと変更になっております。  これはどういうデータに基づいて変更したかと申しますと、これもまた行ったり来たり で恐縮ですが、3ページ目、4ページ目のところに職種別賃金というのがございまして、 そのところに医師が、例えば4ページでございますと7,741円、看護師が2,959 円というふうに職種別賃金の記載がございますが、このデータを用いましてその人件費相 当の部分について内訳を算出、要するに配分を見直すためにこの共通5病院のデータで計 算をし直しているという変更をしておりまして、そういうわけで宿題をいただきましたす べてのデータを共通の10病院に関するデータにそろえるという作業をした結果、変更が あったのは、実はこの図表12のうち人件費に係る3行の部分に変更が生じておりまして、 あとの変動費用そのものはある意味もう差は、する必要はなかったということで、そこら 辺のところは御説明が行き届かず大変申し訳なかったということでございます。  そういうわけでございますので、結果として前回の会議で、その後、収入差とか収支の 差につきまして、それ以降のページで、11ページ、12ページ、13ページ、14ペー ジと出てまいりますけれども、最終的に、例えば14ページのところが一番焦点かと思い ますが、患者分類ごとの収入・費用差の額のこの金額のマイナスとプラスの部分につきま しては、前回提示させていただいた資料をもとに計算をさせていただいても、既にある意 味、計算としては合っているというような状態でございましたので、今回は全く同じ資料 を提示、第6回目と同じ資料でございますが、そういう変更、資料の位置付けとか分かる ような形にしまして、その御報告をさせていただいておりますということでございます。  それが1つ目、慢−1でございまして、もう一つが慢−3の資料でございます。これに つきましては、前回の分科会以降、池上会長のほうから御依頼もありまして作業をした結 果の資料でございます。  これに関しましては、医療区分の変動に関する分析ということでございまして、慢−1 の資料のところにございますが、医療区分・ADL区分調整を用いて1カ月の間で加重平 均した医療区分構成比と暦月中の1日、例えば月半ばの平日の1日の横断面の任意の1日 の医療区分の構成比を比較してほしいというのが1つ目でございます。それからもう一つ が、調査月内で1回でも医療区分の変更のあった患者数とこれらの患者が全体に占める割 合、それから変更があった方のうち、1回でも改善した(区分が軽くなった)患者数とこ れら患者が区分変更の中に占める割合、それから1回でも悪化した(区分が重くなった) 患者とこれら患者が区分変更の中に占める割合というのを出すという2つの宿題に対しま して慢−3で示させていただいております。  まず1つ目につきまして、暦月内における算定延べ日数に基づく医療区分構成比が上の 行でございまして、医療区分1、2、3というのが記載のとおり18.7%、56.5%、 24.8%となっております。暦月内の特定日、これは任意で1月15日をとらせていた だきましたが、そこの時点での区分構成比というのが、19.1%、56.7%、24. 2%となっておりまして、この延べの構成比と任意の1日の構成比というのはほとんど差 がないという結果でございました。  それから、もう一つのデータですが、区分変更の中での割合等々のほうですけれども、 まず新規の入院、転院の方が81件、14.5%でしたが、区分不変の方が66.4%、 病棟内の変化ということですけれども、区分変化があった方というのが74件、13.2 %ということでございます。これはトータルの数字ですので、患者さん一人一人というこ とではなく、全体のマスとしての数字でございますけれども、区分の重度化をした方の延 べの件数が152件、それから区分軽度化、つまり区分が軽くなった方が160件という ことで、区分の悪くなった方、よくなった方というものがある意味差し引きで見ますとお おむねプラス・マイナス・ゼロとまでは言いませんけれども、それに近いような状態とい うふうな結果でございました。それで、そのほか退院・転院・死亡が47件、8.4%と いうことでございまして、こういったような状況という結果でございました。  指摘事項等に関する資料は以上でございます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  ただいまの説明につきまして、何か御意見、御質問等ございましたらお願いいたします。 ○高木分科会長代理  すみません、遅れてきまして。  今の慢−3の解釈の話ですけれども、図表1ですとほとんど同じだという話ですよね、 どっちをとっても。興味があるのは図表の2で、変化ありが13.2%あって、重度化、 軽度化は、後ろの図表3だと、重くなる人もいれば軽くなる人もいると。両方動いている という話ですよね。もっと重くなる人のほうが多いのかなと思っていたけれども、片方で 軽くなる人がいて、バランスがとれているという結果で、なるほどと思って見たのですが、 この辺のできれば解釈を、現場の武久先生、もしよろしければ。 ○武久委員  当然、病院ですから、病気の人が入院されてできるだけ早く適切に治療していると思い ます。しかし、薬石効なく悪化する場合もあります。だから、よくなっている患者さんが 悪くなっている患者さんより普通は多いというのが本来の病院の姿ではないかと思うので すけれども、ただ療養病床としては急性期病院での非常に重度な後遺症の患者さんをお引 き受けしていると、要するに医療区分3とかで来られますと、なかなか3の方が1になっ てよくなって帰るという率は、それは当然2の方よりは少ないわけですから、そういう意 味では社会的責任を果たしているという意味で、より悪化して亡くなるという場合も、そ れは一部医療療養の重要な機能でもありますから、普通の急性期病院とは多少そのデータ が異なるというのは、逆に言うと社会的責任を果たしているということであろうと思いま す。 ○高木分科会長代理  ありがとうございました。 ○池上分科会長  ほかにございますでしょうか。  どうぞ。 ○佐々木課長補佐  すみません。今、御説明にも引用していただきましたが、実は資料慢−3は裏面もござ いまして、ちょっと御説明が漏れたのですが、これは図表3でございまして、区分変化あ りに関する倍率ということで、重症化が2.1倍、軽症化が2.2倍ということで、この 部分も含めまして御議論をお願いいたします。説明が漏れて恐縮でございます。 ○池上分科会長  ほかにございますでしょうか。  これは私を含めて御要望のあった資料に対する回答ということでございますので、特に 議論がなければ次に進めさせていただければと思います。よろしいでしょうか。  それでは、続きまして、事務局より平成20年度慢性期入院医療の包括評価に関する調 査報告書(修正案)が提出されております。  それでは、事務局から説明をお願いします。 ○佐々木課長補佐  では、資料は慢−4、それから参考資料を用いまして、報告書に関しての御説明をさせ ていただきます。  これは、前回、第6回の分科会におきまして、その原案といいますか、たたき台という ことで示させていただいたものに、分科会でいただきました御意見、それから前回の分科 会から今回までの間に各委員からいただいた御意見をもとに修正を加えておりますもので ございます。  なお、修正を加えてうまく文章化しているところと、あと委員の中からいただいた御意 見がある意味、正反対といいますか、両方踏まえて書くということがちょっと難しいとこ ろにつきましては、仮置きで事務局のほうで案を書かせていただきつつ、その相違点とい いますか、御意見の違いなどが分かるような資料として参考資料というのを付けるような 形で準備しておりますので、あわせて御説明をさせていただきます。前回、全文は読ませ ていただいておりますので、修正点を中心に御説明をさせていただきたいと思います。  まず、1ページ目でございますけれども、この背景等のところに、Iの1の(2)の[2] でございますが、真ん中ぐらいのところに、[2]の4行目ですが、平成19年8月8日「平 成18年度慢性期入院医療の包括評価に関する調査報告書」という、どの報告書でそうい う提言をされたかということを明記する形で修正をしております。  それから、しばらく事実関係のところは特に御意見がございませんでしたので、25ペ ージまで一挙に飛んでいただければと思います。そこまでは特に御意見がございませんで したので、25ページでございますが、これもまた御議論いただきたいという部分でござ います。これは一般病棟で提供される医療の実態調査の概要の3のところでございますが、 主な調査結果というところでございます。これにつきまして、3行目からでございますが、 「在院91日以上の入院患者は、医療療養病棟の患者と比較して、医療区分を適用した場 合の構成比が類似していたが、それと同時に、24時間持続点滴や中心静脈栄養等を実施 している患者は医療療養病棟よりも相対的に多くみられた。一方で、検体検査とエックス 線単純写真の実施率や多種類の投薬頻度においては、在院91日以上の入院患者の方が比 較的高い値を示した。」ということで一応記載をさせていただいております。これは参考 資料で言いますと、1ページ目のところにも関連する御意見がございますけれども、似て いるという御意見と、似ていないのではないかという御意見が両方ございましたので、こ れはとりあえず当初の事務局案の形で書かせていただいておりますけれども、ここについ ては御議論が分かれておるところでございます。  それから、もう一つ、次がまたちょっと飛びまして33ページでございます。ここから は修正がかなりたくさんございますが、3行目からでございます。「また、」以下ですけ れども、「また、この患者分類毎の患者1人1日当たり費用の算出においては、18年度 慢性期調査の結果を外挿しているために、全体として費用を過小に推計している可能性が あることに留意する必要がある。具体的には、平成20年度は平成18年度に比して、医 療区分3の割合が増加していること(図表4)、またリハビリテーション等の算定が増加 していることを考慮すると、仮に平成20年度にもタイムスタディー調査を実施していた 場合、各職種のケア時間が平成18年度に比して延長し、それを反映して費用が増加して いる可能性がある。」と。これは委員の御指摘を踏まえて修正をしたところでございます。  それから、次の修正点が(イ)の収入の経年変化の5行目、「また、」以下のところで ございますが、「また、この推計においては、平成20年度診療報酬改定で導入された褥 瘡評価実施加算(ADL区分にのみ15点加算)が、入院基本料等加算の一部として全体 に配賦されているため、ADL区分3の収入を過小に推計している可能性があることにも 留意する必要がある。」という御意見があり、修正をしております。  それから、(ウ)収支差の状況と経年変化ということでございますが、これは今2つ、 (ア)のところと(イ)のところを修正しております関係上、追加をして修正しておりま して、その冒頭からですが、「患者分類毎の収入・費用差を推計したところ、平成18年 度に比較して患者分類毎の収支差に大きな変化は認められなかった。しかし、上記(ア) (イ)の通り、費用・収入それぞれについて過小に推計している可能性があり、それらが 費用・収支差に影響を与え得ることに留意する必要がある。」としております。  次ですが、[4]提供されている医療サービスの質についてのところでございます。これに つきましてもいろいろと御意見がございましたので、仮置きで書かせていただいていると ころでございますので、またディスカッションしていただければと思いますが、まず3行 目ですけれども、「個別の項目では、身体抑制のQIは低下したものの、留置カテーテル や尿路感染症のQIは上昇していた。」というふうに書かせていただいております。ここ の部分につきましては、参考資料1の一番上にも御意見があるとおり、違った見方もある のではないかというようなこともございました。それから、5行目からのところでござい ますが、「医療療養病床全体の医療サービスの質の向上や低下をより正確に把握していく ためには、重症者を多く受け入れている医療機関についてはそれを考慮したQIとする等 の調整を要すること等から、患者データを蓄積する仕組みを設けた上で、さらに多くのサ ンプル数による調査結果に基づく検討を行う必要があると考えられる。」という修正をし ております。  それから、続きまして34ページに移らせていただきます。修正は(2)調査結果の分 析の[1]、これは全体がある意味意見が分かれておるところでもありますのでディスカッシ ョンいただきたいのですが、参考資料で言えば1ページのところでございます。ページを 打っておりまして、34ページでの御意見が分かれておるところでありますが、現在の記 載としては13対1、15対1において「在院91日以上の患者に医療区分を適用したと ころ、その構成比は、医療区分3の割合が相対的に高いものの、全体としては医療療養病 棟の入院患者の医療区分の構成比と大きく異なるものではなかった。また、医療区分採用 項目については、24時間持続点滴や中心静脈栄養等を実施している者の割合が医療療養 病棟よりも相対的に高かった。」という記載に現状はしております。  同じく34ページの[2]、これも全文、意見等ございましたので、また御意見を踏まえて の修正というのをしているところ、していないところございますが、「『91日以上入院 患者』に係る検体検査や単純X線写真撮影の実施状況は、医療療養病棟に比して多かった。 むしろ、在院90日以内の患者の実施状況に近い頻度で実施されていた。また、過去7日 間に当該病棟において9種類以上の薬剤を使用した患者の頻度についても、同様の結果で あった。これは、前者が出来高払いの病床であり、後者が包括払いの病床であることを反 映していると考えられる一方で、包括払いである医療療養病棟においても検査や薬剤を一 定程度使用していることを示すデータであると言える。但し、高齢者における多剤併用に は問題点が多いとの指摘もある(日本老年医学会『高齢者の安全な薬物療法ガイドライン 2005』等)。」ということでございまして、これについてもいろいろな御意見がござ いましたので御議論をいただければと思います。  35ページに移らせていただきます。これも一部修正を入れております。まず、3行目 の途中からですけれども、「これらの」というのがありますが、「これらの患者は医療療 養病棟の患者と医療区分の構成比が類似している一方で、在院90日以内の患者と同程度 の検査や投薬が行われていると考えられる。」というところですが、これは委員の意見を 踏まえまして修正を加え、もしくは両論、意見が異なっているということもあり、御議論 いただきたいというところでございます。  その後、【参考】というのがついておりますけれども、これは何回も議論に出てきまし た一般病棟の特定除外の患者さんというのはどういう方かということがありましたので、 これは事務局のほうで参考として追加をここにしております。  それから、36ページでございます。今後の課題の1の(1)患者分類の妥当性につい てというところでございます。これも意見が分かれておるところでありますので御議論い ただければと思いますが、5行目の「その妥当性について、」というところからでござい ますけれども、「その妥当性について、当分科会は既に、『18年度慢性期調査』の結果 に基づいて『概ね妥当である』と評価した。『20年度慢性期調査』ではタイムスタディ ー調査を実施していないが、平成20年度診療報酬改定の際に医療区分採用項目にほとん ど変更を加えていないことから、現在においても9分類の妥当性は維持されていると考え られる。」というふうにしております。これも御意見が分かれておるところでございます ので御議論いただければと思います。  それから、37ページでございます。(3)の[4]のところでございまして、これは3行 目からを修正等しております。「その際には、(ア)該当項目への記載を必須とする (イ)レセプトへの添付を必須とする、の2点について、評価票の運用の変更を提案する。 なお、レセプトオンライン請求に対応する際には、上記(イ)の実効性を担保するため、 評価票についてもレセプトと同様にCSV方式で記載できるようにすることが必要である。 さらに、上記(ア)(イ)に関する医療現場の負担については、今後の調査及び検討を要 する。」というふうに変更しております。  あと、最後のページ、38ページでございますけれども、ここも御意見等がございまし たので修正を加えております。これも両論分かれておるところもございましたので、議論 をしていただきたいところも含まれておりますが、変更点は5行目の一番後ろから7文字 目ぐらいのところで「この調査により、」というのがありますが、ここからでございまし て「この調査により、現在の医療療養病床に入院している患者と同様と考えられる状態の 患者が、医療療養病床以外でも入院医療を受けている実態があることが示唆された。回収 率が著しく低い等の問題点はあるものの、13対1病棟及び15対1病棟の入院患者や提 供されている医療サービスに関する実態調査はこれまでに実施されておらず、今回の調査 によって一定の知見が得られたものと考えられる。来年度以降、慢性期医療を担う医療機 関や施設について新たな横断的調査を実施する必要があり、その際には、「基本小委員 会」、これは「基本問題小委員会」というふうにさせていただきます、「基本問題小委員 会と相談しながら、急性期、亜急性期(回復期)、慢性期それぞれの状態像が描けるよう、 調査設計の段階から慎重に議論を進めていくべきである。」ということでございます。  以上、参考資料としての内容は特に御紹介しておりませんけれども、議論をしていただ いてこの報告書案ということのおまとめをいただければと思っております。よろしくお願 いいたします。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  ただいまの説明につきまして、何か御意見、御質問等ございましたらお願いします。 ○武久委員  全般的に各委員がいろいろおっしゃったことを非常によく勘案していただいていると思 いますし、またデータに基づいて事実を記載しているように思いますので、適切に委員の 御意見は反映していると思います。  そのほかに、この黄色の記載のところ以外でもよろしいですか。  それではちょっと。一般病床の13対1、15対1というのは、当然お医者さん、医療 療養病床に比べて医師の数とか看護師の数が多いわけですね。したがって、そういう同じ ような病態の患者さんがいるのだけれども、医療療養病床で治療するのと、一般病床の1 3対1、15対1でナースとドクターの数が多い状態で治療するのとで実際のアウトカム はどうだったのかと、要するに一般病床で治療したほうがよくなる率が高かったのか、医 療療養はスタッフ数が少ないから悪かったのかというところを、当然一般病床のほうがよ くなる率は高いとは想定されますけれども、その辺のところが少しアウトカムという面で 行かないと、例えば医療療養病床の中でも20対1と25対1がありますからあれですけ れども、医師がたくさんいて看護師さんも多い、要するに医師と看護師の数によって診療 報酬ってけっこう今まで決まってきましたけれども、果たして数が多ければ診療の質がい いのかというところにこれからは入っていかないと、数さえいればいいと、極端なことを 言ったら何歳の看護師さんがいても1人は1人だとか、極端な場合言いますと、そこでや っぱり慢性期医療の分野でもアウトカムというか、診療の質を評価する時代に入ってきた かなというふうに思います。ちょうど今回は今年度の最終とは思いますけれども、ここに 書いてありますように、来年度には医療療養以外にも同様の患者さんがいると。それに対 して、一体どういう体制でどのようにやっているかということを詳しく調査した上で、こ ういうようなポストアキュートの患者さんを一体どこがどのように診てやったら医療資源 が効率的に使われて、しかも診療、いわゆる保険料が、保険の診療費が効率的に使われて いくかということに結びついていくのではないかと思います。  それともう一つ、タイムスタディーをしていないのに、していないからどうも信頼性に 乏しいということについてですけれども、私はタイムスタディーという手法自身が万全で はないと思っているのですね。というのは、先ほど言いましたように、医師と看護師が多 ければ診療の質がいいと一概には言えないだろうと私は思いますけれども、そういったと きに、タイムスタディーを行っても、本当は患者さんのところへ行って診察しないといけ ないのにサボっている医者がいたり、また看護師さんもまあいいかと思って行かなければ、 結果として余り行く必要がないというふうに出てしまうことの危惧があるということです。  そこで、DPCはちょっと私、詳しくないのですが、DPCでもタイムスタディーなん かを何回もやられているだろうと思うのですけれども、慢性期入院評価分科会だけタイム スタディーで評価して、そのほかのところでは余り評価していないのだったら、これはち ょっと問題があると。今後すべての慢性期医療については9分類ありまして、そこにおい て行われるタイムスタディーによって診療報酬が決まって、タイムスタディーをやってい なければ診療報酬は一切上げられないというのもまたおかしな話ですし、来年度からはこ のタイムスタディーのやり方の調整と、またほかによりよい職員のかかわり方、また診療 の質を図るようなものをやっぱりこの委員会でも検討して、本当に正しい現状を反映した ような制度というものをつくっていく必要があるのではないかというふうに思いましたの で、一言お話しさせていただきました。  ありがとうございます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  それでは、DPCにおけるタイムスタディーのところだけ事務局から答えていただけま すか。 ○佐々木課長補佐  DPCはタイムスタディーという形では実施しておりませんで、恐らくタイムスタディ ーということであれば介護の報酬の、いろいろディスカッションの際にはそういうものを 使って議論しているかと思いますけれども、DPCは特にやっていないということです。 ○池上分科会長  ちょっと事実確認だけさせていただいた上で、今、武久委員から出た意見のほかにあれ ば何かどうぞ。  三上委員、どうぞ。 ○三上委員  13対1、15対1の一般病床と医療療養の患者特性が非常に類似しているというのは、 この報告書の27ページと28ページをもって近似しているというふうに最初書かれてい るわけですけれども、私自身は、13対1の医療区分3が32.3%いて、医療療養が1 9.7%ということで、1.5倍以上の差があるというふうなことを、これを科学的に見 て近似していると言えるのかどうかということが1つと、右側の28ページのほうのそれ ぞれ個々の処置等、医療区分採用項目の該当状況の図表38ですけれども、そこでも24 時間点滴や中心静脈、透析、肺炎といったようなものについては倍以上違っているという ふうなことで、私は患者特性としてはかなり違う患者さんが入っているのではないか、当 然、同じような患者さんもかなり一定程度入っていると思うのですけれども、病棟全体と 見てもかなり違うのではないかという気はいたします。これを近似しているということで ずっと結論づけていくことには少し無理があるのではないかというふうに思いますし、こ こで今比較しているのは、医療療養と13対1、15対1の90日超だけを決めているわ けですけれども、それ以外にも慢性期の介護療養であるとか老健施設であるとか、あるい は7対1、10対1の一般病床にも同じような患者さんは幾分かおられるわけで、そうい ったものも調査をしないでこの13対1、15対1の90日超だけを医療療養と比較して 似ているというふうなことは少し恣意的な感じもしますし、言い過ぎてはちょっと問題が 残るのではないかというふうに思います。 ○池上分科会長  では、まずその点に関して議論させていただければと思いますが、ほかの問題はちょっ とおきまして。  では、よろしくお願いします。 ○佐柳委員  急性期とこの療養型病床の話というのは本当にやっている考え方とかそのあたりが、木 と竹をつないだようなものがそこにあるわけでして、今回の場合にはどちらかというと木 なのか竹なのか、いわゆる慢性型の状況を状態像でもってそれを急性というか、15対1 とか13対1ですから急性とも言えないですけれども、そこのところに当てはめていると いうことなんですね。だから、一方においたら13対1、15対1のその病床でやられて いる医療の考え方だとか、実際の疾患名がどうで、どういう患者さんが入っていてやって おられるのかということをちょっと抜きにした状態像だけの反映でまだやられているとい うことだと思いますね。だから、確かにこの区分でもって当てはめればこういう結果が出 た、それも類似程度は私は低いのではないかという気はするのですけれども、例えば最後 の38ページのところで見たら、「患者と同様と考えられる状態の患者が、」というふう に言葉としてなっているのですけれども、以前は近似と表現がされているのですけれども、 パターンは似ているけれども、しかしやっぱり中身自体が同じスケールでもって本当に比 較されるかが重要で、療養型の病床で言うなれば尺で、インチでつくったものを見ている ような状況で比較して、議論していくというのはちょっと危険ではないかなという感じが します。したがって、またもっと違った尺度でもってやはり十分に入念に見ていく必要が あると思います。  そういう意味で、最後の中・長期的課題ということで38ページのところですね、たし かこの前、ここは「急性期、亜急性期、慢性期それぞれの状態像が描けるよう、」これは たしかなかったような気がするのですけれども、修正されているのではないかという気が しますけれども、そういう視点をしっかり持ちながらこの議論をしていかないと、前回も 私、お話ししましたけれども、ある意味では効率性という、施設を効率性というところで 少し無理に押しつけ込んでやっていこうというところがどうしたってこれは出てくるわけ ですから、どちらもとらなければいけないのですが、やはり基本形というのは質の高い医 療、特に、私はやはり語弊があるかもしれませんけれども、急性期で、そしてすぐ何とか しなければいけないというところの優先度というのは極めて高いものがあるわけですので、 そこのところを見失わない形でこれはよく詰めていかなければいけないだろうというふう には思いますけれども。 ○池上分科会長  どうぞ。 ○武久委員  今の佐柳先生のお話はごもっともですけれども、結局これは患者さんの病態像だけを見 ているというわけではなしに、先生、いみじくもおっしゃったように、13対1、15対 1は急性期とは言えるかなと自らの疑問を呈されておりますけれども、この患者さんとい うのは90日以上入院している特定患者除外規定の患者さんですね。だから、この35ペ ージにあります【参考】によって、90日以上入院していても出来高で入院できるという、 そういう患者群に限定した調査です。したがって、一般的な急性期病院で長くいるという 患者さんと必ずしも同一ではございません。そこをまず押さえた上で、13対1、15対 1ということは10対1に比べれば看護師さんの数が少ないわけですから、当然医療ニー ズが、急性度が多少低いと思われますけれども、90日以上入院しておりますと、昨年の 10月以前は何年でも入院することができるという制度でございます。そうすると、医療 療養病床の平均在院日数とこの約15対1、13対1の患者さんで90日以上入院の患者 さんが約20%あるという。20%というと5分の1ですから、この5分の1の患者さん が一体その後、90日以後、一体どのぐらい一般の13対1、15対1で平均在院日数、 これは平均在院日数に入れなくていいことになっておりますので、結局データが余りない だろうと思うのですけれども、実質上は何年いても出来高で行けるという制度でありまし たので、ひょっとすると医療療養より長期にそこへ入院している患者さんも一部いるので はないかというふうに思われますので、そういったことも含めて、先生の疑問も含めて、 本当に急性期の病棟で診るべき患者さんなのか、いや、慢性期の療養で診てもいい患者さ んなのかというのはちゃんとデータで調査すればはっきりするわけですから、そこは先生 の御意見と私も一緒であって、本当に急性期で診ないといけない患者さんは急性期で診た らいいわけですし、それは期間によらず、多少長くてもずっと重度が続いておればそれは 継続して診るということもあり得ると思いますので、その辺をはっきりするということは どういうことかというと、私が言っているのは、一般病床の急性期と言われている13対 1、15対1の病棟で医療療養病床よりも軽い患者さんが、長期に出来高でずっと入院し ているという患者さんの割合がどのぐらいあるのかということはやっぱり調査すべきであ って、そこははっきりさせたほうが私はむしろいいのではないかというふうに思っていま す。 ○佐柳委員  大いに調査すべきだと思いますけれども、調査することに反対しているわけでも何でも ございませんで、問題は、このデータの中でも出ていますように、実際にこの医療施設、 13対1だとか15対1に入っている施設の人は多くの処置を受けているわけです。医師、 看護師が多いというだけではなくて、さっき御指摘もあったように、点滴だとかそういう 意味では処置を受けているんですよ、やはり。だから、その処置を受けている者が言うな ら余計なことをしているのかどうかというと、多分私はそこまで思い込めないというとこ ろがあるのですね。例えば、90日以上だったらもうみんな慢性かといったら、決してそ うではなくて、いわゆる状況では見えませんけれども、急変する可能性だとか、そういう ものを抱えながら延々と続いているケースというのもあるわけです。だから、一概にすべ て言えるわけではないのですけれども、その中に相当混在したものがいっぱいあるという ことだと思いますね。そのときに、だから一人一人分けてこれはこちらの施設、こちらの 施設といって、機械的に分けていくことができるかどうかというところがやはり施設のと ころで、施設類型で分けていくのと患者様の状態によって分けていくことにちょっと、ケ ースによっては非常に難しいところが必ず出てくるのですね。この前、グレーゾーンとい う話をちょっとさせていただいたのですけれども、グレーゾーンというのがどのぐらい認 められるものかというのが私は多分出てくるのだと思います。それを無理やり一つの難し い箱の中に入れて、その器の中に押し込める過程で、ある意味では非常に望ましくない形 のものが出てくるということだって当然あるので、基本的にはこの中に相当いろんなもの が入っているだろうということを想定しながら、それで基本的には急性期というものを優 先しなければ、慢性期の場合には少し余裕があるわけですから、だから急変するかもしれ ないというところのものをどんなふうにして見きわめていくかというのがやはりこれから 一つのビジョンを描きながら、「状態像を描きながら」というふうに書いていますけれど も、これは非常にいい表現をしているなと私は思って見たのですけれども、その観点が必 要だということを私はお話しさせていただきます。90日イコール慢性期とは限らない。 ○武久委員  データが出ているように中心静脈栄養とか、そういう重度の処置は医療療養では医療区 分3に当たりますから、3の患者さんを医療療養はたくさん診ているわけです。現実問題 として一般病床でもたくさん診ていると。その割合が90日以上では、一般病床のほうが 1.5倍とか多い。これは当たり前と思うのですけれども、逆に言うと医療療養でもそう いう患者さんをちゃんと診ていると。そういう患者さんは発病してから3カ月以上たって いる患者さんですから、それは当然急性期病院で診なければいけない患者さんもいますけ れども、一応急性期の処置は終わった患者さんですから、あとはどちらかというと医療療 養のほうで診られないのではなしに診ているわけです、現実に。だから、そういう患者さ んは一般病床でないと診られないというのもおかしいわけですし、医療療養でも医療区分 3としてちゃんと診てくださいというふうに付託されているわけですから、そのように医 療療養でも医療区分3の中心静脈栄養とか気管切開とか人工呼吸とかそういう人を100 人のうち10人も20人も診ているわけです、現状として。そういう現状とすると、急性 期というのは一体どこまでを急性期というのかというこの概念にもよります。佐柳先生の 状態だったら、今は安定しているけど、いつ悪くなるか分からない人は急性期だというふ うになってくると、これは急性期の定義が変わってくるのではないかというふうに思いま すけれども、基本的に医療療養でも、いつ悪くなるか分からないけれども、医療区分1と か要介護5だからずっと医療療養に入れておくという概念は全然我々は持っておりません から、だから逆に老健に入っていて落ちついていて、悪くなったら病院に入るというふう に解釈しておりますけれども、急性期という概念は先生のおっしゃるような概念と考えて いいのでしょうか。 ○佐柳委員  状態像の予測というものをどんなふうにとらえるかということだと思います。それとも う一つが、例えばここで、パターンの中でけっこう療養型医療療養病棟と、それとその他 の一般病床のところで差が出ているのが、中心静脈栄養とあとは透析とか、こういうのが 出ていますね。こういうのを見ていると、このデータから想像するに、結局、療養型病床 の中にもいろいろな取り組み方がされていると、地域の中で。先生のところがやられてい るように、非常にしっかりしてやられるところもまたあるのかもしれないし、地域に応じ てはそこまで対応できない状況の中でやられているという地域も多分あるのかもしれない。 だから、その辺あたりが相当混在しているのではないかと思います。だからといって一律 に決めてしまって、あなたはどこかに行きなさいということを、それはきれいですけれど も、やることによってけっこう大変なひずみが来るとかいうことも実際にある領域だと思 うのですね。だから、そこのところをやはり国民の医療という視点の中から、経営云々と いうよりも、私はむしろ国民の医療という視点から、一番いい医療の形のものをここでい ろいろ検討すべきだろうという視点です。だから、急性期というのもどういう定義をする かとか、そういうこともありますし、一方においてはどの地域ではどこが急性期なのかと いうのもまた出てくるのですね。そんなところも含めて深めていけばいいだろうというこ とです。 ○武久委員  だから、医療療養になる中にも限りなく急性期に近いところで患者さんを受け取ってち ゃんと治療をしているところもあれば、本当に老人収容所みたいなやり方をしているとこ ろも確かにあると思うのですけれども、医療療養でも優劣があるのと同じように、一般病 床でも優劣があります、はっきり言って。一般病床、急性期病床という名前だったら全部 医療療養にすべていいのだという概念はおかしいと思います。これは非常にバリエーショ ンが当然あるわけですから、そういう意味で診療の質というものを出していかないと、単 なる一般病床だとか療養病床、一般病床は療養病床の常に上にあるというわけでもないだ ろうし、また、医師や看護師がたくさんいれば優秀な病院だということもないのだと思い ますので、そういう意味でこのまず急性期とはどういう定義かということから始まると思 いますけれども、その後を診るいわゆる慢性期が、急性期の定義がはっきりしていないと 慢性期の定義は当然ないわけですから、そういう意味で、ここでポストアキュートという 意味で、先生がおっしゃるように幅広く実態調査をして、こういう患者さんは一体どこで 入院治療を受けたほうがいいのかということは国民の医療費の配分ということにも非常に 大きいウエートを占めますから、そこはやっぱり池上先生の指導のもとにこの会でできる だけ議論していくということに私は賛成しています。 ○池上分科会長  ちょっと事実を確認したいと思うのですけれども、まず急性、慢性という表現を今の議 論から解釈しますと、病態が急性とか慢性というよりも、医療ニーズが非常に高くて、そ して医師や看護師の管理が必要であるという意味で急性という言葉は使われているという ふうに解釈したのですけれども、もしそうであれば、これは医療区分と割合近い概念では ないかと私自身は感じました。ですから、まずそうであるかどうかということが第1の課 題だと思います。  それから、もう一つの課題は、こういうことが分かった上で、今一般病床であるところ においても、今の医療療養病床で採用されている医療区分・ADL区分に基づくこの報酬、 慢性期包括評価という報酬体系を一般病床においても90日超において適用するのかどう かという、もし適用されるのだとしたら、必ずしもそこから当該病棟から追い出されると いうことはなくて、もともと包括評価というのはその病棟の基準に基づいて決めるのでは なく、患者特性に基づいて決めるという考え方に基づいていますので、この数値を見て似 ているとか似ていないという議論をしても余り生産的でないと思いましたので、まず急性 ということは医療ニーズの程度というふうに置きかえてよろしいかどうかと。 ○佐柳委員  それに対する対応ということの要素と、それともう一つはやはり急がなければいけない のか、少し様子を見ながらやれるものなのかというのが根本的な基本的な差なのだと思い ます。だから、状況として余裕のある状況であれば、医師何人、看護師何人でこの人は対 応、この人はそうでもなくて対応という、これぐらいのことは簡単にとれるわけですけれ ども、残念ですけれども、本当に急激に変化する中で、その中で例えばICUだとかそう いうところというのはいつもいつも、じゃ動き回っているのかといったら決してそうでは ないのです。ある段階でバーンと動かなければいけないという体制をとっているというこ となのです。だから、そういう時間的な要素というのがそれにもう一つ加わらないと、お っしゃっていたどういう体制でやらなければいけないかというこちらの装備の話と、もう 一つは時間経過というものの要素が加味されないと、なかなかこれは出てこない話なので はないかなという気がしますけれどもね。 ○池上分科会長  ただ、それが2番目の私が提示した課題と結びついてくるわけで、もしこれが一般病床 の中でこういう包括評価の体系を併用するということであれば、そういう患者は一般病床 部分の出来高に戻るということは常にできるのかどうか分かりませんけれども、これは施 設基準をつくるということではなく、こういう分類に基づいた支払体系にすることがいい か悪いかではなくて、そういう可能性を提示しているだけでございますので、この2番目 の課題について事務局のお考え……。 ○佐々木課長補佐  すみません、ちょっと話題といいますか、今議論していただいているのと直接、タイミ ング的にはずれてしまったかもしれませんが、DPCの分科会では急性期の定義というの を一応して議論していただいておりますので御紹介いたしますと、急性期とは患者の病態 が不安定な状態から治療によりある程度安定した状態に至るまでということで、そういう 状態のことを指して定義づけておるというようなことでございます。参考までに御紹介い たしました。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  それでは、不安定な間は急性期ということでよろしいでしょうか。その不安定な間は特 に期間を決めずに不安定である限り急性期ということでよろしいですか。 ○佐々木課長補佐  特に何日までということは決めていないということです。 ○池上分科会長  どうぞ。 ○宇都宮企画官  補足いたしますと、今、分科会長がおっしゃったように、ある程度安定するまでという ことで、その安定の状態は治癒もあれば、軽快も寛解もあると。どういうレベルであって もある程度安定したところまでということで考えております。ですから、今おっしゃった ように、不安定な状態のときはまだ急性期の中にあるということが1点。  それから、先ほど医療ニーズのお話がありましたけれども、この定義においては医療ニ ーズということは考慮してございませんので、あくまで病気の状態がある程度安定するま でということで、これはDPC分科会としてこういう定義というものを提案して基本問題 小委員会のほうで了承されておりますので、ですからもしこちらの慢性期分科会のほうで そういった定義とまた別の角度から定義を変えたいということであれば、それは基本問題 小委員会のほうで定義のし直しというか調整というか、そういうことが必要になると思い ます。 ○池上分科会長  どうぞ。 ○武久委員  19年のDPCの分科会で、急性期の定義がなされておりますけれども、大略それでい いと思うのですけれども、問題は、85歳とか90歳の人がいろんな病気になったときに、 ある程度安定した状態とはいつなるのかと、例えば。これは40歳、50歳だったら分か るのですけれども、そうすると安定した状態が来なければずっと急性期でいるかというと、 そうでもないと思います。そのために90日という一応の縛りがあるのだろうと思うので すけれども、その辺のところを急性期の定義を非常に広く、ある程度あいまいにしておく ほうがいいのか、それが急性期であって、じゃ、高度急性期はまた違うのかとか、そうい うことになってくると非常に分かりにくくなって、我々は一応急性期の処置が終わってし ばらくたてば次はもう急性期の処置は要らないのだから、次のステップに行くのではない かというふうに私は理解していたのですけれども、何か手術なりしたり、いろんな治療を しても、ある程度よくなったけれども、またちょっと悪くなるかも分からんなと、まだ安 定していないなと、じゃ、1年間おろうかということでは、そういうふうにとられかねな い定義になっているかと思うのですが、その辺のところ我々は、受ける立場としては、じ ゃ、急性期病院から1週間で来る、術後5日で来る、抜糸はそっちでしてくれと、そうす ると我々は急性期を診ているということになるのであって、その辺のところは病院によっ て違うと思うのですけれども、どんどん回転しているところはそんなことよりももっとレ ベルの高いことをやっていると思うのですけれども、地域の中小病院の地域一般病床みた いなところでは今の定義でいいと思うのですけれども、多分DPCで定義すると、多分そ こまで行くと高齢者の慢性期はないのではないかというふうに私はちょっと極端なことを 言うと心配するのですけれども、それはDPCのほうでそういう定義をなさっているわけ ですから、それは我々のほうとしては別にそれに文句を言うではありませんけれども、現 実問題として急性期と慢性期との分け方というのは非常に難しいし、また本当だったら急 性期の患者さんを回復期や急性期や慢性期で受けている場合も現実にはあるわけですね。 その辺のところで、急性期病床というとまた違うのかなと。急性期医療というとここまで で、慢性期病床はこういう患者さんを診なさい、慢性期医療はこのけっこう境界域のとこ ろにかなりの幅があるのではないかというふうに思いますから、現実に医療療養病床でも 急性期の治療がまだ終わって十分治り切っていない人をたくさん受けている病院もありま すので、その辺のところを余りぴしゃっと整理は多分できないと思うので、両方が診合い をすればいいと思うのですが、ただし同じような患者さんの状態を診る場合には、池上先 生がおっしゃったように、ここでも出たように医療区分3が90日以上の一般病床のほう に多いと。だけど、それはIVHとかそういうので多いのだというふうにちゃんと出てい ますから、医療区分3はIVHを評価していますから、別に医療区分をそのまま一般病床 の13対1、15対1に入れても、そうすることによって無理に退院する必要がなくなっ てくるということですから、それはそういう方向で、野放図にいつまでも出来高で行くよ りはある程度医療区分を入れて、ただそれにはお医者さんの数とか看護師さんの数が相対 的に多いことを加味して当然点数はなされると思いますけれども、そういった方式をいわ ゆるポストアキュート的なところにはこの医療区分患者分類というのは妥当性もある程度、 ちょっと問題になっていますが、ある程度評価されていますから、そういう方向に行くほ うに私は、そのほうが理解は得られるのではないかというふうに思っています。 ○佐柳委員  ちょっといいですか、意見。  急性期と今言って一概にしているのは、実を言うと本当に悩み切っている話なんですね。 今、85歳以上の方がどうのこうのとか、あるいは急性期の病院でも、救命救急センター とかそういうものを動かしているところで、むしろ85歳とか本当に全身どこもここも悪 くなっているという状態で、むしろ特定の機能だけに特化した病院ではもう診られないの ですね、そういうところは。だから、むしろ一番高度なところにそういう方が逆に回って くるというようなこともあったりですね。高齢以前、60、70歳を超えたらもう手術は しないと言っていた時代の急性期と今の対応している急性期というのは相当違ったものが できていますけれども、ただ、では85歳でも今オペをしている、できる、その人のQO Lはやはり確かに上がるわけです、その段階で。単なる延命医療ということではなくて、 それをやらなかったらお亡くなりになっているわけでしょうし、それなりのことは状況と してはやっているわけで、非常に重い課題を実は急性期の中に背負い込んでいるんですよ。 そこのところを、だから余りクリアカットにしてしまうと、クリアカットで押しつけてし まうといろんなところの矛盾が出てくる。極端に言えば、本当に医療の体制だけから言っ たら急性期の医療も何歳以上の急性期という形で、小児救急があるように高齢者救急とい うのが別途あるとか、それぐらいのことがクリアにできるのだったら一つのやり方かもし れませんけれども、それは多分失礼な話になります、個々の患者さんにとってみたらです ね。だから、そういうものも包含した中でのこの数値が多分出ているということをよく見 て、さっき池上先生がおっしゃっていたように、そういうふうにここで提案している視点 もやはり入れていくこともこれは物すごく大切なことだと思います。大切だけれども、入 れ方を上手くやっていかないと、施設を類型して分けるのか、あるいはその中に今おっし ゃったように診療報酬点数の一つの枠として入れていくのかとか、そういうところをいろ いろ手法はあると思いますけれども、十分とにかく慎重にしないと、一面だけで見ていく と非常に危険な状況があるのではないかということが私の意見です。 ○池上分科会長  ちょっと申しわけありません、ここで急性、慢性の議論をするとなかなか結論は出ない と思いますので、時間の関係で、ここでは何を急性、何を慢性とすることは、解釈は出す ことはできても、実際の診療方針に結びつく形での結論を出すことはできませんので、分 科会長の権限で、この25ページの表現及びそれに関連した報告書要旨の34ページのこ の表現で、この分科会の報告書案として出されたこの表現が、どうしてもここだけは変え ないとまずいのではないかという観点から御意見をちょうだいできますでしょうか。  どうぞ。 ○三上委員  これは基本的には、先ほど来で一番急ぐのは、多分来年の診療報酬改定に向けてのこと が一番大事だと思うのですけれども、これは慢性期全体でどう見るかという話で、これは 一般病床にも医療療養と同じような形なのかどうかということを明らかにせよということ ですけれども、ここで頻回に事務局のほうが非常に似ているというふうな文言にするとい うことについての意図と言うとおかしいですけれども、心はどこにあるのかというのを少 し聞きたい。というのは、先ほど先生が言われたように、医療療養のような医療区分1、 2、3というものを特定除外の患者や一般病床の患者さんにも適用するというふうな方向 の流れをつくるためにこういうふうな形にするのかというようなことは非常に気になりま すし、私自身は違うし、診療報酬自体は基本的には出来高のほうが正しいというか適正だ と、包括にすればするほど症例によっては乖離がするのだということを思いますので、そ の辺のところの事務局の考え方を伺いたいのです。 ○佐々木課長補佐  考え方と申しますか、一般病棟のデータというのは、中医協のほうで中・長期な課題と いうことで、あわせて関連する病床についても議論していただきたいというふうなことも ありましたものですから、そういう一般病棟に関する調査もあわせて今回の分科会で御検 討いただいているというところであります。そういう意味で、今回まさしく報告書をまと めていく段階で、今、池上会長にも御提案がありましたけれども、その25ページとそれ と関連する分の記載については、委員間の意見が分かれておるというところがございまし たので、これにつきましてはとりあえずの案という形で書かせていただいておりますが、 どうしてもこういう書きぶりはよろしくないということであれば、修正していただくとい うことで一向に差し支えはないというのが事務局の立場でございます。 ○三上委員  今、委員の中で近似しているという委員と私のように似ていないのではないかという委 員と2つあるというふうな話だったのですけれども、私はここで御意見を聞いた中で、こ れがすごく似ているという意見を聞いたことはないので、もしかこれが近似しているとい うふうに思われるのであれば、その方の意見もお伺いしたいというふうに思います。 ○武久委員  近似しているとは言いません、私も。似たような傾向があると。ただし、医療区分3は 多いと。しかも、こうこうこういう処置をしている患者さんが多いという事実だけを書か れた意味なのでしょうか。 ○椎名委員  基本的に賛成です。近似しているとか類似しているとか、そういう表現ではなくて、三 上委員が言われたように、率直なその数字を挙げるなり客観的な事実を出せばいい話だと 思います。  そのほかいいですか。 ○池上分科会長  いや、まず、この25ページでは具体的にどういう表現がよろしいでしょうか。いや、 これで結論を出さないと、報告書案……。 ○三上委員  参考資料の中に私のほうの意見として、25ページと34ページ、35ページ、38ペ ージもそうですけれども、右側のほうに医療区分3のほうは高かったとか、持続点滴が多 かったということだけを書いてもらいたいと言ったので、それのほうが皆さんが一致して それを考えていただけるのだったらそう書いていただけたらありがたいと……。 ○武久委員  それは私もそういう意見です。近似というよりは類似、やっぱりね。 ○池上分科会長  いや、すみません、類似という表現ではなく。そうしますと、この参考資料のところの 2段目の段の表現という。これは25ページに対応した表現はここにはないのですけれど も。 ○三上委員  25ページも、医療療養病床の患者と比較して医療区分3が比較的多かったと、それと 同時にというふうに書いていただいたらいいのではないですか。 ○池上分科会長  この参考資料の2段目の段の三上委員のアンダーラインをしてあるところを25ページ にもそのまま置きかえるということでございますか。 ○武久委員  この25ページは、場合の構成比が類似していたが、医療区分3については30何%と 19.何%で、明らかに医療区分3のほうがこの一般病棟では多かったと。かつ、24時 間点滴や中心静脈栄養等は率が多かったと、そういうふうに事実を書いたらいいのではな いですか。 ○池上分科会長  今、御提案いただいた25ページのところに、類似していたが、医療区分3の構成比は 何%であって多いという御提案でしたけれども、それに対してはいかがでしょうか。 ○高木分科会長代理  今の武久委員の提案で私はいいと思います。なぜかというと、医療区分3がその後ろに 数字として高い数字が出て、その背景としての24時間点滴とか中心静脈栄養の、多分つ ながっていきますので、それはよろしいと思います。 ○池上分科会長  そういう……。 ○高木分科会長代理  近似とか、近似の話は別ですけれども、構成比が類似していたかというのはいきるわけ ですよね。その後ろに医療区分3の数字を挙げて、高くて、その後ろの持続点滴云々の話 につながるというのに私は賛成です。 ○三上委員  この構成比が類似しているというのは、医療区分2が一番多いという部分だけが類似し ているということですよね。2、1、3と2、3、1の順番になっているので、2が一番 多いということが類似しているということですね。 ○高木分科会長代理  結構です。その議論をやると、本当に先ほどの議論を聞いていますと、やっぱり医者の 議論だなというのは、病名から入っていく議論と、ポストアキュートというか、医療依存 度が低くなったときの生活部分の話というのを患者ベースで見ると、そっちから入らない んですよね。治った後は医療依存度が低くなったのだから生活というかね。医療依存度が 高くても神経難病のような生活というのはありますので、先ほどの議論を聞いていて、そ れをやると大変なのでというのは私もそう思いますので、今の修正ぐらいで私は納得でき ますので、それでいいなと思います。 ○池上分科会長  すみません、ほかの議題に移る前に、まずそこの表現について、この医療区分3の割合 がこのようであったがという言葉を挿入するということで、25ページについてはよろし いでしょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○池上分科会長  では、関連したところをまず解決させていただきたいと存じますので、ほかのことは、 椎名委員、申し訳ありませんが、34ページのところを次に移りたいと思いますけれども、 この(2)の[1]の在院日数による患者像の比較のこの箇所ですけれども、今の修正をここ にも反映させようとすると、この「医療区分3の割合が相対的に高いものの、」というの を、実際の割合を入れるということになるかと存じますが、そういう……。 ○武久委員  これは同じ報告書の中で同じ表現でもいいのですか。 ○池上分科会長  いや、それはむしろ、ここはまとめになるわけですから、逆に違う表現となってあれば。 ○武久委員  それだったら、数字で書くのが一番いいと思います。 ○池上分科会長  それでは、[1]の医療区分の割合が相対的に高いという前に、何%で相対的に高いという ことを挿入する修文でよろしいでしょうか。 ○高木分科会長代理  先ほどの25ページの基本的な修正でスタンスが決まれば、あとは会長一任で、修文の この辺は先ほどのスタンスが決着していますので、私は会長一任で、あとは持ち回りでや るなりして結構ですので、会長、余りいちいちやるよりは。 ○佐々木課長補佐  事務局としては、委員の先生方がせっかく来ていただいて、お手を煩わせるのはなんで すので、ちょっと今、修文案を読み上げて確認をさせていただきたいというふうには希望 しておりますけれども。 ○高木分科会長代理  25ページのところ。 ○佐々木課長補佐  25ページについては。 ○高木分科会長代理  そこでもう基本的に決まりますので。 ○池上分科会長  では、お願いします。 ○佐々木課長補佐  聞き取りをそのまましゃべりますので、このままでいいかどうか、事務局側も聞いてほ しいんだけど。まず、最初から読み上げさせていただきます。「在院91日以上の入院患 者は、医療療養病棟の患者と比較して、医療区分を適用した場合、医療区分2が多いとい う点で構成比が類似していたが、医療区分3については32.3%ということで医療療養 病棟より多かった。それと同時に、24時間持続点滴や中心静脈栄養等を実施している患 者は医療療養病棟より相対的に多くみられた。」という形で修文と聞き取りましたが。 ○池上分科会長  よろしいですか。では、今の修文で御承認いただけますでしょうか。  それでは、そうさせていただいて、これに関連するまとめの部分等は同様の表現にして いただくということで、逐一確認しないで御一任いただければと思います。よろしいでし ょうか。ありがとうございました。  では、すみません、椎名委員、さっき遮ってしまいましたので、御意見を。 ○椎名委員  最後のページの下から3行目、「基本問題小委員会と相談しながら、急性期、亜急性期 (回復期)、慢性期それぞれの状態像が描けるよう、調査設計の段階から慎重に議論を進 めていくべきである。」と、この部分なんですけれども、まずこの急性期、先ほど来定義 の議論がありましたけれども、これは基本的に今後の中・長期的な課題だと思うんですよ ね。ここで「急性期」と入れると、この分科会が急性期まで議論するのかと、そういうふ うな誤解を与えるおそれがあるのではないかと。さらに、次の亜急性期(回復期)、この 括弧の意味も分からないのですけれども、亜急性期というのが、これまたこういうものが 存在するかどうかも含めて定義がはっきりしない。そういう意味で、基本的に今後のこの 分科会における調査の課題は、要するに主たる目的としてポストアキュートの医療、その 実態を明らかにする、まずそれが大きな目的じゃないかと思うのです。ですから、ここで 急性期、亜急性期、慢性期それぞれの状態像が描けるようにと、なかなか文学的な表現と してはあれなんですけれども、やはりこれは調査専門組織ですから、きっちりと明快に意 味が分かるような形に書きかえるべきだと思います。 ○武久委員  私も賛成ですけれども、結局、亜急性期病床は現実に1万ぐらいあって、実際レセプト 調査で8,000ぐらいしかないというふうに聞いていますし、現実に私は亜急性期病棟 のほうにも行きましたけれども、医療療養の医療区分3のほうよりもはるかに重度の方が いらっしゃいますから、そういう意味では、急性期をふやすというか、亜急性期的なポス トアキュートを診られる病床をふやすという意味では私は賛成ですけれども、それが亜急 性期病棟という概念に合致した、ハード面も合致したところでないとだめだというふうな 囲い込みの仕方をするよりも、もう少しフレキシブルにその病態が診られるところであれ ば診られるだろうと思うのですけれども、その辺のところでここの分科会としては、今、 椎名委員がおっしゃったようなポストアキュートというところで概念を少しマイルドにし たほうがいいのではないかというふうに思います。 ○池上分科会長  これも時間の関係で一つ提案がございまして、ここの報告書の2ページに、中・長期的 課題として基本問題小委員会から付託された課題として「医療療養病床と機能が近接して いる病床等を含め、慢性期医療に係る調査・分析を行うこととなった。」という表現とな っていますので、ここでまた亜急性期とは何か、回復期とは何かというと、また非常に込 み入った議論となりますので、この中・長期的な付託事項の文面をこのままここに持って くるということでなら、これは付託された事項ですので、そのまま持ってくるという提案 はいかがでしょう。 ○椎名委員  私としてはそれで結構です。 ○佐々木課長補佐  事務局としてちょっと補足をさせていただきます。実はここの部分の御意見はちょっと 遅れて来られる可能性があるという猪口先生が具体的な文章の御提案があったのですが、 趣旨からしまして今の御提案で全く、多分、猪口委員として問題ないのではないかと思い ますので、来られればまたコメントをいただければと思いますけれども、実情としてはそ ういうことです。 ○池上分科会長  では、猪口委員がお見えになったらまた御意見を伺うとして、とりあえずは。またここ で、言葉の定義で時間を要する可能性も出てきますので、これについてはもう一応全員合 意したわけですので、この表現に修文していただく。これは修文、読み上げていただく必 要はないかと存じます。  では、それ以外の箇所についていかがでしょう。 ○三上委員  これは順番に、この参考資料に出ているようなやつを順番に見るのですか。 ○池上分科会長  いや、参考資料のところはまとめを中心になっていますので、今、まとめ以外のところ の議論は一応尽きましたので。  では、33ページのところから順に確認していってよろしいでしょうか。その前のとこ ろは一応とりあえず合意いただいたということで。33ページの上のところ、これは技術 的な問題ですので、このような方法に従って行ったというところが33ページの上のとこ ろの課題です。まず、これについてはこの表現でよろしいでしょうか。  猪口先生、すみません、ちょっと議論を進めさせていただいて、今は慢−4の33ペー ジのところで、こちらでは黄色くハイライトしてあるところの上の部分について、まずこ のような事務局案についてこれでよろしいでしょうかという、順に確認をさせていただい ているところでございます。  では、33ページの上の表現はこれでよろしいですか。  では、33ページの(イ)収入の経年変化について、褥瘡評価実施加算がADL区分3 に直接反映していないから過小に推計している可能性があるという点でございますけれど も、これは技術的な問題でございますのでよろしいでしょうか。 ○高木分科会長代理  基本的にこの辺って解釈の話ですよね。あとはこっちの技術的な精査の、制度の話です ので、このままで私はいいと思います。 ○池上分科会長  では、この(イ)、(ウ)を含めて、33ページはよろしいでしょうか。  次に、33ページの[4]のところで、提供されている医療サービスの質についてというと ころで、下から7行ぐらいがハイライトされていますけれども、これもまとめとしての文 章でございますけれども、表現としてよろしいでしょうか。 ○椎名委員  これでオーケーだと思います。  前回の資料では、リスク調整といった言葉が使われていたが、それを分かりやすく書き かえたものと思いますので、こちらのほうが適切だと思います。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  では、33ページまでよろしいでしょうか。  では、34ページについては、これは先ほどの25ページで合意した内容をここにも反 映するということで、以下は分科会長である私と事務局でこの内容が反映するようにお約 束するということでよろしいでしょうか。 〔「結構です」と呼ぶ者あり〕 ○池上分科会長  続きまして35ページについて、ここも同じ、25ページの延長でございますので、2 5ページの修文した内容が反映するようにお約束しますので、よろしいでしょうか。 〔「結構です」と呼ぶ者あり〕 ○池上分科会長  ありがとうございました。  では、35ページまでのところを一応、修文するなりお任せいただくということで進め させていただきます。  では、36ページの(1)の患者分類の妥当性について、この表現であります。この中 ほどの2段落の表現でございます。 ○三上委員  これも私と武久委員が意見を参考資料の中で出していますけれども、1つは、この妥当 性について、18年度慢性期の結果に基づいておおむね妥当だと評価しているのですが、 これは評価したのですけれども、「既に、」というよりは「以前に、」ということで、 「既に、」と言ったら今回ももう言う必要もないというような感じがするので、以前に1 8年度調査ではこうしたと、でも20年度調査ではどうなのだという言い方にしていただ きたいということが1つ。  それから、先ほどの33ページの(ア)、(イ)、(ウ)ですね、いろいろ留意する必 要があるとか、何々が可能性があるというふうな形でいろいろ問題点がある。そこで私は 現在の9分類の妥当性が維持されていると言い切ることはできないというふうな形に、言 ってもいいかもしれないけど、言い切ることはできないのではないかと。高木先生はかな りこれには反論がありそうなのですが、私は、タイムスタディーをしていなくて、形とし てもリハビリ等についてもかなり、時給も700円ぐらい上がっているんですよね、リハ ビリの方の。だから、そういう細かいところも全然今回はタイムスタディーしていないわ けですし、加算の部分もかなり変わったりしているので、診療報酬とこういう区分が非常 にマッチしたかどうか、妥当な形になっているかどうかということを言い切らなくてもい いのではないかと思うのですけれども。 ○池上分科会長  そうしますと、例えばどんな表現に。 ○三上委員  だから、ここに書いてあるとおりです。 ○池上分科会長  失礼しました。参考資料の2ページに、36ページの、この三上委員というところのこ こにこういう修文が提案されています。このように修文することに関してはいかがでしょ うか。 ○高木分科会長代理  要するに、医療区分とADL区分という3掛ける3の骨格をまず、確かに最終的には細 かなタイムスタディーで分岐を議論するのはタイムスタディーでやってきましたけれども、 生活と医療の3掛ける3でやるというのは崩れると私は思っていないので、崩れたとは思 っていないので、ただ分岐の細かな検証は今回タイムスタディーをやっていないので、そ のとおりかもしれませんけれども、やっぱりせっかく始まった基本骨格に関して私は余り 修正を、やっていないから妥当とは言えないというのは言い過ぎではないかなというのは 私の意見です。 ○三上委員  私も別に妥当でないとは言っていませんよ。妥当だと言い切るのはいかがなものかと言 っているだけで、というのは基本的にこの9分類というのはどういう分類をしてもいいで すけれども、1つの分類ごとの医療資源の使い道が大体同じぐらいの分を一塊ずつにして きているはずですよね。そういう分類をしているわけです。ですから、収入と費用の形が バランスはとれて、それが診療報酬に反映されているということは妥当であるという評価 ですけれども、この場合はそれがちょっと言えない、言い切れないもではないかというふ うに私は思っています。 ○武久委員  診療報酬と合っていないと妥当でないということでいいのですか。これは分類であって、 診療報酬とはリンクしないのではないですか。どっちですか。 ○高木分科会長代理  基本的にもうかる、もうからないはこちらの権限ではありませんので、設定に関しては。 ○武久委員  それだったら、先生、ここでの9分類に医学的に分けたことはおおむね妥当だと思いま すけれども、赤字と黒字とあるように、診療報酬であればそれは合いませんよね、はっき り言えば。だけど、それは合っていないと妥当であると言わないという先生の御意見だけ ど、ちょっと違いますね、その診療報酬とはね。 ○高木分科会長代理  私はまさに区分の話で言っていますので、ここは。細かな区分のところをつつけば、タ イムスタディーでグルーピングの動かしはあるでしょうと。しかし、それをもってして、 やっていないことをもってして妥当性云々のことを、三上先生は妥当でないとは言ってい ないと言いますけれども、逆にせっかく始まったこの3分類の、この3掛ける3の骨格を 余り動かしたくないなと。要するに構造と変化というか、構造の組み立ては妥当であると いうことで、私は。 ○三上委員  わかりました。一つ思うのは、例えば医療区分1のADL3というのが非常に手間がか かると、多分タイムスタディーもかなり時間がかかっていますよね。これを医療区分1の ところに入れているわけです、言えば。最後のレセプトの内容のところに少し言っている のですけれども、例えば項目が複数該当すれば、その医療区分を見直すというのですか、 その医療区分を変更できるようなそういうふうな形というのも当然考えられるわけで、そ うなれば医療区分自体の考え方というのが変わるという可能性がありますから、そちらの ほうが妥当ではないかと。いわゆる医療資源の係りぐあいで分類をしていくということが 基本的な考え方とすれば、そういうことをしなければならないけれども、これは1項目医 療区分2の項目があれば医療区分2ですけれども、医療区分2の項目が5つも6つもあっ ても、医療区分2のままだという、それが本当に妥当なのかということについても言及し ていませんから、5つ6つあれば多分すごくタイムスタディーやれば時間がかかるし、手 間もかかるし、材料もかかるしということがあるはずなのですけれども、その辺が全く議 論されていないですから、私は言い切れないというふうに言いたいと思います。 ○池上分科会長  これはこういう修文ではいかがでしょうか。9分類にするということ自体はよろしいの ではないかと思いますので、ですから、9分類の基本骨格の妥当性は維持されていると考 えられるという表現はいかがでしょうか。 ○三上委員  それは構いません。中身は別ですか。 ○池上分科会長  その解釈はまたそれぞれだと思うのですけれども、9分類の基本骨格の妥当性は維持さ れているという表現でしたらよろしいでしょうか。 ○武久委員  だから、先生もおっしゃったけれども、医療区分2の項目が1つでもあったら医療区分 2であって、3つあっても4つあっても医療区分2だと。医療区分3でも同じだけれども。 そういうふうに常識的に考えてそうでないですかと言っても、いや、タイムスタディーで は余り大きな差がなかったので、それは項目が3つ4つあろうと1つであろうと一緒だと いうふうに断言されてしまった前回の、20年度改定のときのタイムスタディーも判断と いうのですかね、それが、タイムスタディーの結果がこうだったからこうだと言い切れる だけの信頼性、リライアビリティーがタイムスタディーにあるのかと私は逆に思うのです けれども。したがって、今度その項目が、三上先生がおっしゃったように複数の項目が該 当していても、タイムスタディーを次のときにしなければ一切ここでは診療報酬は変えな いのだというふうに判断されるとすると、そこのところについては妥当でないと私は思い ます。常識的にですね。 ○高木分科会長代理  それは当たり前で、途中の変動がありますので、それは例えば物価とかそういう変動に 伴うコストの増というのはおおよそ外挿できますので、だからやらないからこれを上げな いとか、そういうのは私も考えていませんで、ただ基本構造の妥当に関しては、私は妥当 だと思うので、タイムスタディーをやらなかったから基本構造がさも妥当でないような書 きぶりを私はおかしいのではないかと、今の座長提案で私は結構ですけれども、それは当 然だと思います。 ○池上分科会長  今後、このタイムスタディーをやるとして、どんな方法があるかということも含めて、 これは宿題として残る課題だと思いますけれども。 ○三上委員  基本骨格、別に構いません。ただ、さっき言いましたように、37ページのレセプトの ところで私、参考資料2の一番下にありますように「多項目該当の場合など、医療区分の 変更を考慮する等十分な検討」があるということを書き加えていただけるのなら、それで 構いません。 ○武久委員  私も賛成です。 ○池上分科会長  では、ここはとりあえず36ページのところは先ほど御提案があったように「分科会は 既に、」ではなくて「以前に、」という表現に改めて、そして「9分類の基本骨格の妥当 性は維持されていると考えられる。」ととりあえずしてよろしいですか、そこまで。  続きまして、これは37ページについて、[4]についてこのような表現になっている。こ れについてもう一度、すみません。 ○三上委員  これにつきまして、前回インセンティブの話をして、高木分科会長代理がそれはだめだ というふうな意見があったと思うのですが、私が申し上げたインセンティブは、ここの参 考資料に書いてありますように、多項目該当、ですからたくさん記載しなくてはならない ということについて、1つでも3つ書いても一緒だということであればなかなか書けない ので、多項目の場合には医療区分が変わる可能性もあるよというふうなことが十分考慮さ れればこういう。ですから、最後の「さらに、上記(ア)(イ)に関する医療現場の負担 については、」のところを「負担を考慮し、多項目該当の場合など、医療区分の変更を考 慮する等十分な検討が必要だ」というふうに書き加えていただきたいというのが、インセ ンティブと申し上げたことです。だから、これをたくさん書けば報酬で何点つけるという 話とは全然違うので、ちょっと誤解があったのだと思います。 ○高木分科会長代理  確認の意味で質問しますと、要するに事務負担の話。 ○三上委員  事務負担というか、その負担ですね。事務負担だけじゃないですよ。 ○高木分科会長代理  でも、基本的にはきちっとした診療録を書く急性期であれば、急性期も慢性期も私は同 じだと思うので、慢性期のところだけきちっとしたこういう評価票の議論をするのはいか がなものか。私としては、急性期でも慢性期でも患者のそういうことに、状態に関する記 録というのは同じようなレベルでとっているはずなので、ちょっと疑問があったので、そ れについてはインセンティブを言うにはちょっと大変かなというのがあります。 ○武久委員  三上先生の今の文言を入れていただければ、私としても賛成です。 ○高木分科会長代理  問題提起として、前回の要するに高い点数、低い点数の話とは今の事務負担の話は違い ますので、書くのは私は結構ですので、ただそれをどう診療報酬上評価するかは上の問題 として、それは結構です。 ○池上分科会長  確認ですが、高木委員のお考えでは、この参考資料2のこの一番下の表現でよろしいと いうことで。 ○高木分科会長代理  37はね。 ○佐々木課長補佐  それに関して御議論をもうちょっとお願いしたいということとしましては、この表現に ついては今回の分科会のほうでこういう具体的な御議論というのは今回が初めてかなとい うふうに思っておりますけれども、具体的にどのような適用をするのかというような提案 も含めて中医協のほうに行うのかどうか。これですと非常に抽象的な表現でございますし、 今までの議論の中では十分熟度を持って御議論いただいていないところでもありますので、 どのような形で提案として書くのかというところはちょっともう少し深めた御議論をいた だければと思いますけれども。 ○武久委員  多項目の場合には、医療区分を上げるかとか、別に評価するかとかいうのは既に20年 の改定の前のこの分科会で検討されて、その結果、タイムスタディーもやられたというふ うに聞いておりますので、既にそういう文言は前のときから入っていますから、今回入れ ても別に問題はないというふうに思います。 ○佐々木補佐  申し訳ございません、今、理解ができなかったのですけれども、20年度の報告書の中 にそういう記載があると。ちょっと事務局のほうが十分把握し切れていないのかもしれま せんけれども、そういう御議論が20年の報告書の中にあるということでございましょう か。 ○武久委員  タイムスタディーをしたときに、いろんな多項目が該当するのと1項目だけしか該当し ないのとで、タイムスタディーで関与の割合をデータが既に出されているわけでして、そ のときに多項目、複数の項目があろうと1つであろうとそんな大きな差はないからいいで はないかというふうになったと私は聞いているのですけれども。 ○佐々木補佐  わかりました。そういう意味であれば、今、報告書を確認しておりますけれども、そう いう記載はございます。わかりました。 ○高木分科会長代理  まさに私も、今、三上先生のこの2ページのところで、区分変更までの議論はあり得な いと思っていまして、要するに、1つでひっかけられるという人と、たくさんの裏に、前 衛に出てきたものと後衛にあるものを細かくは見ましょうと。後衛にあるものも前に出て くる可能性はありますよという話でこの区分というのはつくっているわけですよね。です から、3項目ついたからこっちという話はなくて、まさにベースとしてのタイムスタディ ーはきっちりやらないと、これとこれとこれがついたからこっちというのなら、やっぱり それは現場に対しても失礼だし、同じ時間でおれはこれだけ診ているという話だと思いま すので。私はてっきり、要するにきちっと評価票を書くことの事務負担の評価だと思って いましたので、多項目の、だからそれで区分変更という話はけっこうすごい危険……。 ○武久委員  そういうことではないです、先生。それはそうではなしに、1つでも2、1つでも3、 だけど実際の病態は3つも4つも重なっていると。だけど、1つ書けばいいですよという ふうに今ではなっていると。それを4つ全部書けというのは何らかのインセンティブがな いとみんな書かないのではないですかということを言っているわけであって、だからそれ は医療区分を変えようが加算にしようが、それはまた別の問題で、それは医療課の問題で すから、だからそこは考慮、検討されたいという文言で終わっているわけですからいいの ではないでしょうか。 ○高木分科会長代理  確認の意味で言わせていただくと、まさにそれで結構ですけれども、ただ記録としての 評価票を語るのであればきちっとつけておくのがプロじゃないですかという意味ですね。 要するに、診療報酬の支払いの仕組みと、1項目でいいわけですよね。しかし、質の議論 をしていくときに、もっときちっとしたデータが欲しいなという……。 ○武久委員  それはデータの問題であって、それは現実問題でそこまで全部書けというふうに決まれ ば書くと思いますよ。だけど、1つでもいいと、3つあろうと2つあろうと、1つで余り 変わらないのだから、医療区分も全然変わらないよというふうになったら、それは1つで いいとなったら1つ書きますよ、それは。だから、それはここで4つあったら4つ全部書 けというふうに決めれば、それは書くでしょうけれども、それは学問的な問題とはまた全 然別の問題です。 ○三上委員  これ、包括評価のレセプトの作成について、出来高等の受理、すべての医療行為とか処 置とかを書くということは現在なっていないわけですよ。だから、それを本当に高木先生 もそうおっしゃるのであれば、それをやはり評価する形でないと、評価されないものは書 かないでしょう。不必要と、請求書ですからね、あれは。 ○池上分科会長  私はたまたまDPC評価分科会の委員をしておりますので、DPCの場合には、かなり 膨大なデータが、これはDPCを手挙げで選んだ病院だから、それを承知の上でDPC対 象病院になっているわけですが、その事務負担を考慮するべきであるという議論はあるの ですけれども、現在のところではその事務負担に対する経済補償はないまま行われている わけです。それは今後どうするかというのはDPCの対応としてあるわけですけれども。 ○武久委員  それは先生、ちょっと違うのではないですか。調整係数とかいろいろなことで、今まで の出来高の経営状態をある程度担保するという意味でつくられているということは、医療 療養の場合はどさっと1、2、3で1がだあっと下がったわけですから、DPCと全然環 境が違いますよ。 ○池上分科会長  いや、私が申し上げているのは、包括評価の考え方としてこのデータを、質を担保する ために必要だと……。 ○武久委員  だから、その事務費の分はその中に入っているわけですよ、DPCの中に。 ○椎名委員  37ページの文言、表現に戻ってよろしいでしょうか。  今、三上委員から、多項目該当とか、そういった言葉が出てきているわけですけれども、 武久委員から、18年度の報告書に既に記載があると。まず、それは事実だから、それを ちょっと配ってください。何を議論しているか明確になっていないから、その辺を明確に してから議論しましょう。 ○佐々木課長補佐  ちょっとお時間をいただけますか。それで、ちょっと今、当然コピーなどをする時間も 必要でございますので。そこはちょっと別のところを御議論いただけますでしょうか、そ れでしたら。どうしましょうか。御指示いただければ事務局はそのとおりにいたします。 ○猪口委員  よろしいですか。何かうろ覚えとか、そういう段階で言うのはなんなのですけれども、 要するに多項目で余り差が出なかったという前回の結果がもしあるとすれば、ここで多項 目を評価せよと言ってもなかなか難しいだろうから、多項目該当については今後の課題の 一つとして上げておくというところでとどめて、もう一回調査すればいいのではないです か。 ○三上委員  だから検討を……。 ○猪口委員  だから、多項目該当の場合のタイムスタディーの変化とか、そういうものについて今後 もう一回検証する必要があるということでいいのではないですかね。 ○池上分科会長  じゃ、時間の関係で、今、38ページ、ちょうど猪口委員がいらっしゃる前に一つの結 論を出したので、これは38ページの最後の3行のところ、「急性期、亜急性期(回復 期)、慢性期それぞれの状態像が描けるよう、」云々という、これは事務局から猪口委員 の御提案を入れて修正であったというふうに伺ったのですけれども、ちょうどいらっしゃ る前にこの亜急性期とは何か、急性期とは何かというまたその議論に、かなりそれについ て長い議論があったわけですね。その議論にまたなる危険性があるので、ここの表現をこ の報告書案の2ページの上にある(2)の[2]の中・長期的課題というところに「医療療養 病床と機能が近接している病床等を含め、慢性期医療に係る調査・分析を行うこととなっ た。」というこの表現をそのまま38ページのこの最後に置きかえたということで一応合 意をさせていただいたのですけれども、これは猪口委員の御意見でこのようになったとい うことですので、それでよろしいかどうか、一応確認させていただきたいと思います。 ○猪口委員  別にこれはこういう形で将来的にもう限定されて機能が分化していくということが今決 まっているわけでも何でもないので、そこを書きかえるのは仕様がないと思う。ただ、今 の一般病床って何とかいう定義すらない中で、もう少しはっきりと急性期、例えば亜急性 期があるかどうか分からないけれども、そういうような機能分化というのをある程度どこ かで定めていかないと、今後の進めていく方向性というのは決めづらいのではないかなと いう気はするのですね。慢性期に近接する……。 ○池上分科会長  いや、「医療療養病床と機能が近接している病床等」というふうになっています。2ペ ージにある。 ○武久委員  だから、猪口先生、急性期を定義して、またあとの病床機能を定義するのはここの分科 会の仕事ではないだろうから……。 ○猪口委員  それはそう思います。 ○武久委員  そういう意味で、池上先生はこの2ページのところのような表現のほうがいいのではな いですかと……。 ○猪口委員  当分科会の報告としてはそれでいいのではないでしょうか。 ○池上分科会長  もちろん、今後この分科会は続くとして、この機能とは何か、医療療養病床と機能は。 じゃ、医療療養病床の機能は何かというところからまた改めて考えなければいけない問題 ですので、ここではあえて急性期、亜急性期(回復期)という表現ではなく、付託された 事項をそのまま反映した文章への修文ということでよろしいですね。 ○猪口委員  それは結構です。 ○池上分科会長  では、38ページの最後の部分の修文はこのようにさせていただいて、さっきのこの3 7ページの下に入る前に、このほかのところはよろしいですか。 ○三上委員  38ページのところですけれども、医療療養に入院している患者と同様と考えられる状 態の患者がいると示唆され、実態があることを示唆されたという、同様かどうかというの はどうですかね。同様の状態像と言っていいのですか。 ○高木分科会長代理  先ほどの関連ですね。 ○三上委員  先ほどの、ええ。 ○高木分科会長代理  ここも委員長一任で。 ○三上委員  ちょっと文言を変えていただいたほうが。正確な事実だけに。 ○高木分科会長代理  確かにそうですね。委員長一任の部分ですよね。13対1、15対1……。 ○三上委員  それと、下から5行目に「今回の調査によって一定の知見が得られた」というふうに言 っていますが、これはどうでしょうか、池上先生。 ○池上分科会長  38ページのところで「回収率が著しく低い等の問題点はあるものの、」というこの段 落について「今回の調査によって一定の知見が得られたものと考えられる。」というこの 表現の適切性を指摘されました。それで……。 ○三上委員  これは日本語としても「13対1病棟及び15対1病棟の入院患者や提供されている医 療サービスに関する実態調査はこれまでに実施されておらず、」という「おらず、」とい うことであるのは、抽出数が低くて調査も行われておらずということであれば、一定の知 見が得られたものと考えたらいけないのではないかなと思うのですけれども、どうなので しょうか。ですから、そういう意味で参考資料の3に書いてあるように、問題点があると いうことで、今後もっと検討しましょうというふうに書いたほうがいいのではないかと思 いますけれども、報告書としては。 ○武久委員  それはだから、こうなったと断定しているわけじゃなしに「一定の知見が得られた」と いうことは一定の結果が得られたという意味ですから、別にいいのではないですか。 ○池上分科会長  では、この「一定の知見」という言葉をほかの言葉に。 ○武久委員  一定の結果が得られたみたいにね。 ○池上分科会長  「一定の結果」という言葉は。 ○高木分科会長代理  この部分は上の部分と違って、要するに13対1、15対1の調査の性格と、やったよ というアリバイだけですので、委員長に任せます。上のほうは先ほどの姿勢で委員長に一 任で。 ○池上分科会長  いや、一任と言われても、表現の問題として「一定の知見」という言葉のままでよろし いか。 ○佐柳委員  一定の知見というのはやっぱり一つの認識を述べるので、これはその後の、これまで本 当に実施されていなかったのであれば、私は知らないのですけれども、ほかに類するもの がないのであれば「今回の調査によって最初の所見が得られた」とかのほうが正しいので はないかという気がしますけどね。 ○池上分科会長  それでは、今のそういう表現を採用させていただいて「今回の調査によって最初の所見 が得られた」と。そうすると「考えられる。」も要らないので「最初の所見が得られた」 というふうに。では、そういう表現でよろしいですか。  その上の段落について「同様」という表現は、これはここでの議論が反映されるような 形で修文させていただくということでよろしいでしょうか。  すみません、事務局は今コピー中ですか。 ○佐々木課長補佐  コピー中です、すみません。ここは医療課とちょっと遠いものですから、申し訳ござい ません、ちょっと手間取っております。 ○池上分科会長  それは時間の関係で、じゃその箇所を除いて、つまり37ページの下の箇所を除いて、 25ページの修文を反映させた形で、あとは私、分科会長に御一任いただくということで よろしいでしょうか。 〔「結構です」と呼ぶ者あり〕 ○池上分科会長  ありがとうございました。  では、このまま待つしかないのですね、時間は。 ○佐々木課長補佐  では、今後のスケジュールにつきまして、まだ報告書案、確定はしておりませんけれど も、本日の議論を踏まえた結果で会長預かりのものも整えた上で、基本問題小委員会のほ うに分科会長のほうから御報告をいただくという予定でございます。それを踏まえて今後、 具体的な改定の議論の中にこの分科会の御議論の結果というものが活用されてくると、こ ういうスケジュールでございます。具体的には今月か遅くとも来月のどこかで分科会長に ご報告いただくことになると思われます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  では、そのほかの点では、今、事務局からスケジュールは御提示していただきましたけ れども、先にその点についてよろしゅうございますでしょうか。  その後の修文した内容を最終的に各委員にお配りするという。 ○佐々木課長補佐  それはこの形で御報告しますという形になると思います。会長預かりということでござ いますので、この形で中医協に報告しますという形で各委員には御報告するということに なると理解しております。 ○池上分科会長  それでは、これは御意見をちょうだいするということではなくて、このように報告させ ていただきますという、報告書案ではなく報告書を決定版として送らせていただきますと いうことでよろしゅうございますでしょうか。  ありがとうございました。  申し訳ございません、ちょっと時間がもったいないので、今、コピーした分を……。 ○佐々木課長補佐  今、コピーしているものを、原本をまず私が読み上げて、どういう記載があるか御紹介 をいたします。今、コピーに行っております。申し訳ございません。  前回の分科会の、今お手元に届けようと思っている資料は、実はよくよく調べてみたと ころ、報告書の中には記載がございませんでした。ただし、分科会の中での議論の、用い ました資料の中に、複数の、医療区分2の評価項目が3つ以上の場合に区分が変わるかど うかという検討を行うというものがございまして、その結果に合わせて解析をしたところ、 医療区分2の評価項目が3つ以上の場合であってもすべて、ケア時間とか、1日の費用に ついて医療区分2と変わらないというデータ、計算結果、後でお配りいたしますけれども、 そういうものが出ておりまして、その結果、複数該当ということについて区分変更等の評 価は行わないでいいという御議論の結果ということに至っているということでございます。 それについては報告書本体には実は書いておりませんが、分科会資料としてお出しをして おります。 ○池上分科会長  椎名委員、これからコピーを用意されましたけれども、一応内容としてはそういうこと であって、複数項目該当してもコスト的には変わらなかったということは分科会の検討事 項として記録がなされているということでございます。 ○椎名委員  ですから、そういう事実があるのでしたら、先ほど猪口委員が提案したような形にすべ きだと思います。具体的に言うと、やはり多項目該当の場合、医療区分の変更を考慮する という記載は不適切だと思います。 ○三上委員  前回の分科会で、今、補佐のほうからあったような話が、タイムスタディー等含めても 余り医療資源の使い方に変わりはなかったのではないかという話ですが、これは実際現場 を預かる者としては非常に感覚的にはずれているなと思ったのは、タイムスタディーで医 療資源を図るということに問題があるのかもしれないので、その辺も含めて考慮してもら いたいという話ですから、以前のやり方が全く正しいものであればそういうことも言える かもしれませんけれども、現場の実感としては全く違うと。やはり2つ3つ4つ5つあれ ば、全然その手間も違いますし、医療材料等の材料費なんかも当然変わってくるわけで、 これが違うという結論を出された分科会の検証方法についても私は非常に、現場から見て もちょっと違うのではないかと思うので、これを検討していただきたいということです。 ○池上分科会長  よろしいですか。もしそうであるなら、37ページで言うのは、レセプトに添付された 評価票を利用する場合の云々でございますので、今、三上委員から御指摘いただいたのは この分類そのものについての考え方でありますから、その場合にはこの36ページの患者 分類の妥当性について、多項目該当の場合はどうなるかということを、今回はできません けれども、次回分科会がもし続くものとして、改めて検討するという、そのタイムスタデ ィーの方法あるいはほかの方法も含めて検討するということをむしろ36ページのほうに 入れるということでよろしいでしょうか。 ○椎名委員  今の分科会長の整理案に賛成します。妥当性についてにその辺を入れ込むと、そういう 形であれば賛成です。 ○高木分科会長代理  三上先生が言う、そのとおりなんですね。しかし、時間というのでしかとりあえずはか れないと、コストを。そこに質が入っているという議論だと思うのですね。それはまさに 現場感覚の話で、タイムスタディーがすべてだとは思っていません。あくまでも時間では かっているという限界は重々承知していますので、今は座長の整理で私はいいと思います けれども、それって、じゃ、それにかわる質を含んだコストって大変ですよというのを一 言私は言いたいと思います。 ○池上分科会長  これは現場感覚も実はこの9分類を開発するときに重視しまして、各病院、御協力いた だいた病院に対して、御協力いただいた患者さんの分類はこのようになったけれども、こ の分類として適切かどうかということを確認させていただいたのですね。ですから、タイ ムスタディーだけの結果をもって区分を決定したわけではなく、そのような形でまた検証 するということが今後のまた、この分科会が継続するとして、課題ではないかと思います ので、もしよろしければ、36ページの患者分類の妥当性のところのこの下に、36ペー ジのこのマーカーがついたVの1の(1)の一番下の段ですね、※1の前のところですけ れども、「いずれにしても、高齢化の進展や医療技術の進歩等を勘案しながら、医療区分 採用項目の該当状況やその経年変化等に関する調査を今後も引き続き実施していく必要が ある。」という中に、もし多項目該当する場合の評価という言葉をこの中に入れることに よって解決できるのではないかと思いますけれども。 〔「結構です」と呼ぶ者あり〕 ○佐々木課長補佐  ここは文言を新しい案に決めさせていただければと思うのですが、読み上げてよろしい でしょうか、今の話。「いずれにしても、」から読み上げますと「高齢化の進展や医療技 術の進歩等を勘案しながら、医療区分採用項目の該当状況、その経年変化や多項目該当の 場合などに関する調査を今後も引き続き実施していく必要がある。」と、こういう感じで よろしいでしょうか。 ○池上分科会長  よろしいですか。  逆にそこでその表現が入ることによって、37ページの表現はこの表現のままでよろし いですか。  それでは、そのようにさせていただいて、ほかの点については既に合意でいただきまし たので、ちょっと時間を20分経過してしまいましたけれども、ありがとうございます。  それでは、当分科会における議論を踏まえまして、平成20年度慢性期入院医療の包括 評価に関する調査、平成20年度一般病棟で提供される医療の実態調査、平成20年度慢 性期入院医療の包括評価に関する調査報告書について、分科会長である私から中央社会保 険医療協議会診療報酬基本問題小委員会に報告をしたいと思いますのでよろしいでしょう か。  ありがとうございます。  それでは,本日の議論は以上としたいと思います。これで平成21年度第7回診療報酬 調査専門組織(慢性期入院医療の包括評価調査分科会)を終了させていただきます。お忙 しいところ、ありがとうございました。 −了− 【照会先】 厚生労働省保険局医療課包括医療推進係 代表 03−5253−1111(内3289)